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菩提樹の樹の下で （エピソード最終版）
マリア「早くっっ！！ 見つけ出してください！！ワタシの…たったひとりの大事な娘 みちこを！！」
おねだり刑事Ｂさん「落ち着いて奥さん・・・いくつか点を確認しなくてはなりませんので ご協力を」
ぶっちゃけどのクチで云うヨ・・・００ﾒ
マリア「こうしているうちにも みちこは・・・ああっっ もぉアタシ死んでしまいそうっっ！！」
・・・どうか冷静に。。では奥さん…あなたは、娘っさんが《犯人によって 娘さんが掠取される瞬間》それは観ていない…のですネ？？
マリア「は、はい…気付いたら 家の前に遊んでた筈の娘の姿が無くて…周辺を慌てて探していたなら、住んでいるアパートの管理人さんが、いかついだ男性に、娘が 手を引かれてトボトボ歩いていたと」
・・・ふむ…《直接には 観ていない》…それは確かですネ？？重ねて訊きますが。。。
マリア「でも！あの、向かいのマンションに住む ゴリラのような男に間違いありません！みちこを攫って逃げているのは！」
・・・質問変えます・・・奥さん…アナタですが…今現在、羽衣町付近の《風俗店にお勤め》そうでしたよネ？
マリア「ナニよっっ！！ いけないっての！？風俗嬢は、娘誘拐されても 訴え出る資格がナイとでも言うんですかっっ！？」
・・・違います、これも確認です。奥さん、アナタたしか・・・ひとり親家庭で、子供居て、持病もあるので仕事に就け辛いって理由で、《生活保護受給》されてますよネ？？
マリア「それがナニかっっ！？国民の権利でしょうが！ 受給者はパチンコするなっての！？回転ずしですらゼイタクだって説教したいのアンタ？？」
・・・（ああ 云いてぇヨ 内心ではナ）そうじゃなくて・・・生活保護を受給しながらも…アナタは今現在、風俗嬢としての定期収入がある・・・ぶっちゃけコレって・・・【 生活保護不正受給 】ではありませんか？？ その風俗からの収入の分、申告してないでショ？？
マリア「 （ギクっっ） っっ！！」
・・・ま…そっちの件は、我々警察の管轄では無く 税務署および区の福祉助成部だ…娘さんは、誘拐の可能性が大ってことですからね、我々も今 必死に捜査してます。どうかお任せを。
でもマリアさんでしたっけ？ アナタ・・・香ばしいというか…叩けば かなりのホコリが出て来そうな方でもありますネ。。。では また後で。。。
マリアから離れた Ｂさん、ケータイに手をヤリ・・・
『ああ リクか？オメエの予測の通り…《観てない》ってヨ。ナニ企んでやがるか知らんが、あんま無茶カマすなヨ、なんせが 未・成年掠取誘拐事案なんだからヨ』
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小野寺ヒロアキは、よくよく見るなら かなりのイケメンだ。
でも、生来の 臆病な性格、それを隠し通すテクニックも無く」、いつも自分の周囲をキョロキョロ…怯えたように 視線がたえず落ち着かず、周囲にはいかにも挙動不審として映るってオトコ。
毎日 始業前 昼過ぎの儀式、勤めているショットＢＡＲ、店先の舗道を掃き清めています。彼方より…慎重な速度で １台のワゴン車が次第に近づき・・・
あの晩、マー坊のワインＢＡＲで 呼び出した シュンが述べますには・・・
・・・マリアですって？？ あぁ…あの風俗のオバ…ネーチャンですか・・・。
ええ・・・仕方なく…ってか、３回ほど 寝ましたヨ。。なんたってしつこいし、店来るたびシャンパンとか空けてくれるし 仕方なくって感じ。
ｼｭﾝ「オレらホストと風俗嬢は、持ちつ持たれずの関係なんス」
え？？将来ケッコン！？やぁ勘弁してくださいって！！歳が上過ぎますってば！
それと・・・仮に ケッコンしたくたって、【 それは不可能 】って、事情が有るんですヨ ええ。
いえネ…マリアが籍入れて、出来た娘でしたっけ？それが この世に産まれ落ちる前に、要は、婿さんが【 逃げちゃった 】ンですヨ 寝物語で知りました。
これから産まれるこどものカオすら観ずに 逃げ出したってんですから、よっぽどの事があったって思いません？？
なので…そのダンナと、正式離婚も出来ないままですからマリア、法律上は 未だ結婚状態は続いてるって。。。
愛情失せても、依然関係は夫婦。。。
リク「そっか。だが…逃げたダンナに対する《失踪宣告》ってのを提出するなら、７年後には当人居らんでも、スパっと、婚姻関係は断ち切れるのやデ？」
・・・さぁ 判りません。アレじゃないスか？他人のこと云えませんが（笑）マリア アタマ良くないし、そんな法律の知恵とかたぶん知らないって思います ええ。
スゲぇ狭い視野の範囲で、快楽の方向ばっか追及する女ッスよ アレは。。。面倒ごとは徹底して嫌いますからアイツ。
そのダンナですか？？ 関係ナイんで全然知りませんが カオも名前も。。。
でも…寝物語の際に、マリアがポツリと洩らしました。《１度ダケ ハマのコストコ・スーパーで見かけた》って・・・
マリアはそれの際、カモってるどっかの中年のお旦と 買い物してたそうで 声はかけられなかったって。
元ダンナ ４ｷﾛサイズで ￥３９９円の ロックアイスをしこたまカートに入れてたって。。おそらくは…ハマ界隈で 水商売の仕事にでも就いてるんじゃないですかねえ？ 知らんのですが ええ。。。
ワゴン車の扉が開き、いきなり 車内に《拉致られた》小野寺・・・わああ！！ナンですかっっ！？って叫ぼうとする小野寺に・・・
『騒ぐナ・・・オラぁ マー坊ってんだヨロシクな。ヤー公利権を捨てて、物好きにもカタギになろぉってトボケた ●●総業の組長っていやあ、テメエだって耳にしてるだろ？？」
「ひっっ！！ は、はいっっ！！存じ上げてます！！」
『店の方にはオレがハナシ通しとく 安心しろ。オメエをボコろぉってンじゃネエ、ひとつ・・・今日ダケの 仕事を引き受けて欲しいって それダケさ♪ 確認だがオメエ、運転免許は持ってるナ？』
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『・・・ポツリと、一回漏らしたダケなのに…やっぱ 記憶力ハンパじゃネエな リク・・・』 っとホリ。。。
リク「ココだと思った。。。いや、ココしか他にはなかろうって…ヤマ感が働いた それだけヤ。。。今、ホリよ オメエには、未・成年者掠取誘拐容疑がかかってる 判るよナ？」
ホリ「気付いたら・・・自然にこの場所に足が向かってた ああ。。。」
みちこが、ひどく怯えたような眼でわたいを見上げます、こども食堂での皮肉屋ｻﾝの三白眼ではない・・・
なにか 恐ろしき魔物を見上げる目・・・そっか・・・みちこヨ、お前には見えるのだナ・・・
ワシの「正体」…見ないでくれ 頼む・・・
背負っている筈の 天使の姿は影を潜め・・・今にも喉元から飛び出しそうなってる、悪魔と化している このワシの真の姿が・・・
リク「ホリよ、説教は今更せんヨ。オメエのこった・・・どうしても 観てられない、放置できないロクデモない光景に出くわした それの結果だろが？」
ホリは いかついカオを苦渋に歪ませて・・・
・・・貨物の到着が遅延して、３時間ぐらいのブランクが生じたもんでヨ、オレは１度 ヤサのマンションに戻ったんだ。
監視は するツモリも無かったが・・・ランドセル背負った みちこが学校から戻り、家のドアを開けるのを見下ろした。。。
急に…みちこの住むアパート その薄い壁通して漏れた声・・・『 ママっっ！！ センセイと・・・ナニしてるのっっ！？ ひどいよ！あんまりだよ！！ 』って。。。
陳腐で悲惨で ある意味滑稽な、現実の在り様だよナ。ナンのことねえ・・・母親のマリアが みちこの担任 ５０過ぎの教師を 引きずり込んでたのサ・・・
慌てて…ズボンのチャックも全開で、教師は走って 逃げ去ったのを観た。。。
ホンの１分ほどだろうか？ 母娘が感情的に 言い争う声が聞こえて・・・鈍く響く騒音も。。。
・・・そうしたら、ドアが開き・・・顔にアザをつくり、髪の毛も着てる服もグシャグシャになった みちこが…【 逃げるように出てきて 】・・・
で、それを追うように、ぶっちゃけ…一ツ家の鬼婆のように 目を血走らせたマリアも出てきて・・・
マリアが『ふざけんなこのガキっっ！！親に向かってナンてった！？もう一度言ってみろ！！』って、
なあリク、みちこを見続けておよそ３年になるが…これまでタダの一度も、マリアには毒などを吐いたりしてない、それが・・・
このみちこがだ・・・怒りと絶望の表情で・・・【 なにが母親だヨ！！ アンタなんか単なる助平の くされマ●コじゃんかっっ！！ 】っと。。。
遂に、みちこの辛抱も臨界点に・・・
それ聞いて逆上したんだろうマリア、部屋の室内に引き返し、ガチャガチャ…って、金属音が聞こえてきて・・・ っっ！！
咄嗟にオレは・・・『いかんっ！！あの母は自分の娘を包丁とかで刺す気だっっ！！マリアならやりかねない…ってか、今日のマリアは あきらかになんかおかしい…《止める方がムリとも・・・』
もう…躊躇するヒマなど無かった。。。ベランダから地面に飛び降りたオレは、みちこの手を取り…『 逃げよう・・・この地獄からオレと一緒に 』ってナ。。。
リク「そっか・・・・・いかにもの巷での陳腐、悲惨さの見本市やわナ。ワシとして 懸念していた通りのサイアクの展開になりよった・・・」
ホリ「同期のリクに せめて願うのは・・・《どうか 捨ておいてくれないか？？》これ以上アホなオレに関与するな！！それがなにより身の為だ」
リク「センチな抽象論で無く、具体的に この先どないするか考えようヤ？ ぶっちゃけ、どぉすんだ？？ホリよ、この場所は発見されてないにせよ、警察はじき、公開捜査を敷き、アチコチに非常線張りよるデ。引き返すなら・・・今しかナイって ワシは思うゾ・・・」
ホリ「・・・スマン。。それでもやっぱ…【 逃げようと思う 】…この みちこ連れてヨ・・・」
リク「親方の肩書フイにしてもか？パクられてオメエに架せられるのは、《未・成年者掠取および誘拐罪》それの汚名なのだゾ ええ？？」
ホリ「同期であるオレの こんなアホな所業で、リク この先の オメエの出世の芽を摘み取ることになるかも知れんが・・・行かせてくれ・・・遮ろってなら不本意だが・・・」
リク「・・・いいヨ 行けヨ ホリ。みちこ連れてナ・・・」
ホリ「えっっっ！？ 見逃してくれるってのか？？…」
リク「憚りながら…このワシも、みちこは 置かれている地獄の環境から【 逃げるべきだ 】って そう思う・・・ホリよ、連れ出してやれ みちこを平穏なアルカディア（新天地）へ・・・」
ホリ「すまん・・・恩に着る っっっ！！」
リク「だが・・・１つダケ、条件がある。ズバリ、《オメエのその 利き腕の右手だ》」
ホリ「・・・・・」
…３日前、コンテナヤードでいつもの貨物コンテナ作業をしていたホリは、コンテナケースを縛り束ねる ワイヤーのロープが外れ、地面にバウンドしたワイヤーがホリの右手部分に当たり負傷《ボクサー骨折》をしているのでした はい。
リク「やっぱ逃げるにゃクルマが必須やろ？ホリよ、オメエの今の その右手 痛々しい包帯姿では…みちこ連れて ハンドル握るにはあまりに危険すぎる・・・それはしてはならん・・・」
ホリ「では・・・どうすれば・・・」
リク「まかせんかい♪ワシをダレやと思っとル？港のリクやデ。《もしもの際》に備えて とっくに用意してあったのヤ♪ あ…云ってるそばから来た 来た。」
丘の下側から、旧い型の日産マーチが近づいて コッチにパッシングサインを送って来ました。
リク「こ～ゆ～のもアリだろって、用意し溶いた。逃げるってなら、ハデなクルマでなく、こういうコンパクトに限るンじゃ♪これ、盗難車とチャウけど、とりあえず、任意保険はナイ（笑）そのツモリでナ」
ホリ「ありがたい が・・・運転しているヒト どちらさん？？」
リク「うんキミがヒロアキ君か。ホリに替わって 運転あんじょう頼みまっせ。せやナ・・・とりあえず、高速道路は避けて一般道で、八王子からウラかいて 埼玉方向へ飛ばしてくれヤ な？」
みちこ「・・・なにおじちゃん？ アタシをジロジロ観て なんか用？」
「い・いや…なんでもないんだけどネ…」っと、落ち着かない目と挙動不審なドライバー。
去っていくマーチを見送った。。。逃げろ…気が済むまで 可能である限り。たとえこれが、弱者の抵抗と反乱でも。
・・・あと…謝るゼ ホリ。。ぶっちゃけ、今回ワシが、最大に【 騙している 】のはオメエなんだ ああ・・・
さあ・・・港のリク 一世一代の 《悪企み》の幕が開くゼ。。。
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やはり、この国の 現場警察官は有能だ。ましてや 時期もあった。パシフィコ横浜で先月に開催し終了した国際会議、
それが平穏に終了し、一転してヒマになった神奈川県警は、待ってました！っとばかり、通常とは倍に近い 捜査人数を投下し、
監視カメラもフル動員、顔認証ソフトでホリの乗る旧型マーチの逃走ルートは たちまちキャッチされてしまうまでには さして時間はかかりませんでした はい。
非常線 臨検に遭遇したマーチ、覚悟を決めたようで、立ち塞がる 赤色のカラーコーンを倒し 逃亡を図った。
が…そういう事態を想定っしてたらしい警察は…《 剣歯式バリケード 》強制的にクルマのタイヤをパンクさせる 対テロ警備での秘密兵器
それにより、逃走マーチは あえなく・・・４つすべてのタイヤはバースト、前進も交代も不可能となりました。
ホリ『もぉ・・・ヤメよう。。ヒロアキさん もういい。これ以上 みちこﾁｬﾝを危ない目に遭わせるのは良くない・・・』
やや青ざめ、覚悟を決めた表情で、ホリがドアを開け、車外へと立ちました。
『 ホリだな？ 未・成年者掠取および誘拐容疑で ●時●分 現行犯逮捕する！ 』
両脇を固められ パトカーへと歩かされていますホリに・・・後部座席から飛び出してきた《みちこ》が・・・
『…ホリのおじちゃあぁぁぁんっっ！！』っと。泣きじゃくりながら大声で、『アタシを独りにしないでよおぉぉぉ～！！約束したじゃん！！ふたりしてズぅ～っと 逃げようって！！ わあああ～～んっっ！！』
『お待ちください おまわりさん・・・ホリさんは・・・誘拐犯ではありませんよ ええ・・・』っと・・・
『って・・・アンタ 誰だ ああ？？』 『いえ、違うのです 本当に・・・』 そう名乗り出たのは、ハンドルを握っていた【 小野寺ヒロアキ 】で。。。
小野寺は…「まさか 観てなかったとは言いませんよネ？マーチのハンドル、運転していたドライバーはこのワタシです ええ」
『それがどうだっていうんだ ああ？？オメエも共犯だろが ええ？？』
もはや彼は、さいぜんよりの いかにも小心、挙動不審な態度は １ﾐﾘとても消え失せ…目の前に警官の目ともシッカリと視線を合わせ 落ち着き払って喋る《勇者》になっておりました。
小野寺「いけませんか？ ドライブしてたんです。ワタシ…【 そこで泣いてる みちこの実の父親 】それなんですから。」
『 ナンだってえええっっ！？ 』
小野寺「事情在って、ズっと別居してましたが、離婚とかの作業は為されていません、そう…【 法的には親子関係は継続しているのですよ 】」
『うぐぐっっ！！ っっ！！』
小野寺「実の父親とその娘が ドライブしたからって、りゃくしゅなんとかって、誘拐罪は成立しませんよネ？ ね？？でだ・・・そこに居る ホリさんは、我々親子のドライブに付き合った【 単なる同伴者 】です。父親のボクがそぉ宣言するのですから間違いありません、ホリさんを解放してあげてくれません？？」
現場はたちまち大混乱に・・・
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笠間町付近で合流し リクめと八百政 それとマー坊、捕り物となった相模原の国道へと辿り着いたなら 現場はだいぶ落ち着きを取り戻してて、
現場の警察官らが、《テメぇ…仕組みやがったナ…》シラケたような、カラクリを見抜いたか、憎々し気な目で ボクらを観ました はい。
「なるほどねぇ・・・よくもまぁ考えやがった…皮肉抜きで《してやられた気分だゼ》ああ・・・」っと おねだり刑事Ａさんが。
「久々の 広域捜査の大捕り物、オレっちも駆り出されたクチよ。イザ逮捕って瞬間に…ジツの父親に名乗られちゃナ・・・おい オレもダテにバッジつけてないからナ・・・リク…テメエがすべて仕込んだってのはお見通しだ。だが、《法の抜け穴 壁》にはどうにもならん・・・」
マオ老子より 脅し借りた、闇の売血所に保管された 血液提供（販売）者らの 要は【 ＤＮＡデータ 】・・・
母親のマリアも酷いオンナだが、それと釣り合う 父親も同じく ロクデナシだと推察したのでした ええ。
１つの《勘》に賭けた。どんな理由にせよ、産まれ落ちるこどものカオも観ないまま、テメエ都合で消えた 小野寺だ。
そういう安直で無責任なヤツゆえに、１度や２度ぐらいは、チャイナタウンの闇の売血所で 血を売った経歴が有るだろうって、
八百政が不眠不休で、こども食堂にある みちこが使用した マグカップ、そのＤＮＡとマッチングする【 父親のＤＮＡを 】照合作業をしたのでした。
結果、『９９％の確率で 甲と乙は親子の関係である』ってのが判明、そうしたのち、マー坊が、
『リクさんの朋輩 ホリさんのピンチであると同時に、マジで テメエの娘、カオすら観た事無いだろう 娘の《みちこの》絶対的な危機でもあるんだ。イッペンぐらい、実の父親らしいことして、娘救ってやれヤ。判るな？？オレの云う事・・・』
マー坊の不世出な《人間リョク》で、小野寺ヒロアキを 《その気に》させたのでした はい。
講師出張先大学の法学部教授に授かった知恵
やがて、パトカーに乗せられて、みちこの母 マリアが・・・現場へと到着しました。
ダレが観ても 芝居っけ過剰、あざとい雰囲気プンプンで、
「ああ！良かった！無事で！！ おいで、いらっしゃい みちこ、ママのとこに・・・」
反射的に ビクっとした みちこは・・・「・・・ヤだよ・・・」 「えっ！？どうしたの？？ママよ！」
感情が高まり かえって無表情のカオと声で みちこ・・・「もうサ…親子…ヤメようよ わたしたち・・・」
「ナニ云ってるのアンタ！誘拐されておかしくなったの？？ほら ママだってば！！コッチおいで みちこ！！」
みちこがブルブルと震え出し…『ふざけないでよっっ！！アンタはママなんかじゃない！！ナニよコレはぁっっ！？』
っと、ポケットから 小さな ビニールに包まれた包みを地面に叩きつけます。。。
「・・・ありゃあ…《パケ》ですネ。どぉ言い訳しても・・・」っとマー坊がポツリと呟きます。
『もぉ・・・もぉヤだ・・・疲れたヨ アタシも。ママに毎日のようにイジメられ 殴られたりするのは・・・っっ！！』
警察官らの前で 決定的とも呼べる証拠を突きつけられ 途端にしゃみこみ震えだすマリア・・・
『知りません・・・っっ！！ あんな袋。。ワタシのじゃありません 信じてください！！』
Ｂさん「なぁ…いい加減 神妙にしちゃどうだい？？だったらあの、九歳の娘がシャブ…喰ってたとでも云うのかアンタは？？」
『３時間前…ママ、アンタなにしてた？？家で担任のセンセイと おフトンで抱き合ってた、でもまだイイ、見慣れてるから。。。でも、アンタとセンセイは、《それ》・・・炙って一緒に喫ってたよネ？おまわりさん！ホリおじちゃんがなく、《このヒト》捕まえてヨっっ！！いつかトンデモない罪冒すよ！！』
凄惨な展開を距離置き 眺めながらフクザツな気分で居ります ボクら。
八百政「・・・ねえリクさん、どうして？？みちこは あんな酷い母親の元から 今まで逃げずに必死でつきそっていたのだろうか？？」
リク「うん・・・おそらくは、暴力に及ぶ母親と それを受け続ける子の【 共依存の関係 】…ある意味、究極の不幸な現象ヤ。みちこがナックなんヤ、マリアのようなダメダメな母親を ぶっちゃけ《捨てきれない》・・・もしも自分が居なくなったなら、この母親がどうなってしまうのだろうか？って…心配で堪らず 親の元から去れない・・・せつないよな。。。」
八百政「それにしても・・・一瞬で、ヒトの それまでの人格が豹変するのを目撃出来たヨ。小野寺が…初めて見た 自分の娘 みちこ、見た途端・・・それまでの小心者、挙動不審から、一瞬で《娘を護る父親》に替わる姿をネ」
リク「ああ ナンでもナ…母性本能もそうらしいが、父性本能の《保護本能》ってのも、ホンの一瞬、光の速さで、脳内で シャワーのように分泌されるらしいデ。人間は…おもろいモンやナ うん」
Ｂさんがマリアへと近づいて・・・「いったん署に戻らないと 正式な薬物陽性検査は出来ませんが、令状取っても尿検査は実行させて貰うヨ。。今晩はたぶん・・・自宅へは戻れないって覚悟してくださいヨ 奥さん・・・」
恐怖とショックで 立ち上がれなくなっていますマリアから やや距離を置いた１台のパトカーの脇で・・・
みちこ「・・・あのぉ・・・《おとうさん》・・・なのですか？ あなたが本当の・・・」
小野寺「うん そうなんだよ。・・・ゴメンな、今までズっと逃げてばかり居て。。。これからはズ～～っと、一緒さ みちこ・・・ っっ！！」
それを観たマリアは、発狂したように・・・
「娘に・・・ワタシの みちこに触るなっっ！！今さら父親ズラするな！アンタなんか無責任きわまるロクデナシじゃないかっっ！！」
そうしたなら、傍らに付き添っていた Ｂさんが・・・
「奥さんよぉ・・・ロクデナシってことについちゃあ…ぶっちゃけ アンタ、他人の事云えないんじゃないか？？」
「早くっっ！！ワタシに、みちこを返して！！ で、あのゴリラに手錠かけてヨ！！」
「おいおい…もぉ ついさっき、自分で発した証言 忘れたのかいアンタ・・・《我が子の 連れ去り現場は観てない》って。ホリ君は現状で 容疑者ですらないヨ」
「そ…そんなっっ！！」
「それに…血相変えて、柳葉包丁抱えて、部屋から出てきたアンタの姿、目撃の証言がある。。。加えて…あの白いパケ、中身はナンだい？？ 皮肉だと思わんか？この捕り物…結果として、アンタをパクるためのモンになっちまった・・・さ‥・この先、国選弁護人が親切なセンセい当たるとイイな。」」
ぶっちゃけ・・・奇跡に近い確率でもって、このワシに残された余命と引き換えにした・・・日本の刑法を騙くらかす、デカいカラクリは成功したようだ。。。
またひとつ…新たな『不幸を…』産み出した気がして…
しかし・・・正直、カタルシスは無い・・・Ａさん Ｂさんをはじめ、必死に協力をしてくださったヒトらを 無残にも裏切ったユダにも似た気分だワ。。。
Ａさんがズンズン 肩を怒らせて歩み寄ってくる・・・
「やいリクっっっ！！ てめぇ…ホリを救うために…まんまと《この国の刑法を》ネジ曲げやがったナっっ！！」
Ａさんは怒っているというよりも・・・むしろ、泣いている表情で苦し気に 絞り出す声で そう言い ボクを罵りました。
Ａさん、アンタが怒って当然だヨ ああ…
「ナニが本当の父親だっっ！！ 小野寺…あのクソ野郎は、テメエでこさえた子供のカオすら憶えてない無責任野郎だ 違うか！？ だが…それが まさしく《法の隙間であり 壁だ》・・・クソみてぇな親でも、あの野郎が《父親であるのは動かぬ事実だ》…よってホリの誘拐罪は成立しない、ウマいこと考えやがったナ・・・」
そして「通りいっぺんの聴取が済んだら ホリは解放だヨ ああ。法的には…ホリの奴は単なる《帯同者》に過ぎない・・・。でもなっっ！！ ・・・っっ！！」
瞬間…長年 ハマの裏通り、巷で ありとあらゆる《現実》…それを経験した刑事の 拳が閃きました。
殴り倒された。。。最近よくよく殴られるモンだわナ（嗤）
断罪されてしかるべきはこのボクだ。。。
・・・イイのサ Ａさん・・・好きなダケ 思う存分 罵ってくれ このワシを。すべての発端は このワシのエゴなのだからサ・・・
Ａさんは、一時提出させた ホリから押収した所有物から ハイライトを一本抜き出し、百円ライターで火を付け いかにも不味そうに喫いました。
・・・オラぁなリク、お天道様に恥じない《おねだり刑事》ヨ。だがナ、タカるのは あくまで飲み食い それダケだ。
カネで クロをシロってした事はタダの一度も無いしヨ、こんなオイラにも、固い矜持は有るのだ。それはナ…【 市民と社会を護る警察官として、絶対に！！ 法律をネジ曲げたりはしないって それだ！ 】
Ａさん『こんなオレだって 警察官なんだ！！』
・・・リクよ、ホリを思うオメエの友情は尊い・・・だがナ、今回テメエがしたことは【 姑息だ！！ 】
オレら警察や検察を飛び越えて、実際の刑罰を下す裁判所の公判が それを無力化する手法をよくも実行しやがったナ！
さすがは かの《港のジン》が 通り名を譲った 港のリク、危機回避の天才だヨ オメエっちは。だがオレは 許せん、【 最低だテメエはっっ！！ 】
・・・絶交だ オメエとは。。。色々あったよナ？？オメエとオレらとは。残念でならんし ナンともせつないが あばよ・・・・・
ははは・・・思った通り 徹底的に嫌われたか（嗤）覚悟の上だろ？ナニを哀しむンだ自分・・・
トラブルシューターは、最期は すべての汚名を着せられ果てるのが宿命なんだ。本望じゃないか ああ。。。
あれ？…おかしいナ、いつものようにカラダが動かへん・・・なんか視界も急に暗くなって・・・
もしかして・・・「あれ」なのか？？
・・・あ…遂に…来たのか医者が述べた 【 急性転化 】ってのが。。。
ははは・・・我ながらセンチやナ、こんなトキに昔観た映画《ブレードランナー》ラスト近くのハイライトシーンを思い出すなんて・・・
I’ve seen things you people wouldn’t believe. Attack ships on fire off the shoulder of Orion.
I watched C-beams glitter in the dark near the Tannhauser Gate.
All those moments will be lost in time, like tears in rain. Time to die.
オレは…おまえたち人間には信じられないようなものを この目では見てきた。
オリオン座の近くで燃える宇宙戦艦。タンホイザー・ゲートの近くで暗闇に瞬くＣビーム、
そんな思いも…時間も…共にやがて消えていく・・・雨の中の涙のように
・・・その時が来た。。。
ルトガー・ハウアー演じる 反乱軍レプリカントのリーダー ロイ・バティーが、燃料切れで朽ち果てる最期の言葉・・・
・・・時間切れだ・・・そんな声が 風に乗って聞こえる気がした。。。
正直…こぉゆ～ザマで朽ち果てるのも、案外と《本望》だったンとチャウか自？？
『どうだ？？恐怖の連続だろう？ それこそがオレたち奴隷の一生なのだ・・・』
へっっ！強がりぢゃネエよ ああ。人間、生き物はすべて有限なんヤ、オラぁ 港のリク様だゾ！畳の上でクタバらねえのを むしろ光栄だって思うゼ オラぁ。。。
じゃあな みんな・・・すべての《トモダチ》 色々と迷惑かけたが、後は任せる。。。
この阿呆のこと、数年に一度ぐらいフト思い出し・・・あとは忘れて暮らしてくれヤ な？？・・・暗いナ 落ちる・・・
迎えに来たのは イチハラか？？ よく来たナ。。。
『おいっっ！！ 担架を回せ！港のリクがぶっ倒れた！！ 早く！！』
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・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・なんか恰好ワリぃ～…どうやら 死に損なったよぉだ。。。
栄養点滴に ワン公のように繋がれ、寝かされていますベッドの傍らには 盟友の八百政が。。。
八百政は言います・・・ リクさん、アンタ今回マジで あぶないとこだった。。。
まんまと…【 不治の病に《させられ》 病院にコロされるところだったんだ ああ 】
リクさんが今 寝ているベッド、ココは以前の病院とは異なる医療機関さ。
現代における 医療分野の、なんともドス黒い暗黒部分に まんまと落とされそうになったんだよ アナタはネ。
アナタが気を失っているうちに、依頼して ココの医師に 再検査を願い立てて、スグに 結果が出た。
リクさん、アナタは…《甲状腺がん》などに罹患してはいない・・・腫瘍は存在してたが、でもそれは あくまでも《良性腫瘍》、
それもネ、もうかなり以前に 成長が止まり、今は全体の９割以上が 空洞化している サヤエンドウ大の いわば《癌モドキ》だ うん。
怖い話サ、超音波エコー検査やＭＲＩとかったって、それによる最終判断は、医師っていう１人の国家資格者の《見立て》にすべてが委ねられている現状なんだから。。。
いいかい？？ 現実の話として…１人のがん患者が発生するならば・・・その患者当人が 生き残るか死亡するかに関わらず、その治療を担当する病院には、平均して《一千万円の売り上げ》が確約…もたらされるんだ ああ。
病院経営における最大の利権さ・・・それゆえ…本当にがんなのか？って、疑わしいモノまで含んで《将来 がん化の可能性》って屁理屈で、殆どスルー状態で、疑わしい患者は一様に、癌であると追い込まれ、囲われてしまう。。。
一刻も早く取り除きたいのは 僅か１つの癌細胞だろ？ でも、《抗がん剤》や《放射線》は、癌細胞以外の、カラダの中すべての！細胞をもズタズタに傷つけるのだ。リクさん、アナタもそうなる寸前だったんだ・・・まさしく 人生最大の危機だったよナ。。。
これ…ガセじゃないから・・・ボクの興信所時代の同僚から聞いた。昨今、各険会社で商品として出している《がん保険》、それの支払い率があまりにも、不自然に高騰しているって事実を疑問に思った保険会社がサ、
興信所業界へ事実調査を依頼し、それで実態にメスが入ったんだ。その結果？？・・・日本医師会も、保険会社も、ある意味で興信所業界もクソだヨ ああ・・・ボス交による 利益配分でシャンシャンだ。。。
さすがにヤバいと感じた医師会サイドは、厚労省と厚労族議員を懐柔、同時に保険会社サイドにも、報道誌面やＴＶ等ＣＭするについて、破格の料金設定を用意し・・・
事の仕上げに 興信所業界のＴＯＰ筋にも裏金を積み上げてネ・・・実際 見事なぐらいに、タダの１行も このスキャンダラスな《悪行》は表の社会には報道されてない・・・
種明かししようか？ このボクが所属してた 興信所業界に絶望、幻滅して去ったのは、それが理由なんだ うん。。。
誰一人・・・家族を ガセの癌で亡くした 家族の心情とか考慮しない・・・恐ろしく危険な国でも有るんだ この日本はネ。。。
本当に怖い…なんせが、医療的化学検査での証拠として、リクさんの体内には、空洞化してもはや機能も成長もしてないにせよ、腫瘍ってのがアルからね。
でも、再検査の結果によれば、その空洞化した良性腫瘍は、体内で 白血球のエサとなり、時間はかかるも消失するらしい。
しかし…本来なら 放置して構わない、リクさんの傷病ケースへ、《一千万の売り上げ》が まさに行われようとしてたんだ。。。
通常の、あきらかに 癌に罹患している患者と同様の、処置や治療…バカ高い薬や ヤバい抗がん剤が、牛や馬のように投与されても 一体誰が疑うよ？？ ああ。
わかるだろ？ 要はリクさん、あの捕り物のラストで気を失って倒れなければ、あの病院で 治療と処置が為され…ツマリが【 抗がん剤によってコロされるとこだった 】・・・
で、ココの医師によればネ、アナタが倒れた理由だが…全然 癌とは関係ないってサ♪
一過性の ﾋﾞﾀﾐﾝＢ６とＢ１の不足、それと、ココ最近 ロクなメシ喰ってなかったろ？？それによる《緩やかな生命の危機》要は…《栄養失調による低血圧でぶっ倒れた》ってこと（笑）
なんか…マジで みっともねぇかも…（－－；
・・・スマン…またまたメイワクかけたナ 八百政・・・
でも・・・ある意味で 霊的なハナシやけど、ホンの前までのワシ、その命は マジでだが、風前の灯火だったンやろって思うワ ああ。。。
命の灯火が尽きかけていたのだとフト思もう・・・
根拠こそナイがヨ、多分…このワシがクタバって、当然 地獄に堕ちるって行程を よっぽど…ってイヤがりよる諸先輩らが居てたのだよぉ～ヨ（嗤）
ま・・・まだまだこの浮世でバタバタと走り回って 盛大に恥をさらせヤって意味合いなのかもナ・・・。
三途の川を渡らせなかったのは…イチハラ…キミか？
八百政「でだ・・・どうする？？ 前の病院の あの医師・・・さすがのボクでも…港のリクによる《落とし前のケジメ》それがあっても当然の報いだって思うが。舞台用意しようか？ ま とりあえずも少し 体力が回復してから」
おっかね・・・おそらくは普段温和な この八百政が、あのオタク医者が泣きじゃくるまで トコトン 問い詰めたのだろう。。。きっとこのワシかて泣くデ（笑）
『 ふんっっ！！ 』気合発して ベッドから上半身起こした。 ナンだ・・・スッカリ、カラダ軽いやんか。。。八百政に・・・
・・・ああ、…だがヤメとくワ うん。おそらくやけど…あのお医者のセンセかて、ＴＯＰの経営者から キツい《ノルマ》課せられてた、哀れな 一介の労働者だったのだろぉヨ・・・
ニタニタして患者を 癌ってことでコロして ひと儲け目論むって…ンな恐ろしい生き物が 白衣着てたなんて 思いたくも無いワ せやろ？？
要するに《ワルい構造》それやロ、気付かんうちに、間違った線路が秘かに敷かれて…それを正常に切り替えるポイントが ドコにも見つからずにいたのだと ワシやけど そぉ信じる 信じたい・・・
ワシへの謝罪なんかより、例のセンセにはサ、ココロの底から真摯に反省し、今後は 患者の為に《佳き医師の先生》に変わって欲しい。いっちょ賭けよか？（笑）ワシは 出来る方に張るけん♪
・・・クタバる筈の命を・・・もう一回 《命を》賜った・・・先の医者を恨むより、今は素直に、それを感謝したいんだ うん・・・。
ヒトは《生きてる》のではない、《生かされている》んだ うん
Ａさんが見舞に来てくれました。
Ａさん「こないだはスマンかった。つい、感情がバクハツしちまってヨ（恥）オメエの…カラクリ大芝居成立までの工程…八百政から聞いて 思わずメマイがした。よくぞ 仕上げたモンだ ああ」
リク「それより・・・ホリ…アイツの処分はどぉなりよりましたか？？」
『裁判がヨ、この案件では成り立たないんだ ああ…』
Ａさん「うん それだが・・・。さすがに、構わず強引に、ホリが誘拐犯だって案件に決めつけても、とてもじゃネエが、公判が成り立たねえワ。だがヨ…本店（県警本部）にも鳴り物入りで出番ってきてたプライドがあるから わかるべ？」
リク「ええ。。」
Ａさん「マスコミ対策的には、風俗嬢マリアの、その我が子虐待の容疑と、シャブの所持と、尿検査による陽性、使用…それと、マリアの住むアパートガサ入れ実施したなら 出るわ出るわ…シャブだけでなく、ＭＤＡＡやら、各種の向精神薬…とても個人で使う量じゃネエ。俄かに売人容疑も出て、成果は挙げたって思ったんだが…」
リク「やっぱ、《未・成年略取誘拐》の線に 拘る県警本部サイドの意思が働いたと・・・」
Ａさん「ああ、ホリを手ブラで 大手フって解放ってのもいかなくてヨ・・・粘ってはみたが、妥協の産物として…《神奈川県迷惑行為防止条例 第１１条違反》…おさない児・童への《つきまとい》・・・それに落ち着いた。。。リクにゃ不本意だろぉが、県の条例違反ならば、ホリの処遇…おそらくは懲戒解雇は避けられると思う ああ」
でもなぁ…いちばん悲しんでいるのは『みちこ』なのでは…
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『じゃあ ホリ…今さっき終わった 重役会で決まったキミの処分を言い渡す』
・・・結論から言う、今回の始末の責任として、減俸１０％それを６か月間、今季前半のボーナスは支給しない。
「なんだ・・・その程度かい。。。てっきりクビだとばかり・・・」っとホリ。
「おい・・・（－－；病み上がりの不憫なボクちんが、どんだけか会議でガンバしたか 判かてンのか こら・・・」
「・・・本気にするなヨ（笑）ノッケからラストまで、すまねぇって・・・感じてるヨ リク。。。」
「次はチト考えろヤ？…あっちゃなんねえが（笑）ハマの港中の 現場の荒くれ連中全員の 嘆願書が効いたって訳サ♪」
「そうだったか・・・こんな…取りに足りないオレのために・・・ っっ！！」 「それがオメエ《人徳》だ ああ。。。」
リク「本来…県警本部と手打ちにした措置…オメエがストーカー犯ってのもシャクにさわるが、ぶっちゃけ マジでイイのか？？この先 その汚名を着せられたままでも？」
ホリ「ああ構わん。それにより、小野寺が あの時倒した検問でのカラーコン、公務執行妨害もチャラにするってからヨ 喜んで受ける ああ」
つくづく…オメエって奴は、【 愛を振りまく天使だ 】
リク「そ～ゆ～とこ・・・いかにも びれんのホリだよナ。。。」
ホリ「そりゃそうと・・・《みちこは？》今 どうしているのか知らんか？？」
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『うむ・・・美味い 上出来だ。これならなんとか及第点だ。ダテにバーテン稼業１０年してねえナ 小野寺よ』
小野寺「・・・どうもッス・・・」
マー坊曰く『バーテンの腕は、ﾄﾞﾗｲマティーニで判ります』
ドライマティーニのグラスを脇に片し マー坊が、「どうだ？ いつまでもあんな、所轄署から手入ればっか受けてるヤバいＢＡＲなんかより、もっと安心して働ける職場で 腕磨かねえか？ 娘と暮らし始めたンだろ？」
小野寺「って…云いますと？？」
・・・鈍い野郎だナ（苦笑）今回の騒動 その仕上げに、オレっちがオメエ正式に【 雇ってやろう 】って持ち掛けてんだヨ♪
小野寺「マ・マジっすか！？」
・・・ああ だがココの店では無い、ココはナ、カタギに転じるオレが、正式に 外食産業に進出するについての 云わばアンテナＳＨＯＰなのサ。
藤沢にナ、デカくはないが、目抜き通りに ビル１棟ごと借り受けた。各階に色々な飲食店を開く予定だ。
で・・・パリの《ロブション》で修業した、若手バリバリのシェフをゲットしてナ、カジュアル価格だけど、本格的な フレンチレストランを一階に堂々オープンさせるハラよ♪
小野寺「はぁ・・・」
・・でナ、その店内 入り口部分に、食前酒・食後酒を飲ませる《ＢＡＲラウンジ》それ併設済んだヨ。
まだ判らねえってか？？ニブい野郎だナ。。。オメエがその気なら、そこのチーフ、任せてやろうって云ってんだ 判るか？？
小野寺「なんか・・・ポカンとしちまって・・・現実じゃないって気がして・・・」
・・・淀んでた空気が一新され、運命が回りだすってのは《それ》なんだヨ。もぉ とちクルっても、血ぃなんぞ売るんじゃねえゾ こら・・・経営者は元ヤクザでも（笑）真っ当に額に汗して働け、バーテンとして腕磨け 【 子供の親なら 】。。。
でも ぶっちゃけ、オメエがチャン街の 闇医者で売血した経験が在ったからこそ・・・リクさんと八百政さんが、ＤＮＡデータで、オメエと《みちこが》、本当の親子であるのが判明した、ま…こういうのも縁だよナ。
小野寺「お恥ずかしいッス・・・２度ほど、月末で金欠な時 血を売ってしのぎました自分・・・」
・・・医学・科学の進歩は こういうモンに使って欲しいよナ。って訳でサ…オレっちとオメエも、なんらかの《他生の縁》がアルって そぉ感じたモンでヨ♪
小野寺「ありがとうございます！！ っっ！！」
・・・礼はまだ早い・・・オラぁ おひとよしばかりの元ヤクザじゃねえゼ…テメエのバーテンとしてのスキルがダメだと判断した時にはスパっと 斬るからナ・・
小野寺「は、はいっっ！！」
・・・いいか？高い酒でも カクテル一杯が１５００円以下のカジュアルなＢＡＲだが、むしろ…高価格設定の１流ＢＡＲよかかえって その価格帯の店を流行らせる方のがジツは難しいんだ ああ。
どんなに安い酒頼まれようと、客の身なりがどうだろうと、精一杯、出来る限りのサービスに徹せられる《プロ》になれ。つまらんゾ、世をスネたままバーテン、水商売続けるなんぞ。。。
小野寺「生き返って・・・みます！ みちこの為にも きっと。。。」
・・・で…もしよければだが・・・なぁ？？オメエ 思い切って、このハマの地離れて 引っ越さないか？ モチロン 娘と一緒に。
みちこチャンだって、来月はもう十歳だろが？いつまでもガキのままじゃネエ、早晩 初潮だってくるだろう。福富町裏の住民がウロつく、オメエの今のヤサで育児ってのはどんなもんだ？？
父親と名乗って出たからには チっとは 子供のおかれる環境ってモン考えたれヤ？ 今 別荘でクサい…健康食喰ってる（嗤） マリアが出所した後の事も考えての安全策ヨ。
横浜市離れて、鎌倉、いっそその隣の《逗子市》行けお前。頼んである、ＪＲ東逗子駅の前に、サンコーハウジングって不動産屋がアル。
そこの社長 オヤジってのが、長年のオレとこの競馬のノミ屋の常連客でヨ（笑）オレっちがカタギに転身するにあたり なんか祝いをしたいってヨ・・・酔狂なオヤジだゼ。。。
マー坊『悪党としか観えねぇが（笑）苦労人のイイ親父だ♪』
だから 甘える事にした。明日にでも その不動産屋訪ねて、オヤジから 鍵受け取れ。スグにでも住める算段してくれてるから。
駅から徒歩７分、新築ではないが オール電化の 手狭ではあるが２ＬＤＫのコーポだ。スカ線の線路がすぐそばってハンデあるが、なに 慣れればそれも子守唄さ♪ なんだ？モンクあんのか ええ？？
小野寺「・・・っっ！！ すみません…泣いてもイイすか？・・・っっ！！ オレ…物心ついてより こんな他人からの親切は・・・ っっ！！」
・・・とりあえず向こう２年は社宅扱いにしてやるヨ。・・・イっとくが…電気代とか水道料金、デンワはテメエで払えヨ？（笑）（笑）
でサ…逃げ出したにせよ、オメエも一時は愛したオンナである マリアだが・・・もぉこの先、情けとかかけるのは、みちこﾁｬﾝの安全を考えても、【 完全に切れ 縁をサッパリ 】
今は娘の事だけを考えろ な？。心配ねぇ、天才探偵の 八百政ｻﾝがヨ、オメエら父子、書類上で 転入・転出を ２０回以上繰り返したってことにして・・・
もう、マリアが探偵雇って調べても、これからのヤサには辿り着けないって、その措置を敷いてくださった 安心しな。
よっぽどなんか生じたらスグ知らせろ。稼業引退するが、ハマのマー坊は いつでも戻って来るゼぇ。。。
はぁ？？？・・・アホ、今どきアルかって。。《ダルマ》にして東南アジアに輸出なんて ンな都市伝説（笑）（笑）
小野寺ヨ・・・逗子の海はイイぞぉ…オメエもギャンブルとかからはキッパリ足洗って、サーフィンでもしてみたらどうだ？？
オレもいずれ、ヒマが出来たなら やってみたいと思ってるんだ ああ♪ そんトキは教えてくれヤ（笑）
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リク「・・・ってことだ。みちこは、考えられるだけのリスクを排して、新生活を送りつつある、安心だ」
ホリ「スゲぇんだナ・・・リクもそうだが、リクの お仲間のスキルは・・・」
リク「申し訳ないが…ホリ、オメエには みちこの新生活の住所とか、あえて知らせない・・・判るよナ？冤罪の汚名にせよ…今のオメエには、《神奈川県迷惑防止条例》未・成年つきまといストーカー行為の罰則で、みちこへは、半径１００ｍ以内 近づくのは禁止だ・・・」
最愛の子を神の生贄に差し出す真似は間違いなのだ…
ホリ「ああ・・・判ってるヨ。。。あのコさえ…無事に、平穏に暮らせるってなら本望だ。もうこの先 ２度と みちこの前に立つ気などネエさ・・・」
リク「おいホリよ・・・ぶっちゃけ…オメエ チトばっか 勘違いしてねえか？？」
ホリ「えっっ？？」
リク「オメエに処せられた法的な処罰要件・・・よくよく読み返せヤ。いいか？内容は…《未・成年のコに近づくのを禁止する》それじゃんか」
ホリ「・・・ナンのこったか オレにはサッパリ・・・」
リク「おいおい シッカリしろヤ、いいか？その文言が意味する事・・・《被対象者が 晴れて【 成人に達した際は 】この処罰は効力を失する》ってこった さすがに判るべ♪」
ホリ「あ・・・っっ！！」
リク「もぉ十歳になる みちこだろが。テメエの自由な意思で逢えるのだ♪ 逆算で考えるならば…ナンの事ぁねえ、《たった１０年のガマンだヨ》（笑）」
ホリ「そっか・・・逢ってもイイのか・・・また再び １０年後には・・・」
リク「憚りながらワシかてナ、かつて、横浜港最大の禁断の秘密に触れて…出世コースから外されて、１０年間の 見えない牢獄に甘んじた・・・。でも、終わって見りゃ ホンの一瞬だった気がするヨ ああ。」
ホリ「知ってる。その際に主犯として、福岡に飛ばされた《伊集院主水》・・・リク、オメエは、その伊集院をハマの本社に 呼び戻すべく、オレら同期 残ってる者をまとめようとしてるのだよナ？」
リク「ああ、でもナ…生まれ故郷でもある福岡から 伊集院を呼び戻すにあたっては…そこそこそれなりの《社内の地位》それを用意しないことには、カミさんをはじめ家族が納得せんだろ？せやからヨ、もぉチっと、ワシも出世する必要がアルのヤ ああ」
ホリ「リク・・・オメエも このオレ以上に…《悪役志願》だナ（笑）」
・・・ま…気ぃ長くして、ホリよ…《時を待てヤ》。スグにその時は訪れる。。。オメエに対する みちこの気持ちが変わってなけりゃ、そんトキ「は 嫁にでもしてやれヤ♪１０年後ワシらも五十代ヤ、念の為・・・《バイアグラ》買っとけ（笑）（笑）
どうか素敵な女性に成長してネ。。。
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（エピローグ）
みちこちゃん お元気ですか？ホリです。
いつぞやは迷惑 怖い思いさせちゃってごめんね。反省しています。
おとうさんとの新しい生活はどうですか？
ちゃんとごはん食べてますか？ 背は伸びたかな？
あたらしい学校で ともだち出来ましたか？ 笑って楽しめてますか？
こんなボクに「会いたいよ」って、何度も泣いてくれたってネ・・・
とても光栄で うれしいですが、残念ながら、
あなたが２０歳の 成人となるまで けっして会わないというのが
ボクのため奔走してくれた人たちとの約束であり、ボクにとってもケジメです。
みちこちゃんあなたは知っていますか？
渡り鳥が、どうして迷わずに目的地にたどり着けるのかを。
例えば鳥たちは、星座を道しるべにするのです。
北極星を中心とした、北斗七星、、小熊座、カシオペア座。
その星々を頼りにして、鳥たちは北を目指すのです。
鳥たちはそれを、ヒナの頃に覚えるのです。
まだヒナの頃に見た星の位置が、鳥たちの生きる上での、道しるべとなるのです。
ぼくら人間も同じです。ええ 同じなんですよ。最初はわからないのです なんにも。
人類も誕生してより 幾星霜、何千年…いや何万年かも
灯りひとつない漆黒の闇の海を進む 海の男たちは、北極星を頼りに家へと向かった。
どれだけか年月を経ても、人間も 鳥たちを笑えない、
とても残念ですが 人間社会は…文明の進歩を追い抜けないままで。。。
ぼくら人間は 数限りなく、愚かな失敗を繰り返してきた生き物です。
それには男も女もないです。ボクもそうであるように、
みちこちゃん あなたのお母さんも同じなのです、ただただ弱く、そして愚かだった。
弱く 愚かゆえに、いちばん大事な あなたという宝物を傷つけるより他はなかった。
今ボクが願うのは１つ…あなたがお母さんを 今は憎んでもいいです うんいいんだ…
でもね、「否定」それだけはしないでいて欲しいのですよ。
否定してしまっては、みちこちゃん…それは「あなた自身」を否定することになるから。
そして…いつの日か、おかあさんの抱えいた「弱さ」を理解し、
出来るなら 許してあげてください お願いします。
そう…「許す」という作業が、あなたが受け続けた心の傷を治す最高のクスリなのです。
許せたならば、いやな思い出は全部 一瞬ではるか彼方へ吹き飛んで行くのですよ ええ。
あなたがおとなの女性となるとき、ボクはもう おっさん通り越し ジジいかも知れない（笑）
それでもよいならば、そうだな…あなたが二十歳になった その誕生日の日にでも。
また再び逢いましょう、あの、街を見下ろす丘の上の 菩提樹の木の下で。
あなたはきっとすぐに見分けるでしょう、ボクのこのこわい顔ですから（笑）
思い切り くだらないおバカな話をして笑い転げましょう そのときには。
それではどうか お元気で みちこ様へ ホリより
追伸 港のリクさんは、おっぱいでかいですが、「おじちゃん」ですヨ（笑）
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【 この世の限り 】
作詞 椎名林檎 作曲 椎名林檎
唄 椎名林檎×斉藤ネコ+椎名純平(椎名林檎･椎名純平)
この世に限りはあるの？
もしも果てが見えたなら、
どうやって笑おうか、たのしもうか…
もうやり尽くしたね。
じゃあ何度だって忘れよう。
そしてまた新しく出会えれば素晴らしい。
さようなら 初めまして
But still my dear if the end draws near what should I do?
If you hold me tight I'd feel all right but still be blue
But if a song were to play just for us for a moment
To take the heartache away
『それでも、終わりが近づいた時にはどうすればいいの？
貴方と抱き合う間に得られるのは カリソメの安寧だけ
もし私たちの為に歌われる歌があるなら
それだけがきっと 私たちの哀しみを晴らすのでしょう』
Well then I'd say, I'll make a song for you
Nothing too old, and nothing too new
Sing to the light of day
You'll smile for me, we'll be happy that way
『私は言った、貴方に今この瞬間の為だけの歌を創ろう
愛と栄光の日々の為に歌おう
貴方の笑顔で 私たちはきっと幸せになれる』
Just turn away and take this point of view
Nothing is old, and nothing is new
When you look at me and say I'll forget you...
『貴方は「いつか君のことなど忘れてしまう」と言った
それならば、もう一度新しく出逢いましょう
過去でも未来でもない その瞬間がきっと全て』
If you were me who would you be when the sun goes down?
Two faces bright but I fear the night might come around
And if reflections appear from the past, all our moments,
Smiles, love and laughter, I fear..
『貴方なら この世が終わる時にどうする？
幸せな私たちは迫り来る最期を恐れている
私たちの今の時間も、笑顔も、愛も
全て喪ってしまうことが恐ろしくて堪らない気がして』
And take this point of view
Nothing is old, and nothing is new
When you look at me and say
Nice to meet you, would you mind if I stay？
『貴方は「初めまして、隣に居てもいい？」と言った
それならばもう一度新しく出逢いましょう
過去でも未来でもない その瞬間がきっと全て』
https://www.youtube.com/watch?v=TS8LArZr3Yw
☆☆ 「こども食堂」は 存続しています はい。
当初よりメニューを絞り込み、ｽﾀｯﾌに過剰負担がないように
《微力だが 無力ではない》 それを信じて。。。
ハマ港オールスターズによる 悪党オペラの終幕といたします
【 完 】
おねだり刑事Ｂさん「落ち着いて奥さん・・・いくつか点を確認しなくてはなりませんので ご協力を」
ぶっちゃけどのクチで云うヨ・・・００ﾒ
マリア「こうしているうちにも みちこは・・・ああっっ もぉアタシ死んでしまいそうっっ！！」
・・・どうか冷静に。。では奥さん…あなたは、娘っさんが《犯人によって 娘さんが掠取される瞬間》それは観ていない…のですネ？？
マリア「は、はい…気付いたら 家の前に遊んでた筈の娘の姿が無くて…周辺を慌てて探していたなら、住んでいるアパートの管理人さんが、いかついだ男性に、娘が 手を引かれてトボトボ歩いていたと」
・・・ふむ…《直接には 観ていない》…それは確かですネ？？重ねて訊きますが。。。
マリア「でも！あの、向かいのマンションに住む ゴリラのような男に間違いありません！みちこを攫って逃げているのは！」
・・・質問変えます・・・奥さん…アナタですが…今現在、羽衣町付近の《風俗店にお勤め》そうでしたよネ？
マリア「ナニよっっ！！ いけないっての！？風俗嬢は、娘誘拐されても 訴え出る資格がナイとでも言うんですかっっ！？」
・・・違います、これも確認です。奥さん、アナタたしか・・・ひとり親家庭で、子供居て、持病もあるので仕事に就け辛いって理由で、《生活保護受給》されてますよネ？？
マリア「それがナニかっっ！？国民の権利でしょうが！ 受給者はパチンコするなっての！？回転ずしですらゼイタクだって説教したいのアンタ？？」
・・・（ああ 云いてぇヨ 内心ではナ）そうじゃなくて・・・生活保護を受給しながらも…アナタは今現在、風俗嬢としての定期収入がある・・・ぶっちゃけコレって・・・【 生活保護不正受給 】ではありませんか？？ その風俗からの収入の分、申告してないでショ？？
マリア「 （ギクっっ） っっ！！」
・・・ま…そっちの件は、我々警察の管轄では無く 税務署および区の福祉助成部だ…娘さんは、誘拐の可能性が大ってことですからね、我々も今 必死に捜査してます。どうかお任せを。
でもマリアさんでしたっけ？ アナタ・・・香ばしいというか…叩けば かなりのホコリが出て来そうな方でもありますネ。。。では また後で。。。
マリアから離れた Ｂさん、ケータイに手をヤリ・・・
『ああ リクか？オメエの予測の通り…《観てない》ってヨ。ナニ企んでやがるか知らんが、あんま無茶カマすなヨ、なんせが 未・成年掠取誘拐事案なんだからヨ』
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小野寺ヒロアキは、よくよく見るなら かなりのイケメンだ。
でも、生来の 臆病な性格、それを隠し通すテクニックも無く」、いつも自分の周囲をキョロキョロ…怯えたように 視線がたえず落ち着かず、周囲にはいかにも挙動不審として映るってオトコ。
毎日 始業前 昼過ぎの儀式、勤めているショットＢＡＲ、店先の舗道を掃き清めています。彼方より…慎重な速度で １台のワゴン車が次第に近づき・・・
あの晩、マー坊のワインＢＡＲで 呼び出した シュンが述べますには・・・
・・・マリアですって？？ あぁ…あの風俗のオバ…ネーチャンですか・・・。
ええ・・・仕方なく…ってか、３回ほど 寝ましたヨ。。なんたってしつこいし、店来るたびシャンパンとか空けてくれるし 仕方なくって感じ。
ｼｭﾝ「オレらホストと風俗嬢は、持ちつ持たれずの関係なんス」
え？？将来ケッコン！？やぁ勘弁してくださいって！！歳が上過ぎますってば！
それと・・・仮に ケッコンしたくたって、【 それは不可能 】って、事情が有るんですヨ ええ。
いえネ…マリアが籍入れて、出来た娘でしたっけ？それが この世に産まれ落ちる前に、要は、婿さんが【 逃げちゃった 】ンですヨ 寝物語で知りました。
これから産まれるこどものカオすら観ずに 逃げ出したってんですから、よっぽどの事があったって思いません？？
なので…そのダンナと、正式離婚も出来ないままですからマリア、法律上は 未だ結婚状態は続いてるって。。。
愛情失せても、依然関係は夫婦。。。
リク「そっか。だが…逃げたダンナに対する《失踪宣告》ってのを提出するなら、７年後には当人居らんでも、スパっと、婚姻関係は断ち切れるのやデ？」
・・・さぁ 判りません。アレじゃないスか？他人のこと云えませんが（笑）マリア アタマ良くないし、そんな法律の知恵とかたぶん知らないって思います ええ。
スゲぇ狭い視野の範囲で、快楽の方向ばっか追及する女ッスよ アレは。。。面倒ごとは徹底して嫌いますからアイツ。
そのダンナですか？？ 関係ナイんで全然知りませんが カオも名前も。。。
でも…寝物語の際に、マリアがポツリと洩らしました。《１度ダケ ハマのコストコ・スーパーで見かけた》って・・・
マリアはそれの際、カモってるどっかの中年のお旦と 買い物してたそうで 声はかけられなかったって。
元ダンナ ４ｷﾛサイズで ￥３９９円の ロックアイスをしこたまカートに入れてたって。。おそらくは…ハマ界隈で 水商売の仕事にでも就いてるんじゃないですかねえ？ 知らんのですが ええ。。。
ワゴン車の扉が開き、いきなり 車内に《拉致られた》小野寺・・・わああ！！ナンですかっっ！？って叫ぼうとする小野寺に・・・
『騒ぐナ・・・オラぁ マー坊ってんだヨロシクな。ヤー公利権を捨てて、物好きにもカタギになろぉってトボケた ●●総業の組長っていやあ、テメエだって耳にしてるだろ？？」
「ひっっ！！ は、はいっっ！！存じ上げてます！！」
『店の方にはオレがハナシ通しとく 安心しろ。オメエをボコろぉってンじゃネエ、ひとつ・・・今日ダケの 仕事を引き受けて欲しいって それダケさ♪ 確認だがオメエ、運転免許は持ってるナ？』
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『・・・ポツリと、一回漏らしたダケなのに…やっぱ 記憶力ハンパじゃネエな リク・・・』 っとホリ。。。
リク「ココだと思った。。。いや、ココしか他にはなかろうって…ヤマ感が働いた それだけヤ。。。今、ホリよ オメエには、未・成年者掠取誘拐容疑がかかってる 判るよナ？」
ホリ「気付いたら・・・自然にこの場所に足が向かってた ああ。。。」
みちこが、ひどく怯えたような眼でわたいを見上げます、こども食堂での皮肉屋ｻﾝの三白眼ではない・・・
なにか 恐ろしき魔物を見上げる目・・・そっか・・・みちこヨ、お前には見えるのだナ・・・
ワシの「正体」…見ないでくれ 頼む・・・
背負っている筈の 天使の姿は影を潜め・・・今にも喉元から飛び出しそうなってる、悪魔と化している このワシの真の姿が・・・
リク「ホリよ、説教は今更せんヨ。オメエのこった・・・どうしても 観てられない、放置できないロクデモない光景に出くわした それの結果だろが？」
ホリは いかついカオを苦渋に歪ませて・・・
・・・貨物の到着が遅延して、３時間ぐらいのブランクが生じたもんでヨ、オレは１度 ヤサのマンションに戻ったんだ。
監視は するツモリも無かったが・・・ランドセル背負った みちこが学校から戻り、家のドアを開けるのを見下ろした。。。
急に…みちこの住むアパート その薄い壁通して漏れた声・・・『 ママっっ！！ センセイと・・・ナニしてるのっっ！？ ひどいよ！あんまりだよ！！ 』って。。。
陳腐で悲惨で ある意味滑稽な、現実の在り様だよナ。ナンのことねえ・・・母親のマリアが みちこの担任 ５０過ぎの教師を 引きずり込んでたのサ・・・
慌てて…ズボンのチャックも全開で、教師は走って 逃げ去ったのを観た。。。
ホンの１分ほどだろうか？ 母娘が感情的に 言い争う声が聞こえて・・・鈍く響く騒音も。。。
・・・そうしたら、ドアが開き・・・顔にアザをつくり、髪の毛も着てる服もグシャグシャになった みちこが…【 逃げるように出てきて 】・・・
で、それを追うように、ぶっちゃけ…一ツ家の鬼婆のように 目を血走らせたマリアも出てきて・・・
マリアが『ふざけんなこのガキっっ！！親に向かってナンてった！？もう一度言ってみろ！！』って、
なあリク、みちこを見続けておよそ３年になるが…これまでタダの一度も、マリアには毒などを吐いたりしてない、それが・・・
このみちこがだ・・・怒りと絶望の表情で・・・【 なにが母親だヨ！！ アンタなんか単なる助平の くされマ●コじゃんかっっ！！ 】っと。。。
遂に、みちこの辛抱も臨界点に・・・
それ聞いて逆上したんだろうマリア、部屋の室内に引き返し、ガチャガチャ…って、金属音が聞こえてきて・・・ っっ！！
咄嗟にオレは・・・『いかんっ！！あの母は自分の娘を包丁とかで刺す気だっっ！！マリアならやりかねない…ってか、今日のマリアは あきらかになんかおかしい…《止める方がムリとも・・・』
もう…躊躇するヒマなど無かった。。。ベランダから地面に飛び降りたオレは、みちこの手を取り…『 逃げよう・・・この地獄からオレと一緒に 』ってナ。。。
リク「そっか・・・・・いかにもの巷での陳腐、悲惨さの見本市やわナ。ワシとして 懸念していた通りのサイアクの展開になりよった・・・」
ホリ「同期のリクに せめて願うのは・・・《どうか 捨ておいてくれないか？？》これ以上アホなオレに関与するな！！それがなにより身の為だ」
リク「センチな抽象論で無く、具体的に この先どないするか考えようヤ？ ぶっちゃけ、どぉすんだ？？ホリよ、この場所は発見されてないにせよ、警察はじき、公開捜査を敷き、アチコチに非常線張りよるデ。引き返すなら・・・今しかナイって ワシは思うゾ・・・」
ホリ「・・・スマン。。それでもやっぱ…【 逃げようと思う 】…この みちこ連れてヨ・・・」
リク「親方の肩書フイにしてもか？パクられてオメエに架せられるのは、《未・成年者掠取および誘拐罪》それの汚名なのだゾ ええ？？」
ホリ「同期であるオレの こんなアホな所業で、リク この先の オメエの出世の芽を摘み取ることになるかも知れんが・・・行かせてくれ・・・遮ろってなら不本意だが・・・」
リク「・・・いいヨ 行けヨ ホリ。みちこ連れてナ・・・」
ホリ「えっっっ！？ 見逃してくれるってのか？？…」
リク「憚りながら…このワシも、みちこは 置かれている地獄の環境から【 逃げるべきだ 】って そう思う・・・ホリよ、連れ出してやれ みちこを平穏なアルカディア（新天地）へ・・・」
ホリ「すまん・・・恩に着る っっっ！！」
リク「だが・・・１つダケ、条件がある。ズバリ、《オメエのその 利き腕の右手だ》」
ホリ「・・・・・」
…３日前、コンテナヤードでいつもの貨物コンテナ作業をしていたホリは、コンテナケースを縛り束ねる ワイヤーのロープが外れ、地面にバウンドしたワイヤーがホリの右手部分に当たり負傷《ボクサー骨折》をしているのでした はい。
リク「やっぱ逃げるにゃクルマが必須やろ？ホリよ、オメエの今の その右手 痛々しい包帯姿では…みちこ連れて ハンドル握るにはあまりに危険すぎる・・・それはしてはならん・・・」
ホリ「では・・・どうすれば・・・」
リク「まかせんかい♪ワシをダレやと思っとル？港のリクやデ。《もしもの際》に備えて とっくに用意してあったのヤ♪ あ…云ってるそばから来た 来た。」
丘の下側から、旧い型の日産マーチが近づいて コッチにパッシングサインを送って来ました。
リク「こ～ゆ～のもアリだろって、用意し溶いた。逃げるってなら、ハデなクルマでなく、こういうコンパクトに限るンじゃ♪これ、盗難車とチャウけど、とりあえず、任意保険はナイ（笑）そのツモリでナ」
ホリ「ありがたい が・・・運転しているヒト どちらさん？？」
リク「うんキミがヒロアキ君か。ホリに替わって 運転あんじょう頼みまっせ。せやナ・・・とりあえず、高速道路は避けて一般道で、八王子からウラかいて 埼玉方向へ飛ばしてくれヤ な？」
みちこ「・・・なにおじちゃん？ アタシをジロジロ観て なんか用？」
「い・いや…なんでもないんだけどネ…」っと、落ち着かない目と挙動不審なドライバー。
去っていくマーチを見送った。。。逃げろ…気が済むまで 可能である限り。たとえこれが、弱者の抵抗と反乱でも。
・・・あと…謝るゼ ホリ。。ぶっちゃけ、今回ワシが、最大に【 騙している 】のはオメエなんだ ああ・・・
さあ・・・港のリク 一世一代の 《悪企み》の幕が開くゼ。。。
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やはり、この国の 現場警察官は有能だ。ましてや 時期もあった。パシフィコ横浜で先月に開催し終了した国際会議、
それが平穏に終了し、一転してヒマになった神奈川県警は、待ってました！っとばかり、通常とは倍に近い 捜査人数を投下し、
監視カメラもフル動員、顔認証ソフトでホリの乗る旧型マーチの逃走ルートは たちまちキャッチされてしまうまでには さして時間はかかりませんでした はい。
非常線 臨検に遭遇したマーチ、覚悟を決めたようで、立ち塞がる 赤色のカラーコーンを倒し 逃亡を図った。
が…そういう事態を想定っしてたらしい警察は…《 剣歯式バリケード 》強制的にクルマのタイヤをパンクさせる 対テロ警備での秘密兵器
それにより、逃走マーチは あえなく・・・４つすべてのタイヤはバースト、前進も交代も不可能となりました。
ホリ『もぉ・・・ヤメよう。。ヒロアキさん もういい。これ以上 みちこﾁｬﾝを危ない目に遭わせるのは良くない・・・』
やや青ざめ、覚悟を決めた表情で、ホリがドアを開け、車外へと立ちました。
『 ホリだな？ 未・成年者掠取および誘拐容疑で ●時●分 現行犯逮捕する！ 』
両脇を固められ パトカーへと歩かされていますホリに・・・後部座席から飛び出してきた《みちこ》が・・・
『…ホリのおじちゃあぁぁぁんっっ！！』っと。泣きじゃくりながら大声で、『アタシを独りにしないでよおぉぉぉ～！！約束したじゃん！！ふたりしてズぅ～っと 逃げようって！！ わあああ～～んっっ！！』
『お待ちください おまわりさん・・・ホリさんは・・・誘拐犯ではありませんよ ええ・・・』っと・・・
『って・・・アンタ 誰だ ああ？？』 『いえ、違うのです 本当に・・・』 そう名乗り出たのは、ハンドルを握っていた【 小野寺ヒロアキ 】で。。。
小野寺は…「まさか 観てなかったとは言いませんよネ？マーチのハンドル、運転していたドライバーはこのワタシです ええ」
『それがどうだっていうんだ ああ？？オメエも共犯だろが ええ？？』
もはや彼は、さいぜんよりの いかにも小心、挙動不審な態度は １ﾐﾘとても消え失せ…目の前に警官の目ともシッカリと視線を合わせ 落ち着き払って喋る《勇者》になっておりました。
小野寺「いけませんか？ ドライブしてたんです。ワタシ…【 そこで泣いてる みちこの実の父親 】それなんですから。」
『 ナンだってえええっっ！？ 』
小野寺「事情在って、ズっと別居してましたが、離婚とかの作業は為されていません、そう…【 法的には親子関係は継続しているのですよ 】」
『うぐぐっっ！！ っっ！！』
小野寺「実の父親とその娘が ドライブしたからって、りゃくしゅなんとかって、誘拐罪は成立しませんよネ？ ね？？でだ・・・そこに居る ホリさんは、我々親子のドライブに付き合った【 単なる同伴者 】です。父親のボクがそぉ宣言するのですから間違いありません、ホリさんを解放してあげてくれません？？」
現場はたちまち大混乱に・・・
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笠間町付近で合流し リクめと八百政 それとマー坊、捕り物となった相模原の国道へと辿り着いたなら 現場はだいぶ落ち着きを取り戻してて、
現場の警察官らが、《テメぇ…仕組みやがったナ…》シラケたような、カラクリを見抜いたか、憎々し気な目で ボクらを観ました はい。
「なるほどねぇ・・・よくもまぁ考えやがった…皮肉抜きで《してやられた気分だゼ》ああ・・・」っと おねだり刑事Ａさんが。
「久々の 広域捜査の大捕り物、オレっちも駆り出されたクチよ。イザ逮捕って瞬間に…ジツの父親に名乗られちゃナ・・・おい オレもダテにバッジつけてないからナ・・・リク…テメエがすべて仕込んだってのはお見通しだ。だが、《法の抜け穴 壁》にはどうにもならん・・・」
マオ老子より 脅し借りた、闇の売血所に保管された 血液提供（販売）者らの 要は【 ＤＮＡデータ 】・・・
母親のマリアも酷いオンナだが、それと釣り合う 父親も同じく ロクデナシだと推察したのでした ええ。
１つの《勘》に賭けた。どんな理由にせよ、産まれ落ちるこどものカオも観ないまま、テメエ都合で消えた 小野寺だ。
そういう安直で無責任なヤツゆえに、１度や２度ぐらいは、チャイナタウンの闇の売血所で 血を売った経歴が有るだろうって、
八百政が不眠不休で、こども食堂にある みちこが使用した マグカップ、そのＤＮＡとマッチングする【 父親のＤＮＡを 】照合作業をしたのでした。
結果、『９９％の確率で 甲と乙は親子の関係である』ってのが判明、そうしたのち、マー坊が、
『リクさんの朋輩 ホリさんのピンチであると同時に、マジで テメエの娘、カオすら観た事無いだろう 娘の《みちこの》絶対的な危機でもあるんだ。イッペンぐらい、実の父親らしいことして、娘救ってやれヤ。判るな？？オレの云う事・・・』
マー坊の不世出な《人間リョク》で、小野寺ヒロアキを 《その気に》させたのでした はい。
講師出張先大学の法学部教授に授かった知恵
やがて、パトカーに乗せられて、みちこの母 マリアが・・・現場へと到着しました。
ダレが観ても 芝居っけ過剰、あざとい雰囲気プンプンで、
「ああ！良かった！無事で！！ おいで、いらっしゃい みちこ、ママのとこに・・・」
反射的に ビクっとした みちこは・・・「・・・ヤだよ・・・」 「えっ！？どうしたの？？ママよ！」
感情が高まり かえって無表情のカオと声で みちこ・・・「もうサ…親子…ヤメようよ わたしたち・・・」
「ナニ云ってるのアンタ！誘拐されておかしくなったの？？ほら ママだってば！！コッチおいで みちこ！！」
みちこがブルブルと震え出し…『ふざけないでよっっ！！アンタはママなんかじゃない！！ナニよコレはぁっっ！？』
っと、ポケットから 小さな ビニールに包まれた包みを地面に叩きつけます。。。
「・・・ありゃあ…《パケ》ですネ。どぉ言い訳しても・・・」っとマー坊がポツリと呟きます。
『もぉ・・・もぉヤだ・・・疲れたヨ アタシも。ママに毎日のようにイジメられ 殴られたりするのは・・・っっ！！』
警察官らの前で 決定的とも呼べる証拠を突きつけられ 途端にしゃみこみ震えだすマリア・・・
『知りません・・・っっ！！ あんな袋。。ワタシのじゃありません 信じてください！！』
Ｂさん「なぁ…いい加減 神妙にしちゃどうだい？？だったらあの、九歳の娘がシャブ…喰ってたとでも云うのかアンタは？？」
『３時間前…ママ、アンタなにしてた？？家で担任のセンセイと おフトンで抱き合ってた、でもまだイイ、見慣れてるから。。。でも、アンタとセンセイは、《それ》・・・炙って一緒に喫ってたよネ？おまわりさん！ホリおじちゃんがなく、《このヒト》捕まえてヨっっ！！いつかトンデモない罪冒すよ！！』
凄惨な展開を距離置き 眺めながらフクザツな気分で居ります ボクら。
八百政「・・・ねえリクさん、どうして？？みちこは あんな酷い母親の元から 今まで逃げずに必死でつきそっていたのだろうか？？」
リク「うん・・・おそらくは、暴力に及ぶ母親と それを受け続ける子の【 共依存の関係 】…ある意味、究極の不幸な現象ヤ。みちこがナックなんヤ、マリアのようなダメダメな母親を ぶっちゃけ《捨てきれない》・・・もしも自分が居なくなったなら、この母親がどうなってしまうのだろうか？って…心配で堪らず 親の元から去れない・・・せつないよな。。。」
八百政「それにしても・・・一瞬で、ヒトの それまでの人格が豹変するのを目撃出来たヨ。小野寺が…初めて見た 自分の娘 みちこ、見た途端・・・それまでの小心者、挙動不審から、一瞬で《娘を護る父親》に替わる姿をネ」
リク「ああ ナンでもナ…母性本能もそうらしいが、父性本能の《保護本能》ってのも、ホンの一瞬、光の速さで、脳内で シャワーのように分泌されるらしいデ。人間は…おもろいモンやナ うん」
Ｂさんがマリアへと近づいて・・・「いったん署に戻らないと 正式な薬物陽性検査は出来ませんが、令状取っても尿検査は実行させて貰うヨ。。今晩はたぶん・・・自宅へは戻れないって覚悟してくださいヨ 奥さん・・・」
恐怖とショックで 立ち上がれなくなっていますマリアから やや距離を置いた１台のパトカーの脇で・・・
みちこ「・・・あのぉ・・・《おとうさん》・・・なのですか？ あなたが本当の・・・」
小野寺「うん そうなんだよ。・・・ゴメンな、今までズっと逃げてばかり居て。。。これからはズ～～っと、一緒さ みちこ・・・ っっ！！」
それを観たマリアは、発狂したように・・・
「娘に・・・ワタシの みちこに触るなっっ！！今さら父親ズラするな！アンタなんか無責任きわまるロクデナシじゃないかっっ！！」
そうしたなら、傍らに付き添っていた Ｂさんが・・・
「奥さんよぉ・・・ロクデナシってことについちゃあ…ぶっちゃけ アンタ、他人の事云えないんじゃないか？？」
「早くっっ！！ワタシに、みちこを返して！！ で、あのゴリラに手錠かけてヨ！！」
「おいおい…もぉ ついさっき、自分で発した証言 忘れたのかいアンタ・・・《我が子の 連れ去り現場は観てない》って。ホリ君は現状で 容疑者ですらないヨ」
「そ…そんなっっ！！」
「それに…血相変えて、柳葉包丁抱えて、部屋から出てきたアンタの姿、目撃の証言がある。。。加えて…あの白いパケ、中身はナンだい？？ 皮肉だと思わんか？この捕り物…結果として、アンタをパクるためのモンになっちまった・・・さ‥・この先、国選弁護人が親切なセンセい当たるとイイな。」」
ぶっちゃけ・・・奇跡に近い確率でもって、このワシに残された余命と引き換えにした・・・日本の刑法を騙くらかす、デカいカラクリは成功したようだ。。。
またひとつ…新たな『不幸を…』産み出した気がして…
しかし・・・正直、カタルシスは無い・・・Ａさん Ｂさんをはじめ、必死に協力をしてくださったヒトらを 無残にも裏切ったユダにも似た気分だワ。。。
Ａさんがズンズン 肩を怒らせて歩み寄ってくる・・・
「やいリクっっっ！！ てめぇ…ホリを救うために…まんまと《この国の刑法を》ネジ曲げやがったナっっ！！」
Ａさんは怒っているというよりも・・・むしろ、泣いている表情で苦し気に 絞り出す声で そう言い ボクを罵りました。
Ａさん、アンタが怒って当然だヨ ああ…
「ナニが本当の父親だっっ！！ 小野寺…あのクソ野郎は、テメエでこさえた子供のカオすら憶えてない無責任野郎だ 違うか！？ だが…それが まさしく《法の隙間であり 壁だ》・・・クソみてぇな親でも、あの野郎が《父親であるのは動かぬ事実だ》…よってホリの誘拐罪は成立しない、ウマいこと考えやがったナ・・・」
そして「通りいっぺんの聴取が済んだら ホリは解放だヨ ああ。法的には…ホリの奴は単なる《帯同者》に過ぎない・・・。でもなっっ！！ ・・・っっ！！」
瞬間…長年 ハマの裏通り、巷で ありとあらゆる《現実》…それを経験した刑事の 拳が閃きました。
殴り倒された。。。最近よくよく殴られるモンだわナ（嗤）
断罪されてしかるべきはこのボクだ。。。
・・・イイのサ Ａさん・・・好きなダケ 思う存分 罵ってくれ このワシを。すべての発端は このワシのエゴなのだからサ・・・
Ａさんは、一時提出させた ホリから押収した所有物から ハイライトを一本抜き出し、百円ライターで火を付け いかにも不味そうに喫いました。
・・・オラぁなリク、お天道様に恥じない《おねだり刑事》ヨ。だがナ、タカるのは あくまで飲み食い それダケだ。
カネで クロをシロってした事はタダの一度も無いしヨ、こんなオイラにも、固い矜持は有るのだ。それはナ…【 市民と社会を護る警察官として、絶対に！！ 法律をネジ曲げたりはしないって それだ！ 】
Ａさん『こんなオレだって 警察官なんだ！！』
・・・リクよ、ホリを思うオメエの友情は尊い・・・だがナ、今回テメエがしたことは【 姑息だ！！ 】
オレら警察や検察を飛び越えて、実際の刑罰を下す裁判所の公判が それを無力化する手法をよくも実行しやがったナ！
さすがは かの《港のジン》が 通り名を譲った 港のリク、危機回避の天才だヨ オメエっちは。だがオレは 許せん、【 最低だテメエはっっ！！ 】
・・・絶交だ オメエとは。。。色々あったよナ？？オメエとオレらとは。残念でならんし ナンともせつないが あばよ・・・・・
ははは・・・思った通り 徹底的に嫌われたか（嗤）覚悟の上だろ？ナニを哀しむンだ自分・・・
トラブルシューターは、最期は すべての汚名を着せられ果てるのが宿命なんだ。本望じゃないか ああ。。。
あれ？…おかしいナ、いつものようにカラダが動かへん・・・なんか視界も急に暗くなって・・・
もしかして・・・「あれ」なのか？？
・・・あ…遂に…来たのか医者が述べた 【 急性転化 】ってのが。。。
ははは・・・我ながらセンチやナ、こんなトキに昔観た映画《ブレードランナー》ラスト近くのハイライトシーンを思い出すなんて・・・
I’ve seen things you people wouldn’t believe. Attack ships on fire off the shoulder of Orion.
I watched C-beams glitter in the dark near the Tannhauser Gate.
All those moments will be lost in time, like tears in rain. Time to die.
オレは…おまえたち人間には信じられないようなものを この目では見てきた。
オリオン座の近くで燃える宇宙戦艦。タンホイザー・ゲートの近くで暗闇に瞬くＣビーム、
そんな思いも…時間も…共にやがて消えていく・・・雨の中の涙のように
・・・その時が来た。。。
ルトガー・ハウアー演じる 反乱軍レプリカントのリーダー ロイ・バティーが、燃料切れで朽ち果てる最期の言葉・・・
・・・時間切れだ・・・そんな声が 風に乗って聞こえる気がした。。。
正直…こぉゆ～ザマで朽ち果てるのも、案外と《本望》だったンとチャウか自？？
『どうだ？？恐怖の連続だろう？ それこそがオレたち奴隷の一生なのだ・・・』
へっっ！強がりぢゃネエよ ああ。人間、生き物はすべて有限なんヤ、オラぁ 港のリク様だゾ！畳の上でクタバらねえのを むしろ光栄だって思うゼ オラぁ。。。
じゃあな みんな・・・すべての《トモダチ》 色々と迷惑かけたが、後は任せる。。。
この阿呆のこと、数年に一度ぐらいフト思い出し・・・あとは忘れて暮らしてくれヤ な？？・・・暗いナ 落ちる・・・
迎えに来たのは イチハラか？？ よく来たナ。。。
『おいっっ！！ 担架を回せ！港のリクがぶっ倒れた！！ 早く！！』
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・・・・・・・・・・・・・・・なんか恰好ワリぃ～…どうやら 死に損なったよぉだ。。。
栄養点滴に ワン公のように繋がれ、寝かされていますベッドの傍らには 盟友の八百政が。。。
八百政は言います・・・ リクさん、アンタ今回マジで あぶないとこだった。。。
まんまと…【 不治の病に《させられ》 病院にコロされるところだったんだ ああ 】
リクさんが今 寝ているベッド、ココは以前の病院とは異なる医療機関さ。
現代における 医療分野の、なんともドス黒い暗黒部分に まんまと落とされそうになったんだよ アナタはネ。
アナタが気を失っているうちに、依頼して ココの医師に 再検査を願い立てて、スグに 結果が出た。
リクさん、アナタは…《甲状腺がん》などに罹患してはいない・・・腫瘍は存在してたが、でもそれは あくまでも《良性腫瘍》、
それもネ、もうかなり以前に 成長が止まり、今は全体の９割以上が 空洞化している サヤエンドウ大の いわば《癌モドキ》だ うん。
怖い話サ、超音波エコー検査やＭＲＩとかったって、それによる最終判断は、医師っていう１人の国家資格者の《見立て》にすべてが委ねられている現状なんだから。。。
いいかい？？ 現実の話として…１人のがん患者が発生するならば・・・その患者当人が 生き残るか死亡するかに関わらず、その治療を担当する病院には、平均して《一千万円の売り上げ》が確約…もたらされるんだ ああ。
病院経営における最大の利権さ・・・それゆえ…本当にがんなのか？って、疑わしいモノまで含んで《将来 がん化の可能性》って屁理屈で、殆どスルー状態で、疑わしい患者は一様に、癌であると追い込まれ、囲われてしまう。。。
一刻も早く取り除きたいのは 僅か１つの癌細胞だろ？ でも、《抗がん剤》や《放射線》は、癌細胞以外の、カラダの中すべての！細胞をもズタズタに傷つけるのだ。リクさん、アナタもそうなる寸前だったんだ・・・まさしく 人生最大の危機だったよナ。。。
これ…ガセじゃないから・・・ボクの興信所時代の同僚から聞いた。昨今、各険会社で商品として出している《がん保険》、それの支払い率があまりにも、不自然に高騰しているって事実を疑問に思った保険会社がサ、
興信所業界へ事実調査を依頼し、それで実態にメスが入ったんだ。その結果？？・・・日本医師会も、保険会社も、ある意味で興信所業界もクソだヨ ああ・・・ボス交による 利益配分でシャンシャンだ。。。
さすがにヤバいと感じた医師会サイドは、厚労省と厚労族議員を懐柔、同時に保険会社サイドにも、報道誌面やＴＶ等ＣＭするについて、破格の料金設定を用意し・・・
事の仕上げに 興信所業界のＴＯＰ筋にも裏金を積み上げてネ・・・実際 見事なぐらいに、タダの１行も このスキャンダラスな《悪行》は表の社会には報道されてない・・・
種明かししようか？ このボクが所属してた 興信所業界に絶望、幻滅して去ったのは、それが理由なんだ うん。。。
誰一人・・・家族を ガセの癌で亡くした 家族の心情とか考慮しない・・・恐ろしく危険な国でも有るんだ この日本はネ。。。
本当に怖い…なんせが、医療的化学検査での証拠として、リクさんの体内には、空洞化してもはや機能も成長もしてないにせよ、腫瘍ってのがアルからね。
でも、再検査の結果によれば、その空洞化した良性腫瘍は、体内で 白血球のエサとなり、時間はかかるも消失するらしい。
しかし…本来なら 放置して構わない、リクさんの傷病ケースへ、《一千万の売り上げ》が まさに行われようとしてたんだ。。。
通常の、あきらかに 癌に罹患している患者と同様の、処置や治療…バカ高い薬や ヤバい抗がん剤が、牛や馬のように投与されても 一体誰が疑うよ？？ ああ。
わかるだろ？ 要はリクさん、あの捕り物のラストで気を失って倒れなければ、あの病院で 治療と処置が為され…ツマリが【 抗がん剤によってコロされるとこだった 】・・・
で、ココの医師によればネ、アナタが倒れた理由だが…全然 癌とは関係ないってサ♪
一過性の ﾋﾞﾀﾐﾝＢ６とＢ１の不足、それと、ココ最近 ロクなメシ喰ってなかったろ？？それによる《緩やかな生命の危機》要は…《栄養失調による低血圧でぶっ倒れた》ってこと（笑）
なんか…マジで みっともねぇかも…（－－；
・・・スマン…またまたメイワクかけたナ 八百政・・・
でも・・・ある意味で 霊的なハナシやけど、ホンの前までのワシ、その命は マジでだが、風前の灯火だったンやろって思うワ ああ。。。
命の灯火が尽きかけていたのだとフト思もう・・・
根拠こそナイがヨ、多分…このワシがクタバって、当然 地獄に堕ちるって行程を よっぽど…ってイヤがりよる諸先輩らが居てたのだよぉ～ヨ（嗤）
ま・・・まだまだこの浮世でバタバタと走り回って 盛大に恥をさらせヤって意味合いなのかもナ・・・。
三途の川を渡らせなかったのは…イチハラ…キミか？
八百政「でだ・・・どうする？？ 前の病院の あの医師・・・さすがのボクでも…港のリクによる《落とし前のケジメ》それがあっても当然の報いだって思うが。舞台用意しようか？ ま とりあえずも少し 体力が回復してから」
おっかね・・・おそらくは普段温和な この八百政が、あのオタク医者が泣きじゃくるまで トコトン 問い詰めたのだろう。。。きっとこのワシかて泣くデ（笑）
『 ふんっっ！！ 』気合発して ベッドから上半身起こした。 ナンだ・・・スッカリ、カラダ軽いやんか。。。八百政に・・・
・・・ああ、…だがヤメとくワ うん。おそらくやけど…あのお医者のセンセかて、ＴＯＰの経営者から キツい《ノルマ》課せられてた、哀れな 一介の労働者だったのだろぉヨ・・・
ニタニタして患者を 癌ってことでコロして ひと儲け目論むって…ンな恐ろしい生き物が 白衣着てたなんて 思いたくも無いワ せやろ？？
要するに《ワルい構造》それやロ、気付かんうちに、間違った線路が秘かに敷かれて…それを正常に切り替えるポイントが ドコにも見つからずにいたのだと ワシやけど そぉ信じる 信じたい・・・
ワシへの謝罪なんかより、例のセンセにはサ、ココロの底から真摯に反省し、今後は 患者の為に《佳き医師の先生》に変わって欲しい。いっちょ賭けよか？（笑）ワシは 出来る方に張るけん♪
・・・クタバる筈の命を・・・もう一回 《命を》賜った・・・先の医者を恨むより、今は素直に、それを感謝したいんだ うん・・・。
ヒトは《生きてる》のではない、《生かされている》んだ うん
Ａさんが見舞に来てくれました。
Ａさん「こないだはスマンかった。つい、感情がバクハツしちまってヨ（恥）オメエの…カラクリ大芝居成立までの工程…八百政から聞いて 思わずメマイがした。よくぞ 仕上げたモンだ ああ」
リク「それより・・・ホリ…アイツの処分はどぉなりよりましたか？？」
『裁判がヨ、この案件では成り立たないんだ ああ…』
Ａさん「うん それだが・・・。さすがに、構わず強引に、ホリが誘拐犯だって案件に決めつけても、とてもじゃネエが、公判が成り立たねえワ。だがヨ…本店（県警本部）にも鳴り物入りで出番ってきてたプライドがあるから わかるべ？」
リク「ええ。。」
Ａさん「マスコミ対策的には、風俗嬢マリアの、その我が子虐待の容疑と、シャブの所持と、尿検査による陽性、使用…それと、マリアの住むアパートガサ入れ実施したなら 出るわ出るわ…シャブだけでなく、ＭＤＡＡやら、各種の向精神薬…とても個人で使う量じゃネエ。俄かに売人容疑も出て、成果は挙げたって思ったんだが…」
リク「やっぱ、《未・成年略取誘拐》の線に 拘る県警本部サイドの意思が働いたと・・・」
Ａさん「ああ、ホリを手ブラで 大手フって解放ってのもいかなくてヨ・・・粘ってはみたが、妥協の産物として…《神奈川県迷惑行為防止条例 第１１条違反》…おさない児・童への《つきまとい》・・・それに落ち着いた。。。リクにゃ不本意だろぉが、県の条例違反ならば、ホリの処遇…おそらくは懲戒解雇は避けられると思う ああ」
でもなぁ…いちばん悲しんでいるのは『みちこ』なのでは…
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『じゃあ ホリ…今さっき終わった 重役会で決まったキミの処分を言い渡す』
・・・結論から言う、今回の始末の責任として、減俸１０％それを６か月間、今季前半のボーナスは支給しない。
「なんだ・・・その程度かい。。。てっきりクビだとばかり・・・」っとホリ。
「おい・・・（－－；病み上がりの不憫なボクちんが、どんだけか会議でガンバしたか 判かてンのか こら・・・」
「・・・本気にするなヨ（笑）ノッケからラストまで、すまねぇって・・・感じてるヨ リク。。。」
「次はチト考えろヤ？…あっちゃなんねえが（笑）ハマの港中の 現場の荒くれ連中全員の 嘆願書が効いたって訳サ♪」
「そうだったか・・・こんな…取りに足りないオレのために・・・ っっ！！」 「それがオメエ《人徳》だ ああ。。。」
リク「本来…県警本部と手打ちにした措置…オメエがストーカー犯ってのもシャクにさわるが、ぶっちゃけ マジでイイのか？？この先 その汚名を着せられたままでも？」
ホリ「ああ構わん。それにより、小野寺が あの時倒した検問でのカラーコン、公務執行妨害もチャラにするってからヨ 喜んで受ける ああ」
つくづく…オメエって奴は、【 愛を振りまく天使だ 】
リク「そ～ゆ～とこ・・・いかにも びれんのホリだよナ。。。」
ホリ「そりゃそうと・・・《みちこは？》今 どうしているのか知らんか？？」
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『うむ・・・美味い 上出来だ。これならなんとか及第点だ。ダテにバーテン稼業１０年してねえナ 小野寺よ』
小野寺「・・・どうもッス・・・」
マー坊曰く『バーテンの腕は、ﾄﾞﾗｲマティーニで判ります』
ドライマティーニのグラスを脇に片し マー坊が、「どうだ？ いつまでもあんな、所轄署から手入ればっか受けてるヤバいＢＡＲなんかより、もっと安心して働ける職場で 腕磨かねえか？ 娘と暮らし始めたンだろ？」
小野寺「って…云いますと？？」
・・・鈍い野郎だナ（苦笑）今回の騒動 その仕上げに、オレっちがオメエ正式に【 雇ってやろう 】って持ち掛けてんだヨ♪
小野寺「マ・マジっすか！？」
・・・ああ だがココの店では無い、ココはナ、カタギに転じるオレが、正式に 外食産業に進出するについての 云わばアンテナＳＨＯＰなのサ。
藤沢にナ、デカくはないが、目抜き通りに ビル１棟ごと借り受けた。各階に色々な飲食店を開く予定だ。
で・・・パリの《ロブション》で修業した、若手バリバリのシェフをゲットしてナ、カジュアル価格だけど、本格的な フレンチレストランを一階に堂々オープンさせるハラよ♪
小野寺「はぁ・・・」
・・でナ、その店内 入り口部分に、食前酒・食後酒を飲ませる《ＢＡＲラウンジ》それ併設済んだヨ。
まだ判らねえってか？？ニブい野郎だナ。。。オメエがその気なら、そこのチーフ、任せてやろうって云ってんだ 判るか？？
小野寺「なんか・・・ポカンとしちまって・・・現実じゃないって気がして・・・」
・・・淀んでた空気が一新され、運命が回りだすってのは《それ》なんだヨ。もぉ とちクルっても、血ぃなんぞ売るんじゃねえゾ こら・・・経営者は元ヤクザでも（笑）真っ当に額に汗して働け、バーテンとして腕磨け 【 子供の親なら 】。。。
でも ぶっちゃけ、オメエがチャン街の 闇医者で売血した経験が在ったからこそ・・・リクさんと八百政さんが、ＤＮＡデータで、オメエと《みちこが》、本当の親子であるのが判明した、ま…こういうのも縁だよナ。
小野寺「お恥ずかしいッス・・・２度ほど、月末で金欠な時 血を売ってしのぎました自分・・・」
・・・医学・科学の進歩は こういうモンに使って欲しいよナ。って訳でサ…オレっちとオメエも、なんらかの《他生の縁》がアルって そぉ感じたモンでヨ♪
小野寺「ありがとうございます！！ っっ！！」
・・・礼はまだ早い・・・オラぁ おひとよしばかりの元ヤクザじゃねえゼ…テメエのバーテンとしてのスキルがダメだと判断した時にはスパっと 斬るからナ・・
小野寺「は、はいっっ！！」
・・・いいか？高い酒でも カクテル一杯が１５００円以下のカジュアルなＢＡＲだが、むしろ…高価格設定の１流ＢＡＲよかかえって その価格帯の店を流行らせる方のがジツは難しいんだ ああ。
どんなに安い酒頼まれようと、客の身なりがどうだろうと、精一杯、出来る限りのサービスに徹せられる《プロ》になれ。つまらんゾ、世をスネたままバーテン、水商売続けるなんぞ。。。
小野寺「生き返って・・・みます！ みちこの為にも きっと。。。」
・・・で…もしよければだが・・・なぁ？？オメエ 思い切って、このハマの地離れて 引っ越さないか？ モチロン 娘と一緒に。
みちこチャンだって、来月はもう十歳だろが？いつまでもガキのままじゃネエ、早晩 初潮だってくるだろう。福富町裏の住民がウロつく、オメエの今のヤサで育児ってのはどんなもんだ？？
父親と名乗って出たからには チっとは 子供のおかれる環境ってモン考えたれヤ？ 今 別荘でクサい…健康食喰ってる（嗤） マリアが出所した後の事も考えての安全策ヨ。
横浜市離れて、鎌倉、いっそその隣の《逗子市》行けお前。頼んである、ＪＲ東逗子駅の前に、サンコーハウジングって不動産屋がアル。
そこの社長 オヤジってのが、長年のオレとこの競馬のノミ屋の常連客でヨ（笑）オレっちがカタギに転身するにあたり なんか祝いをしたいってヨ・・・酔狂なオヤジだゼ。。。
マー坊『悪党としか観えねぇが（笑）苦労人のイイ親父だ♪』
だから 甘える事にした。明日にでも その不動産屋訪ねて、オヤジから 鍵受け取れ。スグにでも住める算段してくれてるから。
駅から徒歩７分、新築ではないが オール電化の 手狭ではあるが２ＬＤＫのコーポだ。スカ線の線路がすぐそばってハンデあるが、なに 慣れればそれも子守唄さ♪ なんだ？モンクあんのか ええ？？
小野寺「・・・っっ！！ すみません…泣いてもイイすか？・・・っっ！！ オレ…物心ついてより こんな他人からの親切は・・・ っっ！！」
・・・とりあえず向こう２年は社宅扱いにしてやるヨ。・・・イっとくが…電気代とか水道料金、デンワはテメエで払えヨ？（笑）（笑）
でサ…逃げ出したにせよ、オメエも一時は愛したオンナである マリアだが・・・もぉこの先、情けとかかけるのは、みちこﾁｬﾝの安全を考えても、【 完全に切れ 縁をサッパリ 】
今は娘の事だけを考えろ な？。心配ねぇ、天才探偵の 八百政ｻﾝがヨ、オメエら父子、書類上で 転入・転出を ２０回以上繰り返したってことにして・・・
もう、マリアが探偵雇って調べても、これからのヤサには辿り着けないって、その措置を敷いてくださった 安心しな。
よっぽどなんか生じたらスグ知らせろ。稼業引退するが、ハマのマー坊は いつでも戻って来るゼぇ。。。
はぁ？？？・・・アホ、今どきアルかって。。《ダルマ》にして東南アジアに輸出なんて ンな都市伝説（笑）（笑）
小野寺ヨ・・・逗子の海はイイぞぉ…オメエもギャンブルとかからはキッパリ足洗って、サーフィンでもしてみたらどうだ？？
オレもいずれ、ヒマが出来たなら やってみたいと思ってるんだ ああ♪ そんトキは教えてくれヤ（笑）
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リク「・・・ってことだ。みちこは、考えられるだけのリスクを排して、新生活を送りつつある、安心だ」
ホリ「スゲぇんだナ・・・リクもそうだが、リクの お仲間のスキルは・・・」
リク「申し訳ないが…ホリ、オメエには みちこの新生活の住所とか、あえて知らせない・・・判るよナ？冤罪の汚名にせよ…今のオメエには、《神奈川県迷惑防止条例》未・成年つきまといストーカー行為の罰則で、みちこへは、半径１００ｍ以内 近づくのは禁止だ・・・」
最愛の子を神の生贄に差し出す真似は間違いなのだ…
ホリ「ああ・・・判ってるヨ。。。あのコさえ…無事に、平穏に暮らせるってなら本望だ。もうこの先 ２度と みちこの前に立つ気などネエさ・・・」
リク「おいホリよ・・・ぶっちゃけ…オメエ チトばっか 勘違いしてねえか？？」
ホリ「えっっ？？」
リク「オメエに処せられた法的な処罰要件・・・よくよく読み返せヤ。いいか？内容は…《未・成年のコに近づくのを禁止する》それじゃんか」
ホリ「・・・ナンのこったか オレにはサッパリ・・・」
リク「おいおい シッカリしろヤ、いいか？その文言が意味する事・・・《被対象者が 晴れて【 成人に達した際は 】この処罰は効力を失する》ってこった さすがに判るべ♪」
ホリ「あ・・・っっ！！」
リク「もぉ十歳になる みちこだろが。テメエの自由な意思で逢えるのだ♪ 逆算で考えるならば…ナンの事ぁねえ、《たった１０年のガマンだヨ》（笑）」
ホリ「そっか・・・逢ってもイイのか・・・また再び １０年後には・・・」
リク「憚りながらワシかてナ、かつて、横浜港最大の禁断の秘密に触れて…出世コースから外されて、１０年間の 見えない牢獄に甘んじた・・・。でも、終わって見りゃ ホンの一瞬だった気がするヨ ああ。」
ホリ「知ってる。その際に主犯として、福岡に飛ばされた《伊集院主水》・・・リク、オメエは、その伊集院をハマの本社に 呼び戻すべく、オレら同期 残ってる者をまとめようとしてるのだよナ？」
リク「ああ、でもナ…生まれ故郷でもある福岡から 伊集院を呼び戻すにあたっては…そこそこそれなりの《社内の地位》それを用意しないことには、カミさんをはじめ家族が納得せんだろ？せやからヨ、もぉチっと、ワシも出世する必要がアルのヤ ああ」
ホリ「リク・・・オメエも このオレ以上に…《悪役志願》だナ（笑）」
・・・ま…気ぃ長くして、ホリよ…《時を待てヤ》。スグにその時は訪れる。。。オメエに対する みちこの気持ちが変わってなけりゃ、そんトキ「は 嫁にでもしてやれヤ♪１０年後ワシらも五十代ヤ、念の為・・・《バイアグラ》買っとけ（笑）（笑）
どうか素敵な女性に成長してネ。。。
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（エピローグ）
みちこちゃん お元気ですか？ホリです。
いつぞやは迷惑 怖い思いさせちゃってごめんね。反省しています。
おとうさんとの新しい生活はどうですか？
ちゃんとごはん食べてますか？ 背は伸びたかな？
あたらしい学校で ともだち出来ましたか？ 笑って楽しめてますか？
こんなボクに「会いたいよ」って、何度も泣いてくれたってネ・・・
とても光栄で うれしいですが、残念ながら、
あなたが２０歳の 成人となるまで けっして会わないというのが
ボクのため奔走してくれた人たちとの約束であり、ボクにとってもケジメです。
みちこちゃんあなたは知っていますか？
渡り鳥が、どうして迷わずに目的地にたどり着けるのかを。
例えば鳥たちは、星座を道しるべにするのです。
北極星を中心とした、北斗七星、、小熊座、カシオペア座。
その星々を頼りにして、鳥たちは北を目指すのです。
鳥たちはそれを、ヒナの頃に覚えるのです。
まだヒナの頃に見た星の位置が、鳥たちの生きる上での、道しるべとなるのです。
ぼくら人間も同じです。ええ 同じなんですよ。最初はわからないのです なんにも。
人類も誕生してより 幾星霜、何千年…いや何万年かも
灯りひとつない漆黒の闇の海を進む 海の男たちは、北極星を頼りに家へと向かった。
どれだけか年月を経ても、人間も 鳥たちを笑えない、
とても残念ですが 人間社会は…文明の進歩を追い抜けないままで。。。
ぼくら人間は 数限りなく、愚かな失敗を繰り返してきた生き物です。
それには男も女もないです。ボクもそうであるように、
みちこちゃん あなたのお母さんも同じなのです、ただただ弱く、そして愚かだった。
弱く 愚かゆえに、いちばん大事な あなたという宝物を傷つけるより他はなかった。
今ボクが願うのは１つ…あなたがお母さんを 今は憎んでもいいです うんいいんだ…
でもね、「否定」それだけはしないでいて欲しいのですよ。
否定してしまっては、みちこちゃん…それは「あなた自身」を否定することになるから。
そして…いつの日か、おかあさんの抱えいた「弱さ」を理解し、
出来るなら 許してあげてください お願いします。
そう…「許す」という作業が、あなたが受け続けた心の傷を治す最高のクスリなのです。
許せたならば、いやな思い出は全部 一瞬ではるか彼方へ吹き飛んで行くのですよ ええ。
あなたがおとなの女性となるとき、ボクはもう おっさん通り越し ジジいかも知れない（笑）
それでもよいならば、そうだな…あなたが二十歳になった その誕生日の日にでも。
また再び逢いましょう、あの、街を見下ろす丘の上の 菩提樹の木の下で。
あなたはきっとすぐに見分けるでしょう、ボクのこのこわい顔ですから（笑）
思い切り くだらないおバカな話をして笑い転げましょう そのときには。
それではどうか お元気で みちこ様へ ホリより
追伸 港のリクさんは、おっぱいでかいですが、「おじちゃん」ですヨ（笑）
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【 この世の限り 】
作詞 椎名林檎 作曲 椎名林檎
唄 椎名林檎×斉藤ネコ+椎名純平(椎名林檎･椎名純平)
この世に限りはあるの？
もしも果てが見えたなら、
どうやって笑おうか、たのしもうか…
もうやり尽くしたね。
じゃあ何度だって忘れよう。
そしてまた新しく出会えれば素晴らしい。
さようなら 初めまして
But still my dear if the end draws near what should I do?
If you hold me tight I'd feel all right but still be blue
But if a song were to play just for us for a moment
To take the heartache away
『それでも、終わりが近づいた時にはどうすればいいの？
貴方と抱き合う間に得られるのは カリソメの安寧だけ
もし私たちの為に歌われる歌があるなら
それだけがきっと 私たちの哀しみを晴らすのでしょう』
Well then I'd say, I'll make a song for you
Nothing too old, and nothing too new
Sing to the light of day
You'll smile for me, we'll be happy that way
『私は言った、貴方に今この瞬間の為だけの歌を創ろう
愛と栄光の日々の為に歌おう
貴方の笑顔で 私たちはきっと幸せになれる』
Just turn away and take this point of view
Nothing is old, and nothing is new
When you look at me and say I'll forget you...
『貴方は「いつか君のことなど忘れてしまう」と言った
それならば、もう一度新しく出逢いましょう
過去でも未来でもない その瞬間がきっと全て』
If you were me who would you be when the sun goes down?
Two faces bright but I fear the night might come around
And if reflections appear from the past, all our moments,
Smiles, love and laughter, I fear..
『貴方なら この世が終わる時にどうする？
幸せな私たちは迫り来る最期を恐れている
私たちの今の時間も、笑顔も、愛も
全て喪ってしまうことが恐ろしくて堪らない気がして』
And take this point of view
Nothing is old, and nothing is new
When you look at me and say
Nice to meet you, would you mind if I stay？
『貴方は「初めまして、隣に居てもいい？」と言った
それならばもう一度新しく出逢いましょう
過去でも未来でもない その瞬間がきっと全て』
https://www.youtube.com/watch?v=TS8LArZr3Yw
☆☆ 「こども食堂」は 存続しています はい。
当初よりメニューを絞り込み、ｽﾀｯﾌに過剰負担がないように
《微力だが 無力ではない》 それを信じて。。。
ハマ港オールスターズによる 悪党オペラの終幕といたします
【 完 】
