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(ひさびさ) 荒くれ名画劇場 【 七人の侍 】


 本日は「ようやく」・・・かねてより アツシさんには お約束したにもかかわらず

ズっと放置に近い有様でした・・・言い訳ですが『テキスト素材の あまりにもの偉大さ』それゆえにビビり 気後れも有りまして。。。

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え~この あまりにも有名な 日本が誇るべき「名画」

それを わたいなんぞがイチイチ説明するのはちゃんちゃら可笑しいですわナ。

ですので、ぶっちゃけ「この映画」・・・1度でも「観たよ」って方、それを中軸に、わたくしめが勝手にウダウダ言わせていただきます はい。

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       世界中に影響を与えた まさに【近代娯楽映画の手本】

まだ観てないってヒトは・・・迷わず レンタル屋さんにでも走ってくらはい(^^;『観た気になった』って、ンな懇切丁寧な「あらすじ語り」は あえていたしませんので 悪しからず。


 雑駁に云い切るならば・・・「農民が野武士から村を守るために、侍を雇い奮闘する」という話。

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前半では農民が侍を集めようとする様子、後半では、野武士との戦いが描かれます。

こう書くと単純な話のように見えますが、百姓と武士の身分差による亀裂があったり、男と女の立場の違いが盛り込まれていたり、単純には語れないエピソードが沢山詰め込まれています。


デジタル・リマスターによるDVDで再確認するなら まず!この映画は【カメラワークや音の使い方がすごい】
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          あまりに有名な『墨汁を混ぜた 黒い雨』

世界に名だたる『七人の侍』、どこのシーンをとっても観客を飽きさせないつくりになっていました。

どのシーンでも何かしら動きがあり(農民が前を横切ったり旗がなびく等)場面が変わるテンポも良かった。

重たい場面を長引かせず、サッと次の場面へいくところも◎ 雨のシーンが何度も出てきてとても印象的だった(あの時代でも雨を再現するセットなどはあったんでしょうか?)

人質を助る場面では、切る場面を見せず、悪人が外へ倒れ込む姿を捉えており、より効果的に侍の凄さを見せつけていた
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砦が燃えるシーンではあえて燃えている場面を写さず、女を長く映してたのが印象的だった

わたくし あまり?映画にそれほど詳しいわけではありませんが、一度見てみると、

なぜ世界中の映画監督がクロサワの影響を受けたのかが何となくわかる気がしました。

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  余談ですが、安保闘争の『デモ戦術』にも影響与えたのだとも

おそらくは マジで、世界中の国に在る「映画専門学校」では、この「七人の侍」が テキストとして採用されているに違いないって思いますね♪

また、白黒映画を観るたびに思いますが、音楽や効果音の存在が、今の映画よりもはるかに重要な役割を占めているということ改めて痛感。
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       よくもまぁ・・このよな「独特の顔貌」見つけるモンだ・・

風や川の流れる音がその場面を支配しているような場面がいくつも見受けられました。

1954年という半世紀以上前の作品になりますが、多少台詞が聞きづらい以外は、全く見劣りしませんでした。
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戦により行き場を失い盗賊と化した野武士(百姓たちは「野伏せり」と呼ぶ)たちが良民を脅かす戦国時代のある農村。

『麦の取入れが済んだ頃に また来ようゼぃ♪』 麦が実ると同時に野武士たちが略奪に来る事を決めたことを知り、村人たちは絶望のどん底に叩き落とされていて。

前年も野武士の略奪に合っていたがゆえ、若い百姓の利吉は、野武士を皆突き殺すべきだと主張する。

村人は怖気づき反対するが、長老は「やるべし!」っと、戦うことを選択し、侍を雇うことを思い立つ。
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           ぶっちゃけ この長老が「案外と食わせ者」・・

だけども・・ぶっちゃけ ナンの作戦も無いままなんだコレが!。。。

「百姓には種の善し悪し分かったって・・・侍の善し悪しなんかわからねぇ・・・」(与平)

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侍のスカウト作業に 町に出た利吉、茂助、万造、与平の四人は侍を探すが、コネもなければ、ぶっちゃけ・・・その「報酬」ってなりますなら・・・

ただ単純に『米の飯 食べさせますから』って・・・(呆)まぁ 切羽詰まっているのは判るが・・・

あまりに非現実的なハナシ(映画なんですが:笑)案の定 ことごとく断られ途方にくれる。そんな中、利吉達は僧に扮して盗人から子供を助け出し、礼も受けずに去ってゆく初老の浪人・勘兵衛の姿を目撃する。
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同じく騒ぎを見ていた得体の知れないバカそ~な浪人風の若い男が勘兵衛に絡んだり、若侍の勝四郎が勘兵衛に弟子入り志願したりする中、利吉は勘兵衛に野武士退治を頼みこむ。しかし勘兵衛は飯を食わせるだけでは無理だと一蹴、やるとしても、「最低でも侍が7人必要だ」という。

しかし、これまで 街場のコジキ宿で、貧しく 田舎者であります百姓ら4人を 事あるごとにサンザン馬鹿にしていた同宿の人足が・・・
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        リクめですが、ココにテメエの姿を見出し・・・

 【 おい、お侍!!これ見てくれ!こいつはお前さんたちの食い分だ!ところがこの抜作どもは何食ってると思う!?・・・稗(ひえ)食ってるんだ!自分たちは稗食ってお前さんたちには白い飯食わしてるんだ!百姓にしちゃ精一杯なんだ!!】

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「いいかっ!! この飯はナ!ただの飯だと思うなヨ!(百姓らを指して)コイツらはなぁ・・・稗(ひえ)のカユしか食ってねえんだ!そのコイツらが・・・どういう気持ちでオメエらに 飯を炊いて差し出すか・・・その気持ちがオメエら侍に判るかっ!!」っと・・あろうことか、瞳に涙浮かべ 勘兵衛をなじります。


余計な事ですが、リクめの父親 オヤジは、TVから録画した この映画の このシーンを観るたびに、コッソリと 泣いておりました。


正直なところ ボクも泣きました はい。

バクチに明け暮れ、手酷い言葉で 田舎者の百姓らを小馬鹿にし続け、ロクデモない 冷酷な人間でしかないっと・・そう思えていた 人足が・・・。

幼きリクでしたが、『コレこそが 神か仏が 人間のココロに宿った その瞬間なんだ』って そう思えました。

ギリギリのところで、「善なるココロ」を捨てきれない・・・コレこそが 人間の「価値ある部分」であろうって、今も そう思っております はい。

瞬間「判ります」・・この人足らは、この百姓ら4人が あまりにも貧しく ミジメで、『とても正視には耐えねえヤ』でも、自分とてが、日々 人足をするより他は無い しがなき社会の弱者・・それだから・・・

それまでに サンザン悪態をつき 小馬鹿にしては、『けっ!帰れ帰れ!とっとと村にヨ!』って つれない態度をとっていたのだなあ・・って。

『ナニよりも 助けてもやれないテメエの無力さがムカつく』・・・ぶっちゃけ リクめは この人足に いっちゃん、自己としての姿が投影されているのを発見します はい。

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          「この飯は なまじの気持ちで食わぬゾ」

ある程度以上の人徳を持つ 勘兵衛ではありますが、どうしたところで『やっぱり 侍』・・・

武士の「スキル」も持たない 無力とも呼べる 百姓や人足といった「雑民」の気持ちは理解していないことに 絶望と怒りを抱いたのだと。。。


おそらくですが、監督であります 黒澤明のことです・・・。

この映画が企画されたのは 封切りよりもズっと以前、敗戦の惨禍がアチコチに残っていた そんな時期である筈。

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黒澤明はきっと、『政治家 役人たち! この国民がおかれている惨状をよく直視しろっ!!』ってことを述べたかったのだろうと思うのですね。

百姓役で 左卜全って、一種の 怪優を抜擢した成果で、この 田舎から出てきた百姓たちですが、観ていても、つい・・あまりの「惨めで貧しさに」ハラが立って ボコってやりたくなります(笑)
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          のちに『ズビズバぁ~~♪』のヒト(^^;

そうでス、ある意味でボクも この映画に登場する「荒くれた人足」マッタクもって、そのココロは見事に「シンクロ」しているのだろうって思うのですね。


「ご飯と日本人は切っても切れない。だが米食民族というより、『米食悲願民族』だったという人もいる。史上ずっと混ぜ飯を食べてきたからだ。誰もが白米を腹一杯食べられるようになったのは、昭和も30年代を待ってだった」と言う一節もございますから。

命をかける戦いに対する報酬が、米の飯が腹一杯食えるというだけの設定。流石の勘兵衛も「余程の物好きでなければ務まらぬ」と躊躇してしまうワケです。

しかしその考え方がいかに偽善的で軽んじていたものかという事に気づかされ、有名な『この飯、疎かには食わぬそ・・』という有名な台詞に結びつくワケですね。

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           やはり日本人の「原点」なのだと思う。。。

白い米"銀舎利"は価値の高いモノであり、御上に年貢として納めるモノでしかなく、生産者である農民は滅多に口にできるモノではなかったワケで…。マッタクもっての戦後生まれのリクですらもが「米は一粒残らず食べなさい」とか「疎かにすれば目が潰れる」とまで言われて育ちました。

ぶっちゃけ 今でもお茶碗に飯粒一つ残さず食べる習慣が身についていたりします。それだけ日本人と米の関係は強いモノがある。うむうむ・・・。


コジキ宿で大切な米を何者かに盗まれてしまい、激怒した利吉が壺の底に僅かに残った米を叩きつけ、途方に暮れた与平が床にバラまかれた米粒を一つ一つ手にとって拾うシーン・・・

コレが不思議にも・・・お米が無いってな苦労はタダの1度も経験してない『リクめですらが』・・・

貧しさを 殊更に表現するっていうよりも、オトナになって こうして観返してみますならば、

この映画は、確実に 『日本人のDNAに訴えかける迫力』それを見事なぐらい 持っていると思います はい。

このシーン観るたび その 百姓たちの「せつなさ」「哀しさ」その気持ちが万感胸に迫り、「その痛み」が痛いほど湧き出てきます。

 やはり、「こういうものこそが《真の名画》である!」って、自信を持って断言できます はい。


 
【 抜けがけの功名は手柄にならん!・・・いいか、よく聞け。戦は一人だけでするものではない! 】(勘兵衛)


で・・百姓の苦衷を分かっていながら行動しないことをなじられ、勘兵衛は引き受けることとなり いよいよ物語が本格的に回転していきます。


で・・この映画に登場する『七人の侍』 その一人一人の細かな紹介は あえて避けます はい。

みなちゃま とっくにそれらは把握されているだろうと思いますし、「リク的史観」をインクルードすることには若干の不安と抵抗がございます。

チョっとだけ、言及するならば、ガキんちょの頃 この映画を観たトキは、三船敏郎が演じる「菊千代」ですが、
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・・・ぶっちゃけ『コイツ マルパ~~やろ』って思ったッス(笑)(^^;浮かれてるキチガイだって思った。


よく喧伝されていることに、「アメリカ人は 志村喬 演じる《勘兵衛》」が好きで、それがフランス人となると「宮口精二 演じる《久兵衛》好み」そして イタリア人メキシコ人となると「ナンたって 菊千代」って、なるほろ。。。

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        カリスマを持つ剣豪《久兵衛》

個人的好みですがあくまで・・このリクめが 『エエわぁ♪』って、そう思うのは、加東大介 演じます 勘兵衛の長年の部下である《七郎次》で。

でも、サイショはそれわかんなかったッス。何度も観返しているうちに「ピンときた」。
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演出も凄いですが、加東大介さんんの 演技力も凄い・・勘兵衛と七郎次 お互いに「死んだのだろう」って思っていたら 偶然にバッタリ再会して。

談笑しながら フト、勘兵衛が・・『どうだ?・・チョっとな、野武士40名を相手に厄介とも呼べる《いくさ》があるのだが、やってみんか?』っと問うと・・・

ぶっちゃけ きわめて「ナチュラル」です はい!大仰なアクションなど 一切アリません。まるで 緩やかに水が流れるかの如く・・・

七郎次は『 はい やります 』って・・・いとも簡単に答える。ホント・・このトキ・・「ごくごく微妙に・・・」


「今度こそ、死ぬかも知れんぞ?」と問う勘兵衛に対しても、無言で『ニヤリ』 って笑う。う~~ん・・・サイコーの「ひとでなし」だゼ この御仁♪♪(^^;

お恥ずかしき程度でしかない経験ですが、リクめも(ひとでなし業務で)海外出張などで、実際 地球上の『戦闘地』へと出向いて・・

「この目で観た」のは、《リアルに 使える兵士》ってのは、ぶっちゃけ この《七郎次》のような イケてもない、ジツにもってジミな《おっちゃん》なのでありまして、

気取りもなければ、悲観的でもない。。。顔色も変えず どのような状況でも、瞬時に《風を読み》、ヤルってなら、エゲつない真似を平気でヤってのける。ンで、後も引かず スパ!っと終了。ある意味・・【 だからこそ 生き残れる 】


上司ともいえる 勘兵衛の勧誘に、穏やかなる人物 絵に描いた七郎次の「顔つきが」・・・特に「その目つきが」・・・なんやかやイっても、『いくさ大好き♪』って風な、

 『 ひとでなし 』の目つきに変貌し、次の瞬間 元の穏やかな顔つきに戻ります。・・・痺れます♪♪ 半人前の「ひとでなしの1人」として(^^;
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そ~なんスね、この時代 戦国の時代の「侍」ってのは、それはイコールで『みな 殺人者である』って大前提がアルのでありまして。


・・・考えますならば・・・日本におけるところの この《侍》って存在、立場が 世界的に捉えても それはかな~り「異様」であると思われます はい。

ドコの国だろうと 戦乱の歴史は古代より絶えませんし、幾多の「戦いの歴史」は有った訳ですけども、

その都度の 戦闘に、積極的あるいは嫌々 参加する「兵隊」ってのは、殆どの場合が「徴集兵」、戦闘の無い時期には 職人やったり、畑耕してたりする《マッタクの庶民》なんですわナ。
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      で、父方の先祖は、「一揆」の煽動してたとサ・・

十字軍の時代あたりから、今でいうならば「職業軍人」としての《騎士(ナイト)》という存在も発生してますが、

ぶっちゃけ「その人口比」って点からするならば、我が日本には・・・【 プロの《ひとごろし》が あまりにも数多い 】って、歴史的事実にブチ当たります ええ。


だけども・・・「そんなあぶね~社会状況」にもかかわらず・・・ぶっちゃけ この映画のポイントにもなってます、野武士・・とはイっても、40人もの集団となると 一種の「豪族」ってカウントされますわナ?

その集団による 悪辣な、強奪 収奪って、悪辣な行為はあったにせよ、逆な意味では・・【 案外と社会はマトモに稼働している 】

多分にココいらが、「日本人の特異性」なのでしょ~ねぇ うむうむ・・・。

為政者による 厳格な規定とかがマルで機能してないに等しい この戦国の時代でも、要は《それほどヤバヤバな社会動乱は起きない》って事の1つの証明であると。

リクめも 仕事柄で、世界の多様な民族・人種を見てますが、一部の 中東人あるいは スラブ系民族、または 東欧の「火薬庫地帯(クロアチア等)」って その連中には、

見てて『あ、コイツは根っからの《闘い好き》なヤロ~だわなぁ・・』って、そう感じたりする事が実際有ります はい。
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       サッカーの試合ですら『始終こんな具合』って・・・


だけんど、やっぱ・・日本人に限っては、『本来 争い事がイヤになって』イカダとか乘って 世界の各地から この島国へと漂着したって、「そんな性質の人間ら」によって 成立した《国柄》なのだと思う。

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だから、どんだけ「ひとごろし上等♪」の、《侍》の数が増えても、社会としての基礎構造が『人間同士で争うなんてのはアホだ』それだから、比較してワルいですが、古代中国「三国志時代」のように、あまりの回数の戦闘によって、強大だった国を やがては自己崩壊させてしまうって局面には至らずに済んだって、わたいとしては思うのですネ。


しっかし、今現在 どんだけか 豪華スターらを起用したとしても、おそらくは この1954年公開の この映画の迫力と 緊張感をリメイクしきる事は不可能だって思います。

それは?・・・この映画に参加している 各キャストの役者さんやスタッフ、年代からしても当然、戦地や軍隊を経験したであろう そういう年代のヒト達であって、

『実際に 作業として同じ人間をコロす』って・・その意味と 避けられない《業》みたいなモノを それぞれで背中に背負っている・・それが醸し出す「なんともいえない迫力」それが在ります はい。


この映画を「評論する」世界の一部には、『この映画で描かれるのは 侍と百姓らによる 1つの人民革命軍の姿である』といった趣旨を解釈をする著名人も居ますが・・・


ナマイキですが わたいとしては『むしろ それは逆だろう・・』って そう思えます はい。

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      この映画は『分かり合えない2つの《生き様》』描いてル

この映画 全編を通じて「感じ得ること」は・・・「階級格差」と、「交われない 互いの価値観・世界観」それ だと思う。。。

七人の侍の中で いかにもの「馬の骨」である 菊千代。それが《侍階級vs農民》らを 互いを繋ぎとめるクッションとしての役割を充分に果たすのですが。

侍と農民ともども、互いに 歩み寄る努力も 映画では見せます、だけど・・・哀しいかな それも【 幻想 】・・・。

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        『この子はかつての 俺だっ!』泣く菊千代


なんせが名監督 黒澤明ですから。この映画の中でも、人間の「欺瞞」「いやらしさ」「醜さ」についても イヤになるぐらい表現されています。

根本として・・『銀シャリ飯食わせますから ウチの村守ってください』って・・・(--; ぶっちゃけ「よくもまぁ・・・」ンなテメエら本位の《身勝手な願望》恥もてらいも無く 考えつくよナ~~(--; って感じですし。

ナニよりの「この百姓ら」・・・けっして《無智がゆえに純粋》であるとばかりは 到底呼べなくて・・・。
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    百姓らは自分らの『イビツなエゴイズム』に気づいても居ない



むしろ、「ひとごろしのプロ」である《侍》の方のが よっぽど!裏表もなく イノセントであるとも考えられます はい。

リクめも 劇中幾度も、『本当に悪辣なのは ジツはコイツら百姓側なんとチャうか??』って思いました はい。


 【 こんなものどっから持ってきたってんだ・・・裏の山に生えてたのか?】(菊千代)


あまりに有名なシーンでもありますが、後半部近く、ジツのところ この村の農民らはかねてより・・敗け戦で逃げ落ちてきた半死半生の兵士らに、トドメ刺しては 装具や刀類とか 身ぐるみ?ぐ《落ち武者狩り》が発覚し、侍らが思わず固くなっちゃうって。。。
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       かの明智光秀も、最期は土民に「狩られた」・・・


 
【 ・・・百姓は・・・雨が降っても日が照っても風が吹いても、心配ばかしだで・・・つまり・・・びくびくするより能がねぇ・・・今日のことも、ただ・・ウッヒッヒ・・びくびくしているだけのこんだで・・】(儀作) あなどれない《食わせ者】ですゼ コイツら。。。


それまでの1つの 固定された「価値概念」が一瞬で 揺らぎますよネ?? ウサギの如く ただおとなしく、野良猫のようにビクビク暮らしていたかと見られた 百姓らが・・・

見えないウラでは、ヤってる事ってなら、野武士集団と なんら変わらない ンなエグい真似してやがったと・・・。


 【 貴様!それでも侍か!この鎧は、百姓が侍を突っ殺して手に入れた品物だぞ! 】(七郎次)


ぶっちゃけ・・『 その武器類を有していながらも・・・ 』テメエらで どうかして・・・自分らの村を「護ろう!」ってな 行動に至らない・・・100の理屈あろうと、コレは「卑怯」でス。

要は『侍らに 戦って死んで貰おう』ってハラだ・・・(--;「人間の醜さ」と「自分勝手さ」がココにバクハツしとりますわナ・・・。

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【 百姓ってのはな、けちんぼで、ずるくて、泣き虫で、意地悪で、間抜けで、人殺しだぁ!! 】(菊千代)


人間観察に長けた 黒澤明のことですから、おそらくは、戦中・戦後と、一部の農民らによる 都市部からの「買い出し」傲岸不遜な 上から目線のヤラし~態度をサンザン観たのだとも思えます。

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この映画が名作である点の1つですが、「けっして 百姓を《絶対的弱者・悲劇の民》とは描いていない」ってところだと思えます はい。

むしろ『人間は その環境によっては どんな悪魔にも鬼にも変異出来るのだ』って、ヒトという 生き物の《カルマ》それから逃げずに直視している その「凄み」がある。

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でも・・あまりに百姓バッシングもフェアではないスから(^^; フォローするならば


実際問題、武士と農民の区別がハッキリと出来たのは 秀吉による太閤検地以降、江戸時代に入ってからですからネ。

ぶっちゃけ《侍》っての自体が 元はってならば、そもそも武士とは【武装した農民】であり、戦国時代は農民も武器を持って戦っていたのが史実としてリッパに残ってます はい。

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     「さむらい」が確立したのは コレ以後なんですナ

慶長20年(1615年)徳川2代将軍の徳川秀忠が発布した【 武家諸法度 】(通称「元和令」)ぶっちゃけ「それ以前の侍」ってのは、

実際のところ、今に生きてます 現代人であります我々がイメージとして描く《侍としての姿》それがホントに有ったのか??ってなると きわめてそれは「微妙」で。。。

ストイックな自己規律を抱くことで、ギリギリ・・・『わしは侍である!』ってな、テメエとしての 特殊性と価値観を保っていたかも知れませんが、

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            とどのつまりが、「武装農民」⇔「武士」と・・

だけんど、元を辿るなら、侍と化した それの「主原因」ってのは・・・要は 農家の 次男三男坊らって、家督を継げない「冷飯食い」が、それでも生きてく為の サバイバル手段だったような気が。


でだ・・・ホント、この「あまりにも有名な名画」、それを今更 あらすじなぞっても なんら意味は無いって考えまして はい。

この映画における 最大の『 トリックスター 』・・・三船敏郎演じる《菊千代》。

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アツシさんは リクめなんかが、この 菊千代を どのように捉えているだろうか?って、お思いかも知れないのですが。


ぶっちゃけ 生憎というか、ボクちんは、正直なところ・・・『やたらやかましくて暑苦しいナ このオッサン』って!(^^;それが 隠さざる菊千代感でございます はい。

無論、この 菊千代って存在が無かったなら、この映画が これほどまでに世界中から大絶賛されるはずは無かっただろうって そう素直に思います はい。


【 こいつは、俺だ・・・!俺もこの通りだったんだ・・・! 】(菊千代)


ですが、上記したように、リクめ個人として イチバン思い入れ出来ます 登場人物をば挙げますならば、コジキ宿での 多々良純演じる「人足A」であり、

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        七郎次にいっちゃん共感覚えます はい♪

七人の侍の中では《七郎次》なんですネ。《勘兵衛》のようなリーダー的素養は持ち合わせませんし、《久兵衛》のような孤高のカリスマも無いわたくしですから はい。

だけども【 菊千代は正直 好きになれない 】。。。コレは多分に わたいの「性格的なもの」それだろうと思います はい。菊千代になんら罪は無い(笑)(^^;


ボクちんとしてはだ・・この《七郎次》の『惨い殺戮はけっして好まないが、信頼する上からの指令となるなら、マユひとつ動かさず《それ》実行するゼ』って風な 七郎次におけるところの 1つの「狂気」、

窮地からの反撃を試みる際の、各所に 迷路や落とし穴を《仕掛ける 港のリクの戦法》わたいのよなタイプの生き物にとって、この 菊千代という存在は、『せっかく仕掛けた罠をブチ壊しにしかねない 厄介な存在』なのかも知れないス ええ。

だからに「ひとでなしの度合い」からゆ~なら、確実に! 菊千代よりもズ~っと、七郎次の方が「よっぽど!!」マジでもって《悪魔》なんです ええ。

菊千代が「どんな状況でもアレンジしてマッチング出来る自由奔放タイプ」とするなら、七郎次は「柔軟性に溢れて見えて そのジツ《段取り人間》」ってことかも。
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         吹けば飛ぶよなわたいがナマイキですが(^^;


ぶっちゃけ、この『リク的な視点』で この映画観ますならば・・・七人の侍の中でも、カオや態度にはロコツに出さないけども・・・

野武士集団とのコロし合いを 『ジツはイチバン愉しんでる』それは、菊千代でもなければ リアルで剣豪の《久兵衛》もない・・・

『 《引受仕事》って言い訳でもって 今回もまた《ひとごろし》が出来るぜぇ♪ 』っと ほくそ笑む、温和な要望に隠された「七郎次の狂気の世界」が拡がるのです はい。

劇中後半部でも、『もはやこれまで・・』という状況下の心境を聞かれ「さあ・・・別に」と・・・こともなげに答える七郎次 コレは『狂気の証拠』でス♪

野武士との戦闘が始まっても、【いいか!・・・種子島が・・・三丁!】(七郎次)

一気に山を駆け下りてきた野武士たちはまず七郎次組の作った馬止めの柵に立ち往生しますが、その間に冷静に"種子島"の数を数える七郎次・・・本領発揮です♪
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          穏やかなる佇まいの「悪魔」 七郎次

【 あ~行かんでもよい!こんな傷で死ぬやつは、ノミに食われたら生きてはおれん!・・・だいいち貴様、こんな傷で騒ぎ立てて、せっかく男に仕立てた娘の化けの皮が剥げては引きあわんぞ! 】(七郎次)


七郎次はその容姿と共に最も肝の据わったというより むしろ・・・「リアルな意味で《侍》という存在の異常さを体現した人物である」ってのが リクめとしての所感です はい。


 
【 いいか、戦ほど走るものはないぞ!攻めるときも、退くときも走る。・・・戦に出て走れなくなったときは死ぬときだ】(七郎次)


しっかし・・・3時間を優に超える 長い映画ですが、テンポも早く 1つのシーンに未練も残さず スパっと次へ次へと変わるので、退屈しませんし「それがゆえの娯楽大作映画のお手本」なのですが。


リクめとして 1つ、提唱したいのは・・・『 オンナってのはマジで 怖い・・・ 』ってとこでして はい。。。


オトコらによる「野武士vs農民軍団」双方 真剣で命がけな戦闘をしているのは当たり前ですが。しかし こうも云える・・・『オトコらによる《戦闘》ってのは、どこかGAME的にも観える』と。

制作当時の時代として それまでには有り得なかった 独自にして 今もっての金字塔 凝りに凝った撮影手法を駆使していますが、

現在の21世紀での 各種のアクション映画とかに 目が慣れてしまったボクらからするなら、『ああ 昔の戦闘は、こういう風に《もっさりした感じなのだったのだろうね》』って、「いかにものアクション的演出」を排除した この映画での戦闘シーンに、ある意味 皮肉な「リアリティーさ」それを感じてしまいます。


ですが、反対軸として『戦わないオンナの側』・・・むしろ そっちの方にこそ、それの内部には グツグツと 鉄をも溶かす、黒い炎が立ち上っている・・そんな気がしまして はい。


いちばん若い侍の 《勝四郎》とイイ仲になっちゃいます

百姓村の娘 野武士による 略取を恐れて 男装して暮らしている《志乃》このコの存在ってのは、《意図しないサイコーの この映画におけるエロスのシンボル存在》でして。

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    現代の「AV製作者」にも学んで欲しい【本当のエロスの表現】

改めてオトナになって観返すとよくわかるねぇ・・・「エロス」ってのは、ナニも露出の多寡なんかじゃない! 要は・・「日常における《その落差》」なんだってのが うむうむ。


あと 村人《利吉の女房》で、野武士に略取(差し出されたとも思える表現有り)で 野武士のアジトで幽閉されていた《利吉の女房》としか名前が判りません そのヒト。

出番ってなら、僅か1分程度で、セリフもナイのでありますが・・・ぶっちゃけ【その目つきと たたずまい】それにて、ホント・・強力なる 印象とインパクトを残します はい。
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           観た晩の 悪夢に出た この顔つき。。。

農民軍団らによって 野武士のアジトに火がつけられ、一瞬『解放された♪』って、そう思えるのも「束の間」・・・

ぶっちゃけ、野武士らにラチられて以後に、この女房が どのよな おぞましき恥辱を受け続けていたか? ってのがズバリ!『この女房の目つきと表情』がモノ言わずとも 雄弁に物語っているのですな うむうむ。。。

「気がふれてたのか??」長い間のリクめの疑問でしたが 今 観ますと、『いや・・・このヒトは いたって《正気》だろう・・』って そう思える。。。

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      自分に架された『拭えない穢れ』なんとも深い 「人の闇」

どーせが 野武士らが他の村とかから奪ってきた着物なんでしょうが、キレイでこざっぱりした着物着てはる訳ッス。女房は。

救助に来たツモリの 亭主である利吉と目線が合った「そのとき」・・・おそらくは 女房の脳裏に去来した感覚は・・・

それは「やれ嬉しや」ではなくて・・・もはや・・すべての「夢と希望」それを既に失っていて、救出され ノコノコ元の村へと戻ったところで、

我が身についた《けがれ》と・・・村人らによる 「好奇と侮蔑の視線」、おそらくですが、『そんなのに耐える気力などは もはや無い自分』その想いに駆られたのだと。

ひとことで表現不可能な『壮絶な微笑み』それを残し、女房は再び 火の中へと身を投じます・・・。ある意味「正気でいたからこそ」後に予想される 更なる恥辱に耐えられなかった ジツに 「せつない」ス。


それにしても・・・ガキの頃に観た 幼きリクめを 「1つのトラウマ」とさせたのは ナンたって!《村の老婆》そのヒトで・・・。

このキャスティングですが、大胆にも!! この役を演じたのは プロの役者さんでないっていうから驚く!@@;

あえて、モノホンの画像貼るよりも、ざっくり書きで テメエなりのイマジネーションで描いてみました この老婆を。

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なんでも 老人ホームからひっぱってきたらしいとも。「つくりもの」には決して醸し出せない《おぞましき程の 凄み》それが有ります はい。

失礼な言い方ですが マジで《生きてる リアル・ゾンビ》のようです はい・・・。野武士らに家族すべてを虐殺されたって老婆・・時代的に考えて 同様の身の上だったヒトかも。

なんか・・あまりにもの不幸にさらされますと人間は、「可哀想に」とかって感覚飛び越えちゃって・・・

『化け物がココに居る・・』ってなっちゃう、先の戦争でも きっと、このようなヒトとかが 数えきれないぐらい出たのでしょうネ。やっぱ「戦争」は微塵もイイ事ない・・・。



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最後に やっぱこのセリフ・・・【 今度もまた、また負け戦だったな・・・・・いや、勝ったのはあの百姓たちだ・・・儂たちではない・・・・ 】


 お粗末さまでございました m(__)m

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   最後に「要らん事」する・・(コレもリクの性(さが))(^^;

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港で働く ジツはとっても気の荒い(?)アンちゃん・・・ですが、産まれついてのホルモン分解異常の関係で♂なのにEカップの胸の持ち主 という混沌としているわたしです。

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