2ntブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

荒くれ文学館【 丹下左膳 】の巻

リクでス さてさて♪ 
  150926aa.jpg

テメエの道楽でもアリます 「荒くれ文学館」今回は

    1509aa1.jpg

 【 丹下左膳 】なのでありますが♪

コレは幸運♪ 「青空文庫」 http://www.aozora.gr.jp/index_pages/person290.html

にも載っていてココにて無料で読めます♪ おヒマな際 ご覧いただきたいのでございますが。

正直なところ・・・いささか「手に垢がつき過ぎた」って感じの、いかにも『おなじみ 時代劇十八番』ってな感慨もアルにはアル。

しかしでス・・・この丹下左膳ほど、『知ってるようで ジツはゼンゼンなんも知らないまま』ってのもある意味珍しい。

          150926aa4.jpg
        「げに異様なる風貌」のみが有名で・・

世のみなちゃまがご存知なのは、ジツのところ、その「原作」とは完全に遊離した、

『アレンジされつくした亜流の丹下左膳 像』それを日本人の多くは ぶっちゃけ 正しい解釈であるって混同してますのだ うむうむ。

単なるストーカーでありド変態だった バットマン(ホントなんス)がいつしかTV版で正義のヒーローと化し、

日本でも ゴジラが次第に「正義の味方」「子供の味方」って風に 存在そのもののスタイルを変えていったのとどこか似ております はい。


それゆえ・・今回は この【 本来の 丹下左膳 像 】をば 小説のストーリーよりも前面にご紹介させていただきます はい。


この左膳 もともとの登場ってのは ジツのところ 主役でもナンでもなくて・・・

「新版大岡政談・鈴川源十郎の巻」って小説の中に出てくる 特異的にして強烈な脇役キャラクターの一人に過ぎなかったんス。

むしろ『完全な悪役キャラ』に近いスタイルでの登場でス。

将軍家由来の価値のある「陣刀」を・・『この刀は、去年 剣術大会で最後まで勝ち残ったオレさまに与えられて当然の賞品なのだ』

ってなヘ理屈で、チョ~強引に強奪して消えるって、マッタクもって 周囲へ恐怖と不条理を与えるダケの 怪人でしてネ・・

で、左膳の 右腕が失われているのも どうやら、その「剣術大会」の際みたいで(そのへんが曖昧なまま)左膳の腕を切り落としたのが どうも・・北辰一刀流の千葉周作では??って、ミステリー仕立てにもなってます はい。
          150926aa5.jpg


だけど やっぱ当時からあたまイイってか、目端の利くヒトは居た。単純に大岡政談ってより、この丹下左膳をピックUPして 映画にした方のが よりインパクト十分だ♪って賭けに出て 作られた映画が、

ぶっちゃけ 当時の日本人で 知らない者が居ないってぐらい大ヒットしましてネ。

本来「スピンオフ ストーリー」が ひとり歩きしてしまったって 典型的事例ですわナ うむうむ・・・
         150926bb.jpg
    有名な「座頭市」も元は子母澤寛の短編で

『あしたのジョー』での 「力石徹」が思ってもなかった大ブレイクしたのとどこか似ている感じがします はい。


それと・・・調べました限りにおいてですが、この 丹下左膳ってのは、日本の 時代劇分野における 『イチバン最初の アンチ・ヒーロー』であったと・・・。

ホントでス、講談や歌舞伎でも有名な「不知火検校」や「河内山宗春」って方のが旧そうに思えますが、

      150926bb2.jpg
      歌舞伎には『白波五人男』がアリましたけども

ジツは、これらの「作品における人間像」っていうのは、やっぱ戦前に映画化されるトキに、ぶっちゃけ かな~りアレンジされたモノのようでおましてネ。

ぶっちゃけ その『元ネタ』に相当したのが この丹下左膳にちげえねえ ってのはあきらかで♪



 さっきの雷鳴で、雨は、カラッと霽はれた。
 往来の水たまりに、星がうつっている。いつもなら、爪紅つまべにさした品川女郎衆の、素あしなまめかしいよい闇だけれど。
 今宵は。
 問屋場の油障子に、ぱっとあかるく灯がはえて、右往左往する人かげ。ものものしい宿場役人の提灯がズラリとならび、(こけ猿 の巻 より)

ね?チョイとこの作品ですが『コレ 本当に時代劇小説か??』って書き出しって思いませんか?

         150926bb4.jpg
      むしろアメリカンハードボイルドにより近いかも

いかにも つっけんどん っていうか、江戸的情緒も無ければ 余計な描写はいっさい省く。ジツのところ そっちの方こそが 読み手 聞き手のイマジネーションは より活発に動き出すものでして。

料理でいうなら すっごく!ウマい鮭なんかを ただ焼いて、薬味とかをぼーん!って放り出して・・・

『後はテメエで勝手にアレンジするなり 勝手に食え!』って、マルで およねママの『ぼったくり』酒場のような雰囲気で(笑)あえて放置するがゆえの「やさしさ」みたいなモノをわたくし感じます はい。
            150926bb5.jpg
      しかし・・あの垂涎の『鮭児』が出てくる「暴力BAR」ってのも(^^;

ホント・・余計な「風景描写」なんかナイのに限ります♪ 舞台でもそうですが、いたれり尽くせりの精密大道具セット満載の舞台、そこにてロクでもないダイコン役者のヘタな演技見せられるよりも、

たとえば「上海バンスキング」のような、舞台上にはホント・・ナンもない・・・ただ 卓越した役者さんらが演技を繰り広げるのみ・・

              150926cc.jpg
            余分なセットなんざナイ方がマシでおます

そっちの方が、観客としての自分は、そのナニもない舞台上に、自分的想像力の「まぼろし」が無限に広がる。ぶっちゃけ ナマイキですが それこそが演劇の「醍醐味」であると信じますところで。


この丹下左膳も、「あえて書き込んでいません」それは このリクめなんぞと違い 能力がないってのじゃなくて(^^;『どう解釈 どう思われようと それは受けてたちます』って、作者 林不忘の「決意表明」を感じたりもします はい。


この作者は『 林不忘 』しかしコレは この「丹下左膳」をば戦前の昭和時代に 毎日新聞で連載する際のイチ・ペンネームで。
           150926cc2.jpg
        夜の街場デモテそーなカオしてまんナ

ホントのところ・・長谷川 海太郎(はせがわ かいたろう、1900年1月17日 - 1935年6月29日)は、日本の小説家、翻訳家。林不忘(はやし ふぼう)、牧逸馬(まき いつま)、谷譲次(たに じょうじ)の3つのペンネームを使い分けて活躍した。林不忘は時代小説「丹下左膳」シリーズ、牧逸馬は犯罪実録小説、谷譲次は米国体験記「めりけんじゃっぷ」物で知られる。
       150926cc3.jpg

ぶっちゃけ 本来 生粋の「時代劇小説家」ではナイのでございます はい。

             150926cc4.jpg
          満身創痍の不敗の英国海軍の英雄

丹下左膳の あの特異的キャラ設定ってのも、後年わかった事実は、イギリス海軍の不敗軍神「ネルソン提督」を そのモデル像として描いたとされてます はい。


しかし この、作品としての「丹下左膳」、何度も映画化されて TVドラマも何度もオンエアされ、

なんか、主人公である 左膳が、ミョ~に、『荒くれているけど 人情に厚い正義の主人公』って、一種 神格化されていますが、

           150926cc5.jpg
 (役者として好きですが)藤田まことがヤルよ~になっちゃ・・

ぶっちゃけ・・・ジツのところ『けっして そんなんじゃあない!』・・・


マジなところ 『かなりの【悪(ワル)】』でおますだヨ・・・せせら嗤いながら敵をたたっ斬りますし、斬り倒した相手を称えるなんてもせず・・『つまらんものを斬っちまったぜ』っと不敵に嗤う・・・

            150926bb3.jpg
     アンチェインでエキセントリックな存在でこそ「丹下左膳」♪

正義の使者どころか ぶっちゃけ完全な『アンチヒーロー』で。この作品以後 続々誕生した 日本におけるアンチーヒーローもの それの「お手本」になっていると リクめ深く信じているのですが。

          150926dd.jpg

この 描かれています 江戸中期あたりの江戸ですけども、コレもマッタクもって、バットマンのゴッサムシティーもマッサオ!のダークにして暗黒の世界・・・

           150926dd2.jpg
           たとえオナゴとて容赦しません

ぶっちゃけ タダのひとりも、1ミリの曇りもない善なる人間は出てきません、作中の人物 誰もが、どこか・・うしろめたいような、暗い一面を抱えているって・・完全なる「悪漢小説」。


しかしこの作品は 毎日新聞の連載小説ですゼ? 昭和初期の当時の新聞は 今現在なんかより「よっぽど表現が自由だった」って証拠でございます はい。

逆に今だったならゼッタイ こんな たとえ敵がコロしてもかまわない悪党だろうと、ぶっちゃけ 快楽殺人みてえに、バサバサ斬りコロしていくよな人間が主人公の小説なんか掲載できるわけがござんせん(笑)(^^;

「小説 失楽園」(渡辺淳一)も考えりゃ、日経新聞の連載だけんど、ぶっちゃけ・・あんな おされ風味のエロ小説(^^;よかよっぽど・・・
              150926dd3.jpg
               ご冥福をお祈り申し上げます

昭和初期の時代って点から考えますと、そのインパクト度合いは おそらく相当のものであったと容易に想定できますわナ。ややジャンルは異なりますが、江戸川乱歩も、ちょうど、超エログロナンセンス路線でスパークしていた時期でもありますしネ。




読者としてのシンパシーを集める それはこの左膳のばやい、求める利益は サケとオンナ。自分の味方であろうとも、そいつが なかなかの使い手だとわかると『いつかあいつと斬り合いしてえもんだ』って・・ホント、純粋なほどの『暴力とバイオレンスの求道者』なんですナ左膳のばあいは。

         150926dd4.jpg
    大河内傳次郎のこのスチールは映画芸術の金字塔でス♪

賄賂や権力への欲といった 謀略には関与しないってか もとより『ンな興味もない』。

「悪人」には代わりないって思うのですネ この御仁。でも・・・その向かう方向性が、自己保身とかとは真逆な、なんというか、【純粋な《悪》への追求】それがジツに不思議な 一種の「清潔感」が匂うのですナ うむうむ・・・。

                      150926dd5.jpg

おそらくは、おとなしく真面目に・・「生きざるを得ない」庶民のココロに根付く『ああ・・・あの野郎!ぶっコロしてやりたい!!』って鬱屈の念を、この 丹下左膳っていう ホンマ、怪獣みてえな、『妥協なき悪の執行者』に、左膳当人はそんな気は1ミリもなくとも、結果として「仕置き人」としての役割を果たしているって、それに せめてもの、儚い希望を見出し 夢を託していたのだと信じられます はい。


一通り作品を読みますとわかるのですが、『おや?』ってほど、小説内に 左膳当人の登場回数もセリフも きわめて少ない・・・。

物語が一種「勝手に進んでいって」いよいよって段階で 千両役者・左膳が『っちっ!かったり~~・・』ってな感じで イヤイヤ登場(笑)

世の中を正そうなんて気もゼンゼンないまま、その暴力的本能のまま ひたすら血なまぐさい方向へ 邁進するのですが、

       150926ee.jpg

左膳を取り巻く 周囲が、アレやコレやと勝手にバタバタ動き回り、結果 自滅したり、最後は左膳にたたっ斬られて無残に果てる。

丹下左膳ってのは ある意味で 一種の『破壊神』なんですネ。「再生」までは責任とらない 『けっ知るかそんなもの』って感じ(^^;

なんせが 痩身にて長身 赤茶けた縮れ髪を乱暴に後ろに束ね 眼光すさまじく おまけに・・隻眼、片目が大きな刀傷にてつぶれている もひとつおまけに隻手・・右の手が斬りおとされてて無い・・・

・・・正味なハナシ・・・コレはヒーローだ主人公だって以前に、ぶっちゃけ モロ【 怪物 】でおますだヨ(><)現実に目撃したなら その晩の夢に出てうなされるゾ~(^^;


・・・隻眼隻腕の剣怪、丹下左膳。
 箒ほうきのような赭茶あかちゃけた毛を、大髻おおたぶさにとりあげ、右眼はうつろにくぼみ、残りの左の眼は、ほそく皮肉に笑っている。
 その右の眉から口尻へかけて、溝のような一線の刀痕――まぎれもない丹下左膳だ。(こけ猿の巻 より)


愛刀『妖刀 濡れ燕』操り とどのつまりバッタバッタ!と「快楽殺人」・・・

・・・「今は左膳、根ッからの乞食浪人……これでチョイチョイ人斬りができりゃア、文句はねえ。どうだ、与吉、思う存分人を斬れるような、おもしれえ話はねえかナ。どこかおれを人殺しに雇ってくれるところはねえか」(こけ猿の巻 より)


文中・・「頭もいいが腕もいい、こたえられねえ野郎だな、ええ!」とハシャギまくり、「一体、どうして俺を切らねばならんのだ!」と聞かれて

「えぇえ、そんなことが分かるもんけえ!俺はただ無性に嬉しくってしょうがねえんだ!いくぜ、いくぜぇ♪」・・・

・・・このリクめが いかにケンカ好き人間たって、ぶっちゃけ こんなキチガイにはついていけません(笑)(^^;

だけんど・・・わたしゃ 「この手の人間」に・・ナンでか??好かれることが多いンだよナ~~・・・ジツに困ったモンだ・・(--;

思えば この半生、故人・健在にかかわらず、大学時代のイチハラだろ? およねママもそうだし、マオ老子、公安のクロサキ、小枝チャン、キンさん&ゲンさん、コアラの親方・・・

ぶっちゃけ みなさんどこか・・「丹下左膳テイスト」を持ってル 単純な机上の計算では捉えきれない《世の善悪の定規では測りきれない未知なる部分を持つ》そんな人物・・・。

恐ろしいのは・・もしも左膳なんかが実在していたなら・・・ぶっちゃけ わたいなんか『あ・・チョっと待って!!』って云うヒマもなく、押したとされてヤラレちまうンでわにゃいか??って身の危険が(笑)(^^;
          150926ee3.jpg
        でも・・考えりゃわたいもリッパに「怪人」(^^;

『なんだとぉ??チンコついてるだぁ? けっ!知るかそんなもん!!』だなんて云われて
         150926ee4.jpg

 『あ~~れ~~っっ!!』ってなってまう可能性が ナンマイダナンマイダ(-人ー)
         150926ee5.jpg
    おそらく左膳は、「込み入った事情」理解してくれないと思う(笑)


しかし、この小説らが世に出ました 昭和初期の当時の世相というか、この作品を「よし」と受け止めた日本の社会の読者っていうのは やはり、

「建前」そればかりが横行し、世の弱者の声がてんで上には届かない「世相」に辟易していたのだと思います はい。

         150926ee6.jpg

時代的にも「忍び寄る 大きな大戦への足音」を 庶民はどこか敏感にアンテナに感じていたかも知れません。今現在ほど 庶民には自由も権利も保障されている時代ではありませんでしたしネ。

せめて想像である小説の世界だけは、ハラの立つ権力者たちを 理屈関係なくバッサバサ!!たたっ斬る この左膳に喝采を浴びせていたのでしょうと推察できます はい。
          150926ee.jpg


だから、この 丹下左膳が「正義の味方」って解釈については、完全に 後付の『無毒風味に仕上げた 創作』なんですナ。

               150926ff.jpg
            ぶっちゃけ 肉付き良過ぎの左膳(--;

TVサイズってか、毒気を薄めた『メシ食いながら観れる程度のスケール』に脚色したってこと。

本来の左膳ってのは、ゴジラみたいなホント、つかみどころの無い 未知なる恐怖の存在で。


丹下左膳の物語は、たいてい 左膳とはゼンゼン関係なく、1つの事件が次第にエスカレートしていって、

ホント、ジラシた挙句「待ってました!」って感じで やっとこ・・途中にて 左膳が登場します。

       150926ee2.jpg

・・・ 夜妖やようの一つのように、丹下左膳が音もなくすべりこんだ。
「おそかったな。今ごろまでどこへ行っていた?」
 それには答えず、左膳は用心深く室内をうかがって、
「連中は?」
「今帰ったところだ」
 左膳は先に立って行燈あんどんの光のなかへはいって行ったが、続いた源十郎はちょっとどきりとした。
 左膳の風体ふうていである。
 巷ちまたの埃りに汚れているのは例のことながら、今夜はまたどうしたというのだ! 乱髪が額をおおい、片袖取れた黒七子くろななこの裾から襟下へかけて、スウッと一線、返り血らしい跡がはね上がっている。隻眼せきがん隻腕せきわん、見上げるように高くて痩せさらばえた丹下左膳。猫背のまま源十郎を見すえて、顔の刀痕が、引っつるように笑う。
「すわれ!」
 源十郎は、夜寒にぞっとして丹前を引きよせながら、
「殺やって来たな誰かを」
「いや、少々暴れた。あははははは」
「いいかげん殺生せっしょうはよしたがよいぞ」

登場からしてコレ・・・なんともヒトを食ったってか、『コツにどんな説教しても無駄だこりゃ・・』って気持ちを読者に起こさせる ナマイキですが ジツにウマい表現方法♪



つと体を低めて懐中を探っている。
 得意の手裏剣をとりだす気。
 左膳の嗄かれ声が、またもや森の木の葉をゆすった。
「汝うぬア化物かッ? 化物にしろ、人語を解かいしたら、よッくおれのいうところを聞けッ! いいか、その二つの刀とこの娘はナ、去年の秋の大試合におれが一の勝をとって、ともに賞としてもらい受けたのだ、とっくにおれのものなのだ」
 豆太郎は、口をひらかない。ただ、野犬のように白い歯をむき出して、突如、躍りあがるがごとき身ぶりをしたかと思うと、長い腕がブウン! と宙にうなって、紫電しでん一閃!
 ガッ! あやうく左膳の首を避けた小柄、にぶい音とともにうしろの樹幹にさし立った。
「ううむ、こいつウッ! やる気だな」
 うめいた左膳さっと、足をひいたのが突進の用意、即座に、左膳、半弧をえがいて豆太郎の素っ首を掻っ飛ばそうとしたが、土をつかんで身をかわした豆太郎、逃げながらの横投げ、錦糸、星のごとく、飛翔ひしょうして左膳の右腕へ命中した。
 が、
 あいにくと左膳には右腕がない。
 で、右袖に突きささった短剣はそのまま一、二寸の袖の布地を縫ってとまった。
 ……のもつかの間!
 つづいて四剣、五の剣――と皓矢こうし、生けるもののごとく長尾をひき、陽に光り風を起こし、左膳をめがけて槍ぶすまのようにつつんだ……ものの!
 丹下左膳、もとより凡庸ぼんようの剣士ではない。
 タタタタッ! と続けざまに堅い音の散ったのは、左剣上下左右に動転どうてんして豆太郎の小刀をたたきおとしたのだった。
「あっ!」
 この剣能に、きもをつぶして声をあげた豆太郎われ知らず、もう一度ふところに手をさし入れたが――小柄はすべて投じてしまって残りがない。
 瞬間! 泣くような顔になったかと思うと、豆太郎はすでに背をめぐらして、目前の草のしげみへ跳びこもうとした。
「待てッ! もう投げる物アねえのかッ!」
 左膳の罵声がそのあとを追った。
 豆太郎は、振り向いた。
 哀れみを乞うような、笑いかけるがごとき表情だった。
 しかし、つぎの刹那、かれは頭から、滝のような血を吹いて真っ赤になった。追いすがった左膳が冷たい微笑とともに一太刀おろしたのである。
 山淑の豆太郎、全身血達磨ちだるまのごときすがたで地にのたうちまわったのもしばらく、やがて草の根をつかんで動かなくなった。絶え入ったのだ。(乾雲坤竜の巻 より)
           150926ff2.jpg


 ホント、ナマイキを申しますようで恐縮でありますが・・・

リクめは この 林不忘、かれの文章は 正統派の小説家としてのそれとは 大きく異なっていると思うのですネ。

庶民層のウサ晴らしとしての効用とともに、左膳による ぶっちゃけ「大量虐殺」がサラ~って通ってしまう背景には、

言いましたように、作中に登場する「悪漢」らが、マジあったまくる 極悪な連中。そうなりますと『こんな連中 まとめてたたっ斬られればイイのに・・』ってところに、
           150926ff3.jpg

ウマいこと 左膳が登場し リクエストの応じて(笑)バッサバサ!!たたっ斬る訳だ♪ 要するに その「アクションシーン」に持ち込むが為の すべては『巧妙なディティールの設定』で。

ぶっちゃけ こういった手法は 小説的っていうよりもむしろ『 講談 』でございまス。

いみじくも このわたいも恥ずかしながら・・『ブログの講談師』をば目指しておりますから、なんか・・ノリとして理解できる部分がジツに多いのです はい。

『・・・・なんだワ お立会い!』なんてのは まさに講談師的表現なんのおますだヨ♪

ウチとこ先祖、産業スパイ忍者で、表向きは「薬売り」それも『ガマの油売り』に身をやつしておりました関係で、薬売りの《口上》ってのは、まさに講談のそれとほぼイッショなんでございますのだ はいー。
              150926ff4.jpg
          インチキ女流講談師を目指すか♪(??)


この どこか虚無的な部分の 左膳を軸として生まれ出たのが 思いますに・・・さいとうたかおセンセの代表作『ゴルゴ13』の主人公 デューク東郷像ではないかな?っとも思えます はい。

ニヒルさについては、笹沢佐保センセの「木枯らし紋次郎」まさにそれ!ですわナ。

他にも ある意味・・突飛な「暴論」だよん(^^;

ご存知『スターウォーズ』の ダースベイダーですが・・・監督であるルーカスの弁によれば・・圧倒的な黒澤明映画ファンだったルーカスが、三船敏郎に似せてキャラ設定指示をしたとのことですが、

   150926gg.jpg

ジツのところ・・後年判明した《事実》は・・三船ファンは正しくも、ジツのところ ダースベイダーのキャラ設定については『むしろ、《七人の侍》で、名優 宮口精二サン演じる 寡黙な剣豪《久蔵(きゅうぞう)》をお手本とした』ってことで。

ちなみに この久蔵は、ルパン3世の 石川五ェ門のキャラのモデルでもあります はい。

で・・ナンのことない・・・黒澤明自身が、この久蔵のキャラは、丹下左膳初期作の頃の(人情とはかけ離れた エキセントリックな存在としての左膳)映画を元にしたって、亡くなる直前にインタヴューで答えてるって事実。。。

        150926gg2.jpg
      こちらが元ネタ(らしい)間接的 左膳の影響とも


 ね?? いろ~~ンなとこに、直接 あるいは間接的に 様々な《影響》与えまくってるンです。

それゆえに今回、ぶっちゃけ 小説の筋ってよりも、むしろコッチの『以後の社会全体への影響度』って点から コレをば選んだのでございまして。


ただ・・・「ジツに惜しい・・」ってのが、この丹下左膳シリーズは 3巻完結ものなのでおますが、

コレってのも「陥りやすい人気作品であるゆえのリスク」・・・人気沸騰と共に、この左膳が、なんか・・・『後半になるほど イイ人になってくる・・・』って ガンダムでも シャアが一時 味方について『ナニそれ?』って感じと似てまス(笑)(^^;

ま・・当時の軍関係の「検閲」もあったのでしょ~ネ きっと。一概に責められないのでアリますが。

最終巻の「日光の巻」、ラストなんかじゃ・・・左膳になんでか?懐いてる 浮浪児 チョビ安って小僧が、ジツは 大名 柳生家のご落胤であったって事実がわかり、「めでたしめでたし♪」で終了するって・・・

        150926gg3.jpg
   ぶっちゃけアンタが善人になってどないすんねん??って・・

ぶっちゃけ・・『あの~~・・今までアンタがしてきはった あの大量虐殺はナンですのん??』って(--;

スッカリと「イイおじさん」と化してしまってます 左膳にアキレてしまうって(笑)『いかにも唐突にオチつけて終了したヨ 感』が拭えません。


 『 ゴジラも 左膳も、人類の味方になっちゃイマイチつまらん・・・ 』

        150926hh.jpg
       「シェー」するゴジラなんざ観たかネぇ~んだお!

フト、そういう気持ちがいたすのでございます はい~~

           150926hh2.jpg
       「ナヨナヨしてるリク」なんてつまらんでショ? ♪


コメントの投稿

非公開コメント

ぜいたくな お昼のランチ♪

それをいただいた気分ですな♪(拍手)

知らなかったですねー、てっきり丹下左膳ってのは、正義のヒーローだってばかり思っていました小生。
知ってるつもりって本当に お恥ずかしい。。。

だんだんとカリスマでエキセントリック登場人物は、人気と共にかわっちゃうんだよねー。
スターウォーズでもハンソロは、第一作目では味方ともいえなかったし。

ホラーファンで恐れられてるのは、
13金の あの「ジェイソン」が人類の味方で登場ってパターンなんですってネ(笑)

じっさいお出来になるでしょう?

リクさんの「講談」ひと節聴いてみたいなぁ♪

ここまで書くのがうまい人がヘタな筈が無い!
雑誌に出ているへたな書評なんかより リクさんの文学館はよりおもしろいですよ♪

着眼点が 感想文とはあきらかに違うレベル。
たんなる 片目で片腕の強い人って以外、たしかに全然知らなかったですね~丹下さぜんは。

ちゃー子さん

実際うまいですよ リクっちは「講談」
名前は挙げられませんけど、プロの(まだ駆け出し)女流の講談師にひとが、リクの語り聴いて「まいりました!!」ってかぶと脱ぎましたから。
やっぱアレみたい、講談は 人間的にやばい奴のほうが上手みたい(笑)
大学当時の夏の合宿で、かくし芸披露会でもリク講談語りました。
「半七捕物帳」の、「津ノ国屋」って怪談噺を語りましてリクっち。
聴いてた仲間内、あまりものは苦心の出来に その晩大学生なのにオネショもらす人間が出て大騒ぎ!くさ~い思い出です(--;

なるほどーー

あいかわらず博覧強記なリク教授でございますわ♪
あっという間に人気講座となっちゃう その原因がよくわかります♪

しかし ご存知なら教えていただきたいのですけども、
左膳は元々 どこの藩士だったのですか?浪人になったきっかけは?

Re: 長生きの秘訣さんへ

 長生きの秘訣さん いつもありがとうございます♪

胸ヤケしてませんか? いひいひ♪

「左膳の変貌」・・・なんでも、映画化大ヒットで、製作された『続 丹下左膳』(こけ猿の巻 ですな)
が、目先のカネに目がクラんで(?)なんと!『家庭劇風味』に勝手にしちまったそうな@@;
原作者の 林不忘はいたく激怒したらし~のでっけど、皮肉なことに 本来の怪物性が薄れたことで、いっきょに「愛されるキャラ」になっちゃった とゆ~ ま~いつの世も、人気の手綱は婦女子がにぎっているってことでおましょ~ネ はい。

正義のジェイソン・・ってのも エラいまたメマイがしてきますが(^^;

・・・考えれば・・現実にシリーズ化されつつある あの『エイリアンvsプレデター』って @@;
資金かけて作ってあるから それなり観れますが・・・考えれば「アレ」も、モロにナンセンスとして「爆笑ネタ」に近いといえますよネ~~(^^;

Re: ちゃー子さんへ

 ちゃー子さん いつもありがsとうございます♪

あのですネ・・コレってけっして!小姑根性でいうのでわにゃいので イヤな気分にならないで欲しいのでございますが・・。

講談はですネ「一節」ではなくて『一席』 「一節」は浪曲(浪花節)の方ネ。余計ですが 浄瑠璃、義太夫が「一段」
めんどーなの この「割り振り」覚えるのが。落語は「師匠」ってのはわかりますよネ??
コレが講談だと「先生」。で 講談でも「師匠」って使い場合もアルけど、それは「弟子」がテメエのおやっさんに対してのみ許される呼び名。
で、浪曲が「家元」もしくは「師匠」ごくタマに「浪曲【師」」って呼び方。
わたいなんぞは『ど~だってええやん』って思いますが、世の中には こ~ゆ~のに やったら「こだわる」人種も案外と多いのですよん。講談好きのジジいには かなりガンコでヘンな人間多いから(←オメエがいうか?)絡まれないよーにご注意でございます はいー。

Re: エロし会長へ

> 「半七捕物帳」の、「津ノ国屋」って怪談噺を語りましてリクっち。
> 聴いてた仲間内、あまりものは苦心の出来に その晩大学生なのにオネショもらす人間が出て大騒ぎ!くさ~い思い出です(--;

なつかしいけど ヤな思い出やナ・・(--;
オネショって、エロしなりの やさしさだわナ。正確にはアレ・・
「後ろから前からど~ぞ」状態だったからナ~(お食事中の方 ごめりんこ)(^^;

あのさ、林不忘と 半七のほうの 岡本綺堂、どっちも共通点アルんや。
ご両名ともに「芝居が書ける」ってゆ~おヒトで。
「舞台」やってはったヒトってのは よ~くわかってんだワ、ぶっちゃけ オナニーみてえなテメエのセンチな表現にやったらこだわるなんてより、ゼニ払ったお客を少しでも どないして喜ばそうか??って、それが価値観のネックになる訳。
大衆小説の鑑でもあるし、同時に その姿勢は現代の『劇画』に受け継がれているって思うのだワ うむうむ。

Re: JJさまへ

 JJさん いつもありがとうございます♪

> 左膳は元々 どこの藩士だったのですか?浪人になったきっかけは?

ふむふむ・・それが・・「詳しく 左膳の出目についてはドコにも語られていない」ってのが正解でして。
熱心な読者は、折々の文章内から 「たぶん、こうじゃないか?」ってことで推移してるようですが。

察するに、登場にきっかけだった「大岡越前」のハナシから推察するに、
「相馬藩」ってっから 今の福島ですわナ、どうもそこの佐々木なにがしってワルい重役の部下だった感じが。
でも、文科系・・「事務官」としてのサムライ奉公ではない感じで。江戸屋敷詰めのいうならば一種「特殊強行班」みたいな『存在だったかも(あくまでも予想)
で、「乾竜 坤竜」でチョっと語られる『昨年の剣術試合』にて優勝はしたけど 右手失くしちゃった これも「らしい」って謎
それからスッカリと、世をスネて希望も無く、ああいった「怪物」みたいな容貌&人格になっちまったって コレも「らしい」

おそらくはコレも「狙いの1つ」なんだとは思いますが、左膳って わからないことだらけ。
中には 左膳がタイムスリップして@@;幕末の京都で 新撰組と斬りあいするってナ珍品もアリましたナ~~(^^;

No title

子供のころですが、たしか仲代達也さん主演での丹下左ぜんを特番ドラマで見てたような記憶が。
本来の原作では まったくの「怪獣あつかい」だったんですね それは知らなかった~~

でも、リクさんの周囲の「お仲間」
みなさん 左ぜんみたいに、実力もあって なんかカッコいいですね!
その中心におられるリクさんもハンパないですが。

Re: タキさんへ

 タキさん いつもありがとうございます♪

TV版までをカウントしたなら ぶっちゃけ・・いったい?何十回ぐらい放映されているのでしょ~ネ?
昭和の時代の主役張る時代劇スターはダレでもイッペンぐらいは丹下左膳役をやってはるっていわれるぐらいだから。
だけんど、今現在 ゼンゼン・・ってぐらい 時代劇製作はもはや絶滅ですよネ~~(--;その「替わり」が刑事モノドラマでおますわナ うむうむ。

>リクさんの周囲の「お仲間」

う~~ん・・たしかに まことに頼もしい スゴい人たちだってのは疑問の余地もござらぬのでっけど・・・

一言でゆ~なら・・『 きっついヒトたち 』でおまして コレがまた・・・
ごくごくタマにならばエエのでっけど、コレが ほぼ毎日とかってなると、
ドコか 遠くの土地に、文庫本とギター持って(笑)旅に出たくなるのでございまして いひいひ♪(^^;

左膳は、子供の頃にTVで見た気がします。
三十郎や花山大吉の様な浪人と同じ括りで考えてましたが、全然違うんですね。
無声映画で「おろち」というのが有りまして、終盤の立ち回りの場面だけ、ちらっと見たのですが、なんだか、おどろおどろしい雰囲気が漂ってました。
本家、左膳も、髪を振り乱し、返り血浴びて、肩で息しながら刀振り回すのでしょうか。

久蔵は、官兵衛から
「己の技を磨くことだけに凝り固まった奴、声を掛けたが、まず来るまい」
と評されましたが、なかなか、人物のできた方でしたね。
野武士の鉄砲を奪い二人斬った様ですが、「また、つまらぬものを斬ってしまった…」と、いうつぶやきが似合いそうです。

マルセ太郎さんが、映画を一人で語り聞かせ、演技を見せるというのをやってましたが、
リクさん、講談で七人の侍やってくれませんか。全編3時間の長さで途中に休憩が入るとゆう映画ですが。
知ってる映画を、語りで聞くのも良いと思いますが。

なはは~~~ww

きましたッ
「色を知る年齢か!」
怪人ぶりと子煩悩ぶり(??!!!!)を両立させるのは時代でしょうか?
範馬刃牙と松本梢江のスリリング・ホラー・ラブコメ 『範馬勇次郎が見てる』
範馬勇次郎の性指南 『お父さんといっしょ』
とか言って遊んだ記憶が…ッw
私も婦女子人気っていうのの一部かしらん…
あるのかないのかわからん規模でちゃんとある…バキ同人が、勇次郎受けって…なにかのエラーかしら…wwww(爆)でも、それが【女】
かわいらしい絵柄の腐女子さんですたw

どこか、そういう得体のしれない自然界というか、野性満ちた果てしなく広がる空間を渦巻く脅威…そういったものを女が感じるなにか…例えば男の暴力なり、それを自分のコントロール可能なものに捻じ曲げるというか、置換したい、使役して配下に置きたいっていう、女の遠回しな攻撃性は根にあると思いますね。
操縦できない旦那を産み直すっていう意味合いでの、息子。
アグリッピナとネロしかり…

昨日、正木秀尚センセの漫画読んで世界が広がりましたね。
http://www.mangaz.com/title/index?query=%E6%AD%A3%E6%9C%A8%E7%A7%80%E5%B0%9A

でもわかる~
私もアンチヒーロー ダークで情の欠片もないキャラクター好きなのですが、そういうキャラが味方サイドについたり、正義の味方寄りになるのがほんとう嫌でたまりません。
すこし主題から逸れますが、だいたい無残に殺してきたぶん、無様に死ぬのが悪役の行き着くべき地点なのです。
生き返ったり再登場して、好敵手だけど主人公に少し味方してくれる…って扱いになったときとか、怒りすらわきますw


左膳さま…
なんとなく見たことありますねえ…詳しくは知らない(^^;)
そういえば、こういうキャラ現代の漫画にもいる~~~~♪
リクさんなんか全然知らないでしょう、平成の漫画ですが…それでも5年から10年のどこかくらいは経ってるでしょうか。私が高校生のときの少年マガジン作品です。
GetBackers奪還屋ってありまして、そこに出てくる不動琢磨ってキャラ、戦いぶりが左膳に近いかんじでしたね~。
だいぶヨーロピアンナイズされてて、外見はワイルドでマッチョな色男で、隻眼隻腕・無くした腕代わりに義手型武器所持なのとか…
裏稼業の殺戮フェチであり戦闘狂…主人公の男の子に片腕切り落とされ、そこに憎悪と昂揚を感じ、以後命をひたひたと狙っているっていう。
吼えるセリフがまたエロくて。
血と臓物と傷口である種の性欲を感じる男なんだな…っていうキャラでした。
私、このキャラが大好きなのでしたわ…
抱いた女を最後は殺すなんていう腐女子の二次創作ありましたっけ…
検索しても文字以外ほとんど情報が出てこないです。


リクさんそういう方に好かれるのかあ…
でもどうせ 「なんなんやこの御仁…いややわあ~~~…暴力的なんいやや~」とか言いながら、最後は笑って「しょ~がないな~…ま、いっちょやったろかw♪」ってなるんでしょ??
悪漢モノの登場人物の中では、一番斜に構えたタイプに感じます~
怒られるかな…女房役にされがちなんはなんとなくわかります。
女から見ると完璧殿方なんですけどね…

No title

もっとも源に近いところの宗教のエッセンスだと思いますが、父親の女版としての娘…母親の男版としての息子っていうの、あると思います。
あの娘さん…かわいらしいけど、暴れ者だったお祖父さんに…興奮した時の目つきが似てるんだよねえ…とか。

Re: アツシさんへ

 アツシさん いつもありがとうございます♪

やっぱ かな~り 映画に精通され(それも ま~た憎い作品チャンとおさえてるから素直に脱帽!)てます アツシさんならでわのコメントでございますねぇ♪♪

「映画を講談で語る」・・・おもしろいですねぇ♪
ってか、元々ネ、講談の語源は『巷談』だともいわれてまして はい。
今でいう ワイドショーの まさに「元祖」でおますわナ・・・その題材にスキャンダル性があればアルほど、素材としてのグレードが高いって、まさにわたいのよな下世話な人間にもってこいなんでおますのだ いひいひ♪

ってか、ジツは・・もう既に、『それヤってまして』・・・飲み会などでのかくし芸疲労で。
洋画で SFの『ブレードランナー』と、黒澤映画の『天国と地獄』ね♪ぶっちゃけ この2つはかなり自信がありますだ♪
リクエストの『七人の侍』って わたいが語るとするなら・・・
「弱き者からの視点」・・・だけども、この弱き百姓らってのが、なかなか・・・角度替えるなら「イチバン狡猾なのはコイツらでわにゃかろ~か??」って、人間の「業(ごう)」と、ダークサイドを軸に語るってシロモノになるかも。
それでよろしければ 次回トライしてみましょうか?

Re: Shoukoさんへ

 Shoukoさん いつもありがとうございます♪

バッチリ 丹下ですよネ! 不動のキャラ設定は!

うむうむ・・いくら『年代的に知ってるはずのことスッポリ抜け落ちてる奴』っていわれますわたいとて「GetBackers-奪還屋」ぐらいは知っておりますだ なはは!(^^;

美堂 蛮の蛇咬(スネークバイト)の「使い手」とも異名とったのでおますヨわたくし。親友のリョウちゃんや、火ダルマの親方ほどではないけど、意外だと思われますけど、わたくし握力はマジで、
真剣白刃どり・・受け止め型ではなく、ぎゅ~っと握り込んで、刀持ってル相手が動かせなくなり無力化しちゃうって 技出来ますから♪

>リクさんそういう方に好かれるのかあ…
でもどうせ 「なんなんやこの御仁…いややわあ~~~…暴力的なんいやや~」とか言いながら、最後は笑って「しょ~がないな~…ま、いっちょやったろかw♪」ってなるんでしょ??

 ぎくっっ!・・・アンタ・・見てたン??(^^;

ま~~あくまで「創作である」って前提でおますけども(←あきらかに自己保身 ^^);わたくし ヒトとのコミュニケは、相手の言い分も充分に聞きますし、
どうかして!互いの「公約数」それがどこにあるか?って、歩み寄りを標榜し 事にあたる(ツモリの)人間でありますの・・だが・・・。

まったくもって瞬間湯沸かし器ってか・・『ダメやっ!!コイツはクソだ!!もはやハラに据えかねるワっ!!』ってキレますと・・・
ホンのさっきまでの あの態度はナンなんだ?? って、他人にアキレられるぐらいの・・刃牙のおとっちゃんマッサオの 暴力主義人間に豹変しちまうってのが、
ぶっちゃけ未だに 社会的信用が得られてない「病巣部分」そのもので(--;
言い訳でしかナイのでありますが・・・コレはも~~『血筋のなせるわざ』としか言えないッス。
わたしゃ 日頃から始終 怒って怒鳴ってるってイメージあるようなんでおますけど、けっして!!そうでわにゃい!
クチではキツいこと云っても、ココロではニコニコ笑ってル場合が殆どなんですが、マジで怒ることが滅多にナイ分、キレますとテメエ自身で怖くなるって有様・・・

 いつまでもコレではなりませぬ うむうむ・・・以上 おっさんのグチでおました(^^;

懐かしきヒーロー

おやまぁ、今回は丹下左膳ですかい!?
昭和の、それも一桁へとタイムスリップとは(@@);
さすがにボクもまだ生まれる前のことなので闇夜をホッツクことになってしまいそう・・

でも、
京都出身のリクさんなら、嵐寛の《鞍馬天狗》じゃないの?

傳次郎さんは、確か福岡出身だったような・・・

当時日活の大スターだった大河内傳次郎の丹下左膳を観たのはですね、
アレは確か、ボクが小学校の1~2年の頃だったような(**)

それから東映の大友柳太郎主演で、脇には美空ひばりや松島トモ子と言った名子役という、ウケを狙ったドル箱シリーズが有りました
親父が大映九州支社長だったことから、映画館は【顔パス】(^^)では入れたこともあり、当時暇があれば映画館通いしていたので、かなりの映画を観に行った思い出があります(^^)

なんせまだ子供でしょう?あの頃は・・
だらか単純明快なチャンバラが好みだったことから、大友柳太朗演じる豪放磊落な丹下左膳は、必ずしも面白い映画ではなかった記憶がありますね
また、リクさんのおっさるように原作では脇役だったのを映画用に主役にアレンジされているとはいえ、子供の目にはやはり《異様》でした
片目・片腕・アル中?でキレ者??
めっぽう殺しの腕はたつようですが、どちらかというと垢抜けない3流の探偵

かなりのハンディキャップを背負った左膳ですが、コレが印度なら乞食しか生きるすべはないし、
米国なら、エミー・マリンズをも凌駕する、TEDのヒーローになってたかも知れません(@@);

このようなキャラクターを生み出した長谷川 海太郎センセイの頭は、ゼンマイで動いていたのかしらねェ~
大正末期から昭和にかけてといえば、ダダやシュールレアリスムの影響が顕著になって来る頃で、人間性や社会思想とは明らかに異なる、個の内面への探求が始まって行ったはず
左膳にヒューマニズムを求めるのはタブーと言うか、元々無いのだから仕方がないわけで、
40年後のベトナム戦争の帰還兵とうり二つのキャラを作り出した想像力には、『マイッタ』としか言いようがございませんm(._.)m
その意味では、われわれ団塊の年寄り達にとっては、悲しきココロのヒーローと言えるのかも知れませんね(; ;)

Re: Shoukoさんへ

 すいません これ 丹下左膳の回のでよろしいのでしょうか?

親とかからの受け継いだモノっていうなら、
リクめのばやいは、容貌的には よく指摘されますが 母親クリソツってことで。
それでも父親のエッセンスが混ざって『夜中に観たくない怖いカオ』はかなり水割りされてますが(笑)(^^;
性格は・・・ぶっちゃけ いかに否定しようと、ととさまからの「思想」ってか、思考方法とかは、影響を受けているのは事実ですよねぇ。
マジでロクでもないオンナたらしの「血」は引き継ぎたくないですが(^^;ぶっちゃけ「その素養は充分」かも(笑)

でもネ・・母親方の「あばれんぼう」血筋もヤバいですが、本当にヤバいってのは・・ジツは父親方の「テロリスト血筋」なんですよネ~~(--;
じっさい困りますヨ~~ ひっそりと暮らしていようーと、『あっこの家は あぶない血筋の人間やから・・』って、近所まわりでウワサされる生活ってのも。
ガキの頃より 田舎の街からよそへ出たかったってのはそれがイチバンの要因とも言えますだ はい

Re: pierrot le fouさまへ

 pierrot le fouさん いつもありがとうございます♪

はいはい 京都つながりとしてなら たしかに鞍馬天狗がマッチするのでございますが・・・
ぶっちゃけ あの作品をお書きになられた 大仏次郎センセは、横浜にお住まいで(ちなみに わたいとエロしとかが入ってます【町内バカ息子同盟】それの名付け親こそが大仏センセで♪)
鞍馬天狗って「小説」はですネ、倉田天膳って 京都とは縁もゆかりもない浪人が、やっぱ 江戸の片田舎より京に出番ってきている新撰組 双方のいってみりゃ「異邦人」が、京の都を舞台にして暴れまわるって、『旅先での冒険小説』なのでございます。

丹下左膳ってのは、正直なところ 武士としては完全な欠陥品。志も低劣ですし、テメエってものとマトモに向き合って生きていない まさに『ロクでもないキチガイ』なんですナ うむうむ。

でも同時にこの人物設定は、ダレにでもココロの奥に潜んでいます 残虐性とあくなき暴力性を 左膳って一種「バケモノ」を通して 擬人化した バイオレンスの執行者。永井豪の「バイオレンスジャック」の主人公同様、「破戒神としての一方的にして圧倒的パワーの放射」なんですわナ。
行動原理もごくごく単純『斬って斬りまくりうち倒すのみ!』ですから、見ている観客も100%同意は出来なくとも。左膳の純粋とも呼べる 破戒行動に、ある種のカタルシスをば感じる。この点もゴジラ(初期の)と似てますネ。

作者の林不忘センセは、おそらく・・一種の「怪獣もの」を描く気持ちが強かったンだと思うのですヨ。
常識だの道徳や人情とかって「しばり」から完全に逸脱した カオスの世界を。

ま~それを 映画で 勝手に『ジツはいい人の左膳』って風に描かれちゃあ そりゃ激怒したってのがわかる気がいたします はいー。

菊千代 吼える!

侍達の前に、落武者狩りで手に入れた武具が並べられる。

憮然とした顔の侍達。久蔵は、
「俺は、村の奴らが斬りたくなった」とつぶやく
百姓達と侍達の間に深い溝が出来る
と、その時の、菊千代が、大声で笑出す。

「はっはっは・・・こいつぁいいや!
やい!お前たち!一体百姓を何だと思ってたんだ?仏様だとでも思ってたか?ん?
……… 中略 ………

よく聞きな!百姓ってのはな、けちんぼで、ずるくて、泣き虫で、意地悪で、間抜けで、人殺しだ!ちきしょう!おかしくって涙が出らあ!」
こんな、化物を作ったのは誰だ!
お前達侍だ!

このシーンは、いいですねぇ〜

ブレードランナー 天国と地獄

どちらも、名画だと思います。聞いてみたいねぇ

No title

リクエストの『七人の侍』って わたいが語るとするなら・・・
「弱き者からの視点」・・・だけども、この弱き百姓らってのが、なかなか・・・角度替えるなら「イチバン狡猾なのはコイツらでわにゃかろ~か??」って、人間の「業(ごう)」と、ダークサイドを軸に語るってシロモノになるかも。



いいですねえ~私からも、ここはひとつ、お願いします…!
東海道が走る駿河は白波を眼下に見下ろす宿場町。そこの大商家の娘である母方の祖母は言ってました。
「一番弱い立場の者になるのよ。それが一番得なの」
とても狡猾、そして寂しい言葉だと思いました。
女 (権利を認められないもの・はく奪されたもの) はそうやって生きてきたんだと。

Re: アツシさんへ

 わあぁ・・・名調子でございますナ アツシさん。
いえ からかいやお世辞ではなく、アツシさん キチンとした「世界観」持っていらっしゃいますよ♪

うむうむ・・そんなアツシさんからのリクエストだから ハードル高いなあ。。。

でも、視点としてのスタンスは、アツシさんと このリクめ近しいものがだいぶアリます はい。
「天国と地獄」は、犯人 山崎銀次郎が、『あの部屋はね・・夏は死にそうに暑く、そして冬は骨が凍えるほど寒い。そんな地獄から丘の上のアナタのお屋敷を眺めると・・・。まるでそれは天国のように思われましてね。そういう気持ちは理解できないでしょうが(嗤)』って 犯罪者だけど、けっして愉快犯とも呼べない そんなせつない心情部分。
それに 物語での警察は、あきらかに いくつもの捜査上で あきらかな間違いをおかしている。でも、捜査チームの刑事 名古屋章サンが、会議の発表のとき、真夏にもかかわらず、報告に際して、発する声ってのが 妙に「寒そうに」震える・・コレがたまらん!くいった演出こそが黒澤映画の真骨頂♪ そんな部分を前面にしたモノでございましてネ。

「ブレードランナー」も、レプリカントという 虚偽の記憶を埋め込まれたアンドロイドが、テメエの死期に怯え暮らしているって そんな設定がたまりません。そのレプリカントが抱く 死への恐怖ってのも、人間がプログラミングしたものに過ぎないのですが、ココでボクら観客は、生きるとか死ぬってなんであろうか?って、ことをば強烈に感じたりするのです はい。

ま~~才能もナイわたいでっから(^^; とんだ羊頭狗肉になってまう可能性が大アリですけど、
とりかかったなら なんとかガンバってみたく思います はい♪

Re: Shoukoさんへ

 う~~ン コレも難しいですよねぇ。。。

ダレにだってとゆーか、侍だから 百姓だからってのにかかわらず、
「サバイバルするため」には、エナミーに位置する存在を どうかして駆逐しなければならなかった『時代』、
ぶっちゃけ それが数々の悲劇や ココロの闇を生み出したともいえますからネ。

それに、村を襲う 野武士の集団ってのも、アレは元から夜盗とかなんてのじゃなくて、
以前はれっきとした武士たちが、戦に負けて やっぱサバイバルするがために、グループで武装化したって、いってみりゃ今の時代のISISやタリバンと殆ど変わりがない存在で。
で それを迎え撃つ 七人の侍 だって、いってみりゃ 勤め先を失った食い詰め集団な訳で。。。

この映画のラストは、(一応の)平和を取り戻した村が、総がかりで 田んぼに稲を植える作業で終わってるのですよね。
コレを 逆境にめげない お百姓の「たくましさ」と観るか?頼んだ 七人の侍 側が、相当の犠牲者を出したってのに、ナンだよ!?その掌返しみてえな お気楽振りはヨ?・・って、単純にも観れますし、フクザツな気持ちにもなれる。
読み込めば読み込むほど、ヘタな哲学書も上回る それが黒澤映画全盛期の「全世界に向けた人間の業」の見事な映像スタイルなんですよん。トライしてみたいですけど、このわたいがヤったなら・・・そ~と~ダークなシロモノになる可能性高いッスよん(^^;
プロフィール

港のリク

Author:港のリク
FC2ブログへようこそ!
港で働く ジツはとっても気の荒い(?)アンちゃん・・・ですが、産まれついてのホルモン分解異常の関係で♂なのにEカップの胸の持ち主 という混沌としているわたしです。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR