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ボクらの 棲む街 (3の1)

 世に言います『平成バブル』は、1991年3月に《弾けた!》訳ですが、

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あくまで《公式的文書では》1993年(平成5年)までの 長期景気停滞期を指すとされていますが。

京都は 丹後半島の宮津市に暮らしてましたリクめの感慨としては、92年 高1だった 秋頃よりが、

【 地方都市に於ける傷跡が具体性を帯びたものとなった 】ように感じていたのでした はい。
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   観てヨ!このドコに? 活気あるヒトの「息吹」を感じる?

セコいなりにも、観光で成り立ってます都市、意外にも…観光来訪者の数そのものに さしたる変化は無かった。

ですが、ぶっちゃけ・・・『豪勢に お金を落としてくれる お大尽客がパタっと…《消え失せた》』それで。
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颯爽とロールスロイスやベントレーで丹後まで乗り付けては、芸者やホステス、バブリーなねえちゃんら十数名はべらせては、

『カネならナンボでも払うよって、ありったけのウマいモン並べたらんかいかにも!』って、昼夜問わずのドンチャン騒ぎで、飽きがくるまでの 長逗留って、

いかにもバブル景気を絵に描いたよな《太いお客》がスッカリと激減したのでした。

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     海産物だけはバツグンに美味い(イチバンにウマいのはジツはイワシ)

そうなりますと当然 宮津の街も 影響をモロに受け、街はドンドン 元気を無くし、晩秋の風がより冷たく感じられてきましてネ。


ただ 今にして思うには、金看板って程でもアリませんが、日本三景 天橋立を軸に、観光地としての歴史と実績があります 地元の 観光面としてのそれは まだ恵まれていたのかも知れません。

バブル景気が華やかなりしトキにも、地元が さして景気に舞い踊ってたって記憶もナイのでありますが、不本意にも、バブルが弾けたことによる余波は、モロに訪れてきた。
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     ギュラーメンバーにあがった頃のリクちゃま


まずもって・・・京都中心部 大阪 あるいは神戸の拠点を置く《旅行社 バス観光会社がヘタった》。。。おそらくは瀕死の状況だったのだろうって思う。
     
バブル期には豪華な造りのラグジュアリーバスが数えきれないぐらい 丹後の国道を走っていたのが…夏のお盆が過ぎたころから 急に・・・
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それまでに比べるなら、いかにも『セコい』…Bodyも小さければ、設備もワルそうな、マイクロバスに毛が生えたよな《ちびバス》ばかりが目立つようになってきて。

経営苦しい観光会社と、やはり苦しい丹後地元の 旅館業組合、その両者による談合により、ウチとこ丹後半島の観光そのものは、
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      リクがバイトさせて貰ってた老舗旅館も時代の波に逆らえず

今も有ります『お手頃 格安観光バスツアー』の代表的観光地に姿を変えていったのでした はい。

それによって わたいらの地元は、《来訪人数》は、かえって以前よりも増加を見せてました。 ですが・・・【 儲からない 】。。。
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       忙しい…のだけど『儲からない』。。。

採算ライン ギリギリで受けた仕事ですからネ、大量の観光客らは、単に わたいらの土地に一泊して【 通り抜けていくダケ 】・・・

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それでも 旅館やホテルはまだイイ・・・本当に 大打撃を受けたのは、宮津の 夕方から夜の商売 【 花街(かがい) 】でした。


『歌謡スナック』『ガールズサロン』『カラオケPUBラウンジ●●』『歌って踊れるPLAYスポット』って(笑)ド田舎マル出しの、都市部ではありえないネーミングですが、

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『かえって それがイイのだ♪』って、この地に訪れた観光客のオジサンたちが、旅行の晩の記念に 気まぐれに立ち寄る、案外と それによる地元に落ちるお金はバカに出来なかったのでして。

それがご存知のバブル崩壊で…まず最初に 致命的打撃を受けたのが この手のショーバイで。。。
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    長い景気低迷により『エロ』っていう活力が削がれて・・・

観光とお客が落とすおカネによって成り立つ歓楽に従事する オンナ達も、次第次第に 首筋のサムさを身をもって感じるのでした。




「クラスの遠藤、ミナコやけど、さんか最近サッパリ、学校来とらんとチャウか?」

ラグビー部の練習の帰り道、やはり 美術部で遅くなった 風街に語り掛けましたなら、風街は 声を潜めるようにして・・・

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「リク…知らへんのか?? 遠藤ん家…4日前、家族全員 身ぃひとつで《夜逃げ》したのやデ…」 「えっ!? ウソ!」

ミナコの家は、3代続く、地元の飲み屋。ばあさん 母さんともに男運ワルいってのか、

くっつくオトコは皆、半島の港町に多いともいえます《勤労意欲の乏しい 怠け者》で。

で その分 オンナが逞しく、夜の花街で 大衆飲み屋、スナックを開いて、その家に生まれたのが ミナコでした。

ばあさん 母さん共に、どこか尻軽っていうか、よからぬウワサ、地元では幾度も 浮名があがるって存在の店で、
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事実 何回かは、地元の警察署による 手入れが入り、ばあさんか 母さんのドッチかが、数日間家を留守(拘留ってこと)になるという・・・。

読書好きで無口、マジメなミナコも、『あれも あの家の娘やけん、母親と同じ人生辿るデ』って、兎角 街ウワサは酷薄なもので。
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正直・・・ボクらの街は、本当の意味で《賞味期限》が切れかかり始めていたように思います ええ。

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江戸時代の、日本海の廻船交易による繁栄の時代から ご維新から明治、大正昭和と、幾度もの苦難を ず太く乗りきた観光地ですが、

でも、クチには出さずとも、みんな…ココロの奥底では判ってました。【 時代が 】・・・今やもう、この街など 必要としては居ないのだって事に。

日本三景の 1つである 天橋立は、この先もズっと残りでしょう。でも、それは単なるシグナルPOINT 定点に過ぎず、

高速の観光バスで乗り付けては、添乗員は至極冷徹に『見ましたネ? さあでは次の場所に出発します』って、通過するダケの街へと。。。

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    丹後半島全体の道路移動に革命が起きたのです ええ

「京都縦貫道」という 国交省肝入りの自動車専用道路の完成が、従来 JR京都駅から、同じ府内だというのに およそ半日もかかる、辺鄙な丹後半島とのアクセスを劇的に変えました。

『たしかに便利にはなった』メリットも多大だとは思います。 が・・・その公共事業は、ボクが育ってきた街を スッカリと変えてしまったのでした。


リク「・・・なんか、スッカリ…《つまらんカタチで》…この街も変わってまったわなぁ・・・」

風街「そやナ・・・。ワシらガキから観ても、いっちゃんアカンのは、宮津の街の抜本的な開発では無くてサ、《自動車専用道路開発の為ダケの開発》・・・役人さんってのは、風情ってもの…チっとは考えへんのかねえ…」
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       片田舎の街に こんな道路が果たして 要るか??…

リク「新道路の《宮津出口》付近を、トラックがすれ違えない程の狭いエリア、乱暴に…1ブロック分の街そのものを潰して だだっ広い南北道路とした。致命的シッパイだよなぁ ありゃあ」

風街「ああ でも、その計画だって 何度も何度も、計画の地図が書き換えられて…ドコの通りを潰すかについては、多分に《政治がらみ》だったってウワサやしナ」

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   細身ながらも 今ヨカ」ズっと 逞しくオトコらしかったあの頃…

リク「結果、国や府から 多額の 立ち退き料を貰えたのは、現市長支持派が多く住む通り…街の住民の殆どに訪れたのは、ムダな信号の増加と ありえなかった交通渋滞それダケやん・・・」

風街「ヒトの通りが減ったよナ…リクが住んでる 新浜の通りなんか その最たるモノやろ?乱暴なことしやがル…規模は違うが、奈良や鎌倉の中心地に 周囲の風景と地形を無視した道路をデーン!と造ったのと変わらんやんケ」


・・・確かに ヒト通りは減っている。静かな夜には、50m先に歩くヒトの履いているサンダルの音が聞こえるぐらいに【 人通りは減った… 】
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幸いというか…我が家は その 新浜の通りですが、そこの場所で商売はしてませんから、ただ住んでいる分には、より静かになって御の字って意見も。

ですが、この通りで 商売を開いているところはタイヘンです・・・朝になり 店のシャッターは開けるも、夜になり またシャッターを閉めるまで、1度もレジスターを動かすことが無いなんて日が常態化し・・・
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シャッター商店街とは こういう風に出来上がっていくのかが、身をもって理解出来ましたネ。


風街と別れて、我が家までアト300mってところで、…ぶっちゃけ、《会いたくないヒト》に出会ってしまいました。。。
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ドコの街にも在る、地元のヒトのみが利用する、流行ってもない美容院、そこの女性店主、《キヌコさん》って、40がらみのおばさんで。

二十歳ぐらいの頃は そこそこキレイだったンだろナって思わせるヒトですが、ガキゆえに感じる、なんか そのキヌコさんって、《険がある》のです ええ。

典型的な《目が笑ってないヒト》それでス。キヌコさんと話してますと、コッチが なんか ヘビに睨まれたカエルのような気分に陥って・・・
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        正直…この三白眼の目つきがイヤで・・・


・・・おまけに…事もワルいことに、そのキヌコさんこそが、ウチとこの 困った父親の《浮気相手》で。。。

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ウチとこの両親は、一見は 順風満帆な関係の様にも見えてました。ってゆ~か、そう見えるように《振舞っていた》というのが正解かも。

昔のような 物が飛び交う派手な夫婦喧嘩はアリません、ってか、お母ンはとっくに、オヤジの浮気癖についてはアキラメてて・・・

もはやドコでダレと、オヤジがくっつこうとも歯牙にもかけない・・・『あたしゃ知らへん』って態度。

オヤジの毒牙にかかった(笑)女性は 街だけでも複数名居るのですが、キヌコさんとは イチバンに長い関係っていうか、

おおよそにおいて、オヤジが 我が家に滞在してますのは、月のうち半分程度でした。

テメエの書籍や楽器、レコード CDとかは我が家に置いてありますので、地元の大手紡績会社の宮津工場のボイラー主任に過ぎませんが、ナマイキにもココロはってえと《ワシはミュージシャン 芸術家》

仕事のオファーなどはサッパリなんですが、ごくタマに、ミュージシャンとしてより、音楽のイベント その主催者が知合いですので、運営として出かけたり、

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     最大の仕事は、米国ブルースの巨匠『マディ・ウォータース』
     その来日公演実現の業務に携わったって事ぐらいかなあ。。。

零細な《呼び屋》から、米国とかからの ブルースマン来日の業務にかかわるって、いずれにせよ、儲かりもせず…お母ンいわく『ありゃ 息してるダケでカネかかるワ』って(笑)困った父親でした ええ。

宮津の地元で 唯一の楽器屋 そこの音楽講師もしてました関係で、里心ついてってより、楽器やCDとかの準備で 家へと帰って来る、
    
でもって 用事が済んだならば またフラフラ 愛人宅へ出かけてしま  うって有様・・・。そんなていたらくでした当時の 我が家の状況は。。。


キヌコさんの家は 火宅のヒトであるオヤジにとっての《側室が住んでる 第2の家》って感じで、オヤジに急な用が発生したトキなんかは、キヌコ邸にオヤジが居るの判ってても、お母ンは嫌って 行きませんから、

使者として、ガキであるリクめが出かける役目で。もぉいい加減 キヌコさん家の 細かな造作までドタマに入っているのに、何度行っても、キヌコさん自身も、そこの家もけっして くつろげない、リクめにとっては苦行でした はい。
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 いっぺんこのタイミングで「こんちわ」しちゃって バツがワルいのナンのって(--;

『チョっと、ウチとこ寄ってきヤ 時間アルやろ?』ってキヌコさん。…時間はアルけど ぶっちゃけ・・・行きたくねぇ~~(ーー;

仕方なく お邪魔します。・・・何度訪れても落ち着かない家だなあココは・・・息苦しぃンだワ ココに居てルこと自体がわたいには。。。

「あんころ餅こさえたんヤ 食べてき」って、ヤマザキパンまつりの景品の皿に盛られた あんころ餅を出されて。

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     部活帰りで空腹だけども 『喰いたくない…』

・・・ダメやワ。。緊張ってか、気分的にゼンゼンくつろげないから、胃が受つけへん…噛んでもウマく呑み込めない・・・

オトコのくせに神経質過ぎかとも思いますが、キヌコさんが、日中 サンザン、ヒトの髪の毛に触れた《手で》…この あんころ餅をこねたって思うと、生理的にも嫌悪感のようなモノが湧いてきて、マルで 美味しいって感覚が湧いてきません。
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わたい自身が こういうかたくなな態度だから当然 会話も弾まない、沈黙すらが より苦痛な気分で。


「アンタとこの おとうはん、今 家に居るのん?」って聞かれて。

「一昨日から、大阪の天王寺の方に、なんか冬の 音楽イベントの打ち合わせに出かけてます。帰りは明日の夕方かと」 「そっか」


玄関の方で《じゃあねバイバイ♪》って声が。キヌコさんと 離婚した前の亭主との間のひとり娘 ヒサエの声、友達が帰って行くようで。

キヌコ「リクちゃんアンタ賢くてエエねぇ。宮津高やん、ウチのヒサエなんかアホやから、片道1時間かけてアホの私立女子公やからたまらんワ」

そのヒサエってのが、因果にもリクとは同級生で。キヌコさんが苦手なのと同様に、やはり そのヒサエとも わたいは出会いたくない1人で。

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     このコも、母親と同様に 苦手で…
   
「うるさいなあ…ダレがアホやねんって?」っと、せんべいをバリバリ齧りながら ヒサエが不機嫌そうな表情で現れました。コッチに挨拶はナイ。

元々からして、ズっと昔から 愛想が無いコ。手先が器用でも、会話で成り立つ 街の美容室を受け継ぐのはムリだって思ってました はい。

しかし・・・ぶっちゃけ ダブルでもって 天敵が増えた・・・たまらん 逃げよう!って、ムリに あんころ餅を呑み込み、「ご馳走様でした! 帰ります」って腰を上げました。


歩いて2分の我が家へと向かう道、足は 随分と重く・・・
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      数年前までの 不夜城の雰囲気はどこへやら…


・・・なんかさぁ…すべてが パっとしねぇよなぁ。。。今のボクが置かれてる状況、ドコに高揚できる要素がある??

家もしょ~もないし、街だって 希望ってのが てんで見当たらないやん。。。

いかん・・・また起きそうヤ…小・学生の時分から 繰り返したプチ家出、医学的には《拘禁反応》って言うらしい。

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そうだ ココの土地は ユルい《牢獄》なんだ。。。この土地で一生を過ごし 死んでくのか?…ヤだなぁ…どっか行ってしまいたい。。。

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     悩み多き少年リク…やがて『こぉなる』ってか(^^;

    ☆☆ 以下 3の2 へ続きます ☆☆





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港で働く ジツはとっても気の荒い(?)アンちゃん・・・ですが、産まれついてのホルモン分解異常の関係で♂なのにEカップの胸の持ち主 という混沌としているわたしです。

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