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【 魔術師 】 (前編)

考えようによっては とってもヤバヤバな話なのですが、ひとつ『ハマの町の寓話』としてお読みいただきたいのであります。

みなちゃま、手品、最近だと『イリュージョン』って云うようですが。

タネ・・・トリックが どう考えても解析不能・・・そういうのって観た経験ございますか?
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『Mr・マトリックス:アメージング イリュージョンツアー in YOKOHAMA』

帆船の帆がトレードマークのホテル 恒例の人気ディナーショーの演目です。

大広間の演目会場、着飾った男女、アッパーミドルのファミリーらで満員の盛況です。

いつもの 派手な演出、ライティングとミュージック、客を飽きさせないシャレた語りで 観る人を引き寄せ離しません。

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手始めの カードマジックからはじまり、やがて派手で華麗なるイリュージョン・・・

サイズこそ小さいとはいえ、ステージに突如、一瞬で《象》が出現したり、洋風の棺桶が用意され、それに入ったマトリック氏が、

満場の観客が注視する中 頑丈にクサリでぐるぐる巻きにされたにもかかわらず・・・

いったいいつ??抜け出したのか? 気付けばマトリックさん すずしいカオして 客席でシャンパン飲んでいるといった、なんともヒトを食った演出。


「どんなマジックにも 必ず《タネ》がある」逆に言うなら・・・タネがないマジックは もはやマジックではなく、超自然科学の領域であると。


第一部の演目が終わり、ホリゾントの幕が閉められ、第二部のためのセットの設営が即座にはじまります。

その間 場をつなく意味合いで、他のキャスト、若く可愛いのがウリの 女性マジシャンの演目があったり、

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その他、TVで どっか観たかな?って知名度の、マトリックス以外の マジシャンが登場 文字通り《場つなぎ》をするのです はい。


・・・その中 出演マジシャンのひとり、『松旭斎 我楽』 ぶっちゃけ 古臭い芸名です。そんな もう年齢は熟年と呼べるマジシャンがいて・・・

ドッチかとゆーなら、東京の老舗の寄席 末広亭や鈴元演芸場のステージの方が より彼には似合うって感じ、

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角張ったカオにドーランを塗りこみ やや薄くなった髪の毛をポマードでオールバックにしつけて。客の目としては 観た一瞬で『ああ・・旧い寄席芸人のマジックだな』って認識します。


ステージで展開する 我楽の演目というのも、ぶっちゃけ マジック・・・というよりも、「曲芸」「大神楽」「じゃぐら」と呼ばれる、江戸の昔より継承される ジツに古典的な、傘だのコマだのを使用したコンテンツです。
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             「おめでとぉ~ございます~♪」でお馴染みのあれ


だけども、チョイと 我楽さんを擁護するならば、「ディナーショー」も完全なパッケージSHOWであり、色々な人間が欠かせぬコンセプトとして必要であり かかわっています はい。

手に汗握る ハラハラしたテンションのみで、約二時間半の「SHOW」は持ちません・・・観客がバテてしまいます。


歌舞伎の興業に 《弁当幕》というのが未だに存在します。要は 観に来ているお客さんが《安心し リラックスしてお弁当を愉しめる時間》が必要にして有効なのでして。

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いわば 我楽さんの価値ってのも まさにそれ・・・我楽さんの演目を 観客らは観てるようで観ていない、

それぞれで会話を楽しみ、食事と酒宴がドンドンと進みます、当然 ドリンクの売り上げもハネ上がり ホテル側の儲けにも貢献♪高級ワインやシャンパンが景気良く空けられます。


 そんな中・・・

「なるほど・・・アレかい? 問題の御仁ってのは」呟いたのはリクめで。

「ああそうなんだ・・・今回の調査項目は あの我楽さんでサ・・・」と 応えるのが 探偵八百政。
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八百政「ワルいけど、調査の依頼者がダレかは云えない。で・・・率直に リクさん、どう思う??」 リク「どうって?」

八百政「あの・・・熱演中の我楽さんなんだが・・・あの《マジック》・・・。観て どう感じますか??」

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わたいは「うーん、そうやなぁ・・・。長年の経験の蓄積ってゆーか・・・ぶっちゃけ、ハリの入る隙間もない完成度とは まったく違う尺度の 要は《上手》やナ・・・あの我楽にマトリックスのイリュージョンをやらせても悲惨なダケやろうと思うけど、逆に マトリックスに我楽さんの あの《じゃぐら》は再現でけへんのとチャウか?」


八百政「うん・・・そう思うだろ? あの華やかとは無縁の いうなら《枯れた芸》、あれは我楽だからこそ出来る・・・それが彼が登用される理由なんだワ」 「でもま~~・・・ぶっちゃけ《噛ませ犬》だってことに変わりあらへんわナ 不憫やけど・・・」

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デイナーショーも終わり ところ替わりまして 中華街と元町を仕切る 大岡川沿いに昔から存在する 老舗の飲み屋『ひさご亭』
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ぶっちゃけ けっこーな年増ですが 今でも充分にあだっぽい♪ 若い時分はさぞかしや・・・と思わせる 利恵ママが 姪御とふたりで経営しています。

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「うん!この冷製 うまいっ♪」あんまり食べるものに感動しない 八百政が珍しく歓声を上げます。

「な?おいし~やロ?ワシもはじめていただいたトキはびっくりしたんヤ、気取った 東京風やない、かといって関西風でもない。やったらオリーブ油に逃げてル サラダ風とも違うし、エスニックとも違う、いうなら《ハマの味》それやナ♪」

手伝いの 利恵ママの姪御・・・名前を カスミといいますが、

「はい ・・・リクさん。ウーロンハイのおかわり ココに置きますネ」っとささやくように。
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ぶっちゃけの昔話・・・ジツは この店を知ったのはリクめ、このカスミと・・・『チョっとしたあやまち』が過去に・・・

イエね、共通のトモダチのホームパーティーでわたいとカスミ 知り合ったのでありますが・・・

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コッチもウッカリしてた・・・で、カスミも ぶっちゃけ おバカさん(笑) わたいのこと『スッカリオンナであると勘違い・・・』ああ・・・(--;


早い話、その当時のカスミってのが、シスターのり とゆーか・・・性愛の属するエリアが「レズのひとら」の範疇で・・・。

パーティーのあと、二次会 三次会と流れて 気付けば わたいとカスミのふたりきり・・・急に雨も降り出してきて・・・

『アタシの家で休めばいかが?』ってカスミ 『えら おおきに♪』ってことで、
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カスミ住んでますマンションの一室で 酔いもあり寝てましたなら 急に・・・

『リクさんっと!!スキなの!つきあって!!』って・・・カスミに抱きつかれますわたくし @@;

ココで両者のカン違いだワ お立会い・・・カスミはスッカリわたいのこと♀であると信じて疑わないし・・・

わたいはわたいで・・カスミが《あくまで♂としてのリク》の魅力(?)にマイった結果のタナボタだわい♪ っと、要は双方でバカ(^^;
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タナボタぢゃ いひいひ♪

で、はいはい~~♪ヤリまひょヤリまひょ♪ 脱がせてくれヤねーちゃん いひいひ♪ と、調子コイて カスミのするがままにさせてたなら・・・
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ぶっちゃけ 下半身があらわにされ、リクめの息子さんが半勃ち状態で『こんぬつば~!!』

ったら 突如カスミの大絶叫!!『・・・きゃああ~っ!!なにこれ!?なんなの??』って大ショックのありさまで・・・

なんなの?ってから、 そら決まってるやろワシのボコチンやないか?イッペンも観た経験ナイとはいわさんデ このヤリ●ンがっ!! ってチトムっとしてわたいも答えますなら・・・

『わ~~ん!!』と今度は大泣きいそがし~やっちゃ・・・(--;

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 泣きたいンはコッチしゃヴォケぇっ(怒)

カスミ『てっきり・・・ボーイッシュで活動的 ステキな《お姉さま♪》だとばかり思ったのに!!詐欺師!ヘンタイ オバケ!!』


・・・こら・・オバケとはあまりにもあまりやんケ(TT)云わんかったワシもウカツやったけんども、勝手にカン違いしたオヌシも悪いっっ!!(00メ)

深夜・・・ってより もはや早朝の、ハマの一角に響き渡ります おバカ男女の罵りあい(笑い)(^^;

ま それが《ご縁》で、今だに プライベートでは好き勝手なこと言い合える関係なのでありますが♪
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ま・・結局ヤリまスた(^^;


カラカラカラ・・とドアに設置のカウベルが鳴り、新規の客が独り 入ってきました。

猫背でガニ股 しつれ~やけど「さえないオヤジ」です。角張ったカオと、薄い髪でわかります、SHOW仕事が終わり ドーランも落とした《我楽》でした。


一概に 役者でも歌手でもお笑いのヒトでも、名声を得ている人間には「変わり者」が多いといわれます、それは正解だと思う。

『ジツは・・・けっこー前からファンです♪』って偽り ぎごちなく我楽さんに話しかけたボクらふたりに、

「売れない芸人」の我楽さんは、とても気さくに やさしく接してくれました。自分に声をかける若者が珍しいというのもあるでしょうが、

売れてない分 より多くの《世間》ってものと ふれあい、馴染まないと生きていけない、人間としての苦労をかさね 我楽という常識人を培ったのでしょう はい。

いわば 売れない芸人の「馴染むチカラ」が、売れっ子となった有名人には欠けていて当然です、人間は皆 完全ではないのだから。


しかし それらを差っ引いても、我楽さんの「きさくなる性格」は、やはり ハマっ子として産まれついた独特のフィーリングだったと 今では思います。

かつては さびれた漁村に過ぎなかった「横浜村」・・・それが明治維新で 突如として開発され・・・

それこそ日本の各地から続々と「よそもの」が流入、世界の外国人までもが・・・

ぶっちゃけ それをイチイチ、地元根性で拒否していては ハマは成り立ちません はい。人間の離合集散を「あいよ」って、肯定し 引き受ける度量こそが ハマっ子の「粋といなせ」。
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今 思い出してもステキなる出会いの夜でした はい。

我楽さんは 青二才の我々を否定せず、長年の親友のように扱ってくれました。

当然 酒を飲みながらですが、我楽さんは、まあグっといけ! と、ビールを注ぐでもない・・・

「自分のペースで 飲みたければ飲みナ。いやならムリにつきあうことないサ♪」って『突き放してくれるやさしさ』を持った人物で。

我楽さんのクチからはいろんな 興味深い話を聞けました。マジック界のウラ話からはじまり、長い芸人人生で出会った いろいろな師匠らの逸話。

ぶっちゃけ ドコまでがホントの話かわかりませんが(笑)たいそうに盛り上がり その夜は遅くまで痛飲しました。


さて・・・ココまでですと、単なる ほほえましい出会いのハナシでしかありませんが・・・

あいにく・・・というか、これは《事件ファイル》です はい。


こんな・・・売れない芸人ながらも、好人物であり、ハマの夜の界隈でも みんなから敬愛されています この 松旭斎 我楽なる人物に・・・

プロではないけども、その敏腕ぶりが一部では超有名であります 探偵 八百政、彼が直々に登場しなければならない、どんな事情があるのか?


ボクは、八百政に依頼をかけた依頼者の人物がダレなのか?たとえいくら迫っても それは 八百政が教えてくれないだろうことは理解していましたが、

ごくホンのちょびっとだけ協力する引き換えとして、『あの我楽の いったいナニを調査するのか?』それだけは やや強行に尋ねました(ボコってはないよん:笑)(^^;



・・・よろしいですか?・・・一見あり得ないような現象を作り出すのが【マジック】です。

だから、マジック・・・要は【手品】・・・それの 皆が驚くネタを作ろうとすると、突飛な発想や思いも寄らない技術が必要なように思うかもしれません。

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しかし・・・実際のところ ジツ その作業には【 真逆のチカラ 】 それが必要になってくるのでります。

マジックのネタを作ろうとする時に一番必要な能力は、【 論理的思考リョク 】です。

「あり得ない現象を、どうすれば起こせるか?」・・・これを筋道立てて考えて行くのです。


どうすれば思いついた現象を起こせるのかをアレコレと考えるのが、マジックの作り方です。

観ている観客の度肝を抜く必要性より先に・・・その【マジック】を『行為として自然にはじまり そして終了』その一貫性を確率する必要があるのです はい。

みなちゃまも おわかりだと思いますが、どんなに華麗なるイリュージョンにも 必ず【タネ】が存在してます 当たり前ですが。


美女が宙に浮こうと、指でガラスの板を通過させてモノをとろうと、海底の箱の中から見事 生還しようと、

それらには必ず《タネ》が存在する・・・ぶっちゃけ それだからこそ何度となく【再現が可能】なのです。

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「リクさん ジツはネ・・・我楽さんの《手品》なんだが、どう・・・ボクなりに一生懸命 論理的に考えても、【 どうしても解けないマジックがあるんだ 】・・・。いわば【タネがわからない】」

「なんやて?もいっぺん云うてくれヤ」

「うん ごくごく・・・観ている我々 観衆的には ある意味でありふれた、【なんてことない】こないだのホテルで観たろ?和傘をクルクル回しながら、その上で駒とか下駄を回す 海老一 染之助とかでおなじみのあれ」

「ああ・・・いっちゃ悪いが あのホコリかぶった いなたい芸か・・・」

「あんとき・・・観たかい?」「ナニを??」


「な?この目ざとくて油断ならない 港のリクでさえ(笑)【あまりにナチュラル過ぎて】気がつかなかった このマジックのトリックだ」 「・・・・・」



・・・いいかいリクさん? あの【いなたい奇術】だけど、冒頭 サイコロからはじめた 傘の上で回転させる【芸】だけど・・・

アって間に、どこで替えたのか?ちいさなサイコロが 次に独楽にチェンジして、次は下駄に変化・・・ハっと気付けば 大きな パンダのぬいぐるみへと早代わりして終わる・・・

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こんな単純と呼べる奇術でしかないけど・・・アレってさ・・・【この世の物理として不可能】ぶっちゃけドコのタイミングで入れ替える??

うん・・・会場たって 360度客入れる訳でナイから ホンのちょっとの 観客からの【死角】そこで傘に乗せているモノを入れ替える・・・普通僧考えるよね。

だけど、あの当日 隠し撮りしたこのビデオで確認してみ・・・ZEROコンマ何秒のタイミングで、問題は 我楽さんが持つ傘の上、アイテムがサ・・・【死角ではない瞬間に入れ替わっている】・・・なあ、コレどう思うよ??

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        どんだけ集中し監視しても・・・解けないジミにして不可思議なる現象・・・

回し始めに 大きかったモノから 次第に、アイテムが小さくなるってなら まだわかる、ロシア人形のマトリューシカの手法だからね。

だが・・・アイテムが次第にSIZEデカくなるって ぶっちゃけこれは不可能!

いいかげん我々現代人は、映画とかのCG・・【合成はめこみ画像】に慣らされてるから、ひどい言い方だが、我楽さんのジツに古臭いマジック観ても、ああそうかい・・・ってナンの感動もしないけどネ、

ボクなりにマジックのトリック調べたよ、だけども・・・でも、解けない・・・ありえないんだ・・・我楽さんの【あの現象】は・・・。

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コレは「物理的に不可能図形」といいます


わたいは「うむ・・・あらためてそう云われると【そうだな】としか言いようがない・・・。ってことはナニか??発想を180度転換してだ、仮に・・・我楽さんのマジックに【タネがない】・・・そう仮定するなら??」

 「そう・・・。彼こそが本物の【超能力者】と呼べるのかも知れないよね・・・」

余談でございますが、リクめの家には1つ【心霊写真】があります はい。

しかし、ぶっちゃけ たいして観たヒトは怖がりもしません はい。

その理由は・・・《あまりにもクリアに ごく自然にユーレイが写っているから》それに尽きます。
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4名の集合写真なのですが、その写真撮影時より1年前に亡くなっている人物が ごくごくフツーにみんなとおさまっている。

『だからコレがなに?』でおます、「まだ生きてらっしゃる時分に撮影したんでショ」それで会話は終わってしまいます はい。


常識を覆すモノってのは えてして にわかには皆 信じがたい そういったフィーリングを有しています。

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あの いなたくてジミ 売れない奇術の芸人である 松旭斎 我楽は・・・もしかして あえて自分の超能力を気付かせないように、見抜けない我々 凡人を嘲笑っているのでしょうか??


(後篇へ続きます)

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今年の夏はいっぺんも日焼けできず終わり残念・・・
プロフィール

港のリク

Author:港のリク
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港で働く ジツはとっても気の荒い(?)アンちゃん・・・ですが、産まれついてのホルモン分解異常の関係で♂なのにEカップの胸の持ち主 という混沌としているわたしです。

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