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ボクらの 棲む街 (完結篇)

「いやあ驚いたヨ 本当に。やっぱプロのミュージシャンの息子ってすごいモンだよな。ココロ騒いだゼ♪」って、風街が ステージ後に褒めてくれて。
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「いや、手柄の大半は マルオ先輩のドラムのエッジと、出しゃばらないマミコのベースラインさネ。ワシは単にワイワイ騒いでたダケで」

イベントは終わり、学校の公務員から リヤカーを借り受けて、貸してた楽器類を 我が家へと運び終えて、

リヤカーを返却しての 帰り道でした はい。


「リクちゃん チョっとエエか??」声をかけてきたのは リクめもバイト仕事で出入りしてます 老舗旅館セイキロウの女将さんで。
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女将さんは「大変スマンのやけども…金曜日の夜、チョっと手伝いに来て欲しいのヤけども 夜の時間、かまへんか?」と。


ええ大丈夫 時間作れますと答えますと、

「スマンねえ…最近はスッカリと 週休二日制が定着してきてるやん?せやから 金曜日の晩とかに、観光バスの団体が集中するねん。マジでメッチャ忙しくてネ」と。
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       ボチボチと、中国からの団体客も増えてきた時期で

団体客の来訪はうれしいけども、でも、予めの 低料金での宿泊契約を旅行社と交わしている旅館としては 儲けが少ない・・・

旅館の部屋を 泊まるヒトも無く遊ばせているよりマシですが、大人数の受け入れは【とにかく疲れる(><)】

次第次第に 女将さんをはじめ、旅館の仲居さんやスタッフらは、疲弊ぶりが徐々に積み重なっているのでした はい。


その金曜の晩、そろそろ日付が変わろうって時間 リクめは旅館の調理場で、ボウルに 18ケ」の卵を割って入れておりました はい。
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女将さんが顔を出してきて「ゴメンね リクちゃん。団体のお客がこんな夜中に急に《卵焼きが食べたい!》なんて言い出すから 6人前も。」

「いえ、高度な技術が要る 焼き物ではない限り 問題ナイですヨ 卵焼きならば」とわたいが答えますと、

女将さんは「エエねぇ お料理が得意な男の子は。叶うならば、リクちゃんのような地元の子に、ウチとこの婿養子に迎えたいとこなんヤけど」

・・・『 また そのハナシの蒸し返しかヨ・・・ 』っと鼻白むわたくし。
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  包丁と料理は 11歳からヤったtリクちゃま

いくら ココの旅館の跡取り娘が わたいの事を気に入ってくれてるからって…その跡取り娘が気に入る いらないって以前に・・・

いくら土地イチバンの老舗旅館だからって、テメエの一生を 大番頭として 一生、旅館の半纏着て送る気持ちは持ち合わせていないのだ うん。。。


女将は呟きます・・・ でもねえ…もはや、この商売、旅館業もそろそろ 潮時なのかも。。。

なんせが ココの旅館の売りは・・・二階のせり出し縁側から 釣り竿垂らせば、下の海から ナンボでもサカナが釣れたってのが、

10年になるか…この 島崎地区の大々的《埋め立て 緑地化計画》が京都府建設開発部の肝いりで実施されて、肝心の《海は》・・・
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    旅館の観光価値台無しだお(--;つまらん不要な埋立で

200mも先まで、埋め立てで遠のいちゃって。。。知ってるやろ?ウチとこが訴え出てた民事訴訟《観光的 景観被害の賠償保証の訴え》先月の初めに 京都高裁で判決が出て・・・

まあほぼほぼ満足いく被害の支払いは裁判確定したけど・・・でも…たとえお金が払われたとしても、《海は2度と戻ってはこない》・・・

なんとか、昔からの知名度…遺産で こうして継続出来てはいますけどネ、正直、ウチとこの娘の代まで…この旅館の伝統背負わせるのも なんか…不憫な気がしてきてネ。。。
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     この街イチバンの名旅館…女将さんの代で終わるのか…


・・・うん 知ってル。ぶっちゃけ 最近の女将さんの 疲れぶりは、その例の被害補償の裁判結果も絡んでいるんだ うん。

実質で《勝訴》なんだけども。。。そうしたなら・・・この旅館に 次々と・・・《いやがらせの電話》それが集中したんだ ああ。

わたいも受けた いやがらせの電話を帳場で、《よろしおましたわなぁ♪府から 1億数千万貰いはったんでショ?今度なんぞオゴってくんなはれヤ へへっ♪》っと ガチャっと切る。。。

バカ野郎っっ!! ココの旅館が、海が遠のいた事により被った被害額は 今回の支払いぐらいじゃ足りないのだゾ!正式には知らんけど デカ目のビルが建つぐらいの実質損害なんだ!

おそらくは…今回勝ち取ったとされる保証金だって、その大半は これまでの、金融機関からの融資の返済で消えていくのだろうって思える・・・

女将さんをはじめとして、ダレひとりとして、焼け太りなんぞはしていないのだ! 弱者が また他の弱者をイジメる・・・ああ!イヤだイヤだ。。。

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翌日 ジイさんの洋食屋に 手伝いに行きますと、ジイさんの旧い 将棋仲間の《トクさん》が、ナンでか? カオをマッカにして 憤っていました。
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くそっ! 役人風情がヨ、要らん事すなってのヤ ったく!!

っと、トクさんは 人生幸朗のような口調で 独り怒っていて・・・
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・・・あんナ、来週の日曜の昼、縦貫道路 宮津出口から続く、最後に残った部分の就工式行いますってヨ!

京都府から建設部部長、東京の霞が関からは 国交省の課長だかナンだかを招いて、一席ぶたせるよって、沿線の住民は出席するようにとサ(呆)

当日の出席までもを 取るとヨ!《脅し》ヤないかっ!完全にコレは。。。

当日自分とこに葬式でも出ン限りは 皆出席せえとヨ、泣けてくるワ!例の街を2分裂させよった 拡張道路の残り 五分のイチになって、もはや反対の意思を表しても どもならんのを承知して、

今更 こんなムダでしかない儀式 とり行ってナンの意味がアルってのヤ!!違うか?? コレは完全に…この宮津に棲む ワシらへのイジメであり、嫌がらせヤ。

むしろ可哀そうなのは 市役所の さっきウチとこにも回ってきた若い職員の兄ちゃん、《まことに済みませんが…》って、ペコペコ バッタみたいにアタマ下げて回ってたワ。


なあ?・・・アカンのか!? この宮津の土地がヨ、昔のまんまの 片田舎の観光地で??今風とやらの なんら個性も無い おもろない ノッペリした地方都市にならな 国は気が済まんのかっ!?



『まぁまぁ トクさん・・・そないメートル上げるなヤ』『血圧で倒れてまうデ』店に居合わせていた他の常連のお客がたしなめます。

 トクさんは・・・

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・・・チャウぞそれは・・・たしかにワシは、このシケた街の  チンケな 鉄工所のオヤジでしかあらへん。

せやけど、この町に生まれ70年…この土地で過ごした《構成員》ヤ。レッキとした有権者やゾ。

相手がデカかろうとナ、ひとりの人間として【 云うべきことは云わなアカン!クチをつぐんではダメなのヤ! 】

エエか? 町並みはムチャクチャしやがってからに ボロカスに潰され 壊されてもヨ、生きているワシらのココロや魂までは、市も府も お国だろうと潰させへんゾ。。。
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        押し黙ってたなら、ワシらもっと!ブチのめされるゾ!


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 翌日の日曜日のお昼、縦貫道出口開設に伴う 南北道路の最終部分の 就工式のイベントが、駅近くの市役所前広場で行われました。
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ボクも行ってみました。予想した以上に多くの街に住む住人が集まっていた。式典の引き出物、紅白まんじゅうが配られるからだって、皮肉なジョークも飛び交ってましたが、

まさか 終戦直後の食用難時代じゃあるまいし。居並ぶ人たちの中に しぶいカオして立っている トクさんも居た。

やはり、市役所の広報課のにいちゃんが、汗だく必死で 町民らの参加を 這いつくばるように頭を下げ、その必死さにほだされた結果の動員だと思った。

第一印象はきわめて冷淡でぶっきら棒、他地域のヒトには評判のよくない この宮津の気質(かたぎ)ですが、でも、その笑わない表情の奥には、チャンと 赤い、熱い血が流れており、

私欲ではなく 懸命に汗を流すヒトの《義に応える》それがこの土地に暮らす人間の矜持であり 誇りでした。


冗長で 意味のない 市の開発課の役人と 市長による挨拶があって、アル中だってウワサの、地元の神社の神主が、へたくそな祝詞をあげて。
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2小節に1回 ユニークな音を出す(笑)トランペットのマーチングバンドにノって、かき集めたらしい 地元女子小・学生らのバトントワリングが 動きの合わない小パレードをして。

ぶっちゃけ やるダケ かえって おサムい気分になってくるよな、絵に描いたダサダサの ド田舎のイベントそのものでした。
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運動会でよく見る 仮設テントには来賓、京都府からの観光開発部の部長だとか、『エリート? はいワタシですが なにか?』ってのがカオに貼りついている、縁なしメガネに瀟洒なスーツ、30代だろう 若い国交省より来訪した課長だかの 将来の政務次官候補が、

この なんともいなたいばかりの田舎の儀式を 冷たい薄笑いの目で観ていたのを思い出します はい。
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     言わなくたって、この土地には、1ミリの愛情は無いのは判る

きっと かれらには、このド田舎のイベントは、18世紀の頃、未開のアフリカで、現地の土人の歓迎のもてなしや踊りを眺めている イギリス人の気持ちとイッショだったのだろうと思います ええ。。。


 ・・・街をズタズタに壊され・・・それでも この街は、府や国のエリートに侮蔑され 冷笑を受け…それでも、落ちてくる資金に狂喜して かれらの 上から目線の下 幇間のように卑屈にアタマを下げ続けなくてはいけないのでしょうか。。。


せつない気持ちで観ていたわたいですが、フト 気付くと、スグ真横に・・・あの塩崎のおっちゃん、かつての不夜城だった店が閉店し 解雇の身となった、店のネーチャン2人が立っていました。
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マイクの前では、府の部長が さも得意げに一席ぶっています。


・・・え~~、たしかに今回の計画案の実行 100点満点ではございませんでした。地元の皆様にも多くの犠牲を強いました残念ですが。

でも・・・少なからずの 佳き副産物もございました。それこそが【 地元の風紀の浄化 】それであります。

昭和33年に 売春防止法が施行されてよりも、惜しむべきは この地域には、この丹後地方におけます暗黒街的な部分をどこか引きずったまま放置される そんな状態が長く続いた。

しかし今回、京都縦貫道 新道路計画という お国と国交省の皆様の大英断により、この丹後半島全体の発展と、この宮津の従来の肯定できない暗い部分を一掃する風を吹かすことに成功したのは喜びを以て迎えるべきです!

          
 『・・・ふん モノは言いようだよナ・・・役人のマスターベーションそのものじゃ   ないか。。。』


・・・殊更に声高く云いたいことは、道路拡張に伴う利点の1つとして、立ち退き策の最大の成功ポイント、

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この街の通りに長くはびこり、市や府 国の指示や条例等にもまったく従わず、隙に振舞っていた 反社会勢力、その恐怖と暴力を一掃する事に成功した事です!

住民の皆様、もはやヤクザ者らは一掃されました 我々正しい市民の勝ちなんです!いかがわしき者らを駆逐排除出来えた事は まことに誇らしい♪

お子様に見せたくない いかがわしき店の殆ども閉店しています。いかがわしき稼業に従事していた住民らも、必ずや 真っ当な 正業への道に進むと信じます。 そう!街はクリーン 安全に生まれ変わったのです!!


 ポタって・・・なにかが地面に落ちて、わたいはハっとして足元を観ますと・・・それは、ヨコに立ってます塩崎さんの店を解雇となったネーチャン、掌から落ちた 【 血でした 】はい。
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ネーチャンはブルブルと小刻みに 震えながら…キレイにネイルした長い爪を 握った拳固 掌の皮膚に食い込ませたゆえの出血でした。


ネーチャンは震えたまま ちいさく呟いた・・・『そんな…補償金貰ってこの土地出て行けるのは社長だけヤ…ワタシどないしたらエエねん?仕事 無うなってしまっただけやん・・・ っっ!!』

もうひとりのネーチャンも『せや。中・学しか出てへんワタシらが…街がクリーンになったからって、どないして生きていけばイイのよ?』

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             教えてヨ 誰か。。。

 『なあ?すべてワタシらだけがアカン云いますのンか??いじめて楽しいか?ワタシらが街から…この世から消えれば あとは皆 幸せになれるって云うのんか?? 』


そうだっっ!!この無謀きわまる乱開発を 喜んでいるのは 公務員ダケだ!! 主体であるはずの ボクら街の 通りの市民は、皆 こんなにも【 苦しんでいる 】
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        この街のボクらは、煉獄に堕ちた罪人なのか・・・


 『御託宣の途中にスマンがヨ チト云わせてんか』 トクさんでした。。。 慌て出す主催者側の人間。

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街の浄化にも意味はアルやろって思いますがネ・・・せやたけど、アンタはその目で…《その結果どうなったか??》…観てもおらんやろ 違うか?? 興味も無いですやろ?《担当が違う》云いはって、知らん顔ですか?

あのナ…ワシらの住む このかつての栄えた通り全体、夜ともなるなら ダレも通らん、《息してない街》それになったンやデ?
 
そうなりゃ当然 通りの商店は廃業、余計にヒトは来なくなる・・・。《水清くして 魚住まず》のことわざ知ってるやろ?
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アンタら役人は、地域開発という名前の兵器で、土地の風景を壊し、通りの人間の生活を破壊し、この宮津の街の息の根を止めようとしてるのヤ!!

違っとらんやろが!?官民一体で 建設バブル起してヨ、この国にダブついてるセメントやらコンクリやらのウマい投棄場所にしたのヤ!
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    江戸時代から続く、この街の 花街文化もズタズタ・・・

海やった場所を埋め立て、通りをブチ壊し、丹後湾の海流までもを変えてしまった・・・で 結果どうなった ああ?? イワシが獲れなくなくなったダケとチャウ。

丹後半島最大の売り 天橋立の松林を支える《砂が》沖から運ばれて来ンようになってまって、兵庫の須磨から 年間で3千万もかけてダアンプカーで砂運ばせては補填してる有様やないか!!
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    金色の卵を産む ガチョウをツブシちまったンだヨ!


判るかアンタ?? 発展やあらへん…むしろ退栄【 破壊してるねん 】肥え太るのはゼネコンだけヤ! この土地のワシらは 座して死を待てってか!?


市長がカオ歪めて シッシ!って手を横に振るジェスチャーをした。途端に 制服ガードマンらが トクさんに張り付き、トクさんを強制排除しようと両手を取って・・・

『放さんかいっ!!アホっ』それを振り払おうとして トクさんは勢い余り よろめいてしまった  あぶない!!
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よろめいたトクさんを サっと 手を差し伸べてキャッチした人間が・・・見れば それはあの【 風街だった 】。。。


風街は 冷静に、でも堂々と臆することなく、よく通る声で、

『ボクは地元の高校に通う 風街といいます。国交省の方、以前ボクの父親が、とあるプロジェクトで一緒に仕事をしたと聞いてます。今 NTTの通信研究所丹後責任者を拝命してます』
 

国交省のエリート役人は、『ふうん…こんな田舎にも話が通じそうな文明人がいるのか』ってカオつきで風街を見下ろした。

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風街は続けました。 …誰が悪人で 誰が被害者か?って論理では、時代の進化・変化って事側は永遠に解決しないと思ってます。でも・・・

お願いしたいのです ええ。。。覆水盆に返らず…この土地の開発は止められない。でも…この丹後半島と宮津の街の開発計画が【 決定的な失敗策だった 】その事実を握りつ潰す事無く、今後の教訓として残して欲しい。。。


ボクですが、神戸から この宮津へ移って まだ半年チとです。都会人としてのボクは、つまらない田舎だと正直思ってました。

だけど、絵を描くもので、この土地のアチコチをスケッチして回っているうちに、《判ってくるものが有った》。。。
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あの…《地域産業価値》って用語 当然ご存知ですよネ?丹後半島はどぉ考えたって 僻地であって田舎です。

ですがネ…丹後の地域産業価値は 【 僻地であるがゆえに存在する 】のですよ ええ。この土地の 最大の財産価値は、《昔と変わらぬ大自然》それです。

この土地にどれだけの資金と資材を投入しても、東京や名古屋 大阪のように変貌する筈がない。。。それだけココの地は《自然の深さが大きい》のですよ。

この田舎ぶりは、手を付けない方のが絶対に価値が期待出ると確信します、だって・・・みっともないじゃないですか?ホンの1部分だけ 都会化したように観える田舎なんてのは。

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   丹後の自然に傷跡を残し、後に出来るのはイビツな《エセ都会》

ムリに開発を続けても、そこにはイビツな《都会モドキ》の無残な構図しか残りません きっと。

 ・・・そしてナニよりも、この街に棲み どうなろうとも生きていく人達が【 どんどんと不遇・不幸へと追いやられる 】・・・

その責任のすべてを お役所に押し付ける気はありません。でも・・・道路やハコモノさえ造れば 地域は活性化し、ヒトも幸福に導けるという従来の考えは 完全に間違っているいるって ボクは考えるのですよ。。。

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《こらアカン》って感じで、市長らがなにやら話し合い、イベントの司会者が あたふたしながらマイクをとり『本日のイベントはこれにて 無事終了させていただきます 皆様ありがとうございました!』って。。。


集まっていた街のみんな、あはは♪って笑いました。こんなシャンシャンのイベント終わろうと困るもんか。唯一 突然の終で困惑、怒っていたのは・・・

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 (丹後の宮津でピンと出した)
○二度と行こまい丹後の宮津 縞の財布が空になる
   (丹後の宮津でピンと出した)  ※以下、唄ばやし同じ

○空の財布が思いの種で 二度行くまいとて三度来た

○二度行こまいとは昔の唄よ 二度も三度も寄りゃしゃんせ

○天橋立日本一よ 文殊菩薩に智恵の餅

○行こか戻ろか橋立なぎさ いとし宮津の灯が招く

○月が出ました橋立沖に 金波銀波の与謝の海

○今日は帰ろと橋立見れば とまれとまれと啼く鴎

○雨の降る灯は傘松下で 二人成相与謝の海

民謡「宮津節」を踊る予定だった 浴衣着こみ出番待っていた 婦人会のバアさんご一党ダケでした♪


 ・・・今日の真の勇者…それは【 風街 】キミだ うん。。。

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「今 何時ヤ?」 「食事会まではまだ45分 あまり早く行っては失礼やん」

「御馳走出そうやナ なんぞお土産持ってこか?」「こないだ貰ろぉたイタリアワインの赤白あるからそれ持ってく?」

「ワタシ ナニ着てこぉかしら…」 「赤がエエんとチャウか」

両親が会話してます。ずいぶんと、穏やかで 仲のよさそうな夫婦の会話に聞こえるなぁ。。。

だけど…あきらかにアレなんだ。。『そう振舞っている』…もう互いに期待など持っていないからこその、平静を装った芝居なのだ。。。

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『ほな行ってくるデ』両親は2人揃って 通りひとつ向こうのお宅の食事会へと招かれ 出かけて行きました。

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《なんか今日は色々あって疲れたなぁ・・・》勉強する気にもなれないボクは、即席うどんで夕飯を済ませ、ボーっとして、面白くもないTVを眺めていました。

8時半を過ぎたころ 家の電話が鳴り 出ますと かけてきたのは 大阪で親戚の家に下宿している 姉からでした。
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          その当時の我が家の座敷でス


『おかあちゃん 居らへんの?』

「●●さんとこで今夜 食事会あってナ、とうさんと出かけてはるワ 姉ちゃん、元気してはるんか?」

『相変わらずやねん、レギュラーメンバーあがれへん。リーダーの武内チャンには適わんけど、歌唱ならフミコ、踊りなら稲葉貴子にも負けてないんやけど…』

姉は 大阪で学業と同時に 大阪パフォーマンスなんたらって アイドルグループの活動をしてました当時。
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『とくに週末となると 各地の《営業仕事》ばっかでナ。こき使われてるのやけど、TV出演ってなるなら、相も変わらず補欠要員なの…』

「まぁ 焦らんと ボチボチやんなはれて♪」


『おかあちゃんと おとうちゃん、仲良く出かけてるんてか。最近 仲がよぉなってきたン?』

「うん・・・昔みたいな派手なケンカは影潜めてるワ。でもなぁ…な 姉ちゃん…」

『なに??』


「たぶん もお…あの二人はじきに正式に別れる・・・離婚しよルって思うデ うん・・・」

『・・・・・・そうなん?・・・』


「ナンていうかナ?・・・お母ンととうさん、互いの基礎体温が下がったとでもいうか・・・」

『 体温 か・・・ 』


「ナマイキやけど、以前は…激しくぶつかり合うだけの《熱意》があった・・・嫉妬や怒りの念ってのも、男女を結び付けてる要素の1つやと思わへん?」

『・・・今はもう それすらが無いと・・・』

「そういうこっちゃ。感じるのやけどナ、アレはもはや夫婦とは呼べへん・・・まるで気の合う《トモダチ同志やて》…」

『・・・どないかしても…もはやダメなんかねぇ・・・』

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   父と母という、1組のカップルの判断に委ねましょう…

「子供のワシらも居てるからナ、表面上は落ち着いた夫婦【 演じているけど 】でももぉ…それも じきに終いやろナ。具体的にどない決めるかは、当事者の両親にまかせようやないか。出た結果がどうであれ、二人は ボクらの親であるって事実は変わらないのやからサ」

『そやネ・・・』

 静かな夜の時間が過ぎていくばかりでした はい。
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 夜が明けて いつもの早朝バイトも済ませ、「行ってきます」と、家を出て

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      のちの「港のリク」の原点でございます

ボクは少なからず 失望の念を抱えてました。バイト先の漁連の建物の2F 休憩室兼談話室に 吊るしてある各種の新聞。

主要3大誌から地方紙まで、それらを隈なく注視したのですが…昨日の就工イベントについては、近畿地方版のスペースに小さく 1段記事で報じられていましたが・・・
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トクさんや 風街の《公開の前での追及》・・・それについては タダの1行も触れられていない事実に接し、思わずため息 落胆を覚えました。。。

だけども、きっと トクさんも 風街も、屈託なく こぉ云うだろう…『目立ちたくてヤった事では無いヨ』って。。。

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          資材が消えてる。。。

 学校へと向かう道、トクさんが経営する 鉄工所の前まで来て ビックリしました・・・。店の前に柱や壁の部分に いつも立てかけている鉄筋や鋼材、それが全部【 消えている 】のです・・・


トクさんが中から出てきて『おはようさんリク坊。ぶっちゃけ この有様ヤ・・・笑うしかあらへんってヨ』

リク「・・・鋼材類…どないしましたんヤ??」

トクさん「ご覧の如く・・・市役所、市長の《さっそくの報復処置》それやろて。つまらん事ばかり仕事が早いねんアイツらは・・・。30分前に 2トン車で乗り付けてきやがった市の職員らが、《道交法違反で倒壊した際の危険が予想される鉄素材を強制撤去します》って、全部持って行きよった ああ。。。」

リク「・・・っっ!! そんなっ!!ガキんちょみたいな事しますか役所は!!」

トクさん「ワシ、ココの場所で 50年ショーバイしてるのやデ?これまでにイッペンも ンな苦情も警告も受けた事あらへんワ!あの阪神淡路大震災の時 宮津も震度五で揺れたが、立てかけた鋼材はタダの1つも倒れへんかった。だのに・・・」


 まるでウィスキーをストレート飲みしたように、ボクはハラの中が ワっと熱く煮えたぎってきた気がしました。『この足で 市役所に乗り込んで、役所の職員連中 ギタギタにイてコマシたろか。。。』
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        優等生の仮面を脱ぐゾ こら・・・


でも、トクさんは なんでもないって風に、手に持ってたヤクルトを飲み干しながら、


「でもだからナンやねん?っちゅうのヤ このワシをナメたらアカンぞ。リク坊 心配ありゃせんて♪ホレ、見てみぃ」
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1台の軽トラがやって来て 店の前で停まり、『じゃトクさん、さっきウチとこの社長が電話した通り、うちで余り物の不良在庫、ココに 放かさせて(捨てさせて)貰いますけん。使うなり、放かすなりスキにしとくんなはれヤ』って、荷台から鋼材類を次々 降ろしはじめました。

その後ろのほうで『お~い 早よしてんか!わしとこも降ろすンやからヨ』もう1台のトラック。 向かいの方角から また1台・・・なるほどナ、コレこそが トクさんの《仁徳》なのか・・・
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    トクさんも 荒くれだ。。。

ニヤリと笑いますトクさん『な?ワシら《鉄屋》はシブドいデ♪青瓢箪の役人風情の意地悪如きにダレが負けるかって♪ ほなな』

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信号を渡り切った所の背後からダレかが出てきて…『この クソガキがあああ!!』って 頬にパンチ食らった。見れば…《 オヤジ 》でした。。。


こらリクっっ!!お前 姉ちゃんに告げ口したやろっ!?心配した 姉ちゃんの電話で叩き起こされたワ!ドアホっっ!!男同士の約束破ったナ!まだヒミツや云うたやないかっ!このボケ!

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     とうさん…アナタは悪い意味で『永遠の子供』だ…

・・・心底で…《ガッカリした》。。。このヒトが自分本位、自分勝手なのもアリますが、むしろそれよりも・・・

今より もっともっとガキの頃…やんちゃで利かん坊だったボクは 時折 オヤジからゲンコを食らっていた。
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・・・あの当時のオヤジのゲンコは たいそう痛いモンだと感じていたけど・・・今しがた殴られたパンチ、つい思ったのは…《ナンだ…こんな程度のパンチだったのかヨ》って想い。。。

それに、今にはじまった事じゃないけどサ…とうさん つくづくアナタは、早トチリで、自分本位の解釈しか出来ないヒトだ・・・

ただの姉弟の近況報告の交換に過ぎない、ゆうべの電話は… 西京区への引っ越し計画も、キヌコさんのこともナンも漏らしてはいないゾ ボクはヨ。。。


青に変わった信号を走り渡ったオヤジ、道の向かいから『リクっっ!! このアホめがっっ!!』って、道に落とした通学カバンについてしまったドロを手で払い落としているボクに向けて毒づきました。


 ・・・ 言いたいなら…面と向かって 至近距離で云えヤ なさけない・・・。そんなに息子のわたいが 怖いか。。。
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『どないしたん??・・・あのヒト リクのおとうはんやろ?ケンカしたん??』

マミコに見つかってしまったようだ。わたいは「ナンでもあらへん。ワルさがバレて とうさんに折檻されただけヤ♪」


「ワシのことよか、千代彦アイツどないなった??」

「うん・・・マルオさんの知り合いのヒトがネ、千代彦が潜り込んでる オカマさんのお店?突き止めてくれてネ。ウチとこの父が電話かけて お店のママ…パパか(笑)出て話しましたなら・・・」

「うん・・・」


・・・あんナ、父が云うには、電話で話したママは《人格者や!ワシは感動した》って。単なる家出少年でしかない千代彦を、警察にも突き出さず、ゴハンも食べさせてくれはって、大事に保護してくれてたらしいの。

《あのママは信頼できるエエ人ヤ。ワシはちょっと偏見ばかりに囚われていたと思う。今度アイツが帰ってきた際に 千代彦の言い分もキチンと聞いてあげようと思う》って。
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      根っこ部分でキチっと結ばれた 良き家族だと思った

だけど、千代彦が調子にノって、ヒラヒラのスカートで帰ってきたなら ハリ倒すだって(笑)
 

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   だけんど その期待は甘いド いひいひ♪
     

 哀しく せつない気持ちを吹き飛ばすのに十分な とびっきりの笑顔で マミコが笑ってくれました。


・・・そっか。。イイおとうさんやマミコんとこの おとはん。。。

考え方が柔軟だ、実現性の無い 夢ばかりを追い、そこから一歩も抜け出せずに苦しみ悶えている ウチのオヤジより よっぽど偉い。。。

だけどネ マミコ…ボクは その どうしようも無いオヤジを《否定するのダケはしたく無いんだ ああ》・・・

オヤジを否定することは、半分は同じ血が流れている ボク自身をも否定する事になっちゃうからネ。。。たとえ離婚ってなろうとも、この世にボクの父親は あのヒト 独りなんだからネ うん。。。
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        それがリクめの「本当の本音」なんだ うん


なあ? それにしても、今日は本当に 良い朝じゃあないか うん。空は青いし 小鳥はうれしそうに啼いている。雪が降るまでの間、いちばん生きていることを実感できる季節だ。
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正直、この街は『ダメな片田舎の都市の典型』なんだって思う。ナニひとつ自分たちの手では計画も実行プランも立てられず、府だの国などに いいように食い物にされてるばかりで・・・。


それではいつになっても 住民は《たまらない》・・・だけどサ・・・ボクらは【 それでも 生きてる 】ああ。
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弱いヒトだらけだ この街。虐げられ 苦しめられ、ぎゅ~ぎゅ~に角の隅へと追いやられ、それでも足りないとばかりに無理難題を押し付けられる・・・


だけども、朝がまた来るなら・・・ボクらは寝床から起き出し、数多くの悩みや苦しみを抱えながら、それでも額に汗して懸命に働く。それしか無い…有ると云うならば 教えてください。


その数多くの 弱いヒトらの働きによって、とっくに賞味期限が過ぎた この街はなんとか・・・動き 回転しているのだ ああ。

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ボクらこそが この街の主体だ。  おはよう 街のみんな 牛乳屋も パン屋さんも、豆腐屋も。コンビニで求人誌 必死に読んでいる、塩崎のおっちゃんとこ解雇されたネーチャンも みんな おはよう! 


   おはよう みんな  おはようっっ!!

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希望はとてつもなく儚くとも、メゲずに暮らしていこうヨ。精一杯今日1日を そう この土地はけっして福音の土地では無いとしても、


  ココは ボクらの 棲む街だ。ボクらが此処に居る限り、けっして無くなったりはしないのだからネ♪

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        たとえボクらが 天井桟敷の人々であろうとも・・・


        《 完 》

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


  【 IF YOU ARE PASSING BY THAT WAY 】(想い出を君に託そう)

 作詞:奈良橋陽子 作曲:タケカワユキヒデ 編曲:ミッキー吉野

 If you are passing by that way

 That piece of countryside

 Dome a favor, will ya? Dome a favor, will ya?

 Dome a favor, will ya? And take a look for me

 Take a look and see If that old willow tree

 The one I used to swing on Is still standing gracefully


 And just nearby’s the creek Full of tadpoles used to catch

 Took home to watch’em grow But the died eventually

 If you are passing by that way

 If you are passing by that way

 Just wanna know and make sure

 Just wanna know and make sure

 Just wanna know and make sure

 If there’re still O.K.

    Da da da…………


 If you are passing by that way

 If you are passing by that way

 Dome a favor, will ya?

 Dome a favor, will ya?

 Dome a favor, will ya?

 And take a look for me


 And pussy willows growin’

 On the backs of that creek

 They used to feel like silk

 When I rubbed them on my ceek


 Dome a favor, will ya?

 Dome a favor, will ya?

 Dome a favor, will ya?

 And take a look for me


 もし君があの路のそばを通りかけたら そうさ郊外のあの路さ
     181105hh4.jpg

 僕の願いを聞いてくれないか

 僕の願いを聞いてくれないか

 僕の願いを聞いてくれないか


 確かめて来て欲しいんだ 昔 ぶらさがったりして遊んだ

 あの年老いた樹が 今も 力強くそびえているかって事をね


 近くにはおたまじゃくしの住む 小川が流れていた

 大きくなるのを眺めようと思って 家に持って帰ったらやっぱり死んでしまった
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 もし君があの路のそばを通りかけたら

 もし君があの路のそばを通りかけたら

 確かめてきておくれ 確かめてきておくれ

 確かめてきておくれ 知りたいんだ

   ダダダ…………


 もし君があの路のそばを通りかけたら

 もし君があの路のそばを通りかけたら

 僕の願いを聞いてくれないか 

 僕の願いを聞いてくれないか

 僕の願いを聞いてくれないか 確かめて来て欲しいんだ


 あの小川の裏手にはネコヤナギが繁ってた

 頬にあてると まるで ミルクみたいな感触がした


 僕の願いを聞いてくれないか 

 僕の願いを聞いてくれないか

 僕の願いを聞いてくれないか 確かめて来て欲しいんだ

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 https://www.youtube.com/watch?v=eldv7KvwmtY






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心の 成長の物語

 いくつものトピックスが交錯し、胸をしめつけられる気持ちにもなりましたが。。。

そのすべてが、
>希望はとてつもなく儚くとも、メゲずに暮らしていこうヨ。精一杯今日1日を そう この土地はけっして福音の土地では無いとしても、
  ココは ボクらの 棲む街だ。ボクらが此処に居る限り、けっして無くなったりはしないのだからネ♪

ラストへと 繫がっていたのですね。

おそらくは、およそ半月間のあいだに、リク様は 少年から 若者へと 心の成長を遂げたのだと思いました。v-352

月並みな言葉ですが、いちど失った自然は戻ってはきませんよね。
今の沖縄の基地移設問題にもリンクするような・・・
弱り切った地方の自治体は、自然と環境を売り渡すことにより、中央よりの資金を得る・・・
それを見抜いていた 風街さんとリク様 精神的にすごく老成していたのですわネ。v-424

父親

 今までの作品の中でも
もっとも『 父親 』というキーワードが大きくとりあげられてましたね。

あくまで自分が中心で、ある意味「自由人」の 父親、
かれに翻弄され 悩み多き 出来る 息子・・・
こういうのを指して 本当の『 愛憎の念 』というのだろうね。

でもねぇ。。。なんか…『あ わかるわかるそれ!』ってのが おおいにアルんですよ、リクさんのおとうさんんのセリフ。
無論 息子であるリクさんが 圧倒的に正しいのだけどね・・・

でも、「ダメで弱い部分」っていうのは 誰でも1つ以上は持ち 抱えているからね。。。
家族 息子に いろんな迷惑かけながらも、浮浪雲の主人公の様に生きている リクさんの父上、なんか 自分には まぶしく映るのも事実なんです。。。

No title

 棲む街の 一種の「葬式を見届ける」少年期最後にさしかかったリクさんの物語と感じました。

どんだけか周囲から』」ウザがられようとも、
トクさんの 言うべきことを言わなくてはダメなんだ! って、その態度は立派だと感動しました。
庶民派弱いものですが、でも 本当に強いのも庶民なのですね。

故郷は 傷だらけ…

ワタシ的に いちばん胸に迫ったのは、セイキロウの女将さんの苦悩と、
職を失った塩崎さんの お店にいた女性たちの つぶやきでした。

眺めが売りの旅館が、すぐ下の海が200mも埋め立てられるって ナンなの??これを無謀といわずしてなんなのだろうか。。。

そして、 不要だ!風紀上で問題だ!って、ボロカスにいわれる 町の中のいかがわしい仕事、
でも「それがあるから生きてこれた」という人らこそが 本当の弱者で。
街のおおがかりな開発は、そういう弱者を切り捨てる事で進んでいくのですね。
お客目線ではない、街の関係者というスタンスから描かれた 注目するべき内容でした♪

解決はしてないのだけど…

映画通の アツシさんをさしおいて(^^;自分勝手に今回のノベルを評しますと。

意外にも(?)おだやかなタッチで終わります今回のラスト部分・・・
でも、こういうタッチは どこかデジャブがあるな…って考えたら、
C・イーストウッド監督作品の『ミスティックリバー』ああこれだ!! と。

ミスティックリバー、街の祭りのパレードのシーンで終わります。
描かれている街も 多くの問題だらけで、ラストでも なに1つ解決してない。
被害者だったり、加害者 犯罪を起こした人物ら またそれを追う警官も。
その人らが 「街」という1つの坩堝(るつぼ)で、交じり合い、パレードを眺めているシーンで終わる。

犯罪事件は起きませんが、「すごく深い」今回のノベルでしたね。

解決策の無き問題。。。

 リクさんの その奥が深い人格と考え方の基礎は、
この作品でも よく描かれていました、様々な 苦悩と問題に 培われたのですねえ。

多感な青年期のはじめに 地域の変革期に遭遇した 揺れる心の中が描かれていたと思います。

でも、やっぱり オトナになってきましたネ リク少年も♪

申し訳ない言い方ですが… 自分勝手にふるまう父親を あえて「肯定し 許せる」・・・
小生なんぞが 16歳の時と比べますなら 穴があったら入りたい。。。

その御父上も たぶん・・・リクさんという息子のこと 体力的問題で 怖がるというのではなくて、
いつのまにか、父親の自分を 追い抜いてしまっている、そのことにも 焦りを覚えていたのではなかろうか? と。

 あいかわらず 「いい味」出してます トクさん♪
スマートさとかが優先されます 昨今の人間関係、でも トクさんのように、言うべきことを臆することなく堂々と述べる!
そういう人が めっきり減ったのは なんか寂しいような気が。。。

管理人のみ閲覧できます

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昔だと思わせない内容

 16歳 高校生の段階で、千代彦(ルルさん)との関係で、リクさんが 性同一障害を正しく捉えていたのには驚きで読ませてもらいました。
そうなんですよねぇ、薬物治療や精神療法では 性同一は治るジャンルではないのでして。。。
ワタシも何度も 父親や親類から『病院行けっ!』って言われましたのを思い出します。。。

リクさんの本質は、お姉さまとの電話の会話に よくよくあらわれていたって思われます。
シビアでリアルな現実から目をそむけることなく、それでも けっして両親を否定せずに、『ふたりに任せるしかない』と、
突き放すのではなく、今後の動向を受け止める覚悟のある息子 港のリクの基礎は この時点で完成していたのですね。

ラストの ゴダイゴの旧い曲「君に想い出を託そう」(76年だっけ?)すごく良かった(*^^*)ほっこりしました。
文化祭のステージで演奏した曲 本当は なんていう曲ですか?

流石、サンシャインさん。
私は、「ニューシネマパラダイス」を思い起こしました。ベタですが。
幼い頃から、町の中の生活に溶け込み、いろんな体験をし、町の変化も見届け。
自分の町で感情を爆発させた、リクさん、マルオさん、マミコさん、そして風街さん。
いろんなもの無くなっても、その町で生きて行く皆さん。

アルフレードの葬儀で成長したトトと目を合わせると軽く頷き合う町の人々。

あのメロディーと共に、リクさんと、今でも故郷に住む人たちの姿が見える様です。
勝手にウルウルしてます。
人の手で名所旧跡は、変わっても、ココロの中までは変えられません。

自分的なエンドシーン

 サンシャインさん アツシさんのように、作品を深く読み込んでくれる読者さんがいること ついついリクさんに 嫉妬を覚えます(笑)

僕なりに、この回の エンドシーンにピッタリすると考えるのは、

 https://www.youtube.com/watch?v=HLDA3GQpYJ4


 「Tom Waits -- In The Neighborhood」歌詞の内容はこうです

フライパンの中で卵とベーコンが追いかけっこ
鐘塔の横で犬が鼻を鳴らして餌を乞う
夕べ犬どもはゴミ箱をひっくり返して回った
それにいつもどこかが工事中で迷惑してる
そんな界隈にいる

金曜に葬式をやって土曜には結婚式
セイはレジの脇に銃を置いている
忌々しい配達のトラックめが
やかましくてかなわない
その上バターが届かないないときてる
そんな界隈にいる


 わざとにセピア色のフィルムで 魚眼レンズで撮っています この作品は。ツム・ウェイツの世界観と 港のリクはどこかシンクロしている気が。
注視するならば、楽隊は身障者や ある意味 異常者ら 性倒錯者で組まれた「ありえないバンド」
そのパレードを見送る 町の人らも、いっさい笑顔は無いし怪訝な表情で誰も笑ってはいない。
その なんともな希望の無さ だけどメゲてばかりではない ある種の開き直りぶりが、不思議にリクさんが育った街にシンクロするように思うのです。

Re: JJさまへ

>  いくつものトピックスが交錯し、胸をしめつけられる気持ちにもなりましたが。。。
 
 今回のは チトばかり、詰め込み過ぎた感がございますわナ(^^;詠み疲れましたやろ? ごみんネ。

>   ココは ボクらの 棲む街だ。ボクらが此処に居る限り、けっして無くなったりはしないのだからネ♪
> ラストへと 繫がっていたのですね。

悲惨な状況に陥っても 暮らしている以上は 逃げるわけにもいきませんからネ、住民であるボクら町の住民は。
日本だけでは無く こういった気持ちになる街は この社会には きっと無数に存在するのでしょうネ。

> 月並みな言葉ですが、いちど失った自然は戻ってはきませんよね。
> 今の沖縄の基地移設問題にもリンクするような・・・

このよなわたいとて、公共のお金を 地方に与えるって行為も、《それに相応しい事由》それが不可欠だってのは判る・・・
日本だって 宮津のような場所の自然環境を 守る為に 資金を投入するほどの 金満国家では無いですからネ。
全体の社会での 経済を回転させるためには、ドガチャカと、自然をブチ壊していくしかないって、ジレンマですよネ ええ。

Re: 冬忍草さんへ

 冬忍草さん いつもありがとうございます♪

>  今までの作品の中でも もっとも『 父親 』というキーワードが大きくとりあげられてましたね。

いわゆる リク噺の中でも ウチとこオヤジは まさしく「不人気キャラ」でおますさかい(笑)
チト陽の目を当ててやろかってのと同時に、ぶっちゃけ…改めて書くと・・・
マジでもってロクデモないオヤジだわなぁ。。。って(^^;再確認したとでもいうか いひいひ♪

> あくまで自分が中心で、ある意味「自由人」の 父親、
> かれに翻弄され 悩み多き 出来る 息子・・・
> こういうのを指して 本当の『 愛憎の念 』

まあ「夢追い人」なんですかネ? 一生を費やして《自分探しをするタイプ》とでもいうのか。。。
その点 ボクちんは《テメエなんぞ探したって 余計にわかんなくなるだけじゃんか!》って思考の持ち主なので ええ。

> でもねぇ。。。なんか…『あ わかるわかるそれ!』ってのが おおいにアルんですよ、リクさんのおとうさんんのセリフ。

家族泣かせる反面で、オヤジですが 長所ってのも少なくはナイ御仁でしてネ、ウチとこ お母ンはそんなオヤジに惚れてたらしい・・
でもねぇ…やっぱ 迷惑かけ続けられた当事者としては どうしても減点主義で観てしまうのですよん はい。

> でも、「ダメで弱い部分」っていうのは 誰でも1つ以上は持ち 抱えているからね。。。
> 家族 息子に いろんな迷惑かけながらも、浮浪雲の主人公の様に生きている リクさんの父上、

影響とかは マジで受けているのですヨ、オヤジから。
読書の傾向だったり、習いもしてないのに ギター弾けたり ピアン叩けたりって。
ただ父と息子 同じくして《才能はさほど有してない》それで(^^;
天才とかとは 甚だ縁遠い 不器用そのものの父と息子だと思います はい。

Re: タキさんへ

 タキさん いつもありがとうございます♪

> どんだけか周囲から』ウザがられようとも、
> トクさんの 言うべきことを言わなくてはダメなんだ! って、その態度は立派だと感動しました。

そのトクさんも、4年ほど前に。。。
今頃 雲の上で 亡くなったジイさんと 将棋していると思います はい。
トクさんぐらい 街を愛していたヒトは居なかったのではないかなあ。。。

> 庶民派弱いものですが、でも 本当に強いのも庶民なのですね。

「エリート」って存在は、膨大な数の「チカラ無き者ら」が存在し それに支えられてないと元来 成り立たないモノでおますだヨ。
よくジョーク的に云いますでショ?『牛乳呑むのは健康に良い でも…イチバン健康なのは…その 牛乳配ってるヒトである』って。
エリートは 強大に観えても、《常に替わりは用意されてる》 弱き庶民こそが 最後まで残る のですよ ええ。

Re: ちゃー子さんへ

 ちゃー子さん いつもありがとうございます♪

> ワタシ的に いちばん胸に迫ったのは、セイキロウの女将さんの苦悩と、
> 職を失った塩崎さんの お店にいた女性たちの つぶやきでした。

単に 運が悪いとか、お気の毒に って言葉では ゼンゼン報われませんネ 身勝手な環境の変化に振り回される とくに女性は。。。

> 眺めが売りの旅館が、すぐ下の海が200mも埋め立てられるって ナンなの??これを無謀といわずしてなんなのだろうか。。。

ネ?酷い開発計画そのモノだと思うでショ?
この国の 建設行政ってのは とにかく!『 美学が無い 』・・・(--;
工事完了後に ドロドロの訴訟になるのが「判ってて」…開発計画を受け入れた 市の態度こそ「大バカ」そのものでおますだヨ うむうむ。。。

> そして、 不要だ!風紀上で問題だ!って、ボロカスにいわれる 町の中のいかがわしい仕事、
> でも「それがあるから生きてこれた」という人らこそが 本当の弱者で。
> 街のおおがかりな開発は、そういう弱者を切り捨てる事で進んでいくのですね。

ってか、スキで 風俗や夜のショーバイにワザワザ入って来るヒトなど稀ですよん ええ。。。
「そうせざるを得ない」、せつない理由があっての結果なのですから ええ。
ごく表面的に 目立って ジャマにも見えがちな、ネーチャンとかばかりを》攻撃の目標にして、
そのくせ 本当に憎むべき 民衆の敵からは 目を背けている なんか哀しいですよねぇ。。。

Re: サンシャインさんへ

 サンシャインさん いつもありがとうございます♪

> こういうタッチは どこかデジャブがあるな…って考えたら、
> C・イーストウッド監督作品の『ミスティックリバー』ああこれだ!! と。

なるへそ・・・根底に流れる部分としては、たしかに共有する概念が流れていますよネ。 よくぞの ご発見♪♪

> ミスティックリバー、街の祭りのパレードのシーンで終わります。
> 描かれている街も 多くの問題だらけで、ラストでも なに1つ解決してない。
> 被害者だったり、加害者 犯罪を起こした人物ら またそれを追う警官も。
> その人らが 「街」という1つの坩堝(るつぼ)で、交じり合い、パレードを眺めているシーンで終わる。

あの作品を監督した C・イースツウッドも凄いですが、
ラストシーンでの、ケビン・ベーコンと、ショーン・ペン 2人の セリフの無き ボデイランゲージでの芝居も白眉」でしたネ!
ベーコンが ピストルのサイン出して『オマエ ヤりやがったろ・・・』それに対し ペーンが『さあ?いったいナンのこったい?』
コロされた ティム・ロビンスが猶更に 哀しく せつなくなるシーンでしたネ。

Re: 長生きの秘訣さんへ

 長生きの秘訣さん いつもありがとうございます♪

>  リクさんの人格と考え方の基礎は、 この作品でも よく描かれていました

やっぱ 花街の通りで 育った 街っ子ゆえといいますか、乱暴者のガキなくせに(^^;
ヌクヌク育ちの 坊ちゃんとは違って、様々な事象を見聞きする分 虚無感と無常という概念を併せ持つガキだったよな気が。

> でも、やっぱり オトナになってきましたネ リク少年も♪

ってか あの当時から ゼンゼン進歩してないかも いひいひ♪(^^;


> その御父上も たぶん・・・リクさんという息子のこと 体力的問題で 怖がるというのではなくて、
> いつのまにか、父親の自分を 追い抜いてしまっている、そのことにも 焦りを覚えていたのではなかろうか? 

てか せっせと息子が貯めてた貯金を コッソリ 使い込むよなロクデナシでしたからオヤジ(笑)
悪党だってなら、むしろ堂々として『ナニがワルい ああ??』って、堂々と振舞ってりゃ恰好イイのに、小心者だったから。。。
浮気の件も 家にネ 滞在しているトキは マジでもって「とにかくマメ」それだもんでネ。。。

>  あいかわらず 「いい味」出してます トクさん♪
> スマートさとかが優先されます 昨今の人間関係、でも トクさんのように、言うべきことを臆することなく堂々と述べる!
> そういう人が めっきり減ったのは なんか寂しいような気が。。。

ぶっちゃけ 思い込みが かなり激しいヒトでもありましたが、
たとえ相手がダレであろうと、怯むことなく ブツかっていく あの姿勢は見習うものがアリ」ましたよネ。
スマートにして 物分かりが良いダケが 人間関係だとも思えない。やっぱ人間 弾けるトキにゃ弾けねば うむうむ。

Re: 鍵コメさまへ


 鍵コメさん コメントありがとうございます

 お答えするのでありますが。。。

率直に申しまして わたくしめは、政治的に特定の思想だとかは持っておりません はい。
右だの左って、ドチラにも属してません。「是々非々」とでもいうか、国会で審議される案件ごとに 自分としての抱く意見は異なりまして ええ。

また、誤解されたりも少なくないですが、特定の国家や民族に 偏見もしくは盲目的な肯定や贔屓なども持ってません 本当に。

そのベースは 日頃の仕事からです。予めの偏見などを抱いていては 貿易仕事なんかは不可能ですから はい。
ただ…性格が性格なモンで(^^;日本人だろうが 外人だろうが『ヤな奴は でぇ嫌れぇだ!』それなんス はいー

Re: トラ子ちゃまへ

 トラ子ちゃまいつもありがとうございます♪

>  16歳 高校生の段階で、千代彦(ルルさん)との関係で、リクさんが 性同一障害を正しく捉えていたのには

イヤ、本当は 未だに 理解もしてないし、勝手な偏見も持ってないとは呼べないのかもわたくし。。。
トラちゃんだと 釈迦に説法でしょう~けども、
ホラ、100人居るならば 100通りのパターン有って然り じゃない?トランスジェンダーの世界はサ。
そんなだからネ、ボクちんは『判らないものは、理解しているフリはヤメときましょう』って思うんだよネ。

> そうなんですよねぇ、薬物治療や精神療法では 性同一は治るジャンルではないのでして。。。
> ワタシも何度も 父親や親類から『病院行けっ!』って言われましたのを思い出します。。。

人類の歴史が絡むのだお、軍国教育も あと、宗教的(とくにカトリック系な)
ドッチも性同一を認めない ってか、ぶっちゃけその余裕が無かったンだよネ。
それゆえ、テメエたちが 取り扱えないトランスとかの問題は全部、ココロの病だの 悪魔に魅入られた結果だのってカテゴライズするしかなかったのかもネ。

> リクさんの本質は、お姉さまとの電話の会話に よくよくあらわれていたって思われます。

ウリろこの姉さんは、小中と地元では《神童》って呼ばれてたンだお。それが大阪の高校に入って 突如の《アホアホ化》(笑)
短大に進んだなら それにタ-ボがかかって(^^;この 電話会話のシーンあたりが 知恵の大逆転の頃だったかも うむうむ。

> ラストの ゴダイゴの旧い曲「君に想い出を託そう」(76年だっけ?)すごく良かった(*^^*)ほっこりしました。
> 文化祭のステージで演奏した曲 本当は なんていう曲ですか?

リアルであの時に 演奏した曲は『ジャンピング・ジャック・フラッシュ』ストーンズのナンバーです はい。
もう1曲『ハレソラ』って、日本のグループ 四人囃子のンンバーで 時間を埋めました。
ケッコ~に ウケてたとは思うが・・・果たしてどなんかねえ???

Re: アツシさんへ

 アツシさん いつもありがとうございます♪

> 私は、「ニューシネマパラダイス」を思い起こしました。ベタですが。

いえいえ ベタではぎざいませんヨ♪ あの名画と比較してくださるダケでも この上ない光栄でございますm(__)m

> 幼い頃から、町の中の生活に溶け込み、いろんな体験をし、町の変化も見届け。
> 自分の町で感情を爆発させた、リクさん、マルオさん、マミコさん、そして風街さん。
> いろんなもの無くなっても、その町で生きて行く皆さん。

思いますならば・・・あの時期というのが、《地域振興とは 自然を壊して当たり前》って1つの線路が敷かれていた、それまでの日本人の意識のターニングポイントだったのかも ええ。
事実 今回のトピックが起きる 数年前までは、当時のバブル経済で日本中が調子コイてた時期とも重なって・・・
いっときの「景気の良さ」に、我が故郷の街も、『金おちてくるなら、イイじゃん!風景が多少犠牲受けても』って、そんな気分が蔓延していたような気がします はい。
イイ気なもので、それが景気がハジケて あたらめて見回すならば、愛すべき故郷はズタボロになってたって・・・それに気づいて焦ったとでもいうのか。。。(--;

> アルフレードの葬儀で成長したトトと目を合わせると軽く頷き合う町の人々。
> あのメロディーと共に、リクさんと、今でも故郷に住む人たちの姿が見える様です。
> 人の手で名所旧跡は、変わっても、ココロの中までは変えられません。

あの名画 とくにラストのシーン・・・アレは 反則でしたよねぇ♪
ボクは『ワンスアポンナタイム アメリカ』の、
デニーロがクスリでラリりながら、ノヤって笑うシーン(たぶん 遠い昔の思い出が浮かび微笑んだのだと)
ただ そのシンプルな表現だけで、それまでのシーンのすべてがオーバーラップしてくる って手法は見事ですよネ♪

Re: 八百政どんへ

 うむうむ インザネイバーフッドかぁ。。。 たしかに抒情的でイイ曲ですわナ PVの出来も 白眉だしネ♪

だけど、どぉなんだろネ??ぶっちゃけ ウチとこの故郷の街は、あのPVで描かれてる程には 寂れてはおらんド(笑)失礼やデ キミ(笑)
トム・ウェイツの曲は これまでも何度か 使用させて貰ってますが、ぶっちゃけ 難しいンだワ うん・・・
本文の内容が トム・ウェイツの楽曲に見合うレベルでないと かえって恰好ワリぃじゃん??
ノベル での、ラストシーン 選定曲は いっつも迷い 悩みます うん。

ほら貝とか・・

京都の「ほんやら洞」が開店する2年前、「エメラルド色のそよ風族」によるロックスナック「ほら貝」が国分寺に産声を上げたのはご存知だろうか?
'60~'70のかけて徹底したアナーキーにも成れず、どこかスピリチュアルであったり、「詩」的でロマンティックな世界観とロックを愛する、和製ヒッピー(=フーテン=族)コミューンが作った店だ
その中に山尾三省というボクより10歳年上の詩人がいた
彼は新宿駅西口で自分が書いた詩を「俺が書いた詩だ、よかったら買ってくれ!」というプラカードとともに売っていたのを覚えている
後に乳飲み子を抱えて一家4.5人での1年間のインド・ネパール放浪から帰国して、屋久島で百姓詩人として生を終える
当時国分寺の「エメラルド色のそよ風族」、長野の「雷赤鴉族」、諏訪之瀬島の「ガジュマルの夢族」とメジャーなヒッピーコミューンは3つあった
'60~'70のかけて時代に突き動かされた若者たちが、あの流れに必死になって食らいついていた
もちろん個々を縛るものがないコミューンが長続きするわけではないことは明白だった

何か「夢」・・・当時は違いなく
いまとなっては虚しく儚い正に幻覚に取り憑かれていただけだ

きっとリクさんのお父さんもその「夢の中」に居たんだろう、そしてそれが弾けてしまってもなおその中に居なければ生きて行けなかったんだろう
当時ボクはアルコールがなければ生きて行けなかったし、35歳までには死んでしまうと言う予感があった
戦後の国家立て直しのため国がとった、家長を軸とする強固な家族制度が '60安保あたりから崩壊し、'70安保の前までにはすっかり崩壊してしまっていた
当時の若者は今もそうだが、どうしょうもないほどあまちゃんだった、がエネルギーだけはあったよ

リクさん、つくづく思うのは
あんたはこうして自分の過去と真正面からむき合うことができるとても強い精神を持っている
悲しみや辛さが多かった分、あんたはとても真っ直ぐに成長したことがよく分かる
今回の高1での実父との決別はとても重みのある言葉だ
なんだか、自分の事のように思えてしまう
時代が大きく動いたあの頃、思い出すのはやはり辛いものがある

Re: Pierrot le fouさまへ

 Pierrot le fouさん いつもありがとうございます♪

> 京都の「ほんやら洞」が開店する2年前、「エメラルド色のそよ風族」によるロックスナック「ほら貝」が国分寺に産声を上げたのはご存知だろうか?
> '60~'70のかけて徹底したアナーキーにも成れず、どこかスピリチュアルであったり、「詩」的でロマンティックな世界観とロックを愛する、和製ヒッピー(=フーテン=族)コミューンが作った店だ
> その中に山尾三省というボクより10歳年上の詩人がいた


・・・っと、チト「それ」って、観るヒトが読んだならば、かな~りヤバヤバなコメントにも値しますよネ (^^;(あだスはいっこぉ~にかまわんですが♪)

いわゆる・・・当時の ヒッピーカルチャーの最前線、『部族』の流れでのハナシですよネ?
「ほら貝」も、たぶん、ウチとこの オヤジも行ってただろ~と推察します ええ。
同志社の事務局からの再三の要請『追試受けないと除籍になんデ!』ってのをシカトして(笑)
新宿西口にたむろす 東京のヒッピー兄ちゃんの下宿に 2ケ月間 居候キメてて、それが理由で大学クビ!実家も勘当ってゴールデンコースで(^^;

拙い知識と記憶によれば・・・「ほら貝」は、我が国初の「大麻弾圧的 取り締まり」で世間を騒がせた ご一党ですよネ?
たしか 5名見せしめ的に警察に逮捕されて 全員が起訴猶予、山尾三省サンは、リーダー格とされてたとも。

やっぱピエロさんが ほら貝とかを利用したとするなら…ガンジャかL●Dの関連ですか??
・・・ま、イイじゃごぜんせんか♪ かくゆ~~あだスも 中米に出張した際に ドッチとも マジで強烈なモノホン「キメた」経験アリますしネ。
率直な感想で、自分にはドラッグは合わないって そう思いましたが、それでもガンジャは 退廃的な違法嗜好品と呼ぶよりも、
スピリチュアル、宗教的なアプローチに おおいに関係してるンだなって そう思えました はい。 


> '60~'70のかけて時代に突き動かされた若者たちが、あの流れに必死になって食らいついていた
> もちろん個々を縛るものがないコミューンが長続きするわけではないことは明白だった

かつての大学時代に・・・学園祭での「模擬店利権」で かのイチハラが拉致られて、ボクらが特攻チームつくって救出に向かい、
結果 左翼のアジトとなってた 学生寮をボッコボコ 完全にブチ壊した事件 お読みくださった思いますが(『クラスメート』)
で・・そのアジトに巣喰ってた 最年長の御仁ってのが、まさしく この「部族」とかの出身で @@;
そ~イった意味でもヤバいガッコでスた 横国は。。。
結果として ボクちんらが その御仁を 追い出してしまった訳ですが(^^;
70年当時とかのハナシ 逸話もけっこう聴きました はい。

トキの 佐藤政権か 当時は・・殊更に 熾烈な弾圧をかけていたって背景は・・・
やっぱ、ヒッピーカルチャーの 束縛受けない自由性ってのか? そちらの方向へと人心が影響を受け 傾くのを畏れたのでしょうかねぇ??
ピエロさんが その後、タントラとか ヨーガまで辿っていく背景みたいなものが、より理解できたような気がします はい。

> 何か「夢」・・・当時は違いなく
> いまとなっては虚しく儚い正に幻覚に取り憑かれていただけだ

でもボクは、『それも 時代が《必要とした》からこそ そうであった』ってマジで思いますヨ ええ。
《19歳》《45分》って判ります?? 当時はベトナム戦争がドロ沼化してて、アメリカ国内で訓練終わった地方若者が、
実際の戦地に赴いての・・・【 その《戦死年齢の平均》と ベトナムの地に降り立って 《死亡するまでの時間的な平均値》 】なのだと。。。
いっときでも 逃げ出せる 陶酔、ダウナー的な思想体系でもなきゃ ヤってらんなかったって ホント思えます。。。 

> きっとリクさんのお父さんもその「夢の中」に居たんだろう、そしてそれが弾けてしまってもなおその中に居なければ生きて行けなかったんだろう

ってか ごく《純粋で 疑い持たないヒト》でしたねオヤジは(まだ生きてますが:笑)
ガッコ帰りのボクちんが オヤジに『UFOにさらわれたので帰りが遅くなった』って冗談いうならば、『ホンマかっ!!』って、ゼンゼン疑わないヒトで♪
だらしのない父親ですが、母親にとっても ボクにとっても、オヤジは「どこか」・・・ココロの救いになっている部分があったのだと思うのですネ ええ。

> リクさん、つくづく思うのは あんたはこうして自分の過去と真正面からむき合うことができるとても強い精神を持っている
> 悲しみや辛さが多かった分、あんたはとても真っ直ぐに成長したことがよく分かる

順風満帆 ごく幸福な環境に生まれていたなら、おそらくは  社会で 今の立場には到達していなかっただろうと マジで思います はい。
様々な蹉跌を踏んだようにも観えて、ジツは 早道を知らないままにチョイス出来ていたのでしょうと ええ。

なにかを失って また、他のなにかを掴める・・・ナマイキですが それが 人生なんですかねえ??


 ☆ ご投稿がWになってますようなので 勝手な判断ですが1つは消去させていただきますネ
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港で働く ジツはとっても気の荒い(?)アンちゃん・・・ですが、産まれついてのホルモン分解異常の関係で♂なのにEカップの胸の持ち主 という混沌としているわたしです。

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