2ntブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

ボクらの 棲む街 (3の2)

 ボク リク坊の 1日のはじまりは 早いのです ええ。

だいたいにおいて、家では 4時半に起床して、1時間ほど勉強、本日の授業の予習です。
         181103aa.jpg

まだ夜明けの気配も薄い、朝の道を海の方へ歩き、地元宮津の「漁連」に行き、魚市場の片付けや、河岸の若い衆の真似事 アルバイト仕事をする。


6時過ぎてそれも終わり、我が家に戻って、家族6名分の朝食を ほぼほぼ毎日作ります。

それから自分用の昼の弁当と、オヤジが居る際には ムカつくけど、オヤジの分の弁当も作り。

7時半に 行ってきますで学校、平日5日は 毎朝、45分ほどの ラグビー部の 朝練で。

で 6時限目が終わるまで昼寝して(笑)放課後は夕刻 暗くなるまで部活練習 けっこ~カラダ ボロカスに。。。

それでガッコよりの帰り道、『30分ダケ』寄り道して、ゲーセン寄ったりして よりによって、愚かにもこのわたいにカツアゲしてくる不良を ボッコボコにしてヤって♪ ご満悦で帰りつきます。
          181103aa1.jpg

週末には 空手と合気道、それと隣町まで ブラジリアン柔術の練習へと出かけます。

観光かきいれ時や 週末には、すぐ近所の セイキロウって一流旅館へ フトン敷きや 板場の手伝いバイトにも出ます。

夕飯終わり 風呂にも入って、2時間半ほど 自主勉強をします。教科書が中心、塾や家庭教師って程 テメエは坊ちゃんでは無いって思ってましたからネ。

このよな生活で 「抜け落ちてる」というならば それは『テレビを観る時間』で。未だに同世代間で 90年代当時の会話をする際、浦島太郎的なのは 当時の生活スタイルのせいです はい。


ほんで、さすがに・・・夜も10時過ぎたならば、マジでもって『バタンQ!』でス。気絶に近しく 眠る。。。
 

よく他人からは、《どうしてそこまでやる?》とか《自分を追い込み過ぎてない?》って言われますが、

我が家は 齧るべき親のスネは期待できませんしネ(^^;要は・・・《準備》でス。

高校卒業ってなら、ボクは テメエで選んだ スキな大学入るツモリですし、その受験料からはじまり、最低でも1年の授業料、アパート借りるための敷金礼金 ぶっちゃけ それが無いと・・・

社会的にチンケな若者でしかないボク、ヤクザとオマワリの いいなりになってしまう畏れがあるから。。。
              181103aa3.jpg
          青二才なりの防御・ディフェンスなのだ

だから、1日 2千円弱の早朝バイト、コツコツと貯めて、旅館のバイトやご祝儀も、すべてはテメエの《未来の為》けっして 坊ちゃん育ちではない 街っ子の所以です ええ。

           181103aa2.jpg
         まるで 死人の如く 歩いていますと…

 いつものように、薄暗い舗道を 漁連に向かって歩いていますと・・・『おお リク坊やんか。久しぶりやナ 元気してるか?』背後より声がして。

振り向きますと その声は、同じ新浜通りに店を構える 塩崎さんという ぶっちゃけ…ヤクザのおっちゃんで。


新浜の通りがリクめが記憶する限りイチバン栄えていた頃…当時のテレビ、大阪毎日放送の深夜番組がロケに訪れてたぐらいに、

『一番の酒 イチバンのオンナ イチバンのカラオケ設備』それが売りの、不夜城ショーバイをしていた まさにバブルの寵児でした ええ。
       181103aa4.jpg
         通りで イチバンの不夜城 繁栄の象徴でした

怒らせたなら 相当にエゲつなく怖そうだってのはダレもが判っていましたが、どうしてだか?まだガキだった頃より このリクめには やさしくて。


リクの住んでる通りの子供らは、オトナを助けて 地元を盛り上げなくてはならない!って、不文律が敷かれていて、

12月も半ばを過ぎるならば、夏場には 海水浴のメッカである土地ですが、冬場ともなるなら 反対に、けっこーな量の降雪がアルのです はい。


そうなったなら、子供らの出番… 通りの「雪かき」です。よそからおいでになる お客様を転ばせてはならない!ってスローガンで。

雪かきは たとえ人数が居ても ツラいものです。褒められるのも稀で、かなり丁寧に かいているのに係わらず、『も少し 丁寧にかいてヤ!』って、ブツブツと不満を述べる商売家も多く・・・


ですが、この 塩崎さんの店の前 かいてますと、大抵、塩崎のおっちゃんが中から出てきてボクらに、
            181103aa5.jpg
      ボクら、通りの子供らには「やさしかった」

『おお このサムい中ご苦労はんやナ♪ そこそこの程度で構わんデ ウチとこの前は』ってねぎらってくれ、

『風邪はひくなヤ。終わったらなんか 暖かいモンでも食べぇ』って、ポッケから 千円札をムリに握らせたりも。子供のボクらにとっては 仏様のようなヒトで。


塩崎さんは、「そぉいや…リク坊とは リク坊がまだ ちんこいトキからの付き合いやナ?イっとかなアカン やっぱナ」と。


・・・あんナ…ワシやけど、あの店《閉めて》・・・撤退して他の土地行くことに決めたんヤ ああ、この宮津からナ・・・。

つい以前まではヨ、このノンビリした土地に骨埋めようって、そぉ思ってたけどヨ、なんせが・・・この不景気には勝てへんって。。。


ってかナ、リク坊は このおっちゃんみたいになったらアカンえ?ワシ、ヤクザやけん ああ・・・客が居らんよになっても、ウチとこは 巨大組織の孫団体に過ぎないのやけど、
          181103aa6.jpg
      
《月の上納金》それ 待ってはくれへんのヤ。 ツラいわぁ(嗤)だからって、昔 チンピラの頃のような ヒト泣かすエゲつない事した無いしヨ、ワシが警察にパクられて、残る嫁さんと子供が 周囲からイジメ受けるのも なんかナ・・・


せやからワシ、大阪にでも出て、・・・そうさなぁ…うどん屋でも開くかナ・・・。またイチから捲土重来 目指すことに決めた ああ。
        181103aa7.jpg
       バブルの地元覇者が うどん屋かぁ。。。

いや・・云うナて・・ダレのせいでもあらへん。すべては《時代とニーズ》それなんヤから。じゃあ・・・もぉ リク坊とこうして話すのも最後やって思うけど、元気でナ♪ よぉ勉強して イイ大学進みなヤ。


 そう云い捨てて、塩崎のおっちゃんは去っていきました。昔よりも背中が 小さくなったような気がしました はい。

         181103aa8.jpg

いつだったか・・・聞いた事があります《ヤクザが逃げ出すよな街は マジでお終いなんだ》って。。。

いよいよ・・・ボクらの街 宮津も・・・アメリカのニューメキシコ《サンタフェ》みたいな 歴史と由緒のある廃墟へとまっしぐらなのだろうか。。。
     qqwzzx115.jpg


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

高校の昼休み時間、校舎裏の陽だまりで ボクは マミコとマルオの3人で、ランチをとりながら話し合っていました。

前節《風街とろまん》で、格闘技大会でマルオの肘を完全破壊した一件より、それまでの反目していた関係は 友情へと変わり、

マミコとの関係も、共に 取り合うっていうより、ドリカム的な 等しいトライアングル的に変わっておりました はい。

今日ですが、登校時にマミコが『ちょっと 相談したい事ある』ってんで、それで集まったのですが。

マミコは、チョっと憂鬱で 疲れたような口調で切り出しました。
       181103bb.jpg


・・・弟…うん《千代彦》なんヤけどネ。。高校は行かずに、大阪の 美容師専門学校に行ったのは知ってるよネ?

それが・・・どうも、自分で勝手に、専門学校 中退してしまったようなの・・・

リク「えっ!? そうなん・・・」

マルオ「たしか 専門学校は 寮生活だったのやろ?弟さん」

           181103bb1.jpg
          あのガキ…トンズラこきヤがったってか…

・・・うん。だからその寮も、夜逃げ同然に荷物まとめて 出てっちゃったようでネ、寮の管理人でもある 寮長さんが、エラい心配してくださって、実家のウチの家にも何度もデンワしてくれて。ホンマ…アホやワ 千代彦・・・。

リク「ってか・・ヤメて、具体的にナニがしたいねんって??アイツは・・・」


・・・うん 時折、公衆電話からウチの家に連絡がある。でも、今ドコに居るのか?ってハナシになると、《あ ゴメン テレカが切れるワ》なんて…肝心な事ボカシてばっか。

マルオ「大阪って 宮津市と違い大都会やん、ワルいオトナとかに騙されておらんの??心配やなあ それは・・・」


・・・でネ…それでも、会話の断片とかをまとめると、千代彦、どうも…大阪の梅田あたりの繁華街の《オカマBAR》で、ボーイの見習いみたいな事やってるような雰囲気で。。。
         181103bb2.jpg

リク「あちゃ~~…やっぱ…そっちの方向に行っちまうかアイツは・・・」

マミコ「どないやろか?千代彦みたいな 性対象が♂だとか、♀のカラダつきになりたいとかって…ああいう《ココロの病い》は、治らへんものなのかなあって・・・」

マルオ「いや なかなか無責任に踏み込めない問題やと思うけどナ。ご両親をはじめ 家族は心配するよナ う~~ん・・・」


沈黙してしまう中、わたいはクチを開きました。

・・・あのさぁ、思うねんけど、わたいと千代彦は同級生で、付き合いも長いやんか、その上で 思うのやけどナ・・・

アイツ、千代彦は 単純に《ホモセクシャル》ってカテゴライズするより以前に、ココロが《♀》で、カラダつきが《♂》って風に この世に産まれおちた人間なのやろうってナ。

それやから多分、病院だの 精神科とかに入院させたところで、《完治させる》ってのはムリなんだろうって そう思うねん ああ。

           181103bb3.jpg
  ココロが♀の 千代彦(ルル)に男らしさ求めてもムダやろナ

当たり前やけど、千代彦みたいなタイプ、こないだ調べたら《性同一障害》っていうらしい。やっぱ仕方ない問題やが、世間からは理解されにくいよナ?大抵の場所で 弾かれて 輪の中に入れてくれへん。

ワシ個人の意見やけどナ、千代彦のような人間をだ、抵抗なく受け入れてくれる程には《この社会のシステムが確立していない》なによりもの問題の基盤は《そこに在る》のとチャウやろか??
           181103bb4.jpg
      この世にはぐれた者が辿り着くのが 水商売・夜の世界
      その構造こそが 改善されるべきではないでしょうか・・・

せやから、千代彦とかが 安心して 衣食住を保証される場所ってなると、オカマBARだとかの、夜の世界、風俗営業 ぶっちゃけ、《それしかない》

アイツ見つけて、ワシとかがドツいて たとえ何度 実家のコッチへ引き戻したところで…アイツはまた同じ事繰り返すのヤメへんと思う。やはり、この街出て行くって思うねん ああ。。。

        181103bb5.jpg

マルオ先輩が言う通り、たいそう危ない状態だと思うけど千代彦・・・でもマミコとか おとうはん おかあはんが出来るのは…性同一の問題以前、血を分けた家族だって事、その視点で アイツを認め続けてあげる事ではないかなあ?


『ワシの家 旅館やろ? さいわい職業の関係で、大阪方面に知り合いとか多いから、そのツテで 千代彦チャンの動向、調べてくれるよう頼んどくワ』ってマルオが。

ケータイが まだまだ普及していない時代、こういった まだるっこしい状況が身の回りには いくらもアリました はい。

         181103bb6.jpg

・・・やっぱナ…次第に 病んでいるこの故郷の土地。。この土地に暮らすヒトらだって、病んでいない訳はナイのだ。。ナマイキやけど 世の中って なんか せつないナ。。。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

暗い気分のまま 《美容室マヤ》へと出向き ドアホンを鳴らす。中からキヌコさんの声『ドチラさん?』 「リクです」

すると『開いてるデ 入って来いヤ』って 父親の声。オヤジの本日の《我が家》はコッチかいって。。。

靴をそろえて上がらせてもらい、リビングへと入りますと、キヌコさんとオヤジは ソファに仲良く座ってて、
      181103cc.jpg

目の前のテーブルには、缶ビールに缶チューハイ 乾きモノが。おいおい…まだ 土曜の午後三時過ぎやゾ。。。

「どないしてン リク?」っとオヤジ。相変わらず 苦手なキヌコさんだけど、特に…こういった際の キヌコさんの目、表情がイヤでたまらない・・・

      181103cc1.jpg

『フフフ♪ さっきまでナ、アンタとこのおとうさんと エッチな事してましたんヤ♪』ってのが モロにカオに出てる・・・なんか無性に 不潔だって気持ちが拭えず、軽い吐き気すら覚えてしまう。。。


「…あの…おとうさん、数日後に、高校で《文化祭》ありますねん。」 「うむ そうなんか」
    181103cc2.jpg

「で…ウチとこに置いてある、ギターアンプ、シンセサイザー、ミキシング機械とか、軽音楽同好同級生から《借りれないかな?》って、頼まれてますねんけど、貸してやってもエエかな??」
     181103cc3.jpg

ナンだそんな事かって、安心したように オヤジは「エエよ 貸したりぃ。あと、イザ本番でナイと困る物、延長コードなんかも要る思うでぇ」

ウチとこの お母ンから《2度と帰ってくんな!このドアホがっっ!!》って伝言かと思ったか?(嗤)相変わらず ビビりな遊び人だワ このヒトは。。。


「それじゃ失礼しま~す」って、美容室を後にして 歩き出したわたいを「おい」って、珍しくも、オヤジが後を追って来て わたいに声を掛けました。

「ハラ減ってへんか?一緒にうどんでも喰おヤ」って。うどんならば、ジイさんが開いてます》洋食屋にも 地元のヒト向けに 結構ウマい 肉ウドンが有るけど、さすがにそこには生き辛いようで、

      181103cc4.jpg

自宅の我が家から 歩いて1分もかからない、小さくとも美味しい《大門》って この土地に長く続く うどん屋さんに入りました。


『おっちゃん 素うどん2つナ♪』 おい、珍しくも息子に外食させルってなら、せめて 天ぷらうどんぐらい張りこめよナ(笑)

店の中のTVで よしもとの舞台中継が流れてます中 オヤジは・・・
       181103cc5.jpg


オヤジ「あんナ…まだまだ《もしも》って、仮定での問題やゾ? ワシとおかあちゃん、仲が、アカンようになってまったなら…」やっぱ 困るかリク??」

…実態は もぉ既に、アカンようになってますやん何年も前から… って 思いながらわたいは、「まぁ・・・実際にそうなってみんと、ナンとも言えませんが・・・」

オヤジ「リョウコ…おかあちゃんナ 誤解するなヤ?ワシはけっして、おかあちゃんの事 嫌いやあらへんのヤ。気ぃは強いオナゴやが 尊敬してる。たいした人間ヤ ああ」

…そらアンタのよな ロクデモない亭主 生かしといてヤルってダケで 見上げた根性ヤ思いますワ(笑)(笑)


・・・でもなあ 聞いてヤ リク。。なんやワシ、アイツと暮らしていると・・・ぶっちゃけ《苦しいんだワ》ああ。。。

ワシは あの家での立場は サザエさんのマスオさんやんか?入り婿同然で、爺さん 婆さん2人がワシに寛容で 苦情もボヤきもあらへんのが かえって 辛い・・・

わかってる…子供を持つ 親として恥ずかしい。。。でもナ…ワシだけがズルズルと、土俵の外に押し出されている気分なのヤ。。。
       181103dd.jpg

音楽の方も ボイラー仕事でも、稼ぎのよくない甲斐性ナシのワシやけどナ(恥)それでも、自分が 息してる場所にはせめて《安らぎが欲しい》。。。

その《安らぎ》がキヌコやねん ああ。。。ぶっちゃけ それが本当の《愛》であるのかは…自分でも 正直わからへん・・・。
         181103cc6.jpg
      ぶっちゃけ、ウチとこのばやいはコレでショが(笑)


わたいは云いました オヤジに・・・「随分と…自分勝手それっきゃない《泣き言》ですわナ。おとうちゃん、アンタのドタマの中には ぶっちゃけ《自分しか存在しない》エエよ、どんだけか遊び人かてワシは。この世に産み出してくれた父親であることには変わりない。でも…カンベンしてくれへん?その《泣き言》は聴きとぉないワ!」


息子からズバリ言われ 苦渋の顔つきで ハイライトに火を付けながらオヤジは・・・


・・・なぁリク、ワシの子にしてはお前は出来が良いって思う。せやから冷静になって 聞いて欲しいのヤ ああ・・・

こんなワシかて ひとりの人間 オトコやデ。つと最近 無性に思うのヤ。なあ? 高校生のお前から見ても、もはや この宮津の土地は どないもならへんぐらいダメになってきてるって思わへんか?

          181103dd1.jpg

一時期は こののどかな丹後半島を 音楽に携わる者として、マイペースな仕事場にって考えてたが、ぶっちゃけ…もはやダメやろ この土地も。寂れていくばかり。


なあ? ジツはナ…昔の《ほんやら洞》のダチからヨ、《宮津の暮らし畳んで、もいっぺん 京都の中心で、音楽の仕事してみる気ぃあらへんか?》って、誘われててナ。

いや…わかてるって!今更この歳で 再デヴューなんて夢物語 考えてもナイよって。次は…《プロデュース》や ああ。

売り出し戦略さえあれば、京都大阪神戸周辺には 金の卵のバンドとかが山のように居てるからヨ。そういった連中 発掘して、売り出す側の仕事 やってみぃへんか?って誘われてナ。
        181103dd2.jpg
      とうさん・・・アナタは、叶わぬ夢ばかりを追っている・・

でナ・・・キヌコのおばちゃんも…宮津捨てて、関西の大都市部でこの先暮らしたいって気持ちアルそうなんや ああ。

廃れたとイっても駅近の一等地や、まだ高値で売れるやろ美容院の場所。なんでも…京都市内、西京区の方に、遠い親戚関係らのハナシで 中古物件やけど、なかなか出物のマンションがアルそうで、《そっち出て 暮らさへん?》って言われてナ。。。

正直まだワシ 迷ってるのやけどナ、ココからがホントの相談ヤ・・・リクよ、わかるデ俺には・・・同じ血が流れるオトコ同士やからナ・・・
        181103dd3.jpg
      どヤ?都会へ出てみぃへんか リク??

お前も・・・この宮津の土地に縛られてるのが 窮屈でたまらんって、パンクしそうなのやろ?? わからいでか こんなんでも父親やゾ ワシも。

お前にとっても、この宮津…丹後の土地ってのは 【 狭過ぎる 】のヤ ああ。お前が・・・鬱屈で ヘンになってまう その前に・・・

  な?? 一緒に都会の方へと 出てみないか?? ゼッタイ他言無用やデ? まだまだ。

キヌコも リクならば、共に暮らしてもイイって言っとる。大学進むのやろ? この先、同志社だろうと立命館だろうと、充分通うのも至便や、いっぺん真剣に考えへんか リク??


・・・大門のうどんが 冷めていくのも構わず ボクは固まっていた・・・。
             181103dd4.jpg
         あのねぇ…とうさん ボクはナ…


ノれるかっっ!! ンなロクデモないヨタ噺」にヨっ!! あの…キヌコさんらと、同じ屋根の下で暮らすだとお??

            181103dd5.jpg
         こぉならない保証がドコにあるっっ!?

都会に出るなら たしかに、この牢獄に拘禁された鬱屈の感情からは解放されるだろう ああ。 だが・・・その次は また新しい《地獄を》ココロに抱え込むことになるではないかっ!

ウチとこ お母ンとの仲は、当事者同士仕方ない部分もアルのだろ それは理解する。。

 だけど とうさん・・・アンタの身勝手な《妄想に》・・・これ以上 子供であるボクの人生を 【 巻き込まないでくれないか! 】

        181103dd6.jpg
    淀みきった風は スキじゃねぇンだワ こちとら

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「リク、最近 なんか元気ないナ どないしてン??」
      181103ee.jpg

また帰り道で一緒になった 風街が 心配気に声をかけてくれます。

わたいは「ああ・・・たいした事じゃあないけん。ただ…無性に、漱石の《草枕》冒頭のくだり《山路を登りながら、こう考えた。 智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい》って感じかナ」っとケムに巻いた。

風街は「ふうん…たしかに色々アルよナ、ボクらのよに高校生かて。ボクも今 ジツは悩んでるねん」

リク「ナンについてヤ?」


風街「笑うなヤ?? ぶっちゃけ、ジツは恋愛問題なのヤ ああ」 って、意外な事を。。。

リク「相手はダレなん?な、教えろヤ♪」

風街「全然違う高校に通う子ヤ。福知山の方の女子高 同じく1年生なんやて」

リク「ふうん・・・それで??」


風街「家は宮津の街 割とリクの家と近い住所やて思うが」

リク「ほおぉ・・」

風街「知り合ったのは…その子 ボクの描く 絵のファンなんだと。道端で突然呼び止められて、喫茶店の《ホアンカン》でこないだ一緒に 冷コー飲んだんヤ」
       181103ee2.jpg
     宮津以外の土地でも充分通用するウマいコーヒー店

リク「高校生の天才画伯は得やわナ いひいひ♪」


風街「チョっと、クセの強い子なんだけどサ、ズケズケと毒吐くしネ、でもむしろ、その飾らないところが気に入って。。色々と話したヨ 初対面にしては。お母さんと2人で暮らしてて、家は【 美容院なんだそうな】」

リク「 (ギクっっ!!)え? なんて?? @@;」

       181103ee1.jpg
      よ、よりによって ヒサエかヨっ!? @@;

風街「名前は…【ヒサエ】って・・・」

リク「わああああぁぁぁっっっ!!(><)」
     181103ee3.jpg

風街「ど…どないしたんヤ リク??ヒョっとして 知り合いか?その子と・・・」

・・・イヤ、知り合いとかって ンなレベルでは無くてナ・・・って、

ボクは、親友である 風街ゆえ、いっさいの虚飾無く、ウチとこの父親と ヒサエの母との けっして世間からは褒められない関係についてからはじまり、

       181103ee4.jpg
      聞くも涙 語るもナミダの物語(うそ)(^^;

今現在 オヤジの妄想のラインが進むならば、我が家は 正式な意味でも《崩壊するかもしれない》局面だって事も話して、

それと、告げグチではありませんが、あのヒサエにまつわる、昔からの よからぬ行状等についても言及し・・・

リク「無責任な外野の意見かとは思うが・・・ぶっちゃけ、あのヒサエに…キミが夢を抱くのはチト問題がアリアリかとも・・・」


しかし…さすがに、絵描きである 風街は《やっぱ変人》だったよぉ~で(^^;

風街「ふうん、リクが元気なかったのは そういう経緯か。。でもイイやん♪もしかしてリクが西京区の方に出て…ボクとヒサエちゃんがケッコンしたとすんなら、リクとも正式な 遠い親戚になるやんか あはは♪」って・・・

リク「オメエ…そ~ゆ~問題とチャウやん ったく!!・・(--;」

夕暮れの空を 見上げながら 風街は不思議にカリスマチックな雰囲気をにおわせて、

     181103ee5.jpg

「でも…まぁイイやないか。世の中ってサ、関係無いようでいて、ドコかの部分で、共に繋がってるし、だが逆に・・・たとえ近しい親族とかがどうであろうとも…やっぱ【 自分は自分でしかないんだよ 】ああ。リクも、自分の父親が やらかす行動とかを、独りで背負う必要なんか無いんだ ああ♪リクにはリクとしての 人生設計図があってサ、囚われる事無く、それに沿って歩めば正解なんだヨ な??」

絵描きであると同時に…風街は《哲学者だ》って思いました はい。鉛を呑み込んだような気分が 少しダケ 晴れてきたような気がしました はい。
          181103ee6.jpg
         サンキュ~♪ 風街よ・・・


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

高校の文化祭の当日、室内運動場の体育館にステージを創り、ボクら在校生らによる イベントライブが始まろうとしていました。

       181103ff1.jpg

『あかんっ!! ああ‥困ったナ 困ったナ』って、運営委員の軽音楽同好会のダチが狼狽えています。

         181103ff.jpg

『トリの予定のバンドなんだがサ…ドラムス以外のメンバー、ギター、ベース、ヴォーカルはウチとこのガッコじゃなくて ミネヤマ高校の連中でサ、丹海バスでコッチ向かってるんだけど・・・さっき知らせが…湾岸道路が、落石でストップしてるのだと!!兵庫の サンテレビの音楽番組にも出た 有名なアマバンドやんか!このままでは舞台に穴が開く ああ困った!』

お客である やはり同じく高校生ら、他校の学生も含んで、さほどには広くない体育館は、熱気と若い者の体温で 蒸し暑いぐらいに 湧いています。

『今日 集まってる殆どのオーディエンンスの目当ては あのバンドやけんヨ…』苦悩していて。

そうしているうち『連絡ついた!道路動き出したようやけど、どうしても…コッチ着くのが30分ほど遅れるって。。な?リク 助けてけれへんか!?30分・・・いや、15分でエエよ、トリのバンドが到着するまでに なんとか!場を繋いでくれへんか??』

よっしゃ♪ じゃあ小・学校の時分に 学芸会の出し物で ギター片手に『エロ漫談』ブチかまして、大絶賛と大ヒンシュクの両方ゲットした、アレを再現すっか♪ とも思いましたが。

フト アイデアを思いついて・・・校内に居る筈の マルオとマミコを探し出し・・・

「マルオ先輩! ドラム叩けますやろアンタ?」 「ああ。。家にドラムセット持ってる ドラ息子やけんオレ(笑)エイトも 16拍子も一応出来る」

「マミコも中・学でブラバン、トロンボーンやったろ?《ベースライン》って判るよナ?」 「まぁ一応は。難しすぎない循環コードなら」

エエやん♪スマンけど、ワシのバックで演奏してくれヤ。変拍子や転調とかナイ、シンプルな曲やから。
         181103ff2.jpg
       よっしゃ!イッチョ いてこましたろやんケ♪

だいたいの譜面はこうなる、走ろうが(テンポが早まる)モタろうが(譜面から置いてかれる)構わん、ダメやったなら責任はワシが背負うけん。

 この曲、イッペン人前でブチかましてみたかったんヤ。出だし部分は抒情的だけど、ジツはこの曲《PUNK》なんだワ ああ。
               181103ff3.jpg
              ほな行くでぇ~~

    ☆☆ お断り ☆☆
 申し訳ないですが、ココで 創作上の演出をいたさせていただきます。
 この曲は まだこのノベルでのONTIMEには 世に出ていませんでした。
 詩の内容が 当時の自分的にもピッタリなゆえ、用いさせていただきます はい。



 My Chemical Romance - ウェルカム・トゥ・ザ・ブラック・パレード

When I was a young boy
僕が小さい少年だった頃

My father took me into the city
父は僕を街に連れて行った

To see a marching band
マーチングバンドを見るために

He said, "Son when you grow up
父は言った「あなたが大人になったら

Would you be the savior of the broken
砕かれた敗北者たちと

The beaten and th得てe damned?"
地獄に落とされた者たちの救助者になってくれないか?」

He said "Will you defeat them
父はまた言った「あなたが打ち破ってくれないか?

Your demons, and all the non-believers
あなたの中の悪魔と全ての不信者たちを

The plans that they have made?"
そして彼らの企んだ計画を


"Because one day I'll leave you
「何故ならいつの日か僕はあなたから離れていくんだ

A phantom to lead you in the summer
そしていつの日か幽霊があなたをあの夏へ案内してくれる

To join The Black Parade"
あの夏のブラック・パレードへ…」

   181103ff4.jpg


When I was a young boy
僕が小さい少年だった頃

My father took me into the city
父は僕を街に連れて行った

To see a marching band
マーチングバンドを見るために


He said, "Son when you grow up
父は言った「あなたが大人になったら

Would you be the saviour of the broken
砕かれた敗北者たちと

The beaten and the damned?"
地獄に落とされた者たちの救助者になってくれないか?」


Sometimes I get the feeling she's watching over me
時に彼女が僕のことを見ているような感覚に陥る

And other times I feel like I should go
また違う時は行かなきゃならない気分になる

And through it all, the rise and fall, the bodies in the streets
そして生と死、街に並んだ死体─その全てを経て

And when you're gone we want you all to know
あなたが去る時が来ると、あなたは全てを知って欲しい


We'll carry on
僕たちは進んで行く

We'll carry on
僕たちは進んで行く

And though you're dead and gone believe me
あなたが死んで無くなるとしても、僕を信じて

Your memory will carry on
あなたの意志はずっと進んで行く

We'll carry on
僕たちは進んで行く

And in my heart I can't contain it
心の中にこの感情は抑えきれない

The anthem won't explain it
頌歌では説明しきれない


A world that sends you reeling from decimated dreams
粉々になった夢であなたをよろめかせる世界

Your misery and hate will kill us all
あなたの痛みと憎しみが僕ら皆を殺す

So paint it black and take it back
だからそれらに黒色を塗って取り戻すんだ

Let's shout it loud and clear
堂々と大声で叫ぼう

Defiant to the end we hear the call
終末に抵抗しよ─僕らは叫びを聞く


To carry on
進むために

We'll carry on
僕らが止まることはない

And though you're dead and gone believe me
あなたが死んで無くなるとしても、僕を信じて

Your memory will carry on
あなたの意志はずっと進んで行く

We'll carry on
僕たちは進んで行く

And though you're broken and defeated
そしてあなたが倒れて負けても

Your weary widow marches
残された人たちは疲れに負けずにずっと行進する


On and on we carry through the fears
絶えることなく僕たちは恐怖を超えて突き進む

Ooh oh ohhhh Disappointed faces of your peers
あなたの友達のがっかりした顔

Ooh oh ohhhh Take a look at me cause I could not care at all
ほら僕を見て─僕は何も気にしないから


Do or die, you'll never make me
死ぬ覚悟で行くんだ、僕は左右されない

Because the world will never take my heart
世界は絶対に僕からこの心を奪えないんだから

Go and try, you'll never break me
やってみろ、僕が折れることはない

We want it all, we wanna play this part
皆が欲しがっている、僕たちはこの役をこなしたいんだ


I won't explain or say I'm sorry
言い訳も、謝罪も言わないつもりだ

I'm unashamed, I'm gonna show my scar
恥ずかしくない、僕の傷跡を見せてやる

Give a cheer for all the broken
傷ついた者たち皆にエールを送る

Listen here, because it's who we are
さ、聞いてみな、これが僕たちなんだから


I'm just a man, I'm not a hero
僕はただの一人に過ぎない、英雄なんかじゃない

Just a boy, who had to sing this song
この歌を歌わなきゃならない一人の少年なだけだ

I'm just a man, I'm not a hero
僕はただの一人に過ぎない、英雄なんかじゃない

I don't care
僕は気にしない


We'll carry on
僕たちは進んで行く

We'll carry on
僕たちは進んで行く

And though you're dead and gone believe me
あなたが死んで無くなるとしても、僕を信じて

Your memory will carry on
あなたの意志はずっと進んで行く

You'll carry on
あなたは進んで行く

And though you're broken and defeated
そしてあなたが倒れて負けても

Your weary widow marches on
残された人たちは疲れに負けずにずっと行進する


Do or die, you'll never make me
死ぬ覚悟で行くんだ、僕は左右されない

Because the world will never take my heart
世界は絶対に僕からこの心を奪えないんだから

Go and try, you'll never break me
やってみろ、僕が折れることはない

We want it all, we wanna play this part (We'll carry on)
皆が欲しがっている、僕たちはこの役をこなしたいんだ (僕たちは進んで行く)


Do or die, you'll never make me (We'll carry on)
死ぬ覚悟で行くんだ、僕は左右されない (僕たちは進んで行く)

Because the world will never take my heart (We'll carry on)
世界は絶対に僕からこの心を奪えないんだから

Go and try, you'll never break me
やってみろ、僕が折れることはない

We want it all, we wanna play this part
皆が欲しがっている、僕たちはこの役をこなしたいんだ


(We'll carry on)
(僕たちは進んで行く)


https://www.youtube.com/watch?v=RRKJiM9Njr8


やっぱエエなぁ♪ デカいアンプで思い切り爆音出して ディストーション思い切り効かせて ギターかき鳴らすのって♪

どや?聴衆のみなちゃまヨ、即席仕立てのスリーピースバンドかて、ヤル気になればコレぐらい出来るンやデ。

そうか、気に入ってくれてっか。。皆立ち上がり、拳振り上げて ジャンプしてくれるかアリガトな。。。


・・・そうなんだよナ。。。《悩み抱えているのは》わたいダケとチャウのヤ。ああ。
        181103ff5.jpg

みんなも・・・それぞれに 抱えている《悩み》があってサ、どこかでそれを吐き出してしまいたいって気持ちは【 みんなイッショなんだ 】

唄おうゼ 踊ろう 跳ねようゼ! たとえ一時でも、憂鬱なココロを 爆ぜて昇華しようじゃんか!だって今日は 学園祭だ!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

      181103ff6.jpg
    逃亡ぃ まだ女性化は出てません(^^;

     3へと 続います はい



コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

港のリク

Author:港のリク
FC2ブログへようこそ!
港で働く ジツはとっても気の荒い(?)アンちゃん・・・ですが、産まれついてのホルモン分解異常の関係で♂なのにEカップの胸の持ち主 という混沌としているわたしです。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR