『 お早う 』
気持ちよく晴れた 翌日の朝、朝食の後 ジイさんがわたいに云いました。
「ワシなりに《反省》してヨ(笑)なるほど・・・リク坊が飛び出してってから、あの・・貰ってきたという 牛肉をよくよく見て 触って、吟味してみた・・・」
「そうですか・・・」
「ワシの《目利き》も捨てたモンやないデ? 確かにアレは、近頃では珍しい、キチっと・・・肉の捌き方のイロハから習得した 職人としての技量持った品減の手仕事ヤ」
「・・・・・」
長崎湾に面した崖地で育てられるウシさん
「それと・・おもろい事にも気づいた。あの牛肉・・・但馬でも松阪でもあらへんわナ。あの風味は おそらく・・・九州は長崎・・たぶん《平戸牛》間違いないって思うワ。平戸はクセがあってナ、旨味は濃いが、柔らかみに欠ける、捌きが難しいねん、それにチャレンジする姿勢は好感が持てる ああ」
「・・・ってことは・・??」
「ウチとこ店のイチ押し看板料理は《ビーフカツ》やろ?どうしても、仕入れ単価の問題で ¥1280円になる・・・ワシ、それ なんとか、も少し安価にしたい・・・。あの肉使えば千円はムリでも,端数の80円は下げられるって思うねん。リクよ その娘の父親に、時間成る時 いっぺんカタログとサンプル持って、ウチとこの店 訪ねるよう伝えてくれへんか?」
「えっ!ホンマに?」
「そやけどリク坊・・・勘違いするなヨ?《おなさけ 人情》とは違うけんコレは。あんな 吹けば飛ぶような店やけど、その主人であるワシなりの経営施策なんやからヨ」
「アリガト おジイはん!」
高校の正門前にひとっ走りして、登校するマミコをつかまえ、この事を興奮しながら告げました はい。
でも そういや 一昨日 昨日と、ガッコですが《ムケやん》休んでいる・・・。今日も出てこないなら いっぺん顔身に行かないとナ。。。
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「ああっっ!!いよいよ アカン!マジでウチ 廃業の瀬戸際になっちゃった!」嘆きのムケやん。 どうしたん??
「福井の海でさえ・・・手頃の大きさのイワシが獲れへんようになってまった・・・。ど~なっちまったんヤ?日本海の海は・・・。網にかかるんは、7センチ以下の極小サイズのばっか・・。どないもならん!!」
ナマイキですが、ボクはチョっとだけ、昨夜の経験で モノの考え方が《オトナになった》。
ムケやんヨ、嘆くのはカンタンやけど、でもそれは、問題の解決には1つも近づかないゼ?
この苦境を 家での出来事とスライドして考えてみよう・・・今 《雨漏り》してるんだ家が。屋根裏の修繕や、屋根瓦とかをしっかり修繕、修理する必要じゃモチロン必要だ。
だけど・・《とりあえず 雨漏り箇所にバケツ置く》それは安易だと批判するヒトも居るかも知れんが、ぶっちゃけ それだって!リッパに状況に即した 対応手段なのだってボクは考えるのだ。
「ムケやん。チョっと、ワシの家の台所 着いてきてくれへんか?マミコも お手伝いで協力してくれ」
リクめの家の 土間 タタキの調理場で、
リク「エエかムケやん?ワシら ナンたって、《まだまだガキや》出来ることってなら、根本的な打開策はムリ!でも、知恵をヒネって、親とかにアドバイスは出来るやん?今日はそれ考えようヤ」
ムケやん「その気持ちありがたいが・・具体的にナニすんのん??」
リク「キミとこの生簀から持ってきたヒコイワシ・・要は《新規製品》の可能性を模索してみようやん?。ワルい予想として・・もはや昔のような丸々太ったイワシは もう獲れないかもしれへん。じゃどないする?泣いてもしゃあない、《在るモン使おうヤ》それ」
ムケやん「新規製品かあ。。。」
・・・エエかムケやん。今からヤル 1つの料理はナ、ウチとこの家が いよいよ月末で家系苦しくなったトキに作る料理やねん うん。
小さいサイズのイワシを、1つずつ丁寧に開いて、ワタを抜く。希釈した酢と塩分に15分ほど漬けとくねん。腐敗防止処理と風味付けの目的ナ。
通常の場合、コレはよく《マリネ》って方向に行くのがセオリーなんやが、あえて そっちには行かない。。。
コレ・・なんやわかるかムケやん? うん《オリーブ油》。それも ぶっちゃけかなりの上等品、《国産 小豆島の手絞り エクストラヴァージンオイル》や。
オリーブ油ってならば、ナンたってイタリアって、常識は排除や。当たり前やが 油脂は《生き物》ヤ、遠いイタリアから海路で 赤道渡ってはるばる日本に来るモノよか、200キロとは離れてない、小豆島産の絞りたて 信用できるやん。
知ってるやろけど、よくノルウェー産の缶詰で、《オイルサーディン》がアルがヨ、アレのイメージで作るねん。今から作るコレは、もっともっと《オイル漬け》って部分を強調する。
ニンニク、ショウガ、エシャロットを出来る限りカスミ切りに小さく切って、ごく少量のオリーブ油でフライバン 弱火でソテーする、焦がさないよう注意。
火を止めたなら、そのまましばらく放置、ホンの少し、鷹の爪(トウガラシ)の輪切りを入れ、利尻昆布を5ミリ四方にしたのを投入する。最後に月桂樹の葉を少量投入ナ。
で 全体が熱を放出したなら この段階でナ、ウチのばやい 山口県産の やや甘い味が付いてる醤油の 薄口を コレもごく少量・・・味付けやなくて、あくまで《風味付け》な。
コレでもう味付けは完了、出来たこの下地に、さっきのイワシを《漬けとく》ねん ああ。漬けのタイミングの好みは個人差アルわナ、浅い方がエエってヒトも 深漬け好むヒトも。
・・・どや?? この味はヨ? 大きな声ではイえんけど・・なんか ビールが欲しくなる味やと思わへん?(笑)
マミコがクチを挟んだ「だけど・・・コレを新たな 売り上げの柱としての実現はどうなのかなぁ??製造ラインに居るワタシとかからいわせて貰うとネ、《手作業の部分》がイワシの醤油漬け缶詰より増える分、熟練が求められるやんか?正直・・現状のパートのおばちゃん連中、連いてこれるか??労働単価の問題でも、《完成品個数》上がらない気が・・・」
リク「ふむ、冷静で賢い評価やわナ。そう・・確かに、コレは手間が 今よりかかる製品ヤ。」
ムケやん「ワルいけんど、ウチとこ工場のオバハン連中に、あまり高いスキルは期待出来へんデ・・・」
リク「ぶっちゃけ《そこの部分》やがナ。イワシの醤油漬けって、キミとこのロングセラー商品、それにあまりにも囚われて、失礼やけど 発想が固定化されてる、それから一度離れろヤ?」
ムケやん「っというと??」
・・・エエかムケやん?キミとこの製品 イワシ缶詰・・賞味期限近くなると、スーパーのワゴンで《100円セール》って・・・それの発想から脱却するのヤ!
カナダって国あるやろ?カナダは健康政策として、タバコの抑制目的で、従来の価格 250円程度だった1箱を ジツに1000円!って値上げした。
みんな《それじゃあ 街のタバコ屋は滅ぶやろ》って思った。が・・・事実は【 逆だった 】本当なんヤ、確かに、売り上げとしての《個数は激減した》そやけどナ・・・
1ケ売るごとの《販売利益が上昇したゆえ経営的にはトントン、ケースによっては微増》したのやて うん。
前から思ってた。ムケやんとこみたいな、失礼やけど零細な工場が頑張らはって、関西地域で有名な缶詰製品をマルハやニッスイに対抗して よくよく作ってはるってナ。
せやけどヨ・・・もはや そう《時代》・・・いつまでもキミとこも、安価な価格帯の缶詰 それ大量に売り捌いてって状況から、そろそろ脱却するべき時期やって思わへんか??
薄利多売はどない頑張っても、大手資本会社には適わない・・・。ムケやんも 工場継いでいくならヨ、これからは【 少ない個数で大きな利益 】それ検討するべきやないかな??
この《オイルサーディン》やけど、ぶっちゃけ、安売り乾物屋なんぞに卸すべき商品とチャウねん。ああ。
ナンボで卸そか?? 200円? いや!もっとヤ! 思い切って《1缶 ¥400円》で卸せ!(※今現在価格は 550円です)
大丈夫!売れる!丹後湾 宮津のイワシやデ 小さくともコレは♪広島岡山あたりの軽油まみれのイワシとは質が違うんだ!
それからナ、これからの時代は、《ナニがナンでも安けりゃ正解》って時代とはチトばかり違ってくるデ ああ。
スッカリと「第2の名物品」となった 竹中商店の『オイルサーディン缶』
主に 三菱系商社がナ・・《高品質スーパーマーケット》それに着々と動いてるねん ああ。丸の内キャピタルって、社会からの《ファンド》集める会社がナンボでも、資金を調達するんヤ。
ムケやん もはやナ、物売りショーバイは、《ナミダと汗と根性》って時代とは変貌するんだああ。いよいよ 大きな商社が、日本人の食卓に上がるモノ取り扱う。
大きな資本力でもって、世界中から 良いモノ すぐれたモノを仕入れては、今の時点でも、大都市にはヨ、紀伊国屋スーパー や、UNION、成城石井ってな 高級スーパーがアンテナ店として おおいに流行ってる。
《この新製品》・・ぶっちゃけ そういうコンセプト狙うねん。ムケやんヨ、世の中にはナ、《アーリー・イノベータ》って、早いハナシが《流行先取り人間》ってのが存在してるのヤ。
《こんな新しいモノ知ってるゼ オレってスゴいだろ♪》って、ある意味で・・アホなんやけど(笑)
そやけどナ・・そういうイノベータ人間らの《クチコミ能力》は無視できないんだ ああ。現に精密家電のSONYでも、イノベータらに 新規製品の、あえて《アラ》探させてヨ、
そのイノベータの批評を元に、すぐまた《改良版》を創り上げて売るねん。東京の青山、大阪の梅田に住んでるイノベータは、このイワシのサーディン缶詰が、まっさかこんな宮津のコ汚い台所で作られたモンだとは思わないだろう(笑)
普段サカナそのものを あまり食べない、自分ではサカナも捌けないって《そういう層》こそがターゲットや!
わかっとると思うが ムケやんヨ、だからって・・こういった新製品に突っ走って、キミとこの社運を賭けるってのは いかにも《危ない》。。。
暫くの間は、行けるとこまでは ネームバリュー高い イワシの醤油漬けで可能な限り 引っ張るべきヤ。新規製品のウェイトは段々と増加させtくのが正しかろうヨ うん。
手前味噌やけどナ・・なっかなかウマいデ これは♪ イワシってサカナ凄いわナ やっぱ。。。日本人の舌が感じる 旨味の基本なんヤ イワシの味ってのは。
白メシで食べても旨いし、パスタ、スパゲティーと合わせてもコレが案外イケるねん♪ おとうさんやお兄さんと協議してみろヤ トライする価値はあるデ♪
マジでコレ美味しいから♪
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・・・思い出すならば ぶっちゃけ《アレ》は・・・
リクめが もっとも畏れ、《出来れば見たくもナイ!》って思ってた《それ》でした はい。
なんの帰り道だったかは失念しましたが、自宅の場所からホンの100mほどの場所に、神社、といっても常駐の神主さんも居ない 単なる 祠(ほこら)ですが、それが在って。
そこの脇を通過していた まさにそのトキでした。
夕暮れめいた風に乗って、複数の人間による《一種 独特な感情のこもった息遣い》それが 流れてきて・・・。
ボクも花街のエロガキです、イッパツで《それ》は、カップルとかが《姦(や)ってる》声なのだと理解しました はい。
聞こえてないフリで ヤリ過ごす、それぐらいの世間智はアリました。とっとと その場からラナウェイしよっと そう思ってましたなら・・・
・・・違う・・・コレは、フツーの 男女カップルの《それ》とは あきらかに異なる・・・おそらくは ♂と♂によるヘンタイ行為のそれだろうって・・・
それと・・・どうしても気になる・・・片方の声、ぶっちゃけ それが・・よく知っている人間の声質にクリソツで。。。
・・・結論から申しますならば・・・その祠の陰で、『 千代彦が作業服の大柄なおっさんに 後ろから突っ込まれていた 』。。。
正直、《醜悪であり おぞましい》としか思えなかったです。可愛いマミコの その弟だからといって、とても許容する気になれない・・・。
『いっそ 蒸発して消えてくんないかコイツ?』って思ったです はい。
だが・・・千代彦の声・・ハッキリはわからないけど、アレは・・・歓んではいない・・ドッチかいうなら、拒絶し 嫌悪している声だ・・・。童貞にはそのへんが難しい機微で。
だったら《しゃあない》・・いっちょ 救出してやるっきゃないか やれやれ・・・。
どうしたって きっとバイオレンスな状況となるだろう覚悟で、ボクはユックリと近づきました 声のする方へと。
あれれ?・・心臓の鼓動ドキドキして 怖い気持ちもアルのに・・・ナンでやろか??【 笑ってるじゃないかワシは・・・ 】
ぶっちゃけ『この瞬間』なのかも知れません、テメエの中に、泣き虫の天使と同居して、堕天使ルシファー そいつが巣くってやがるのを意識したのが。。。
『おいオッサン!エエ加減にしてれヤ 《可愛い子チャン:嗤》イヤがってるやんケ。たいがいにしとき。まだ夜半にゃ早いデ』
オッサンが怒りクルうのは承知の上だ。《あえて》・・一発目は 殴らせた。そりゃ痛いけど、ナニ 空手の師匠の正拳突き受けるのに比べりゃ ガキの遊び以下だゼ♪
『はぁ~い 正当防衛成立♪』 あとはリクちゃま独演会(笑) 心配ないス、コロしちゃいません♪
『ぶふぉ~!ぶふぉ~!』って、おっさんはベソかきながら、地面に落ち転がった テメエの上の前歯4,5本を掌に拾い集めて 泣き声あげながら逃げ去った。
千代彦は 乱れた衣服を直しながら 怯えた顔つきでリクめを見ながら、それでもどこか 不貞腐れたような表情で・・・
『ちぇっ・・余計なことしやがって・・・。貰える筈のお小遣い 貰いそこなってまったやんか けったくそワルい・・・』
そう悪態つく 千代彦の5センチの距離まで カオを突き合わせましたリクめ。
「ひっっ!!カ、カオは殴らんといて!カオはっ!!」
わたいは「殴らへんヨ。それに説教もせん ああ。ワシらももう15、カンペキにガキやあらへん。テメエの人生ヤ 好きにするがイイさ」
ボクはもう知らん スキにするがいいサ
千代彦「・・・家のモンには・・。マミコねえちゃんには云わんといてくれるか??」
リク「ああ 云わへん。封印するこの出来事はナ。せやけど・・気ぃつけヤ?今さっきみたいにヨ、この地元にもヘンタイはよぉけ居るけん、そいつらに 千代彦、オメエ《良い 餌》それになってまってたなら・・・【 いつか死ぬデ お前 】いつもワシが近く通りかかると期待すなヤ」
千代彦「同情・・してくれとは言わへん。でも・・・わかって欲しいんヤ。わたいナ、ココロはホンマ オンナやねん・・・」
リク「ってか、ぶっちゃけ《わからん!》てんで理解出来ない領域にはナンも言及出来ひん。だけど・・コレだけは云わせろ。マミコの弟やから助けたのとはチャウ。それはナ・・ナンであれ、千代彦、オメエはわたいの【ダチだから】や。それに♂も♀もあらへん。ナンでも性別をダストシュートにするなヤ?じゃなっ!」
・・・ボクらももはやガキではない。《かかわりきれない事柄》・・・これがきっとドンドン増えていくのだろう。
千代彦よ、ワシはいかにも スケベ男子 それに間違いナイけどヨ、だけど あまりにカルトで淫靡って、隠花植物の世界は好かんのヤ。
その意味では お前とワシ、近いようで いっちゃん遠く離れた立ち位置なのかもナ。
孤高な 狼でいたいボクは
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それからして・・・ウチとこの ジイさんの理解とかあって有難かったですが、残念にも・・・
マミコのお父さんらが展開する 肉卸の協同組合は 努力奮闘叶わず、解散の憂き目と相成って。。。
ムケやんところも、レクチャーしました新製品、実現化には まだまだクリアすべき難問がいくつも有りますようで。。。
肥え太ったイワシも、まだ完全に全滅した訳でもない、以前の時代のように ほぼ無尽蔵に近いぐらい獲れた時代ではありませんが、ボクらの街の海は《まだ 生きている》
もはや周囲もサジ投げてました はい
それと 千代彦も・・・正直 ココロ入れ替えたって風向きでもナイようですしネ。。。 そう・・・事はナンも解決したとは呼べないのです はい。
それでも この丹後 宮津で暮らす ボクらの生活は、アっと驚くような変化などは無く、丹後湾の波の如く おだやかに過ぎていく。。。
ハっとする 思いがけないヒトの賢さや冷静さも、反対に いかにも愚かしく、哀しくせつない、地上における 三文オペラを繰り返しながら。
この故郷の地は《煉獄》でもあり、かつ《ハーレム》だ。よくは判らない正確にはネ。きっと・・この世のダレにとっての「ふるさと」も こういう感じなのだろう うん。
いつもの 太陽が昇りきらない ごく早朝。いつものバイト仕事、ボクは地元の漁連までの道をアクビしながら歩いていました。
反対側 駅へと向かう方向から、ライト点灯した自転車が走ってきました。「おおい リクちゃんヨ」
その声の主は マミコ、千代彦の お父さん そのヒトでした はい。
「色々すまんかったナ。ワシなんやけどヨ、西舞鶴にありよる ハム・ソーセージの工場に採用決まって、で 今日が初出勤なんヤ。2番の上り列車これから乗るねん うん」
「そうでしたか・・・」
「しばらく毎日早起きヤ 正直それ辛いわナ(笑)まぁワシ、肉の事しかわからへんし、頑張るワ。マミコのこと いつもやさしくしてくれて有難うナ。いつも家で云ってるデ、《リクちゃんが リクちゃんが♪》って、この色男が!(笑)千代彦も・・長い目で見てやって欲しい。じゃっ そろそろ行くけん頑張るワ♪」
少し」キイキイ軋む軋むペダルの音を残し 次第に遠ざかる お父さんの背中を見送りました はい。
こないだ、ムケやんとジックリ お互いの将来の事 話し合いました。
ボクはムケやんに云いました。・・・やっぱボクやけど、高校終わって進学ならば、大きな都市・・・親戚が居る 神奈川のヨコハマに出ようと思ってる ああ。
《なんや結局オメエ 故郷捨てるのやないか》って、誹謗する声もアルやろナ。でも・・自分だけ 楽な方へ逃げてしまおうって、それとチャウねん ああ。
なあムケやん? ボクはナ、その大都会で・・【 大泥棒 】それになろうって思うのヤ。
知識やノウハウ、人脈含めて、ある程度の社会的肩書も必要やろナ うん。それ努力してつかみ取る。ほんでナ?いつの日か、それの《大きな土産》手にして、この街に帰るんだ ああ。
正直 この街 ボクら産まれた 宮津って街は、もはや小手先の細工じゃ もうどないもならへんぐらい疲弊してるやんか?観光地としても、その賞味期限は 正直切れてる。。。
そうなると《新しい血脈》それを導入することが必要だとは思わへんか? まかせろ!こちとら 先祖は 忍びの者やけん♪その斥候の役はお手の物ヤ♪
ムケやん キミはこの宮津で頑張れ。そんでもって いつの日か、この街で合体しようやんか。
ナンでもいい 事業起こそうやないか。人口の流失を食い止めるにはそれっきゃないやろ?労働人口が定着し、産まれる子供が増えれば、この街にも きっと再び 笑いが甦るって期待したい。
「港のリク」基礎設計図の完成
風景ダケじゃない。 いい街なんだから!オレらの この街はヨ!
ボク思うのだ。けっして贔屓する必要は無いだろう。けど、マミコ、千代彦のお父さんとか、ボクとこの知り合いの 丹波の猟師のおっちゃんとか、
不遇に置かれてても、メゲることなく 懸命に生きてはるヒトたち。そのヒトらが・・【 流す汗と努力が正当に報われる そんな世の中じゃないといけないんだ! 】
理想論ダケじゃムリだ。それには確固とした《地元の産業基盤》ってモンがないとネ。ボクはナ ムケやん? 貿易や流通って、《実業方面》へ 進もうと思う ああ。
ぶっちゃけ・・・愛と正義 理想、正論を語るキャラでもないしヨ(嗤)危ない橋や エゲつない、法律スレスレの事もきっとしてくのやろって思う。。。天国はもはや 諦めてるヨ(笑)
まだまだ・・・ 先は長いゾ な?ムケやん。
《 完 》
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《 harlem blues ~ハーレム・ブルース)》
You can never tell what's in a man's mind
And if he's from Harlem there's no use of even trying
Just like the tide his mind comes and goes
Like March weather when he'll change Nobody knows,nobody knows
The man I love Well,he just turned me down He's a Harlem brown
Offtimes I wish that I was in this ground Six feet underground
He allows me as no other could NO,no
Then he surprised me leaving me a note saying he's gone for good
And since my sweetie left me hollow Well,it ain't the same old place
Though a thousand dandies smile right in my face
I think I'll mooch some home-made hooch and go out for a lark
Just to drive off these mean old Harlem blues
You can have your Broadway Give me Lenox Avenue
Angels from the skies stroll Seventh And for that thanks are due
From Madame Walker's beauty shops to the Poro system too
That made those girls angels without any doubt
There are some spots up in Harlem Where I'm told it's sudden death
To let somebody see you even stop to catch your breath
If you've never been to Harlem
Then I guess you'll never know about these mean old Harlem blues
There's one sweet spot in Harlem known as Drivers'Road
Ditty folk song call'em One thing you should know
Is that I have a friend who lives there I know he won't refuse
To put some music to my troubles and call them Harlem Blues
To put some music to my troubles and call them Harlem Blues
Harlem , the Harlem Blues
アンタに何がわかる?人の心にあるモノなんて 決して伝えることはできないのサ
アイツもこのがハーレム出身の者ならばヨ、ちょうど潮のように、彼の心は(波のように)寄せては返し
まるで 3月の 天気のように、そいつが変わりゆく様を 誰も知らない 、 誰も知らない。。。
愛すべき男、そいつは ただオイラを倒したヤツの名ははハーレム・ ブラウン
ぶっちゃけオレとしてはだ、この地面が 、 地下 6フィートであることを望むのサ
ヤツがオレのことを偶像化するってなら、いっそヤツを地面掘って
アイツ生きたまま埋葬してビビらせてやる・・・
オイラの甘いお菓子チャンが オイラを残して逝っちまって以来 、
ハーレム ・・・オレの街は段々と昔と同じ古い場所ではなくなっちゃってナ
千人の ダンディがカオ観ては笑う オレはテメエをバカだと無理にも納得させ
豚野郎どものために出かける だろうと思う オレの旧いHarlem Bluesを追い払うためにも
アンタははブロードウェイを持ってりゃいいサ、オレにもレノックス アベニューくんないか?
空見上げりゃ天使たちが7thアヴェニューを歩いてるだろ?
マダム ウォーカーの美容院からプロロシステム へ
それは疑いの余地のない 女の子らは 天使になり 一層汚れていくのサ
ハーレムに は、 サドンデスの場所がいくつもアルもんだ
誰かがアンタが息を止めてる事すら気付かないよう忍び寄るから気を付けナ
アンタがハーレムに行ったことがないなら、まず一生わからんだろナ
それがこの街のアヴェレージ 《ハーレム・ ブルース》の所以さ
ああ、 だけどハーレムには、 交錯する通りの中に1つダケ スイートスポットがアルんだ 知っておくべきだ
そこに住んでいるダチがいる そいつはオレをけっして否定しない
まあ オレの幾つもの悩みについて音楽を入れて、「 Harlem blues 」ってそう叫ぶしかナイ野郎なんだが
なあ?・・・景色ばかりが風光明媚で、訪れる旅人のアンタにはナンの不満もナイわナ?
だけど この街にもリッパに悩みも地獄も存在してて、それだけは他と見劣りしない
困ったことには それの「出口」それの在り処さえ皆目見つからない・・・
だけども見つからなくて当然、むすろそれだから《ハーレム》なんだ 間違いない
そう・・・《 Harlem blues 》なんだ・・・
https://www.youtube.com/watch?v=J1g6OUq8i9U