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暁のロックンローラー
離合集散という言葉がありますが、
元からが ヒトの出入りが多いのは 『港』って地域の持つ１つの特性の様です。
生き方として 人間をカテゴライズするならば、１つの土地にずっと留まり、代を重ねる 土着の民
でも それが出来なくて、土地を離れて 新しい刺激を渇望する『ボヘミアン』それがボクらといえるようです はい。
すっげ～～田舎者のクセして ツッパってて、カッコつけてばかり、おまけに『まるでバカ』なくせして ナルシズムの塊の 若い奴がいまして そいつの まさに《寓話》です。
『オレのことは ビンセント って呼んでくんな♪ ロックンローラーだから俺』
だけども 『ダレがビンセントぢゃアホンダラ！！ ピンセットでつまんだろかワレ！』『呼びたくない・・・』（＾＾； ぶっちゃけそいつは そんなチビすけで、
正直あつくるし～～・・・
ミョ～にデカい 身長にそぐわないデカ頭にポマードべったり・・・１００％似合ってませんリーゼント。グラサンにジーンズ おまけに夏でも皮ジャンって ぶっちゃけアホでした。
北関東訛りのキツいそいつ、早口のくせに ロレツが回ってなくて、いなせなロックンローラー♪ビンセントの筈が ついた通り名が『ドモ安』って 浪曲かヨ（－－； そいつにしたならサンザンの あだ名がついてました。
こいつぁ～シャクだった（＾＾；
こういった連中を総称して 港では『トンパチ』と称されますが、同じトンパチでも、リクめのチームの カズホが全方向的に 仮にシッパイかましても、どこか赦されてしまう 『徳』をもっているトンパチなのに対し、
かわいそうに ドモ安は、素直に謝る事が出来ない・・・先輩の話をまともに聴こうとしない そんな姿勢がうとまれ、かなり毛嫌いされる傾向でした。
学歴よりも 実力が問われる 港湾貨物の現場ではありますが、とにかく頑丈なカラダひとつあればよかった昔の時代とは異なり、
高校を中退 これといった技能資格も持たず、バイクの免許しかない ドモ安のような 若い衆は、ぶっちゃけ いつまで港で仕事してようが、正式な会社雇用の正社員にもなれない いわゆる「永遠の日雇い労働者」でしかない。
こんなのが「おいらはロックンローラー」たって、ぶっちゃけダレもまともに相手しない・・・
なんか細々とバンドを組んで、ハマのライブハウス（？？単なる公開スペースって噂も）で活動してる様ですが、ぶっちゃけ ライブの度にメンバーが替わってる「寄せ集めの芋バンド」・・・。
横浜銀蠅のドラマーか？ ってな観てくれだもんで、ようするに・・・『クチばっかの だっせ～～奴』って 正直 嫌われまくっておりました。
貨物船の中より 貨物を卸し 仕分ける作業、１チームがだいたい１２名が基準で、特定のチームでそれを担当して活動するのが基本なのですが、
ハンパな量とかですと、色々なチームからの 寄せ集めの臨時チーム構成であたる事になり、ドモ安なんぞはいつも、そうした「ハンパ組」での登用、いろんなチーム全般を 渡り歩く・・・というなら 聞こえはイイのでおますが、要するに『ウチとこにワラジ脱げヤ♪』とはけっして誘われない奴・・・。
そして往々にして ドモ安ひとりが 作業開始３０分前になっても 当日の引き取り手がない って事態にしばしばなるのでありました。
『なあ リクちゃんとこのチームに、そろそろ あの ドモ安・・・引き取っちゃくれんだろか？』港の人材の割り振り責任者のヒトから いっつものようにせっつかれまして・・・
「あんな ドモ安みたいな野郎 入れてやるもんか！」って、意外にも強い 港の組の排他的意識もありますし、
もひとつの理由として、親方格にあがり、チームを結成、当初は サンザン周囲より ぶっちゃけ 馬鹿にされ続けたリクめのチーム『変わり者の巣窟チーム』 ですが幸運にも その変わり者らが秀逸の働きでＴＯＰともなり・・・
ドモ安みてえな ヘンなのは、リクんとこでもブッ込んどきゃイイべ♪ って、やはり安直にして差別的な意思があったとも思います はい。
リクめですが、ドモ安をチームに招き入れるにしろ 不安なのは、奴の性格的なものも否定できませんが、もっと仕事での根源的諸問題が・・・
自慢になりますが 我がチーム・・・たしかに 変わり者多いのですが（テメエが云うな！ってのはわかってル：笑）
でも、意外にも・・・高学歴＆各種の技能資格保持者の集まり 同輩ランは薬剤師資格、夜逃げのキンさんは ５ｹ国語堪能で元商社マンの頭脳♪ ロテ公にいたっては 約１７もの言語を通訳なしでＯＫのエキスパートでもアリまして、ドモ安が来たところで、ぶっちゃけ まったくの ロクな技術を持たない下っ端・・・
ローレヴェルの者に構ってるヒマなどない・・・
年齢とスキルからいって 一番下の筈の サバ子やホセなんかより 更に下って扱いに甘んじる事になる、それに耐える根性あんのか？？ってのが不安で。
なんせが 「技能」がありませんから ドモ安・・・港も昨今では 人海戦術頼りの方式で貨物扱うってのは極端に減少していて たとえウチとこチームに所属しようとも、早晩 余剰人員になってしまうのは目に見えてましたから。
可哀想とも思うけど、そういった人員を 飼いコロしとく余裕はございません・・・わたくし 仕事に関してはいっさいの特別扱いなど出来ない いわば頑固者でもあり鬼ですから。
かくゆ～わたいも忙しいのぢゃヨ
本来でしたら 後見役でもある キンさんとゲンさんに 相談するのが筋ですが、あえて・・・チームの同輩のラン、後輩のカズホ、ショーゴらと相談したのですが・・・
結果として・・・リーダーであります このリクめが ドモ安を入れるというならベツに異存は無い。しかし、特定チームに属するって事は その中のナンバーリングには従わなくてはいけない・・・
数ある 港のチームでも、封建的上下関係がイチバン適用されない 自由な風紀のウチのチームとて、守るべき最低限のそれだけは譲れない。
果たして「あのドモ安が」それに素直に追従出来る人間とはどうしても思えない・・・ぶっちゃけ アイツほど下の人間に煙たがられている奴は珍しい、女子からも嫌われている。
何トンにもなる貨物を日々扱うには 技術も有るが、肝心なのはチームの団結と《互いの信頼感》それが期待できない ドモ安を入れることで 大きな事故が起きるような危惧がぬぐえない・・・ということで。
正式な チームメンバーとしてはチョっと問題があり、さりとて 経験年数の長い ドモ安をまったくの新人扱いも・・・ってことで、やや安易な手段でしたが「客分」ってな扱いで、お試し期間として行動を共にするって事になりました。
しかし、やっぱ・・・期待したのがワルかった・・・・・
経験年数がある エキスパート・・・といいたいのですが、要はチカラ仕事で モノを運ぶダケを専門にやってきた・・ってより「それしか出来ない」なんの資格も持ってないのですから。
そういうのを毛嫌いしてる傾向の強い ウチのチームの若い衆らと 仲良く出来るわけがない。
男子には『ったく！ナンだ あのオッサン（って まだ２０代後半ですが）客分って調子コキやがって・・・』女子らにも陰で『ぶっちゃけジャマでしかないよね～～・・・ナンも技能もない人間がウチとこいたって 出る幕ないのにね～～』『なんか 生理的にムリっっ あのタイプは・・・』って、ケッコー冷徹に批判される始末・・・（－－；
ドモ安も「えへへ♪みなさんよろしく頼みます♪」って感じで アタマ下げる事が出来ない人間だからホント 始末に悪い・・・。
たいした内容の仕事もふられてこないもんで、ドモ安がクサっているのは 見ればわかります・・・
わたいは「な？ドモ安よ・・・オメエ フォークリフトの免許取ればいいじゃん？会社から８割近くの補助金ですやん、そうすりゃ ウチの社には、コアラの親方って、大名人がおるんやから、フォークリフト１本でメシ食っていけるスキル身につくでぇ」っと薦めますと・・・
しかし ドモ安は・・・なんやかや 言い訳して全然行動を起こそうとしません （－－；
それでいいのか？？ って、なんとも歯がゆい気持ちで、不満があるなら、最低限度の自己努力をしないでどないするねん？？って、リクだけではない チームの皆も同じ気持ちで・・・。
いつもは 作業そのものは厳しくても、その「ツラさ」を紛らわせるべく、合間合間にバカ話ばっかりして ゲラゲラ笑いあってるボクちんらなんですが、
ぶっちゃけ ドモ安が来るようになって以来、現場で みんな・・・ムスっと黙りこくって 気まずい空気がまん延してきまして・・・。
セカンドチーフにあたる ショーゴに、リクが事務仕事の内勤で居ない時、ドモ安はどうか？と訊きますと・・・
ショーゴ「ぶっちゃけダメっす あのひと・・・。客分ってのをマルで勘違いして・・・オレは親方の次に偉いんだ♪気分でいますもんで、スッカリ チームから浮いてます」「そっかヨ・・・」
ショーゴ「で、あのひとナンの免許もありませんから、安心して任せられるのは、積み置きしたコンテナから、カスタマー様に発送する商品の《仕分け》それっきゃないじゃないですか」「そらそや」
ショーゴ「ったら・・『オレはコンビニのアルバイトじゃねえんだ！こんなオンナ子供の仕事させんな！』ってムクレて・・。自動車免許すら持ってない人間のセリフじゃないって、カズホも怒っちゃってて・・・」
怒ったってしゃあないやんケ・・・
リク「そっかあ・・・しかしナンで？自動車免許ぐらい 取らないンやろか？現代人の必需品やろが。」
ショーゴ「ジツはあいつ 通ってるんですよ、自動車免許の教習所・・・実技に問題はありません、問題は学科・・・ぶっちゃけ 何十回チャレンジしても、仮免許の学科試験にパスしない・・・そのくせ 必死になって勉強しようともしない、『ロックンロールのライブの準備が忙しくてヨ～♪』なんてホザいてますけど ウソだってバレバレです、念に４回ほど・・・季節に１度ぐらい、ライブハウスの お情けで出させて貰ってるって、知らない人間はいません・・・」
・・・う～～ん（－－；まったく 困ったﾁｬﾝもいいとこだナ。努力もしねえでモンクばっかつけてル ダメ人間の典型的タイプやんか・・・。
本来 この手の輩はキライなんですが、縁あっての親方として放置も出来ず ある夕刻の仕事後 ドモ安を連れて 飲みに行きました。
リク「・・・・・あの、正直どないやねん？仕事、ウマくいっとらんように聞いてるけど・・・」
そうしまと ドモ安は、「って、ヤメましょ～ヨ ンな仕事の話は！それより 御あがくの話しません？親方もバンドやってたんでしょ？？」などと話題をそらす。
それでしばらく 音楽、とくに ロックンロールについての話題をかわしたのですが、
すいません・・またまたナマイキ云いますが、いみじくも 音楽、ロックでメシを喰おうと思うならば、自分としてのポリシーは大事です、しかし・・・
最小限度の「営業努力」は必要です、『ウケるという技術』・・・
ごくごく小さなライブハウスで演奏するにしても、テメエが思う 好きな曲 ヤリたい曲ばっかを貫き通すバンドは まずウケません 本当です。
会場人気ってモノを的確冷静につかんでこそ ヒト前でお金をいただくに値する「プロ」でス、その点で 正直 ドモ安の意識は アマチュアの域を脱していなかった。
ドモ安「ま～～オレにいわせると 今のロックは ９９％クソです♪みんな商業主義に魂売り払ってやがって」
なんか、勝手な事ホザいて イイ気になってますコイツ観てますと、なんや知らん ムカっ腹立ってきまして、 まさかボコれませんが、クチでイジメてやろ～って思い（＾＾；
リク「・・・だが それはおかしいとワシャ思うがナ・・・ロックンロールの成り立ちを考えてみな？あのジャンルこそ 近代資本主義の権化・・・社会主義国家に まともなロックバンドあらへんやんか？ロックは反体制の産物って ぶっちゃけ《幻想》だと思うんだナ うん」
最高にリスペクトしてます Ｋ・リチャーズもそう云う♪
早い話 ドモ安は、カート・コバーンや、ＳＥＸピストルズ 反逆で破滅的ロッカーこそが理想形と考え、 リクめは、芸術性と営業売り上げをドチラも同じラインで冷静に考える事の出来ている Ｐマッカートニーがロックの最高峰と考える その決定的違い。
好みは平行線・・・だけどコレは当たり前、他人の好みに迎合するほうのが かえっておかしいし それは姑息だと思う。
リク「とにかくナ～キミの云わはる 無名なほど、日常が悲惨なほど ロックとして《本物だ》ってな意識は、ぶっちゃけ それこそヘンに偏ったヒネクレ者評論家の意見に、根拠も無く追従してるダケの哀れなル信者に過ぎんデ♪」
かなりムっとして ドモ安「じゃあ リク親方は、どういったバンドがいちばんスキなんすか？？」というので
「そうやナ 色々あるけど、いっちゃん 民族的古典と、芸術性、大衆に訴える訴求力、それを ごくナチュラルにマイペースで展開して 粋やな♪って思うのは、英国の XTC ってバンド。《All You Pretty Girls 》って曲なんか何度聴いても飽きないナ」
http://www.youtube.com/watch?v=Nfw1uW8_JWU
ドモ安は「か～～っっ ＸＴＣか・・・ドコいいんですかあんなバンドが！オレなんぞはやっぱ エディ・コクラン《Summertime Blues》コレっきゃないっしょ♪」
http://www.youtube.com/watch?v=MeWC59FJqGc
リク「ワリ～けんど エディ・コクランってのは、ぶっちゃけ 日本人とシンクロする要素あらへんデ・・・文化の土壌がチャウやん、オメエもカタチから入るクチやナ♪スキでもない曲、１番だって挙げるなって」
ありゃりゃ・・・説得するツモリが、ついつい音楽となると 自説を譲らんワルい癖が出ちゃった （－－；
リク「だいたいナ～～オメエ 知っとんのケ？ロックンロールっていわはるけどヨ、アレは１９４０年代末期に、ブルースとカントリーが融合した《本来 黒人の音楽なんやデ》それ知らんでヤってんのやロ♪」
ドモ安「どーもすいませんよ！！こちとら翻訳されたロックしか知りませんもんでね！」
リク「ぶっちゃけ オメエなんざ、ロクに黒人音楽なんざ バカにして聴いておらんのやロ？エディ・コクラン最高♪なんて云ってるヤツほどみんなそ～ヤ。ワシャ 高校出るまでに３０００枚は聴いたデ。オヤジのコレクションやけどナ」
ドモ安「いや・・・オレだって、ブルースとか、リスペクトしてますよ。白人に虐げられ 差別された黒人が逞しく・・・」
リク「あ？その概念こそが 日本の音楽雑誌記者に完全に毒された見解やて♪ あのナ、近代ブルースの始祖と呼ばれる レッド・ベリー・・・『ミッドナイトスペシャル』って名曲知ってるだろ？レッド・ベリーなんざ ぶっちゃけ 殺人罪で３３年間も刑務所におった 極悪人やデ、ブルースやってる黒人はイイ人間だなんて幻想もいいとこ♪リトル・ウォルターは、ヤク中 アル中 強姦魔の３拍子！チャック・ベリーは白人のロリコンってことで何回も刑務所ブチ込まれ・・・マディ・ウォータースも、生前にワシ サイン貰ったンやけど、ぶっちゃけ テメエの名前のスペルを間違えて書くインテリジェンスのカケラもないオッサンやったド♪ロクでもない奴ばっかヤ リスペクトなんぞするだけムダムダ！！あくまで《作品》を評価すればエエんやて。」
音楽アーチストなんざ「ろくでなし」で充分なんだってば♪
ヂモ安「・・・くっっ！！ 他人のリスペクト感情貶して面白いんですか！？いいじゃないですかっ！日本の良識あるライターが 敬意を込めて、翻訳して ロックを広めたんだから！」
リク「その《翻訳されたロック》そのものがどエラい《間違い》だったって、最近の検証であきらかになっとんヤ。ボ・ディドリーとか、クッキー＆ＣＵＰケイクス とかマルで知らんやロ？ま、いうなら 演歌は 美空ひばりしか知りませ～ん ってなヤツとイッショやで♪基礎的な勉強てんで足らんナ オメエ」
ぶっちゃけコイツが日本のリスナーを【ワルいオタク】にさせやがった（－－；
ドモ安「なんだと！？こんちきしょ～～～～っ！！」
ぶちゃけ 決定的対立 （笑） （＾＾；
ドモ安「こうなりゃ云ってやる！！ 親方！ ・・リクさん、あんた」 リク「なんやねん 云うてみ？」
ドモ安「アンタ・・・ナニが愉しくて《そんなナリして》港の荒くれを気取ってンですかい！？」
モツ焼き屋のカウンター、リクめの事を知っている 何人かのお客が ハっ！！っとした様に 硬直してコッチを見た・・・。
ドモ安「アンタ、姿にそぐわしく 編み物や花でも活けてたらどうなんすか？そのカラダつきして なんか愉しいんですか？ 言わせてもらいますが オレはアンタ、向いてない・・・って思いますよ。今の現場で オレらを統括して指揮するのってのは！周囲からの八発はアンタのカラダだよ！」
日本舞踊ってのはダメかしらん？（笑）（＾＾；
『・・・やば・・・ボッコボコにツブされんぞ あのリーゼント・・・リクがキレたら良くて半ゴロしだワ』そんな 押し殺した声が聞こえてきます。
ドモ安「アンタがオレの扱いのことで苦労してるのはわかりますよ！でもねえ、オレから言わせりゃ アンタの組もクソだっ！荒くれの《粋といなせ》がチっともアンタってヒトにはありゃしない！効率のみが良い 荒くれ仕事のコンビエンス化だあれは！そんなセコい手法で 売り上げＴＯＰ取ったって オレは認めませんヨっ！」
緊迫する店の中・・・ついに一人の客が『おい兄さん・・・それチョっと云い過ぎだ。港の作業現場の近代的改革のオピニオン・リーダーだぞリクさんは』
ドモ安「外野はダマっててくんないっ！？オレは今 このヒトに云ってんだからヨ！どうなんすかリクさんっ！現社長の甥っ子だからって 今後も好き勝手な《改革》とやらの 仲良しごっこ、オンナとか沢山入れて続けるんですかいっ！？」
周囲の皆は固唾を飲んでたけれども、
リク「やっと ホンマの本音が聞けて有意義だったヨ。入ったペーペーの頃 サンザン云われた懐かしいセリフやけど、やっぱそないに思う人間は まだまだ居てはるンやナ」
ふっふっふ オメエ骨アルやないケ♪
ドモ安「だからなんスか？？・・・少なくともオレは 上司にゴマすって 思ってる事をソフトになんか 曲げないっすよ。」
リク「だが ドモ安よ～・・・」 「・・・・・」
「オメエが云う、その・・・《粋といなせ》って概念・・・ぶっちゃけ それって具体的になんやねん？？・・・《数値化》出来るのか？？」 「いや・・・それは・・・」
「まあ わたいが、港の改革者ってより ドッチがいうと破壊者だって意見もわからんでもない。だがナ コレだけは反論すんデ・・・」「・・・・・」
「社長はたしかに叔父貴や。だがナ・・・大学新卒で 今の会社入ろうと思って、試験受けて・・・試験官全員ＯＫなとこ・・・断固反対で結果わたいを落としよったのが 社長なんやデ・・・」 「えっ！？・・・」
「一年間 棒にふったわたいは リベンジとして 次の入社試験でモンク云わせない、クレーンとか、各種の資格取得したんヤ。プライドにかけて云うが、テメエの身内やからって、特別扱いする・・・ンな《甘チャン》な血筋ではナイからヨ ウチとこの一族は・・・今だってナ、ワシと叔父貴 常に戦ってる。理解者であると同時に、最大の敵でもあるんヤ あのヒトは・・・」
「・・・それ知りませんでした・・・でも、やっぱ《不公平》に替わりないすヨ！オレなんか何年やってようと いつまでもペーペー扱い・・アンタは親族ゆえの高待遇、これ思ってるのオレだけじゃないですかね！」
「ベツにかまわん 気にすんな。でも、『ナニゆえ？改革が必要だと』ワシ個人がってより、ワシらの同期世代の人間が行動起こしたか知らんやろ？？・・・ワシなんかが新人の頃、新卒の連中は問答無用で ２年間の《丁稚奉公修行》だったんヤ。大卒のワシらが、毎日 雑巾の如く走り回されコキ使われ ３０名だった同期が ２年
が過ぎる際には 残ったの僅か７名ヤ・・・ 労働基準法もあったモンない扱い、イジられ ボコられ 桟橋から海にブチ込まれる待遇でナ」 「・・・・・」
アレを苦労と呼びたくないが・・キツかったデ・・・
「だから ワシらの世代１つにまとまったの、ワシひとりの改革なんてとんでもない！・・・オレら同期全員はナ、旧態依然とした 港の環境がイヤでたまらんかったンよ、《もうオレらが中心となって、こんな意味のない、封建的【イジメ】はヤメにしようゼ！オレ達がイジメる側になるなんて死んでもゴメンじゃんかっ！！》ってな。ドモ安・・・オメエも港 ケッコー長いけど、オメエなんぞは、同期のランとか、他の同期のヤツらとで成し得た《最初の改革》の後に入ってきてるンや。ワシらの世代とおんなじ苦労してる気でいるなヨ わたいやない 他の人間からボコられんゾ いつか・・・」
一気にショボくれて 肩を落とし ドモ安は帰っていきました。
翌日・・・ハマの港現場に出ますと ドモ安がいません。
ショーゴが「リク上司 ドモ安なんですが・・・」 「うん？おらへんようだが ヤメたんか？？」
「いえ、なんでも当人が言うには 故郷のおとうさんが絶対安静で入院したとかで、今日と明日 休ませて欲しいって」 「そっか それなら仕方あらへんわナ」
・・・その日の昼頃・・・
カズホが慌てまくって「親方！！・・・今、事務所大騒ぎです！！ ど、ドモ安がやっちまいました あのバカ！！」 「なんやて？？」
事務所に駆けつけますと・・・ＴＶ画面に事務所の人間が集まって みんな怒りながら 毒吐いています。
「ど、どないしたん？？」オンエアされてますのは ＮＨＫのお昼の中継番組。
「チョっと！アキレたのなんのって！観てよリクさん ホラ、画面の左 上の端っこの方・・・」言われて観ますと「あ？アレって・・・ドモ安か？？」
画面では とある景色の良い観光地、そこからの生中継でありまして、お笑いのコンビが熱演しておおいに笑わせているのですが、
それ映してます ＴＶカメラ・・・集まってる 野次馬のシロートさんらの その中・・・見間違えるわけもない あのデカ頭に 暑苦しいリーゼント
『ドモ安がゲラゲラと笑いながら【映っている】』＠＠；「中継は千葉県からじゃないですか！ドモ安の故郷は 長野ですよ、モロ、親の危篤ウソだってバレバレじゃん！！」
「許せネエなアイツ・・・ヒトの生き死にでウソぶっこきやがって・・・」「あ？？アイツ、独りじゃねえぞ！オンナ連れてやがるっ！！戻ったら半コロしだ！！」
こ～ゆ～のとクリソツな現象ですよネ？
まさに やっちまった・・・（－－； よりによって サボってオンナ、それもあきらかにドコかの人妻風・・・それ連れた先で ノンキに中継カメラに映ってるドアホがドコにいてんねんっっ！！（そこにいますが：笑）（＾＾；
ですが・・・半面でリクはなんか、安堵する思いもあって。こういった「いかにもマヌケなシッパイ」それをブチかます事で、会社の皆から毛嫌いされてます ドモ安が 周囲と打ち解けるキッカケになるんじゃないかな？？ って。
しかし・・・ツイてないトキにはとことんツイてない・・・ぶっちゃけ もう１つの『シャレにもなんない大騒動』が・・・
ＴＶ中継の場所を明かせません理由・・・ジツは、ドモ安のドアホが 人妻と浮気旅行としゃれて、シケ込んだ 現地の旅館で・・・
ぶっちゃけ 食中毒ならまだいい！！・・・事もあろうに・・・その旅館一体のエリアに 【 法定伝染病 】が発生！！ ＠＠；
も～ただちに 防疫検査部隊が急行してきて、泊り客全員を強制検査。シャレじゃない騒ぎになり・・・。
どエラい事態へ発展・・・
こうなるとホント、シャレではすまない、もしも 検査の結果が『陽性反応』となったなら・・・
それは強制隔離の対象・・・（－－；ドモ安はともかくにも、同行の人妻さんは も～～どエラい家庭争議にもなりかねません・・・。
今にして思うなら 気持ちはわかるがジタバタしないで 検査結果を静かに待つべきだったと思います はい。
ところが・・・ドモ安のバカ 「間違った オトコ気」出しやがりましてン（－－；
ドアホっ！！こういうのを「サル知恵」と云うンじゃ！！
『アンタはココから脱出して逃げて帰れ！後のことは全部オレが引き受けてかぶるから♪』って・・・ドコまでバカなんだコイツ・・・。
法定伝染病保菌者かも知れない 対象の人間がひとりでも消えていなくなったら、どんだけの「未曾有の大騒ぎ」になるかチョっとでも考えたンかっ！？（怒）
マジで 日本中がパニックになりかねない事 ドモ安のドアホは ナンも考えず その人妻 勝手に逃がしちゃって・・・
ほんで、結果として ドモ安は「陰性」だったんです はい。だが・・・・・（－－；
ちゃっかり家に 何食わぬカオして戻った人妻さん・・・これまた運がワルいとゆ～かなんとゆ～か・・・
その人妻さん本人
ではなく・・・『家族が発症しちまった！！』 どっひゃ～～！！
で・・・伝染病の発生地に浮気旅行に行ってた事も、偽名使って旅館に ドモ安と泊まってた事も、伝染病の検査結果が出る前に、逃げ帰ってきたことも 一連で全部バレちゃって（合掌）
ほんだもんで ダレしもが想像できます 悲劇的結果と相成った訳なんで・・・。
その人妻さんの旦那に対して、ぶっちゃけ 本来そんな義理も責任もない・・・ですが『袖刷りあうも他生の縁ヤ、ココで知らん顔はオトコらしくないデ』って、ウチとこ社長の英断で、旦那さんへ数十万円の慰謝料ってより「詫び料」支払い、ドモ安は、『ところ払い』ってことで、ハマの港から永久追放に・・・。
『なぁ 今回ダケは大目にみてやんないか？？ワル気があったって訳でもねえしヨ』って 擁護の声もアルにはあったのでおますが、
お試し採用ではありますが、ドモ安のこと管轄する 親方として、非情なようですが『許すべきではない』って判断しました。
人間は 他人に迷惑をかけ 法に触れて 公序良俗に反するものでない限り『自由』です、でも・・・『責任』が伴わない 自由なんてあってたまるか！
他人お家庭を うっかりミスとはいえ、崩壊させておいて、♂の勲章とばかり、なんのパニッシュメントも追わない そんな奴とは共に働くなんて出来ない・・・。
しかし社長はさすがだった。非情に見えて、ドモ安が 都落ちして流れていく先の港湾に チャンとハナシを通して、貨物関連の仕事にありつけますよう 手配をしたのはさすがでございました♪
最期までウチ解けることも出来ず 互いを認め合うことも出来ず ヘマおかして ハマから消えた ドモ安。
アイツに手紙を書いてみようと思います・・・
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ドモ安よ 元気か？ま 元気はナイかもナ（笑）仕方ないデ、オメエのトンパチから招いた結果ヤ。ダレを恨むこともでけへんデ。
言い忘れていた事が いくつかある。今回ソレを伝えたいと思います。
あの夜 キミ云うたナ？「そのカラダつきでなんか愉しいのか？」って。誤解するな、根に持っているのとはチャウよ。
ぶっちゃけ 愉しい訳あらへんがな、気分はほぼ毎日 鬱っとおしいサ。 でもナ、わたいを支える言葉ってのも チャンと この世には用意されれてナ。
A CREED FOR THOSE WHO HAVE SUFFERED 「悩める人々への銘」
asked God for strength, that I might achieve
was made weak, that I might learn humbly to obey...
「大きなことを成し遂げるために 強さを与えてほしいと神に求めたのに、謙遜を学ぶように 弱さを授かった」
I asked for health, that I might do greater things
I was given infirmity, that I might do better things...
「偉大なことができるようにと健康を求めたのに、よりよきことをするようにと病気を賜った」
I asked for riches, that I might be happy
I was given poverty, that I might be wise...
「幸せになろうとして富を求めたのに、賢明であるようにと貧困を授かった」
I asked for power, that I might have the praise of men
I was given weakness, that I might feel the need of God...
「世の人々の称賛を得ようとして力と成功を求めたのに、得意にならないようにと失敗を授かった」
I asked for all things, that I might enjoy life
I was given life, that I might enjoy all things...
「人生を楽しむためにあらゆるものを求めたのに、あらゆるものを慈しむためにボクは人生を授かったのだ」
I got nothing that I asked for―but everything I had hoped for
Almost despite myself, my unspoken prayers were answered.
I am among all men, most richly blessed!
「求めたものは一つとして与えられなかったが、願いはすべて聞き届けられた。ボクはもっとも豊かに祝福されたのだ」
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なあ ドモ安よ・・・イイ気になってはいけないが、かといって卑屈になり過ぎるのも これもいけないんだ。
オメエはボクに そんなアンタでも生きていく価値があるのかよ？と問いただしが それとてわたいは微塵も恨んだり呪ったりしていない本当だ。だけどもボクは【この世を恨んでなんぞいない】
だが、怒りではなくボクは思うんだ。 こんな【港のリク】であろうと、上を見上げてみろよ、太陽は輝き、誰ひとり差別もせず ボクらを照らしてくれ 同じ時に生きている。
考えてみな？ これ以上の《平等》があるだろうか？ そうではなくなった時 初めて神様に文句垂れればいいだろ？ 我が身の不遇を呪ってクサってばかりいてナンになる？？ それはテメエの影を踏んでいるダケの不毛な行為だ。
他人にわからない所で地道に努力、勉強している人間はいるもんだぞ、それをナニもしない者がヒガんでもみっともないダケやデ キミ自身がいつかは、陰の努力をホメられる人間にならねばつまらんゾ。
キミが何より反省するべきは、自分の勝手な解釈と判断で、結果として １つの家庭を傷つけ崩壊させてしまった その罪深さだ。
キレイ言じゃないよ。この世の常識や良識を超えたところに 恋愛は存在するともいえます、
これも１つの事実として、ボク自身がだ、『法的には人妻』と、数年に渡る 事実婚をしている。
開き直る気は無い、だけど聞いてくれ、現在 相手の婚姻の無効を訴え、裁判で戦っている、一審は勝訴したが、控訴審はまだまだ続く・・・。
「正当性」それを掲げ 戦っている、でもナ・・・常に 「いたたまれなさ」と「贖罪意識」を抱えていてね、
自分でいうのもナンだけど、数多くの《罰》は受けたツモリだ。
相手の婚姻は 納得のいかない、とてもじゃないが肯定できない酷いものだったけど、それでも7ボクは『ひとつの家庭』をば壊してしまった・・・その十字架は否定できない。
キミが責任をとらされ ハマから放逐されたのは、ズル休みでも、不純な恋愛行動でもない。
『天使のように大胆に 悪魔のように慎重に』自分の思い描く 美学をまっとうする事よりも、なぜ そのヒトの立場と、身の上をもっと全方位的に考えてあげなかった？
ワシらの職業、港の現場と なんら替わり無く、『家庭』というものだって、 互いの信頼関係でどうにか・・・その体を成しているんだ、その信頼関係を崩壊させてしまった 罪の深さをこれから時間をかけて自省してみてくれ。
哀しい哉 キミの行動論は、目先１０ｍ その場から逃げ出してさえしまえばどうにかなるって、マッタクの『ガキの論理』だ。それにより１つの破局をもたらせた その十字架は消えませんよ。
しかし、かといって無知を恥じる必要もない キミは充分まだ若い。これからの課題として ゆっくり、深く 自分で考えてみることだ。 また遊びに来い♪
『われわれはみな、旅のみちずれ、小さな宇宙船の乗客いまにも壊れそうなこの船に、十分な配慮と愛情を注ごう』
わたいだって ロックンローラーなんやからヨ♪
音楽はまだまだ捨てたモンじゃない【ロックンロールは終わらないよ！！】
ワルいがワシャ テメエの好みは譲らんガンコ者ぢゃ 最後の お唄も オメエが好む エディ・コクランでわにゃい（笑）
迷惑かも知れんが（＾＾；わたいの好きな ＸＴＣ版の「愛こそはすべて」って曲を贈ります はい♪
ＸＴＣ 【 The Loving 】
All around the world, Every boy and every girl, Need the loving.
The humble and the great, Even those we think we hate, Need the loving.
Soldiers of the Queen, All the hard men that we've seen, Need the loving.
Babies at the breast, Those in power and those suppressed, Need the loving.
Let's face it you just can't hide, Your first taste'll send you reeling,
Like a firework to which we're tied, Be prepared to go through your ceiling now.
The loving's coming, The loving's more than just an ad man's vision.
The loving's strumming, On your heart strings, So loud that you can't help but listen.
Sailors on the seas, Or the clergy on their knees, Need the loving.
All the rich and poor, Even those we fight at war, Need the loving.
That thing that we need most of, That stuff we should try before we've died.
Everyone is begging to be loved, With a free gift, a working heart inside.
The loving's coming, The loving's advertised in all the papers.
The loving's humming, Your favourite song, For once it won't annoy the neighbours.
The loving, the loving. All round the world, Every boy and every girl, Need the loving.
Cold-hearted or warm, Every single person born, Needs the loving.
Way out there in space, Think we'll find that alien race, Needs the loving.
And just to end the list, Everything that could exist, Needs the loving.
The loving's coming!
世界のどこでも、男の子も女の子も、みんな、愛がいるんだ。
ボクが好きなあの子も愛を求めているし 困ったことにボクがキライなあいつも愛を求めている・・・
でもイヤなヤツだってど、やっぱり、愛がいるんだ
泥棒は悪事をしながら愛を求めているし 兵士だって戦争しながら愛を求めている
胸に抱かれた赤ん坊たち、もちろん、愛がいるんだ。
権力のある人たち、公職から追放されている人たち、そんな政治家もやっぱ愛を求めているんだ
さあ、愛を前面に出そうよ！ 隠せは出来ないんだから。
愛を初めて知った時には、ふらついてしまうだろうけどね。
僕らは、打ち上げ花火に括り付けられたようなものなんだ！
もう、天井を突き抜ける覚悟をしなくっちゃ！
直ぐにも愛はやって来る、宣伝マンの口上なんかより、愛を見てご覧。
直ぐにも愛は奏で始める、人の心の琴線を爪弾くんだ！
とっても大きな音だからから、聞かずにはいられないよ。
海の水夫たちに跪いてる僧侶たち、そんな人里からはなれてる人たちだって、やっぱ愛を求めている
お金持ちも貧乏人も、みんな、それに、戦争で戦っている人だって、そんな人たちだって愛を求めている
死ぬまでに、僕たちが何とか手に入れようとするもの、そんなものの中で一番いるもの、それが愛なんだ。
誰もが、愛されたいと思っているんだ、
それで、偽りのないココロがあふれた お返し無用 無償の愛を欲しがっているんだ。
直ぐにも愛はやって来る、全ての新聞に広告が出ているよ。
直ぐにも愛は口ずさみ始める、その人のお気に入りの歌を口ずさむんだ、
だけど、一度だって、お隣さんに迷惑はかけないよ。
世界のどこでも、男の子も女の子も、みんな、愛がいるんだ。
心の冷えきった人だって、温かい人だって誰でも一人で生まれたんだ、
だからこそ だから、人は愛がいる・・・
宇宙に出かけりゃ きっと、異星人に出会うだろうと、僕は信じてるんだけどサ、
そんな時だって、愛はいるんだ ちがうかな？
さてと、一覧表は終わりになりました、男の子女の子から始まって宇宙人まで、
ある筈のものはみんな並べてみました、
それで、それで、誰もみんな、みんな、みんな、愛がいるんだ！！ 愛！！！
愛は、もうすぐやって来る！
http://www.youtube.com/watch?v=FveVGRUFhmU
しばしの間 さらばだ！
元からが ヒトの出入りが多いのは 『港』って地域の持つ１つの特性の様です。
生き方として 人間をカテゴライズするならば、１つの土地にずっと留まり、代を重ねる 土着の民
でも それが出来なくて、土地を離れて 新しい刺激を渇望する『ボヘミアン』それがボクらといえるようです はい。
すっげ～～田舎者のクセして ツッパってて、カッコつけてばかり、おまけに『まるでバカ』なくせして ナルシズムの塊の 若い奴がいまして そいつの まさに《寓話》です。
『オレのことは ビンセント って呼んでくんな♪ ロックンローラーだから俺』
だけども 『ダレがビンセントぢゃアホンダラ！！ ピンセットでつまんだろかワレ！』『呼びたくない・・・』（＾＾； ぶっちゃけそいつは そんなチビすけで、
正直あつくるし～～・・・
ミョ～にデカい 身長にそぐわないデカ頭にポマードべったり・・・１００％似合ってませんリーゼント。グラサンにジーンズ おまけに夏でも皮ジャンって ぶっちゃけアホでした。
北関東訛りのキツいそいつ、早口のくせに ロレツが回ってなくて、いなせなロックンローラー♪ビンセントの筈が ついた通り名が『ドモ安』って 浪曲かヨ（－－； そいつにしたならサンザンの あだ名がついてました。
こいつぁ～シャクだった（＾＾；
こういった連中を総称して 港では『トンパチ』と称されますが、同じトンパチでも、リクめのチームの カズホが全方向的に 仮にシッパイかましても、どこか赦されてしまう 『徳』をもっているトンパチなのに対し、
かわいそうに ドモ安は、素直に謝る事が出来ない・・・先輩の話をまともに聴こうとしない そんな姿勢がうとまれ、かなり毛嫌いされる傾向でした。
学歴よりも 実力が問われる 港湾貨物の現場ではありますが、とにかく頑丈なカラダひとつあればよかった昔の時代とは異なり、
高校を中退 これといった技能資格も持たず、バイクの免許しかない ドモ安のような 若い衆は、ぶっちゃけ いつまで港で仕事してようが、正式な会社雇用の正社員にもなれない いわゆる「永遠の日雇い労働者」でしかない。
こんなのが「おいらはロックンローラー」たって、ぶっちゃけダレもまともに相手しない・・・
なんか細々とバンドを組んで、ハマのライブハウス（？？単なる公開スペースって噂も）で活動してる様ですが、ぶっちゃけ ライブの度にメンバーが替わってる「寄せ集めの芋バンド」・・・。
横浜銀蠅のドラマーか？ ってな観てくれだもんで、ようするに・・・『クチばっかの だっせ～～奴』って 正直 嫌われまくっておりました。
貨物船の中より 貨物を卸し 仕分ける作業、１チームがだいたい１２名が基準で、特定のチームでそれを担当して活動するのが基本なのですが、
ハンパな量とかですと、色々なチームからの 寄せ集めの臨時チーム構成であたる事になり、ドモ安なんぞはいつも、そうした「ハンパ組」での登用、いろんなチーム全般を 渡り歩く・・・というなら 聞こえはイイのでおますが、要するに『ウチとこにワラジ脱げヤ♪』とはけっして誘われない奴・・・。
そして往々にして ドモ安ひとりが 作業開始３０分前になっても 当日の引き取り手がない って事態にしばしばなるのでありました。
『なあ リクちゃんとこのチームに、そろそろ あの ドモ安・・・引き取っちゃくれんだろか？』港の人材の割り振り責任者のヒトから いっつものようにせっつかれまして・・・
「あんな ドモ安みたいな野郎 入れてやるもんか！」って、意外にも強い 港の組の排他的意識もありますし、
もひとつの理由として、親方格にあがり、チームを結成、当初は サンザン周囲より ぶっちゃけ 馬鹿にされ続けたリクめのチーム『変わり者の巣窟チーム』 ですが幸運にも その変わり者らが秀逸の働きでＴＯＰともなり・・・
ドモ安みてえな ヘンなのは、リクんとこでもブッ込んどきゃイイべ♪ って、やはり安直にして差別的な意思があったとも思います はい。
リクめですが、ドモ安をチームに招き入れるにしろ 不安なのは、奴の性格的なものも否定できませんが、もっと仕事での根源的諸問題が・・・
自慢になりますが 我がチーム・・・たしかに 変わり者多いのですが（テメエが云うな！ってのはわかってル：笑）
でも、意外にも・・・高学歴＆各種の技能資格保持者の集まり 同輩ランは薬剤師資格、夜逃げのキンさんは ５ｹ国語堪能で元商社マンの頭脳♪ ロテ公にいたっては 約１７もの言語を通訳なしでＯＫのエキスパートでもアリまして、ドモ安が来たところで、ぶっちゃけ まったくの ロクな技術を持たない下っ端・・・
ローレヴェルの者に構ってるヒマなどない・・・
年齢とスキルからいって 一番下の筈の サバ子やホセなんかより 更に下って扱いに甘んじる事になる、それに耐える根性あんのか？？ってのが不安で。
なんせが 「技能」がありませんから ドモ安・・・港も昨今では 人海戦術頼りの方式で貨物扱うってのは極端に減少していて たとえウチとこチームに所属しようとも、早晩 余剰人員になってしまうのは目に見えてましたから。
可哀想とも思うけど、そういった人員を 飼いコロしとく余裕はございません・・・わたくし 仕事に関してはいっさいの特別扱いなど出来ない いわば頑固者でもあり鬼ですから。
かくゆ～わたいも忙しいのぢゃヨ
本来でしたら 後見役でもある キンさんとゲンさんに 相談するのが筋ですが、あえて・・・チームの同輩のラン、後輩のカズホ、ショーゴらと相談したのですが・・・
結果として・・・リーダーであります このリクめが ドモ安を入れるというならベツに異存は無い。しかし、特定チームに属するって事は その中のナンバーリングには従わなくてはいけない・・・
数ある 港のチームでも、封建的上下関係がイチバン適用されない 自由な風紀のウチのチームとて、守るべき最低限のそれだけは譲れない。
果たして「あのドモ安が」それに素直に追従出来る人間とはどうしても思えない・・・ぶっちゃけ アイツほど下の人間に煙たがられている奴は珍しい、女子からも嫌われている。
何トンにもなる貨物を日々扱うには 技術も有るが、肝心なのはチームの団結と《互いの信頼感》それが期待できない ドモ安を入れることで 大きな事故が起きるような危惧がぬぐえない・・・ということで。
正式な チームメンバーとしてはチョっと問題があり、さりとて 経験年数の長い ドモ安をまったくの新人扱いも・・・ってことで、やや安易な手段でしたが「客分」ってな扱いで、お試し期間として行動を共にするって事になりました。
しかし、やっぱ・・・期待したのがワルかった・・・・・
経験年数がある エキスパート・・・といいたいのですが、要はチカラ仕事で モノを運ぶダケを専門にやってきた・・ってより「それしか出来ない」なんの資格も持ってないのですから。
そういうのを毛嫌いしてる傾向の強い ウチのチームの若い衆らと 仲良く出来るわけがない。
男子には『ったく！ナンだ あのオッサン（って まだ２０代後半ですが）客分って調子コキやがって・・・』女子らにも陰で『ぶっちゃけジャマでしかないよね～～・・・ナンも技能もない人間がウチとこいたって 出る幕ないのにね～～』『なんか 生理的にムリっっ あのタイプは・・・』って、ケッコー冷徹に批判される始末・・・（－－；
ドモ安も「えへへ♪みなさんよろしく頼みます♪」って感じで アタマ下げる事が出来ない人間だからホント 始末に悪い・・・。
たいした内容の仕事もふられてこないもんで、ドモ安がクサっているのは 見ればわかります・・・
わたいは「な？ドモ安よ・・・オメエ フォークリフトの免許取ればいいじゃん？会社から８割近くの補助金ですやん、そうすりゃ ウチの社には、コアラの親方って、大名人がおるんやから、フォークリフト１本でメシ食っていけるスキル身につくでぇ」っと薦めますと・・・
しかし ドモ安は・・・なんやかや 言い訳して全然行動を起こそうとしません （－－；
それでいいのか？？ って、なんとも歯がゆい気持ちで、不満があるなら、最低限度の自己努力をしないでどないするねん？？って、リクだけではない チームの皆も同じ気持ちで・・・。
いつもは 作業そのものは厳しくても、その「ツラさ」を紛らわせるべく、合間合間にバカ話ばっかりして ゲラゲラ笑いあってるボクちんらなんですが、
ぶっちゃけ ドモ安が来るようになって以来、現場で みんな・・・ムスっと黙りこくって 気まずい空気がまん延してきまして・・・。
セカンドチーフにあたる ショーゴに、リクが事務仕事の内勤で居ない時、ドモ安はどうか？と訊きますと・・・
ショーゴ「ぶっちゃけダメっす あのひと・・・。客分ってのをマルで勘違いして・・・オレは親方の次に偉いんだ♪気分でいますもんで、スッカリ チームから浮いてます」「そっかヨ・・・」
ショーゴ「で、あのひとナンの免許もありませんから、安心して任せられるのは、積み置きしたコンテナから、カスタマー様に発送する商品の《仕分け》それっきゃないじゃないですか」「そらそや」
ショーゴ「ったら・・『オレはコンビニのアルバイトじゃねえんだ！こんなオンナ子供の仕事させんな！』ってムクレて・・。自動車免許すら持ってない人間のセリフじゃないって、カズホも怒っちゃってて・・・」
怒ったってしゃあないやんケ・・・
リク「そっかあ・・・しかしナンで？自動車免許ぐらい 取らないンやろか？現代人の必需品やろが。」
ショーゴ「ジツはあいつ 通ってるんですよ、自動車免許の教習所・・・実技に問題はありません、問題は学科・・・ぶっちゃけ 何十回チャレンジしても、仮免許の学科試験にパスしない・・・そのくせ 必死になって勉強しようともしない、『ロックンロールのライブの準備が忙しくてヨ～♪』なんてホザいてますけど ウソだってバレバレです、念に４回ほど・・・季節に１度ぐらい、ライブハウスの お情けで出させて貰ってるって、知らない人間はいません・・・」
・・・う～～ん（－－；まったく 困ったﾁｬﾝもいいとこだナ。努力もしねえでモンクばっかつけてル ダメ人間の典型的タイプやんか・・・。
本来 この手の輩はキライなんですが、縁あっての親方として放置も出来ず ある夕刻の仕事後 ドモ安を連れて 飲みに行きました。
リク「・・・・・あの、正直どないやねん？仕事、ウマくいっとらんように聞いてるけど・・・」
そうしまと ドモ安は、「って、ヤメましょ～ヨ ンな仕事の話は！それより 御あがくの話しません？親方もバンドやってたんでしょ？？」などと話題をそらす。
それでしばらく 音楽、とくに ロックンロールについての話題をかわしたのですが、
すいません・・またまたナマイキ云いますが、いみじくも 音楽、ロックでメシを喰おうと思うならば、自分としてのポリシーは大事です、しかし・・・
最小限度の「営業努力」は必要です、『ウケるという技術』・・・
ごくごく小さなライブハウスで演奏するにしても、テメエが思う 好きな曲 ヤリたい曲ばっかを貫き通すバンドは まずウケません 本当です。
会場人気ってモノを的確冷静につかんでこそ ヒト前でお金をいただくに値する「プロ」でス、その点で 正直 ドモ安の意識は アマチュアの域を脱していなかった。
ドモ安「ま～～オレにいわせると 今のロックは ９９％クソです♪みんな商業主義に魂売り払ってやがって」
なんか、勝手な事ホザいて イイ気になってますコイツ観てますと、なんや知らん ムカっ腹立ってきまして、 まさかボコれませんが、クチでイジメてやろ～って思い（＾＾；
リク「・・・だが それはおかしいとワシャ思うがナ・・・ロックンロールの成り立ちを考えてみな？あのジャンルこそ 近代資本主義の権化・・・社会主義国家に まともなロックバンドあらへんやんか？ロックは反体制の産物って ぶっちゃけ《幻想》だと思うんだナ うん」
最高にリスペクトしてます Ｋ・リチャーズもそう云う♪
早い話 ドモ安は、カート・コバーンや、ＳＥＸピストルズ 反逆で破滅的ロッカーこそが理想形と考え、 リクめは、芸術性と営業売り上げをドチラも同じラインで冷静に考える事の出来ている Ｐマッカートニーがロックの最高峰と考える その決定的違い。
好みは平行線・・・だけどコレは当たり前、他人の好みに迎合するほうのが かえっておかしいし それは姑息だと思う。
リク「とにかくナ～キミの云わはる 無名なほど、日常が悲惨なほど ロックとして《本物だ》ってな意識は、ぶっちゃけ それこそヘンに偏ったヒネクレ者評論家の意見に、根拠も無く追従してるダケの哀れなル信者に過ぎんデ♪」
かなりムっとして ドモ安「じゃあ リク親方は、どういったバンドがいちばんスキなんすか？？」というので
「そうやナ 色々あるけど、いっちゃん 民族的古典と、芸術性、大衆に訴える訴求力、それを ごくナチュラルにマイペースで展開して 粋やな♪って思うのは、英国の XTC ってバンド。《All You Pretty Girls 》って曲なんか何度聴いても飽きないナ」
http://www.youtube.com/watch?v=Nfw1uW8_JWU
ドモ安は「か～～っっ ＸＴＣか・・・ドコいいんですかあんなバンドが！オレなんぞはやっぱ エディ・コクラン《Summertime Blues》コレっきゃないっしょ♪」
http://www.youtube.com/watch?v=MeWC59FJqGc
リク「ワリ～けんど エディ・コクランってのは、ぶっちゃけ 日本人とシンクロする要素あらへんデ・・・文化の土壌がチャウやん、オメエもカタチから入るクチやナ♪スキでもない曲、１番だって挙げるなって」
ありゃりゃ・・・説得するツモリが、ついつい音楽となると 自説を譲らんワルい癖が出ちゃった （－－；
リク「だいたいナ～～オメエ 知っとんのケ？ロックンロールっていわはるけどヨ、アレは１９４０年代末期に、ブルースとカントリーが融合した《本来 黒人の音楽なんやデ》それ知らんでヤってんのやロ♪」
ドモ安「どーもすいませんよ！！こちとら翻訳されたロックしか知りませんもんでね！」
リク「ぶっちゃけ オメエなんざ、ロクに黒人音楽なんざ バカにして聴いておらんのやロ？エディ・コクラン最高♪なんて云ってるヤツほどみんなそ～ヤ。ワシャ 高校出るまでに３０００枚は聴いたデ。オヤジのコレクションやけどナ」
ドモ安「いや・・・オレだって、ブルースとか、リスペクトしてますよ。白人に虐げられ 差別された黒人が逞しく・・・」
リク「あ？その概念こそが 日本の音楽雑誌記者に完全に毒された見解やて♪ あのナ、近代ブルースの始祖と呼ばれる レッド・ベリー・・・『ミッドナイトスペシャル』って名曲知ってるだろ？レッド・ベリーなんざ ぶっちゃけ 殺人罪で３３年間も刑務所におった 極悪人やデ、ブルースやってる黒人はイイ人間だなんて幻想もいいとこ♪リトル・ウォルターは、ヤク中 アル中 強姦魔の３拍子！チャック・ベリーは白人のロリコンってことで何回も刑務所ブチ込まれ・・・マディ・ウォータースも、生前にワシ サイン貰ったンやけど、ぶっちゃけ テメエの名前のスペルを間違えて書くインテリジェンスのカケラもないオッサンやったド♪ロクでもない奴ばっかヤ リスペクトなんぞするだけムダムダ！！あくまで《作品》を評価すればエエんやて。」
音楽アーチストなんざ「ろくでなし」で充分なんだってば♪
ヂモ安「・・・くっっ！！ 他人のリスペクト感情貶して面白いんですか！？いいじゃないですかっ！日本の良識あるライターが 敬意を込めて、翻訳して ロックを広めたんだから！」
リク「その《翻訳されたロック》そのものがどエラい《間違い》だったって、最近の検証であきらかになっとんヤ。ボ・ディドリーとか、クッキー＆ＣＵＰケイクス とかマルで知らんやロ？ま、いうなら 演歌は 美空ひばりしか知りませ～ん ってなヤツとイッショやで♪基礎的な勉強てんで足らんナ オメエ」
ぶっちゃけコイツが日本のリスナーを【ワルいオタク】にさせやがった（－－；
ドモ安「なんだと！？こんちきしょ～～～～っ！！」
ぶちゃけ 決定的対立 （笑） （＾＾；
ドモ安「こうなりゃ云ってやる！！ 親方！ ・・リクさん、あんた」 リク「なんやねん 云うてみ？」
ドモ安「アンタ・・・ナニが愉しくて《そんなナリして》港の荒くれを気取ってンですかい！？」
モツ焼き屋のカウンター、リクめの事を知っている 何人かのお客が ハっ！！っとした様に 硬直してコッチを見た・・・。
ドモ安「アンタ、姿にそぐわしく 編み物や花でも活けてたらどうなんすか？そのカラダつきして なんか愉しいんですか？ 言わせてもらいますが オレはアンタ、向いてない・・・って思いますよ。今の現場で オレらを統括して指揮するのってのは！周囲からの八発はアンタのカラダだよ！」
日本舞踊ってのはダメかしらん？（笑）（＾＾；
『・・・やば・・・ボッコボコにツブされんぞ あのリーゼント・・・リクがキレたら良くて半ゴロしだワ』そんな 押し殺した声が聞こえてきます。
ドモ安「アンタがオレの扱いのことで苦労してるのはわかりますよ！でもねえ、オレから言わせりゃ アンタの組もクソだっ！荒くれの《粋といなせ》がチっともアンタってヒトにはありゃしない！効率のみが良い 荒くれ仕事のコンビエンス化だあれは！そんなセコい手法で 売り上げＴＯＰ取ったって オレは認めませんヨっ！」
緊迫する店の中・・・ついに一人の客が『おい兄さん・・・それチョっと云い過ぎだ。港の作業現場の近代的改革のオピニオン・リーダーだぞリクさんは』
ドモ安「外野はダマっててくんないっ！？オレは今 このヒトに云ってんだからヨ！どうなんすかリクさんっ！現社長の甥っ子だからって 今後も好き勝手な《改革》とやらの 仲良しごっこ、オンナとか沢山入れて続けるんですかいっ！？」
周囲の皆は固唾を飲んでたけれども、
リク「やっと ホンマの本音が聞けて有意義だったヨ。入ったペーペーの頃 サンザン云われた懐かしいセリフやけど、やっぱそないに思う人間は まだまだ居てはるンやナ」
ふっふっふ オメエ骨アルやないケ♪
ドモ安「だからなんスか？？・・・少なくともオレは 上司にゴマすって 思ってる事をソフトになんか 曲げないっすよ。」
リク「だが ドモ安よ～・・・」 「・・・・・」
「オメエが云う、その・・・《粋といなせ》って概念・・・ぶっちゃけ それって具体的になんやねん？？・・・《数値化》出来るのか？？」 「いや・・・それは・・・」
「まあ わたいが、港の改革者ってより ドッチがいうと破壊者だって意見もわからんでもない。だがナ コレだけは反論すんデ・・・」「・・・・・」
「社長はたしかに叔父貴や。だがナ・・・大学新卒で 今の会社入ろうと思って、試験受けて・・・試験官全員ＯＫなとこ・・・断固反対で結果わたいを落としよったのが 社長なんやデ・・・」 「えっ！？・・・」
「一年間 棒にふったわたいは リベンジとして 次の入社試験でモンク云わせない、クレーンとか、各種の資格取得したんヤ。プライドにかけて云うが、テメエの身内やからって、特別扱いする・・・ンな《甘チャン》な血筋ではナイからヨ ウチとこの一族は・・・今だってナ、ワシと叔父貴 常に戦ってる。理解者であると同時に、最大の敵でもあるんヤ あのヒトは・・・」
「・・・それ知りませんでした・・・でも、やっぱ《不公平》に替わりないすヨ！オレなんか何年やってようと いつまでもペーペー扱い・・アンタは親族ゆえの高待遇、これ思ってるのオレだけじゃないですかね！」
「ベツにかまわん 気にすんな。でも、『ナニゆえ？改革が必要だと』ワシ個人がってより、ワシらの同期世代の人間が行動起こしたか知らんやろ？？・・・ワシなんかが新人の頃、新卒の連中は問答無用で ２年間の《丁稚奉公修行》だったんヤ。大卒のワシらが、毎日 雑巾の如く走り回されコキ使われ ３０名だった同期が ２年
が過ぎる際には 残ったの僅か７名ヤ・・・ 労働基準法もあったモンない扱い、イジられ ボコられ 桟橋から海にブチ込まれる待遇でナ」 「・・・・・」
アレを苦労と呼びたくないが・・キツかったデ・・・
「だから ワシらの世代１つにまとまったの、ワシひとりの改革なんてとんでもない！・・・オレら同期全員はナ、旧態依然とした 港の環境がイヤでたまらんかったンよ、《もうオレらが中心となって、こんな意味のない、封建的【イジメ】はヤメにしようゼ！オレ達がイジメる側になるなんて死んでもゴメンじゃんかっ！！》ってな。ドモ安・・・オメエも港 ケッコー長いけど、オメエなんぞは、同期のランとか、他の同期のヤツらとで成し得た《最初の改革》の後に入ってきてるンや。ワシらの世代とおんなじ苦労してる気でいるなヨ わたいやない 他の人間からボコられんゾ いつか・・・」
一気にショボくれて 肩を落とし ドモ安は帰っていきました。
翌日・・・ハマの港現場に出ますと ドモ安がいません。
ショーゴが「リク上司 ドモ安なんですが・・・」 「うん？おらへんようだが ヤメたんか？？」
「いえ、なんでも当人が言うには 故郷のおとうさんが絶対安静で入院したとかで、今日と明日 休ませて欲しいって」 「そっか それなら仕方あらへんわナ」
・・・その日の昼頃・・・
カズホが慌てまくって「親方！！・・・今、事務所大騒ぎです！！ ど、ドモ安がやっちまいました あのバカ！！」 「なんやて？？」
事務所に駆けつけますと・・・ＴＶ画面に事務所の人間が集まって みんな怒りながら 毒吐いています。
「ど、どないしたん？？」オンエアされてますのは ＮＨＫのお昼の中継番組。
「チョっと！アキレたのなんのって！観てよリクさん ホラ、画面の左 上の端っこの方・・・」言われて観ますと「あ？アレって・・・ドモ安か？？」
画面では とある景色の良い観光地、そこからの生中継でありまして、お笑いのコンビが熱演しておおいに笑わせているのですが、
それ映してます ＴＶカメラ・・・集まってる 野次馬のシロートさんらの その中・・・見間違えるわけもない あのデカ頭に 暑苦しいリーゼント
『ドモ安がゲラゲラと笑いながら【映っている】』＠＠；「中継は千葉県からじゃないですか！ドモ安の故郷は 長野ですよ、モロ、親の危篤ウソだってバレバレじゃん！！」
「許せネエなアイツ・・・ヒトの生き死にでウソぶっこきやがって・・・」「あ？？アイツ、独りじゃねえぞ！オンナ連れてやがるっ！！戻ったら半コロしだ！！」
こ～ゆ～のとクリソツな現象ですよネ？
まさに やっちまった・・・（－－； よりによって サボってオンナ、それもあきらかにドコかの人妻風・・・それ連れた先で ノンキに中継カメラに映ってるドアホがドコにいてんねんっっ！！（そこにいますが：笑）（＾＾；
ですが・・・半面でリクはなんか、安堵する思いもあって。こういった「いかにもマヌケなシッパイ」それをブチかます事で、会社の皆から毛嫌いされてます ドモ安が 周囲と打ち解けるキッカケになるんじゃないかな？？ って。
しかし・・・ツイてないトキにはとことんツイてない・・・ぶっちゃけ もう１つの『シャレにもなんない大騒動』が・・・
ＴＶ中継の場所を明かせません理由・・・ジツは、ドモ安のドアホが 人妻と浮気旅行としゃれて、シケ込んだ 現地の旅館で・・・
ぶっちゃけ 食中毒ならまだいい！！・・・事もあろうに・・・その旅館一体のエリアに 【 法定伝染病 】が発生！！ ＠＠；
も～ただちに 防疫検査部隊が急行してきて、泊り客全員を強制検査。シャレじゃない騒ぎになり・・・。
どエラい事態へ発展・・・
こうなるとホント、シャレではすまない、もしも 検査の結果が『陽性反応』となったなら・・・
それは強制隔離の対象・・・（－－；ドモ安はともかくにも、同行の人妻さんは も～～どエラい家庭争議にもなりかねません・・・。
今にして思うなら 気持ちはわかるがジタバタしないで 検査結果を静かに待つべきだったと思います はい。
ところが・・・ドモ安のバカ 「間違った オトコ気」出しやがりましてン（－－；
ドアホっ！！こういうのを「サル知恵」と云うンじゃ！！
『アンタはココから脱出して逃げて帰れ！後のことは全部オレが引き受けてかぶるから♪』って・・・ドコまでバカなんだコイツ・・・。
法定伝染病保菌者かも知れない 対象の人間がひとりでも消えていなくなったら、どんだけの「未曾有の大騒ぎ」になるかチョっとでも考えたンかっ！？（怒）
マジで 日本中がパニックになりかねない事 ドモ安のドアホは ナンも考えず その人妻 勝手に逃がしちゃって・・・
ほんで、結果として ドモ安は「陰性」だったんです はい。だが・・・・・（－－；
ちゃっかり家に 何食わぬカオして戻った人妻さん・・・これまた運がワルいとゆ～かなんとゆ～か・・・
その人妻さん本人
ではなく・・・『家族が発症しちまった！！』 どっひゃ～～！！
で・・・伝染病の発生地に浮気旅行に行ってた事も、偽名使って旅館に ドモ安と泊まってた事も、伝染病の検査結果が出る前に、逃げ帰ってきたことも 一連で全部バレちゃって（合掌）
ほんだもんで ダレしもが想像できます 悲劇的結果と相成った訳なんで・・・。
その人妻さんの旦那に対して、ぶっちゃけ 本来そんな義理も責任もない・・・ですが『袖刷りあうも他生の縁ヤ、ココで知らん顔はオトコらしくないデ』って、ウチとこ社長の英断で、旦那さんへ数十万円の慰謝料ってより「詫び料」支払い、ドモ安は、『ところ払い』ってことで、ハマの港から永久追放に・・・。
『なぁ 今回ダケは大目にみてやんないか？？ワル気があったって訳でもねえしヨ』って 擁護の声もアルにはあったのでおますが、
お試し採用ではありますが、ドモ安のこと管轄する 親方として、非情なようですが『許すべきではない』って判断しました。
人間は 他人に迷惑をかけ 法に触れて 公序良俗に反するものでない限り『自由』です、でも・・・『責任』が伴わない 自由なんてあってたまるか！
他人お家庭を うっかりミスとはいえ、崩壊させておいて、♂の勲章とばかり、なんのパニッシュメントも追わない そんな奴とは共に働くなんて出来ない・・・。
しかし社長はさすがだった。非情に見えて、ドモ安が 都落ちして流れていく先の港湾に チャンとハナシを通して、貨物関連の仕事にありつけますよう 手配をしたのはさすがでございました♪
最期までウチ解けることも出来ず 互いを認め合うことも出来ず ヘマおかして ハマから消えた ドモ安。
アイツに手紙を書いてみようと思います・・・
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ドモ安よ 元気か？ま 元気はナイかもナ（笑）仕方ないデ、オメエのトンパチから招いた結果ヤ。ダレを恨むこともでけへんデ。
言い忘れていた事が いくつかある。今回ソレを伝えたいと思います。
あの夜 キミ云うたナ？「そのカラダつきでなんか愉しいのか？」って。誤解するな、根に持っているのとはチャウよ。
ぶっちゃけ 愉しい訳あらへんがな、気分はほぼ毎日 鬱っとおしいサ。 でもナ、わたいを支える言葉ってのも チャンと この世には用意されれてナ。
A CREED FOR THOSE WHO HAVE SUFFERED 「悩める人々への銘」
asked God for strength, that I might achieve
was made weak, that I might learn humbly to obey...
「大きなことを成し遂げるために 強さを与えてほしいと神に求めたのに、謙遜を学ぶように 弱さを授かった」
I asked for health, that I might do greater things
I was given infirmity, that I might do better things...
「偉大なことができるようにと健康を求めたのに、よりよきことをするようにと病気を賜った」
I asked for riches, that I might be happy
I was given poverty, that I might be wise...
「幸せになろうとして富を求めたのに、賢明であるようにと貧困を授かった」
I asked for power, that I might have the praise of men
I was given weakness, that I might feel the need of God...
「世の人々の称賛を得ようとして力と成功を求めたのに、得意にならないようにと失敗を授かった」
I asked for all things, that I might enjoy life
I was given life, that I might enjoy all things...
「人生を楽しむためにあらゆるものを求めたのに、あらゆるものを慈しむためにボクは人生を授かったのだ」
I got nothing that I asked for―but everything I had hoped for
Almost despite myself, my unspoken prayers were answered.
I am among all men, most richly blessed!
「求めたものは一つとして与えられなかったが、願いはすべて聞き届けられた。ボクはもっとも豊かに祝福されたのだ」
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なあ ドモ安よ・・・イイ気になってはいけないが、かといって卑屈になり過ぎるのも これもいけないんだ。
オメエはボクに そんなアンタでも生きていく価値があるのかよ？と問いただしが それとてわたいは微塵も恨んだり呪ったりしていない本当だ。だけどもボクは【この世を恨んでなんぞいない】
だが、怒りではなくボクは思うんだ。 こんな【港のリク】であろうと、上を見上げてみろよ、太陽は輝き、誰ひとり差別もせず ボクらを照らしてくれ 同じ時に生きている。
考えてみな？ これ以上の《平等》があるだろうか？ そうではなくなった時 初めて神様に文句垂れればいいだろ？ 我が身の不遇を呪ってクサってばかりいてナンになる？？ それはテメエの影を踏んでいるダケの不毛な行為だ。
他人にわからない所で地道に努力、勉強している人間はいるもんだぞ、それをナニもしない者がヒガんでもみっともないダケやデ キミ自身がいつかは、陰の努力をホメられる人間にならねばつまらんゾ。
キミが何より反省するべきは、自分の勝手な解釈と判断で、結果として １つの家庭を傷つけ崩壊させてしまった その罪深さだ。
キレイ言じゃないよ。この世の常識や良識を超えたところに 恋愛は存在するともいえます、
これも１つの事実として、ボク自身がだ、『法的には人妻』と、数年に渡る 事実婚をしている。
開き直る気は無い、だけど聞いてくれ、現在 相手の婚姻の無効を訴え、裁判で戦っている、一審は勝訴したが、控訴審はまだまだ続く・・・。
「正当性」それを掲げ 戦っている、でもナ・・・常に 「いたたまれなさ」と「贖罪意識」を抱えていてね、
自分でいうのもナンだけど、数多くの《罰》は受けたツモリだ。
相手の婚姻は 納得のいかない、とてもじゃないが肯定できない酷いものだったけど、それでも7ボクは『ひとつの家庭』をば壊してしまった・・・その十字架は否定できない。
キミが責任をとらされ ハマから放逐されたのは、ズル休みでも、不純な恋愛行動でもない。
『天使のように大胆に 悪魔のように慎重に』自分の思い描く 美学をまっとうする事よりも、なぜ そのヒトの立場と、身の上をもっと全方位的に考えてあげなかった？
ワシらの職業、港の現場と なんら替わり無く、『家庭』というものだって、 互いの信頼関係でどうにか・・・その体を成しているんだ、その信頼関係を崩壊させてしまった 罪の深さをこれから時間をかけて自省してみてくれ。
哀しい哉 キミの行動論は、目先１０ｍ その場から逃げ出してさえしまえばどうにかなるって、マッタクの『ガキの論理』だ。それにより１つの破局をもたらせた その十字架は消えませんよ。
しかし、かといって無知を恥じる必要もない キミは充分まだ若い。これからの課題として ゆっくり、深く 自分で考えてみることだ。 また遊びに来い♪
『われわれはみな、旅のみちずれ、小さな宇宙船の乗客いまにも壊れそうなこの船に、十分な配慮と愛情を注ごう』
わたいだって ロックンローラーなんやからヨ♪
音楽はまだまだ捨てたモンじゃない【ロックンロールは終わらないよ！！】
ワルいがワシャ テメエの好みは譲らんガンコ者ぢゃ 最後の お唄も オメエが好む エディ・コクランでわにゃい（笑）
迷惑かも知れんが（＾＾；わたいの好きな ＸＴＣ版の「愛こそはすべて」って曲を贈ります はい♪
ＸＴＣ 【 The Loving 】
All around the world, Every boy and every girl, Need the loving.
The humble and the great, Even those we think we hate, Need the loving.
Soldiers of the Queen, All the hard men that we've seen, Need the loving.
Babies at the breast, Those in power and those suppressed, Need the loving.
Let's face it you just can't hide, Your first taste'll send you reeling,
Like a firework to which we're tied, Be prepared to go through your ceiling now.
The loving's coming, The loving's more than just an ad man's vision.
The loving's strumming, On your heart strings, So loud that you can't help but listen.
Sailors on the seas, Or the clergy on their knees, Need the loving.
All the rich and poor, Even those we fight at war, Need the loving.
That thing that we need most of, That stuff we should try before we've died.
Everyone is begging to be loved, With a free gift, a working heart inside.
The loving's coming, The loving's advertised in all the papers.
The loving's humming, Your favourite song, For once it won't annoy the neighbours.
The loving, the loving. All round the world, Every boy and every girl, Need the loving.
Cold-hearted or warm, Every single person born, Needs the loving.
Way out there in space, Think we'll find that alien race, Needs the loving.
And just to end the list, Everything that could exist, Needs the loving.
The loving's coming!
世界のどこでも、男の子も女の子も、みんな、愛がいるんだ。
ボクが好きなあの子も愛を求めているし 困ったことにボクがキライなあいつも愛を求めている・・・
でもイヤなヤツだってど、やっぱり、愛がいるんだ
泥棒は悪事をしながら愛を求めているし 兵士だって戦争しながら愛を求めている
胸に抱かれた赤ん坊たち、もちろん、愛がいるんだ。
権力のある人たち、公職から追放されている人たち、そんな政治家もやっぱ愛を求めているんだ
さあ、愛を前面に出そうよ！ 隠せは出来ないんだから。
愛を初めて知った時には、ふらついてしまうだろうけどね。
僕らは、打ち上げ花火に括り付けられたようなものなんだ！
もう、天井を突き抜ける覚悟をしなくっちゃ！
直ぐにも愛はやって来る、宣伝マンの口上なんかより、愛を見てご覧。
直ぐにも愛は奏で始める、人の心の琴線を爪弾くんだ！
とっても大きな音だからから、聞かずにはいられないよ。
海の水夫たちに跪いてる僧侶たち、そんな人里からはなれてる人たちだって、やっぱ愛を求めている
お金持ちも貧乏人も、みんな、それに、戦争で戦っている人だって、そんな人たちだって愛を求めている
死ぬまでに、僕たちが何とか手に入れようとするもの、そんなものの中で一番いるもの、それが愛なんだ。
誰もが、愛されたいと思っているんだ、
それで、偽りのないココロがあふれた お返し無用 無償の愛を欲しがっているんだ。
直ぐにも愛はやって来る、全ての新聞に広告が出ているよ。
直ぐにも愛は口ずさみ始める、その人のお気に入りの歌を口ずさむんだ、
だけど、一度だって、お隣さんに迷惑はかけないよ。
世界のどこでも、男の子も女の子も、みんな、愛がいるんだ。
心の冷えきった人だって、温かい人だって誰でも一人で生まれたんだ、
だからこそ だから、人は愛がいる・・・
宇宙に出かけりゃ きっと、異星人に出会うだろうと、僕は信じてるんだけどサ、
そんな時だって、愛はいるんだ ちがうかな？
さてと、一覧表は終わりになりました、男の子女の子から始まって宇宙人まで、
ある筈のものはみんな並べてみました、
それで、それで、誰もみんな、みんな、みんな、愛がいるんだ！！ 愛！！！
愛は、もうすぐやって来る！
http://www.youtube.com/watch?v=FveVGRUFhmU
しばしの間 さらばだ！
