ココロは荒くれ！カラダは乙女？？

　そろいも揃ったり　ぶっちゃけ【　ド素人　４人組　】・・・

　　　　　

ＪＲ横浜駅そばの　新国際ホテル１Ｆの、格式ダケは気取った　ティーラウンジのテーブルで、それぞれが口々に　責め合っています。

『だからっ！！・・・いったじゃんか！あのハナシはヤバいからって絶対あぶないって！』『オメエだってノリ気だったじゃねえか！』『だいたいいオメエが、突っ走るから』『今更オレひとりに責任おっつけるってか！』

妙に　声を潜めてしゃべくっている、それはそうです、前後左右の他のテーブル・・・『アイツ』の部下ら、あきらかに　目つきのワルい「その筋」の連中によって　４人組は　囲まれているのですから。


「お待たせしたな。表向きの肩書きの商用で　最近とみに時間がなくてな　許してくれ」４人『・・・どうも。。。』


アイツはいった「初対面・・・ああ一人はこないだ会ってるか。オレが【ハマのマー坊】だ　以後ヨロシクな」

マー坊の前に、緑色と乳白色の液体の入ったグラスが置かれる。
　　　　　　　　

「コレ、健康にイイんだそ～でな。《青汁とオオバコの豆乳シェイク》だ。飲んでみな？思わずイっちゃいそ～なぐらい　不味いゼこれ（笑）」

一向に士気が上がらないままの４名　じれたのか　マー坊は

「って・・・まあ。。お忙しいなか　お互い、こんなムダグチ叩くために来てるンじゃないわナ？手っ取り早くハナシは済ませようっか♪　え～《ツバサ》くんだっけかキミ？」

「は・・はいっ！！」

「カタくなんなって♪　な？キミ、その若さでもって、あの・・ベルウッド証券の、敏腕ディーラーしてるって？たいしたモンじゃ～ん♪」

「い、いえ・・たいしたことありません。社長さん・・・」

　　　　　　　　　　

「社長はよせヨ♪　マー坊って呼んでくれ」「いえ、それは・・社長」

「呼べって！イイから　ほれ、マー坊って」　「マ、マー坊さん・・・」
　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　ぶっちゃけ『役者が違う』・・・


マー坊「でだ・・・。いかに経済に仕事柄詳しいキミゆえに尋ねるが・・・世に在る《ユニバーサルデザイン》・・・それの《７大原則》とはナンだろう？」

ツバサ「ユニバ・・・　？？」


マー坊「出ないならオレが言うワ。１、誰にでも公平に利用できること ２、使う上で自由度が高いこと ３、使い方が簡単ですぐわかること ４、必要な情報がすぐに理解できること ５、うっかりミスや危険につながらないデザインであること ６、無理な姿勢をとることなく、少ないチカラでも楽に使用できること 　そして・・７、アクセスしやすいスペースと大きさを確保すること」

ツバサ「・・・・・」

マー坊「以上だ。・・・な？？そういった《理由」により、オレはヨ、テメエのシノギの一環であると同時に、《社会貢献的意味合いで　カネ貸し行為》も営んでいる。発想としてきわめて　真っ当で健全だって思わん？」
　　　　　　

ツバサ「はあ・・・」


マー坊「だろ♪　で・・・健全なる事業家であり、今回　諸君らに対する　貸付実行者であるオレとしてはだ、融資受益者のキミらの成功と発展をココロから祈っている・・本心だゼ。しかしだ・・・同時に　健全なる融資者としての金言《融資の根幹は　回収にこそ在り》って言葉・・・。ぶっちゃけ　オレだってナ、街場のウワサにゃアンテナ張り巡らせてる　ああ」

ツバサ「はい・・・」


マー坊「《最低でも　１０倍以上の儲け間違いないですから！》って・・ホレ、そこに座ってる不動産業勤務のガクトか？彼からの依頼をオレは受け、キミらの若さとヤル気、そして本気を信じ、例外中の例外　極めての低利で、２千マンってカネを貸してやった。その《事実》・・たとえ、この地球が真っ二つになろうと、それに変わりはない。モンクねえよナ？？」


・・・だから　ガクトなんかを　突っ走らしちゃあぶねえって言ったんだオレは！・・・そうココロで呟くのは　自動車修理工場の息子　ヒロミ。

ったく！ナンだヨ・・・《大船に乗った気分で》なんて　とんだチョボイチじゃんか！オイラのトイメンで苦虫噛み潰してる　製薬会社の営業だっけ？　ナオト、ぶっちゃけコイツが《あのウラ情報》・・・あのトキの　飲み会くずれの４次会でポロっと漏らしたのが、思えば【すべての発端】だったのだよナ・・・。


１０日前・・・オレらは　久しぶり・・そう４年ぶりかな？　それのチョっと以前に大学の同窓会で集まった　あんトキ以来かも。

ってか、今回は　同窓会でもなんでもない。ぶっちゃけ本来なら　飲み会なんか開いちゃ失礼だゼ、なんせが《葬式》だったんだもの　ああ・・・。
　　　　　　　　　

たしかに一報聞いて驚いたのも事実。おれら同期の中でも　いっちゃん頑丈そうだった　あの　ヒロキがネ～～・・ぶっちゃけ自室で、自殺だか？衰弱死だか？判然としない状態で発見され、で　おれら同期生とか集まって葬儀。

ホトケさんにゃワルいけど、マブダチとまではいかなかったヒロキの葬儀といってもだ、教会で霊柩車見送ってサ、おひらきともなったならば・・・後は『久しぶりじゃん！カラオケかボーリングでも　まずは行かねえ？』で。

不謹慎・・・だよネ。でも　そんなもんだべ？　で、カラオケからはじまって、焼肉屋、居酒屋って段取りになってサ、

　　　　　　　　　　　

で、最終的に、東神奈川の古びた　スナック？　ガクトの案内だった。ココに今日　集まっているってより、《呼びつけられて脅されてる》４人のメンツ。ってか・・《同期》っていうけど、ぶっちゃけガクトは同級生じゃなくて、死んだヒロキの１コ下の後輩なんだワ　うん。


いい加減おれら　酔っ払ってて、話題もカラ回りしてたトキに、ナオトの奴がポロリと漏らしたんだ【社内の秘密情報】をネ・・・。

『あのヨ、《豊胸》ってあるじゃん？おれら野郎にゃ用ないけど、貧乳のオンナがチチでかくしよ～って必死になるアレ』ってナオト。　一同『ああ・・・それが？』

『なんかサ・・研究室の同期の奴から仕入れた情報だけど。どうやら・・【ほぼ１００％確実に効く！《豊胸剤》】それ、ウチの企業が開発に成功して、来月あたりに、厚労省で正式認可に漕ぎ着ける運びなんだとかって！』『マジそれ？』
　　　　　　　


『マジも大マジ！社内ディスクロージャーすらしてないＨＯＴ！な機密事項ヨ♪なんせがネットとかでも見かける　インチキな豊胸クリームなんかとは　ぶっちゃけ格が違うゼ。タイのジャムウから、世界中のハーブまでって、開発費用ウン十億円って費やして、２０年以上もかかって達成なんだから！』『ひょっとして　それ大発明？？』

『ああ　ガンの特効薬・・ほどじゃあないが、エイズの症状抑制剤と同等の薬事における《一大ＮＥＷＳ》間違いないな。みんなヘソクリとかあんなら、早いとこ！ウチの会社の【株】買っといたほうがゼッタイ得だゼ♪残念にもオレ駄目なんだよなー・・・《インサイダー》に払拭しちゃうから　ああ残念！』

そうしたなら　株の取引が仕事のツバサが冷静に、『その情報マジだとすんなら・・・その発表がプレスに載った途端、ナオトんとこの会社の株、寄りつき当初は、ぶっちゃけ２０倍近くまでハネ上がるだろうな』　一同『マジ？？』

ツバサ『ああ。でも、意外に薬事関連の株、値落ちも早いんだワ。より儲けたいってならば、肝心なのは《売り時》だナ・・。株価に火がついてる途中でポン！って手放す・・オレにカネ預けてくれりゃあ　そこんとこは大の得意なんだが』

だったらツバサ、オメエが相場張ればイイじゃん？っていうなら、『いや、オレの全資産は、今　某企業の劣後ローンに注ぎ込んでて動かせないんだワ。う～ん残念！これだけの情報キャッチして・・。どっかでカネの工面出来ねぇもんかって・・・』


そうしたならば・・・ジっとおとなしくハナシ聞いてた　１コ下後輩の《ガクト》が・・・『あの～・・ボク、都合つきますヨ』って・・・。
　　　　　　　　　　　　　　

おれら３人『えっ？』ってなって、マジかよ？ってなら　ガクト『ええ　２千マン円程度までなら即日♪』っていいやがった。

ああ　そういや・・去年だけど、ガクトのおやじさんが亡くなったって聞いてた。そっか、遺産がバッチリ残ってるんだナ♪

　　　　　　　　　　

それで　おれらスッカリ！盛り上がっちゃって。『儲けは等しく４人で分配な！！』で　またまた乾杯。

ったらナンだよ　フザケんなって（泣）ガクトのタコ、テメエの持ちカネじゃねえじゃんっ！！　よりによって・・【ハマのヤクザからカネ引っ張ってきやがった】・・・

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でもまあ・・・カネに替わりはないから、ぶっちゃけ　ヤクザのカネでもよかった【あの事件が起きなければ】・・・。

今から２日前　週明けのＴＯＰＮＥＷＳで、アナウンサーが『本日未明、厚生労働省および東京地検特捜部共同チームが、■■薬品工業の代表取締役、●藤●雄容疑者を贈賄容疑に加え、危険薬物成分の意図的混入の容疑で身柄を確保しました』って・・デカデカと、ナオトんとこの会社の社長がしょっぴかれるてる映像が・・・。

　　　　　　　　　　　　

なんてこった　地獄じゃん・・・。けっ！ナニが画期的新発明だ！！要は　インチキ豊胸剤デッチ上げて、厚労省の役人、ワイロで抱きこんだってダケじゃねえか！！それがバレちまったと。。。

パニくったよネ　おれら４人とも。ああ、考えたら　この２日ってもの、おれら一睡もしてないって勘定だ。


マー坊「よく覚えとけ。【現実は正解なんだ】。時代が悪いの、世の中がおかしいと云ったところで仕方ない。 現実は事実だ　そして現状を理解、 分析してみろ。そこにはきっと、 何故そうなったかという原因があるんだ。 現状を認識して把握したら処理すりゃいいんだ。その行動を起こせない奴をオレの基準で馬鹿と云う。少なくともオレは《あの人》から　そう教わったのだ・・」


ガクトが　やや震えた声で・・・「それって・・・ひょっとして、【港のリク】ってヒトからの《教え》ですか？？」

マー坊「違うっ！！。単なる田舎に暮らす野球少年でしかなかった　かつてのこのオレを・・見捨てることなくココまで慈しみ　育て上げてくれたヒトからの薫陶だ。港のリク？？　うん、たしかに色々と教わった【一時はナ】だけど・・・もはやアイツは【腐っちまった】・・・。山手の丘に住むオンナにスッカリ熱上げ　入れあげて、今日も今日とて、桃色遊戯の　お時間だってヨ（嗤）もはやクソだヨ　アイツなんざ」
　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　ぶっちゃけ　ヤ～公にケナされちゃオシマイでおます（－－；


さらに　マー坊は言います。

なあ諸君らヨ、このオレだってサ、《置かれてる現実》ってのは　コレでも把握してるツモリなんだ　うん。

『儲かる筋書き』ってのがフトしたキッカケで完全にクルっちまって、キミらが途方にくれてるって《事実》もチャンとな。

だけど　こちとらも《商売》だ。気の毒であるって気持ちにウソはないがナ、かといって、貸したカネをチャラには出来ない訳、これでもハマの実業家だからヨ（嗤）
　　　　　　　　　　　　　


じゃどうする？？・・・具体的なハナシに進むゼ？　世の中にはヨ《代物返済》って手段の　債務返済の方法もアルってこった　わかるよな？

オレにはヨ、《可愛い　姪っ子》が居るんだ　うん。こんなヤクザな叔父貴が居るなんてこと一切知らない、愛と夢と希望に満ち溢れた天使のような　姪っ子だ。
　　　　　　　　　　　　

●●●女学院高等部１年　それでわかるべ？モノホンの　お嬢様だ　うん。それが　ぶっちゃけ《拉致られた》・・・。

それなんだが、チト込み入っててナ、拉致されたといっても、姪っ子の当人は、テメエのママと　取るに足りない母娘ケンカをして、ごく気の合うマブダチの家へとプチ家出。そこにはハナシのわかるマブダチのやさしい両親も居る・・・って、思い込んでるって運びでヨ。


だが・・・その「ハナシのわかるやさしいファミリー」ってのが、要は　オレにとって【この稼業における　最大のエナミーのＴＯＰのご家庭だった！】』って、な？泣けるべ？？
　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　　民族的骨相　モロですナ。。。

他人のことはけっして言えない稼業だって自覚はあるがヨ、姪っ子が《現在お世話になってる：笑》エナミー、ぶっちゃけ　そいつは完全なる悪の権化だゼ。

なんせが　ランドセル背負った♀ガキを平気でヒヒ爺いらに売り飛ばしてた　ンな連中だかんヨ・・・。

要するに　完全に《人質とらえちゃってる訳だ　コッチの側としては》・・・。どうしたものか？？


イザとなりゃ　アッチへと大型ダンプで飛っこんで　殴り込み決行してやったってイイって思ってる　ああ。それぐらいの度胸と覚悟は持ってるオレだってナ。

　　　　　　　　

だけど　今のご時勢に、ンな前時代的な荒業　ブチかましてどうなるよ？？極道としての《ケジメ》は確立すんだろうが、ウチとこの関係者一同、事件後の人生　完全に『アウト！！』だわナ？

殴り込みで　まかり間違ってコッチ側に　死人でも出したらどうなる？？　その後の家族に対する生活等の保証しようにも、組織体そのものがグダグダに解体されてちゃ　どもならんだろが？？

ああ　そうだよ、ソロバン勘定だ。このご時勢　ソロバン勘定が働かないヤクザは、過去の遺物なんだって！


・・・それに・・ナニよりも、このオレだって　斬れば血が出る《人の子》なんだワ。。。

まかり間違って・・あの可愛い　姪っ子が、あの半島系の　外道に、ボロカスにされるなんて悪夢、考えるだけで　今にも気がクルいそうになってナ・・。
　　　　　　　　　　

現段階で、互いの組同士が正式ドンパチも起こせない、だからヨ、キミらをエキスパートに任命しようって思うんだ　うん。


で、かつて・・・米ソの冷戦時代のハナシ。おもに　ＣＩＡとＫＧＢだな　うん。互いに捕虜として監禁してるスパイ同士を水面下交渉で『スパイ交換』って手法が現実に行われた訳ヨ　ああ。


で・・もうわかるべ？？さよう、キミらに貸し付けた借金、それのすべてをチャラにしてやってもイイ。

姪があやうい状況で軟禁されてる　オレのエナミー・・・。姪っ子の「命の値段に見合うアッチの人間」それキミらで今スグ！『拉致ってきな』

さいわいってか、キミらは　エナミーからすんなら　ドコのダレかもわからんマッタクの透明人間・・・他人だ♪　オレをはじめ、コッチの関係者じゃ　５０ｍ以内に近づけない。

　　　　　　　　　　　

　いいな？とちクルって、『逃げたら』・・・わかってんナ？　じゃ　成功を祈る♪

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殆ど「ヤケ」になった　オレら４人組は『やり遂げるしかない』って思ったんだ　うん。


ガクトも知っているという、マー坊さんの　旧い知り合いだっていう　港のリクってヒトも訪ねてはみた。

『こらあっ！早よせぇヤっ！！ンなんぢゃ　今日の作業いつまで経っても終わらへんデ　ヴォケぇっ！！』って　コンテナヤードの現場で怒鳴ってる　リクってヒト・・・

なるほど　ウワサに聞くとおり、パっと見には、グラマーな体つきの女性としか思えない。

たぶんムダだとは思ったが、マー坊さんに、どうか乱暴かつ無謀な計画を　思いなおせないだろうか？って、仲介を依頼したいと思ったんだけど・・・。


港のリクってヒト　露骨にマユをひそめて　言うには・・・
　　　　　　　　

『はあ？？　ああ、ハマのマー坊かヨ。。。たしかにアイツとは昵懇の関係・・・【かつてはナ】・・でも残念やが、ぶっちゃけ　も～アイツとは実質【関係途切れてる】。アイツもナ～～最近はスッカリ、完全なる正業、ドコからもモンク云われへん　実業家然って感じで澄ましてやがルけどヨ・・わかるやロ？その実態は　ナンたってヤクザやんかアイツ。』『はあ・・・』


『こういっちゃナンやがナ、このワシかて　今や、中国をはじめ　世界を相手に、１回で１０数億って単位でのショーバイ張ってる身なんヤ。結局あれヤ、《お互い住む世界が違う》マー坊、ワシのことボロカス云うとったやロ？（笑）あえて否定はせんけどヨ、アイツに会お～たなら云うといてくれヤ《やかまし！ヤクザ風情が表の世界の人間に説教すな！！》ってナ。じゃ　忙しいけん　またナ！』

　　　　　　　　　　　　　　

オレらだって社会人だから《判る》・・・この関係　かつては密だった時期もあったのだろうが、今はこれ　完全に《切れてる》・・・行くだけムダだったんだ　ああ。



　オレらがチームとして狙うべき「ターゲット」はスグに目当てがついた。

マー坊さんの「エナミー組織」そのＴＯＰに君臨する人物の　関係性でいうなら「甥っ子」　

　　　　　　　　

名前はってなら　「金山　剛」ごくごく　ありふれた【　通名　】・・・


そう　狙う相手は「在日韓国人」の　本名　キムなんとかって　外国人だって事実　う～～～ん・・・

コレが　いかに「厄介か」ってのはガキでもわかるってもんだ。ここはヨコハマって大都市　住んで暮らす　在日韓国人の数たるやハンパじゃない・・・

国籍は母国のまんま　かれらにとって外国の地である　この日本で　今や４代に突入する　かれらの民族的な団結や　関係性の強さを考えると・・・。


だが・・ヤルしかない。。。ハナっから無謀はわかってんだ　うん。ヒトひとり拉致るなんてのは　マトモな行為ではないってこと。


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　まったくヒデえもんだったよ　うん。

コッチは４人いたからこそ　なんとかなった。

いっぱしの「ハマの街のワル・グループ」その親分格である　金山を、やつらも４人のメンツで、酒も飲めるファミレスのＢＯＸシトで　サンザン酔っ払って盛り上がってる最中・・・

ターゲットである　金山がトイレに立った際を　見逃さず、オレたちは　トイレで【拉致を実行した】。。。


そのビルの中に在るファミレスは、以前に存在した　なんだかの店舗が閉鎖となり、空き店舗となった　他にも幾つかの店のフロアを　まとめて新たに出店されたものでネ。

ラッキーにも、トイレの場所は　ＢＯＸからかなり離れており、どんだけ騒ぎになっても　まず音は聞こえてこないってのが幸運（？）でもあった。

用を足し終わった金山を　いきなり背後から　羽交い絞めにしたけど、アって間に２人　ブチのめされた・・・。強いゼ　こいつは・・・。

　　　　　　　　　　　

コッチも必死で　かつヤケクソ。俺ら　いちお～出身ラグビー部だったから、一応の「拉致予行演習」で（笑）準備してたチームプレイ《全員でスクラムタックル》カマシて。

強い金山だけど　さすがに４人でのタックルを防ぎきれず、トイレの個室の奥にたちまち追い込まれてネ、


ぶっちゃけ　後はも～～　ナニがなんだか、グッチャグチャ・・・。マジでダレが味方でダレが敵かわかんない状況でメチャクチャに　その狭い個室で「殴り合い」

ブッ壊れて剥がれた　便座のＵの字板で、思いっきり　金山のアタマをドツいて　金山が白目剥いて失神したのをイイことに、予め用意していた　清掃用の大型キャビンにブチ込んで　なんとか・・・拉致は成功。

　　　　　　　　

で、金山を連れ込んだのは、　自分家が自動車修理のヒロミが調達した　とっくに潰れてた　もはや廃墟となった工場跡で。

どうしてだかわからんけど　ダレかが知ってた。世の中には《監禁用の椅子》ってのがあんの　うん。

パイプ椅子に見えるのだけど一見、やったら重くてその椅子、ようするに　暴れても縛られてる人間は、その椅子を引っくり返したりは出来ないの。

長い時間　椅子に縛って置いとく場合に　まずなにより問題となるのが　ぶっちゃけ《人質の排泄問題》だからね。

椅子のサ、中央部分には　微妙な角度で「くぼみ」と「穴」が掘られてるんだワ。

で、まだ気を失ってる金山を　その椅子に座らせて　両の手足をロープやら　結束バンドでガチガチに縛って。で　その際に、金山のズボンとその下のパンツ、
　　　　　　　　　　

カッターナイフで切れ目入れてサ、椅子の「穴」の下の部分に、大き目のポリバケツおいて、その中に　ネコのペット用トイレの砂を活けとく。


やがて　目を覚ました金山。さすがは・・・ハマの都市のワルに君臨する人間だと思ったよ　うん。

内心では　相当ビビってたとは思う　今にして考えれば　うん。だけど金山は少しも恐れたようなカオも見せないでネ。『よおオメエらダレよ？？マジでやってんのかこの始末を？？』って。


で・・『ズブの素人だべオメエら？見りゃわかるって♪　ヒザが震えてるし、右へ左へってヘンにカラダがヨコに揺れっぱなしだ。自信のない　余裕のない証拠だわナ？それにだいいち・・』『・・・なんだヨ　だいいちって？？』

金山はせせら嗤って『ヒトをラチろうってプロならヨ、覆面かマスクでも被って　テメエのツラや表情はけっして晒さないってのが鉄則だ。・・・覚えちゃったからヨ　テメエら４人のツラは。オレ記憶力はイイんだ♪忘れねえから。マズいってなら　オレの両方の目ツブしておくんだナ　でも、ぶっちゃけ　ンな度胸もなさそうジャン　オメエらはヨ・・』　いかん・・・早くも主導権握られそうな雰囲気。
　　　　　　　　　　


金山「なあ？やっぱアレか？？■■連合からの下請け仕事か？オメエらは？」

ある意味ズバリだけど、答えられるわけがない。　ったなら・・・

「し、仕方がなかったんスよ、この作業しないと、コッチの身が桟橋の沖に浮いちゃいそうな感じなもので・・」って・・・ガクトのバカがまた余計なことを。。。

金山「ふ～ん。なんかマジメっこそうだけど、オメエらやっぱ　カネ絡みで追い込みかけられてんのか？」　ガクト「そ、そうなんス」　ナオト「ガクト！！ダマってろテメエは」

金山「ふうん・・《ガクトくん》っていうのかキミは。」　バ、バカ！！もう早くも名前がバレちゃったじゃんか！！（焦）


金山「なあ？ガクトくん♪なんだったら、キミだけはオレからのリベンジは許してやってもイイんだけど、オレのリクエスト聞いてくんないか？ど～ヨ？」

「聞く耳持つなよガクト！テメエがアホだから　ったくよ～！！」　「ナンだよおおっ！！（キレ）上手に運ばないからって　それ全部オレのせいだってか！？そりゃないゼ！　ヒロミさん！」


金山「ふうん・・そっちのあんちゃん名前はヒロミね♪アレだろ　アンタ　修理工関係だな。わかるよ　その手の汚れ方で　うん」　またまたバレちゃってる。。。

　　　　　　　　　　　

『仲間割れヤメろってば！！ますますコイツの思う壺にハマるだけだろが！！』ガクト「って・・ナニそれ？？自分だけが利口だとでもいいたいわけわけ？？冗談じゃないっての！ぶっちゃけ事の発端はアンタが言い出したヨタ情報からこんなハメになったんじゃんか！ナオトさんヨ！」


金山「モメてっけど（嗤）なに？ガクトくん　なんか間違った情報でエラい損でもしたんか？キミら」

ガクト「（ナオトを指差し）ああ！コイツが自社で開発したってゆ～インチキ豊胸剤の発売情報をポロっと漏らしたもんで、オレら　大量の株を投資して買ったのに、見事にそれ全部　紙クズだわ！」

金山「ふふん・・そっか。そっちのあんちゃんは　ナオトさんで（笑）お勤めは　例の世間騒がせてる《あの薬事の会社》か♪」


ぶっちゃけ　オレらがよほどアホなのか？？　それとも　この金山がメンタリスト顔負けのプロファイラーなのか？？・・・


くっそ・・・オレだけは名前は悟られないようにしなきゃ・・って思ったなら　アッサリ・・・

金山「で・・あと残ったオメエ・・《ツバサ》ってんだろ？たしか　証券会社のディーラーだよナ？」　ツバサ「うぐぐっっ！！　？？」

　　　　　　　　　　　　

金山「先月羽衣町に新規開店したばかりの　エッチ系ＤＶＤ専門のレンタル屋あんべ？ぶっちゃけ　あの店だけど、オレのオンナの弟にやらせてンだワ♪ツバサくん　アンタもそこ入会したべ？？ダ～メだって（笑）あんなとこの会員証登録に、カオ写真つきの身分証出しちゃあ♪ああ　スッカリとデータは押さえた・・・。わかるべ？４人の中で　ひとりでも、勤務先と住所が悟られたならば　あとはまあ一蓮托生だわナ（嗤）」


しょせん　オレら４人は　ド素人で、こんな犯罪の片棒担ぎなんてのは　土台ムリだったんだ。。。

　　　　　　　　

こんな・・妙にアタマが回転するワルに　身の上と弱み握られたなら　それこそオレの人生は《破滅》だ・・・


　　　　　　　　　　　　

『・・・こうなったからには・・・コロすしかない。。。』　３人『え？？　や、やめろっ！！　ツバサ！そんな！！』

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「まさに　あぶね～とこだったゼ　ったくヨ・・云った筈だろが？深追いするなって！ラチる相手バラシてどうするよ？たちまちその価値はゼロになって、おまわりと敵対勢力に終われるハメって勘弁しろヨ！」すんえのところで　アジトに駆け込んできた　マー坊さんに押しとどめられて　オレらは殺人者にはならずに済みました。


「やっぱ・・オメエらは素人だわナ。放置しとくとナニ仕出かすかわかったモンじゃあねえ。早いとこ計画進めて終わらそうか・・」

マー坊さんは、ケータイ片手の　どこかへ電話。

ああもしもし？会長さんご本人ですよネ？■■の　ハマのマー坊　アタシですがネ。いやネ、今チョっと、お宅のとこの　可愛い可愛い　甥っ子さんがネ、半グレの連中にラチられてサ～、ぶっちゃけ今にもバラされそ～ってとこに居合わせましてネ、アタシだってハマの事業家で善良なる市民のはしくれじゃないですか♪なんとか押しとどめている最中なんスよええ。

たしか・・アタシの　知ってますでショ？食ってばかり、能のない　姪っ子がそちらに　お邪魔してる筈なんですが。。。すいません！ご迷惑をおかけしてまして。

で、恐れ入りますが　アイツの母親もえらくまた心配しているので　スグに家へと帰るように申し付けては貰えませんかネ？

コッチの方も　おまかせくださいナ♪　甥っ子さん　ホンのチョっとケガなんかもしてるようですけど、まったく無事ですから♪アタシが責任もって　お送りいたします。


　え？？　すいませんもう一回・・・。

《来てない》ですって！？　そんな筈はない！　イジワルよしましょうよ会長。。。


　「豹変する」って言葉があるけども、現実に　それが「本当にある」っての　生まれて初めて　この目で目撃した・・・。

ヤクザにしては　端正なカオつきで、本当に青年実業家って雰囲気にピッタリの　マー坊さん。

それが・・・ホンの数秒で・・・一瞬マジで倉庫の中の空気が　１０度以上も下がって凍りついたかと思った・・・。

マー坊さんの顔の表情が、今にもヒトをコロしそうな、そんな怖くて　冷酷そのものって表情に瞬時に変わり・・・

　　　　　　　　　



　・・・ああ　そうかヨ。。。見損なったゼ　テメエっちの器量は　そんな程度か　おおっ！？

ザケんなヨ・・あくまでシラきって　それで通るハナシだと思ったか？　イイさ、そっちがそれなら　コッチにも考えあるからヨ・・・。


はあ？？　ダレに向かってだと？？　逆に聞いてやんヨ、てめ　ダレにケンカ売ったかわかってんのか　このキムチ野郎が！！

いいか？このオレはナ、最後の最後　その瞬間までムダなケンカはしねえ主義ヨ。わかるだろ？　オラあ　ヤクザだかんヨ、いったんでも始めてしまったケンカは、勝つまでヤメねえ　ヤメらんねえ。

このハマの界隈に　ナンで？このオレさまのケンカ武勇伝がナイのか知ってっか？

　　　　　　　　　　　　　

カンタンだヨ　教えてやんヨ♪　それはナ・・・本気（マジ）で　このオイラとバトルした相手は【全員　土の中】だって意味だ　ああ・・・。

伝説ってのはナ、ダレかひとりでも伝える人間が居なければ　それは伝説にはならんってこと。だからにオレには武勇伝がないのサ　ああ。

　　　　　　　　　　　　　　



　　ああ・・・なんて恐ろしい人間なのだろう　マー坊ってひと。。。


マー坊さんは　意外に静かな声で　ガクブルのオレたちを振り返り・・・

「もうイイよ　ああ。ご苦労だった　不細工だけど　とりあえず《よくやった》・・・。後の始末はコッチにまかせろ」


おれ　ツバサとしては思いました。「まかせろ」っていうからには・・・マー坊さんは　やはり金山のこと「始末するのか？？」

他の３人も　おそらくは同じ事思ったのだと思う。


そうしたなら・・・ガクトのやつが・・・

「そ、それはマズいってか・・・ヤバいッス　マー坊さん！！」って　またまた余計なことを。。。

ガクト「マー坊さん　懐に手を入れてますが・・ぶっちゃけ銃でしょそれ？ね？考えましょうよ！マー坊さんはワルいですがヤクザだ！今のご時勢にヤクザが銃使ってヒトをバラしたなら、組潰れるし、ぶっちゃけ　マー坊さん　一生シャバに戻れないッスよ！よしましょう！一生棒に振るのは！！」

そしてガクトは　ナニ思ったか　椅子に縛られている金山の元に走り、両手の結束バンドを不器用にほどき、

ガクト「ねっ！！金山さんも！マー坊さんに　お願いしなくちゃ！！ぶっちゃけ　アンタだってサ、こんな場所で、こんなカタチで死にたくはナイだろ！？アンタだって相当に　強い人間だってのはオレもわかってる。でもサ、マー坊さんは【本職中の本職】なんだゼ？ましてやこの状況・・素直に　命乞いしようよ！ねっ？？」


一瞬　呆然としていた金山。自由になった　両の手のひらを　自分の顔に当て　ブルブルっと、洗顔をするかのように　上下に小刻みに動かしながら・・・
　　　　　　　　　　　　　


金山「・・・っっ！！　自分・・・やっぱ・・・ココで　死にたくないッス！！・・・どうか！カンベンしてください　マー坊さんっっ！！」


　「・・・駄目だ・・・」

落ち着いた　きわめて涼しい　マー坊さんの声が　余計に恐ろしく　かつ不気味に感じました。

マー坊さんの　懐から出された　黒く光る　金属の《凶器》・・・凄くおっかないのは事実なのだけど、この場の雰囲気には　まさにピッタリ！って感じで。悪魔的な　美しさとでもいうのか　ゾクゾクとする構図ともいえたかも。

　　　　　　　　　　　　


アレはカタログとかで見た覚えがある。アレが実物か。。。　たしかブローニングのオートマチック拳銃　３２口径。至近距離ならば　人ひとりコロすには十分だ・・・。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

　　　　　　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　　果たして　マー坊は「殺人者」になってしまうのか？？

　　　　　　　　　　　　　　　　　後篇へと続きます　はい